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第1章
最終話 ~誕生日。美凪からお手製のケーキを振る舞われた件~ 後編
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最終話
後編
自室で身支度を整えていると、ふと思い出すことがあった。
「そう言えば、幸也と奏の誕生日プレゼントを確認してなかったな」
出来うる限りのオシャレをして、髪型もしっかりと整える。
鏡の前で見る自分は、それなりにかっこよく出来てると思えた。
そして、俺は居間へと向かい、カバンの中に入れていた二人の誕生日プレゼントを取り出す。
「小さい箱が二つ。幸也のはなんか飲み物みたいなんだよな」
幸也の方を開けると……
「超絶ビンビンマムシドリンク……ホントあいつ。何考えてんだよ……」
飲んだらビンビンになるアレだった。
そして、何となく嫌な予感をしながら、奏の方を開けると
「0.01mm……極薄の快感を……はぁ……馬鹿なんじゃないかな……」
誕生日プレゼントとしてこんなものを渡される人間の身にもなれよ……
とりあえず俺は貰ったドリンクは冷蔵庫の中に入れておき、避妊具は……ポケットの中に入れて置いた。
ま、万が一があるかもしれないからな!!
そして、俺は自分の部屋に鍵をかけてから、隣の美凪の部屋へと向かう。
手には彼女から貰った合鍵がある。
やべぇ……緊張してきた。
ガチャリ
俺は震える手で玄関の扉の鍵を開ける。
そして、扉を開けて中に入る
すると、
パーーーーン!!!!
「うおおお!!!???」
「あはは!!おどろきましたか?」
クラッカーを鳴らされて、俺はかなり驚いた。
「去年のクリスマスパーティーで使ったものが一個だけ残ってるのを思い出したんです。ちゃんと鳴って良かったです」
「俺はかなり驚いたよ……」
俺がそう言うと、美凪は楽しそうに笑った。
「ようこそおいで下さいました。お上がりください」
「お邪魔します」
「隣人さんの格好。良くお似合いですよ。とてもかっこいいですね」
「ありがとうよ。そう言ってくれると嬉しいよ」
そんな話をしながら居間へと向かう。
そして、テーブルの上にはケーキが置いてあった。
スポンジの上にたっぷりとクリームを塗り、果物とチョコレートがふんだんにあしらわれている。
控えめに言ってめちゃくちゃ美味そうだった。
「こ、これをお前が作ったのか?」
「はい!!」
「す、すげぇ嬉しい……ありがとう、美凪」
「ふふーん!!美凪優花ちゃんお手製スペシャルケーキは見た目だけじゃなくて味も美味しいと確信しています!!紅茶を入れてありますので飲みながら食べましょう!!」
そして、包丁で切り分けられてケーキを皿の上に乗せ、美凪の用意してくれた紅茶をカップに注ぐ。
「では食べましょうか!!」
「おう!!」
俺たちは先程と同じように「いただきます」と声を揃えてから、ケーキを食べた。
「…………うめぇ」
たっぷりのクリームと果物とチョコレートとスポンジケーキが織り成すハーモニー。
美味しい以外の感想が出てこない。
「ふふふ。クリームが口の横についてますよ?」
「……あ」
美凪はそう言うと、俺の口の横のクリームを指で取り、
「あむ」
「……おい」
自分の口に入れた。
「ふふふ。どうです?恥ずかしい気持ちがわかりましたか?」
「そうだな。かなりの辱めを受けたよ」
そんなことを話しながら、俺は美凪の作ってくれたケーキを食べていく。
かなりの量があったはずだが、俺はそれを食べきった。
「…………ありがとう、美凪。とても美味しかったよ」
「ふふふ。そう言って貰えると嬉しいです」
美凪はそう言うと、微笑みを浮かべていた。
彼女を可愛いと思うことは何度もあった。だが、今はとても綺麗だ。俺はそう思った。
まったりとした時間が部屋に流れる。
紅茶を一口飲んだ俺に、美凪は言った。
「隣人さん。ありがとうございます」
「……気にすんなよ。それに、お礼ならこうしてたっぷりと貰ったよ」
俺はそう言って、美凪に笑いかけた。
そんな俺を見て、彼女は微笑みを浮かべながら、言った。
「お誕生日おめでとうございます『凛太郎』さん」
「………………え?」
今、名前で呼ばなかったか?
「ふふふ。どうしましたか『隣人』さん。ボーッとしてませんか?」
キョトンとしていた俺を、美凪はそう言って笑っていた。
はぁ……やられたな。これは一本取られたわ。
「いや、何でもない。素敵な誕生日プレゼントをありがとう。手作りケーキはすごく美味しかったよ『優花』」
「…………え?」
キョトンとした表情の美凪に、俺は笑う。
「あはは。どうかしたのか『美凪』?」
そういった俺に、美凪は頬を膨らませる。
「むーー!!!!からかいましたね、隣人さん!!」
「先に仕掛けてきたのはそっちだろ?」
「そ、それはそうですけど。私は良いんです!!」
「あはは。それは横暴だろ」
本当に、こいつと話してると楽しいと思う。
こんな時間がいつまでも過ごせたら幸せだよな。
まぁ、こういうやり取りがこいつと毎日出来るのなら、腹ぺこお嬢様の飯使いも、悪くないな。
ほっぺを膨らませながら抗議をする美凪を見ながら、俺はそう思った。
最終話 ~誕生日。美凪からお手製のケーキを振る舞われた件~
~完~
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後編
自室で身支度を整えていると、ふと思い出すことがあった。
「そう言えば、幸也と奏の誕生日プレゼントを確認してなかったな」
出来うる限りのオシャレをして、髪型もしっかりと整える。
鏡の前で見る自分は、それなりにかっこよく出来てると思えた。
そして、俺は居間へと向かい、カバンの中に入れていた二人の誕生日プレゼントを取り出す。
「小さい箱が二つ。幸也のはなんか飲み物みたいなんだよな」
幸也の方を開けると……
「超絶ビンビンマムシドリンク……ホントあいつ。何考えてんだよ……」
飲んだらビンビンになるアレだった。
そして、何となく嫌な予感をしながら、奏の方を開けると
「0.01mm……極薄の快感を……はぁ……馬鹿なんじゃないかな……」
誕生日プレゼントとしてこんなものを渡される人間の身にもなれよ……
とりあえず俺は貰ったドリンクは冷蔵庫の中に入れておき、避妊具は……ポケットの中に入れて置いた。
ま、万が一があるかもしれないからな!!
そして、俺は自分の部屋に鍵をかけてから、隣の美凪の部屋へと向かう。
手には彼女から貰った合鍵がある。
やべぇ……緊張してきた。
ガチャリ
俺は震える手で玄関の扉の鍵を開ける。
そして、扉を開けて中に入る
すると、
パーーーーン!!!!
「うおおお!!!???」
「あはは!!おどろきましたか?」
クラッカーを鳴らされて、俺はかなり驚いた。
「去年のクリスマスパーティーで使ったものが一個だけ残ってるのを思い出したんです。ちゃんと鳴って良かったです」
「俺はかなり驚いたよ……」
俺がそう言うと、美凪は楽しそうに笑った。
「ようこそおいで下さいました。お上がりください」
「お邪魔します」
「隣人さんの格好。良くお似合いですよ。とてもかっこいいですね」
「ありがとうよ。そう言ってくれると嬉しいよ」
そんな話をしながら居間へと向かう。
そして、テーブルの上にはケーキが置いてあった。
スポンジの上にたっぷりとクリームを塗り、果物とチョコレートがふんだんにあしらわれている。
控えめに言ってめちゃくちゃ美味そうだった。
「こ、これをお前が作ったのか?」
「はい!!」
「す、すげぇ嬉しい……ありがとう、美凪」
「ふふーん!!美凪優花ちゃんお手製スペシャルケーキは見た目だけじゃなくて味も美味しいと確信しています!!紅茶を入れてありますので飲みながら食べましょう!!」
そして、包丁で切り分けられてケーキを皿の上に乗せ、美凪の用意してくれた紅茶をカップに注ぐ。
「では食べましょうか!!」
「おう!!」
俺たちは先程と同じように「いただきます」と声を揃えてから、ケーキを食べた。
「…………うめぇ」
たっぷりのクリームと果物とチョコレートとスポンジケーキが織り成すハーモニー。
美味しい以外の感想が出てこない。
「ふふふ。クリームが口の横についてますよ?」
「……あ」
美凪はそう言うと、俺の口の横のクリームを指で取り、
「あむ」
「……おい」
自分の口に入れた。
「ふふふ。どうです?恥ずかしい気持ちがわかりましたか?」
「そうだな。かなりの辱めを受けたよ」
そんなことを話しながら、俺は美凪の作ってくれたケーキを食べていく。
かなりの量があったはずだが、俺はそれを食べきった。
「…………ありがとう、美凪。とても美味しかったよ」
「ふふふ。そう言って貰えると嬉しいです」
美凪はそう言うと、微笑みを浮かべていた。
彼女を可愛いと思うことは何度もあった。だが、今はとても綺麗だ。俺はそう思った。
まったりとした時間が部屋に流れる。
紅茶を一口飲んだ俺に、美凪は言った。
「隣人さん。ありがとうございます」
「……気にすんなよ。それに、お礼ならこうしてたっぷりと貰ったよ」
俺はそう言って、美凪に笑いかけた。
そんな俺を見て、彼女は微笑みを浮かべながら、言った。
「お誕生日おめでとうございます『凛太郎』さん」
「………………え?」
今、名前で呼ばなかったか?
「ふふふ。どうしましたか『隣人』さん。ボーッとしてませんか?」
キョトンとしていた俺を、美凪はそう言って笑っていた。
はぁ……やられたな。これは一本取られたわ。
「いや、何でもない。素敵な誕生日プレゼントをありがとう。手作りケーキはすごく美味しかったよ『優花』」
「…………え?」
キョトンとした表情の美凪に、俺は笑う。
「あはは。どうかしたのか『美凪』?」
そういった俺に、美凪は頬を膨らませる。
「むーー!!!!からかいましたね、隣人さん!!」
「先に仕掛けてきたのはそっちだろ?」
「そ、それはそうですけど。私は良いんです!!」
「あはは。それは横暴だろ」
本当に、こいつと話してると楽しいと思う。
こんな時間がいつまでも過ごせたら幸せだよな。
まぁ、こういうやり取りがこいつと毎日出来るのなら、腹ぺこお嬢様の飯使いも、悪くないな。
ほっぺを膨らませながら抗議をする美凪を見ながら、俺はそう思った。
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