Signal ~つたえるあいず~

霧嶋絢美

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第1章

地獄の居残り

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「珠夕、頑張ってね!」


と、芽似に言われたのは何時間前だったかな。



「こら!よそ見しない!考え事しない!目の前のことに集中!」


『は、はいぃ!!』


「はい!ここは(a+b+c)r/2=ab/2になります!」


『はい!書きます!』


こうなったのは、数時間前のことだ…


放課後残っていろと言われた私は素直に残ってた。
だが、それが間違いだった…。
すぐに帰っておけばこんな事にはならなかったのに…。



「あ、珠夕さん、本当に残ってくれてたんですね。」


『先生が言ったからね…。』


「ははは。さぁ、僕はなぜ珠夕さんを残したでしょうか。」


『えー…、説教のため?』


「うーん、少し違いますね。正解は、あなたに数学を教えるためです♪」


…嘘だろ。



『帰ります。さような…』


ガシッ


なにかに腕をつかまれた。
先生の手だ…。うわぁ。捕まった。



「帰しませんよ?三平方の定理を理解するまで。」


 『嘘でしょ…』


と、今に至る。泣きたい。本当に泣きたい。


「はぁ、やっと3問目ですね。これじゃ夜までかかりますよ。」


『今日は帰りましょうよ…。もう、お昼です。お腹空きました。』


「まだ2時間しかやってませんけど。」


『ご飯食べたらやる気が出ます。』


「仕方ないですねぇ。行きますよ。あとでたっぷりとやりますからね。」


『は、はい…。』
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