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第2章
第二十一話 ~何故か猫のハーレムを築いて居ると、美凪が拗ねてしまった件~
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第二十一話
食事を終えた俺と美凪は、店員さんを呼んで食後の飲み物を貰った。
そして、俺たちは店員さんから猫と戯れるにあたっての諸注意を受けていた。
「生き物に触れる訳ですからね、やはり注意していかないと行けませんからね」
「そうだな。決して乱暴にしてはダメだからな」
店員さんが居なくなったあと、俺と美凪は頼んでいた飲み物を飲み終え、ガラスの向こう側に居る猫の元へと向かった。
「さぁ!!いよいよご対面ですね!!」
「そうだな。ちゃんと懐いてくれると嬉しいな」
扉の前に猫が居ないことを確認し、俺と美凪は中に入る。
すると、中は想像していたような変な匂いとかはまるでなく、アロマのような落ち着いた匂いに包まれていた。
「もっと生き物臭いのを想像してましたが、全くそんなことは無かったですね!!」
「そうだな。……おっと、俺の足元に早速一匹やってきたな」
白い毛並みの気品のある猫が、俺の足元にやって来ていた。
俺はそっと自分の人差し指を猫の顔の前に持っていく。
すると、クンクンと匂いを嗅いだ後に、頬擦りをしてくれた。
「……やべぇ。可愛いな」
「ず、ずるいですよ隣人さん!!」
胡座をかいて座ると、白い猫は俺の脚の中に入って行った。
「人懐っこい猫なんだな」
「私も早く猫ちゃんと戯れたいです!!」
美凪はそう言うと、俺の元を離れて猫が三匹ほど群れている所に足を運んで行った。
「えへへ……怖くないですよー」
なんて言いながら手を広げて近寄る美凪。
相手が猫だからあれだけど、傍から見たら不審者のソレだった。
そして、そんな挙動不審な動きを察知してなのか、猫たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
「なぁ!!なんでですかぁ……」
肩を落とす美凪がちょっとだけ可哀想でもありながら、なんだか可愛らしいとも思ってしまった。
そうしていると、俺の周りにはどんどん猫が集まってきていた。
胡座をかいて座っているだけなんだけどな。
白い猫だけだった俺の脚の中は、三匹ほどの猫が狭そうに丸まって寝ていた。
そして俺の身体に寄り添うように何匹もの猫が眠っている。
猫のハーレムが出来上がっていた。
散々猫に逃げられ続けた美凪がこちらを振り向くと、俺の光景を見て愕然としていた。
「……お、おかしくないですか!!なんで隣人さんの周りにはそんなに猫ちゃんがいるんですか!!」
「あはは……なんかオーラでも出てるのかな?」
猫を撫でながらそんな俺の言葉を聞いた美凪は、こちらを向いて拗ねたような表情で言ってきた。
「隣人さんの隣は私の場所なのに……ずるいです……」
「ほらこっちに来いよ、美凪。今ならみんな寝てるから触れるぞ」
俺がそう言うと、美凪は静かに俺の隣にやってくる。
そして、眠っている猫にそっと手を伸ばした。
「や、やっと触れました……っ!!」
「ははは。良かったな、美凪」
俺の隣に腰を下ろし、眠っている猫の背中をそっと撫でている。
美凪のその表情を見ていると、なんだか満たされるような気持ちになってきた。
自然と、俺は美凪の頭を撫でていた。
「り、隣人さん……」
「……あ」
照れたような表情でこちらを見ている美凪。
俺は思わず彼女の頭から手を離す。
「すまん……なんか撫でたくなってな……」
「そ、そうですか……」
俺の言葉に美凪はそう答えると、小さな頭を俺の方に預けてきた。
「どうぞ……」
「い、良いのか?」
「貴方の隣は私の場所ですからね……猫ちゃんには渡したくないです……」
「でかい猫だなぁ……」
俺はそう言いながら、美凪の頭を撫でる。
サラサラとした彼女の髪の毛。そこら辺にいる手入れがされている猫たちより、彼女の方が毛並みが良かった。
「えへへ……とても気持ちが良いです……」
「そうか。俺も猫よりお前の方が良いかもしれないな」
「ふふーん。それは当然ですよ。この美凪優花ちゃんがそこら辺の猫ちゃんに負けるなんて有り得ないですからね」
「猫カフェに来たのに、猫よりもお前の頭を撫でてるとか、来た意味が無いかもしれないな……」
そんな会話をしながら彼女頭を撫でていると、美凪が俺の膝上に頭を乗せてきた。
「おい……なにしてやがる」
「ふふーん。この超絶美少女の美凪優花ちゃんに、膝枕をする権利を隣人さんに差し上げますよ」
美凪はそう言うと、猫のように身体を丸めて俺の身体に寄り添ってきた。
「これじゃあ美凪猫だな……」
「ふふーん。幸せだにゃん……」
なんだこのクソ可愛い生き物は……
「……すぅ……すぅ……」
「マジで寝やがったこいつ……」
十匹以上の猫と、美凪が俺に寄り添うように眠っていた。
「俺も軽く目を閉じるかな……」
すやすやと眠る美凪の頬に軽くキスをして、俺も目を閉じた。
食事を終えた俺と美凪は、店員さんを呼んで食後の飲み物を貰った。
そして、俺たちは店員さんから猫と戯れるにあたっての諸注意を受けていた。
「生き物に触れる訳ですからね、やはり注意していかないと行けませんからね」
「そうだな。決して乱暴にしてはダメだからな」
店員さんが居なくなったあと、俺と美凪は頼んでいた飲み物を飲み終え、ガラスの向こう側に居る猫の元へと向かった。
「さぁ!!いよいよご対面ですね!!」
「そうだな。ちゃんと懐いてくれると嬉しいな」
扉の前に猫が居ないことを確認し、俺と美凪は中に入る。
すると、中は想像していたような変な匂いとかはまるでなく、アロマのような落ち着いた匂いに包まれていた。
「もっと生き物臭いのを想像してましたが、全くそんなことは無かったですね!!」
「そうだな。……おっと、俺の足元に早速一匹やってきたな」
白い毛並みの気品のある猫が、俺の足元にやって来ていた。
俺はそっと自分の人差し指を猫の顔の前に持っていく。
すると、クンクンと匂いを嗅いだ後に、頬擦りをしてくれた。
「……やべぇ。可愛いな」
「ず、ずるいですよ隣人さん!!」
胡座をかいて座ると、白い猫は俺の脚の中に入って行った。
「人懐っこい猫なんだな」
「私も早く猫ちゃんと戯れたいです!!」
美凪はそう言うと、俺の元を離れて猫が三匹ほど群れている所に足を運んで行った。
「えへへ……怖くないですよー」
なんて言いながら手を広げて近寄る美凪。
相手が猫だからあれだけど、傍から見たら不審者のソレだった。
そして、そんな挙動不審な動きを察知してなのか、猫たちは蜘蛛の子を散らすように逃げて行った。
「なぁ!!なんでですかぁ……」
肩を落とす美凪がちょっとだけ可哀想でもありながら、なんだか可愛らしいとも思ってしまった。
そうしていると、俺の周りにはどんどん猫が集まってきていた。
胡座をかいて座っているだけなんだけどな。
白い猫だけだった俺の脚の中は、三匹ほどの猫が狭そうに丸まって寝ていた。
そして俺の身体に寄り添うように何匹もの猫が眠っている。
猫のハーレムが出来上がっていた。
散々猫に逃げられ続けた美凪がこちらを振り向くと、俺の光景を見て愕然としていた。
「……お、おかしくないですか!!なんで隣人さんの周りにはそんなに猫ちゃんがいるんですか!!」
「あはは……なんかオーラでも出てるのかな?」
猫を撫でながらそんな俺の言葉を聞いた美凪は、こちらを向いて拗ねたような表情で言ってきた。
「隣人さんの隣は私の場所なのに……ずるいです……」
「ほらこっちに来いよ、美凪。今ならみんな寝てるから触れるぞ」
俺がそう言うと、美凪は静かに俺の隣にやってくる。
そして、眠っている猫にそっと手を伸ばした。
「や、やっと触れました……っ!!」
「ははは。良かったな、美凪」
俺の隣に腰を下ろし、眠っている猫の背中をそっと撫でている。
美凪のその表情を見ていると、なんだか満たされるような気持ちになってきた。
自然と、俺は美凪の頭を撫でていた。
「り、隣人さん……」
「……あ」
照れたような表情でこちらを見ている美凪。
俺は思わず彼女の頭から手を離す。
「すまん……なんか撫でたくなってな……」
「そ、そうですか……」
俺の言葉に美凪はそう答えると、小さな頭を俺の方に預けてきた。
「どうぞ……」
「い、良いのか?」
「貴方の隣は私の場所ですからね……猫ちゃんには渡したくないです……」
「でかい猫だなぁ……」
俺はそう言いながら、美凪の頭を撫でる。
サラサラとした彼女の髪の毛。そこら辺にいる手入れがされている猫たちより、彼女の方が毛並みが良かった。
「えへへ……とても気持ちが良いです……」
「そうか。俺も猫よりお前の方が良いかもしれないな」
「ふふーん。それは当然ですよ。この美凪優花ちゃんがそこら辺の猫ちゃんに負けるなんて有り得ないですからね」
「猫カフェに来たのに、猫よりもお前の頭を撫でてるとか、来た意味が無いかもしれないな……」
そんな会話をしながら彼女頭を撫でていると、美凪が俺の膝上に頭を乗せてきた。
「おい……なにしてやがる」
「ふふーん。この超絶美少女の美凪優花ちゃんに、膝枕をする権利を隣人さんに差し上げますよ」
美凪はそう言うと、猫のように身体を丸めて俺の身体に寄り添ってきた。
「これじゃあ美凪猫だな……」
「ふふーん。幸せだにゃん……」
なんだこのクソ可愛い生き物は……
「……すぅ……すぅ……」
「マジで寝やがったこいつ……」
十匹以上の猫と、美凪が俺に寄り添うように眠っていた。
「俺も軽く目を閉じるかな……」
すやすやと眠る美凪の頬に軽くキスをして、俺も目を閉じた。
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