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第2章
第二十七話 ~これまでの事に思いを寄せながら美凪の弁当作りを眺めていた件~
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第二十七話
制服に着替えたあと、俺は台所へと向かい今日食べる弁当を作り始める。
昨日のうちに俺と美凪の弁当の分のご飯は炊いてある。
今日の夜は四人で食べることになるからな。
変に米を残すより、使い切ってしまってから新しくご飯を炊くのが良いだろう。
炊飯器のご飯を弁当箱に移し、美凪のお母さんから貰った高級味のりを上に乗せる。
「ちょうど一ヶ月で使い切ったな。まさかとは思うけどそれすら計算してたとか言わないよな……」
義理のお母さんの先見の明に少しだけ戦慄を覚えながら、俺は弁当を作っていく。
おかずはだし巻き玉子と冷凍のカルビハンバーグ。
このカルビハンバーグ。美凪の『大好物』だ。
『こ、これは冷凍食品なんですか!?私の大好きな味付けです!!かなりやばい味してますよ!!』
『ははは。小さなお子様に大人気だからな。子供舌の美凪には好まれると思ってたよ』
『むー!!子供舌では無いです!!美味しいものを見抜ける神の舌ですよ!!』
そんなやり取りもあったくらいだ。
『身体に悪いものが入ってませんか?』なんて言ってた最初に比べたら美凪の冷凍食品に対する考え方も変わってきたよな。
そう思いながら彩りのレタスとミニトマト。
そして出来合いのきんぴらごぼうを中に入れる。
「よし。これで完成だな」
俺が弁当作りを終えると、後ろから足音が聞こえてきた。
「ちょうどお弁当作りが終わったみたいですね!!そしたら『奏さんの昼ごはん』を作るので台所を借りますね!!」
「良いぞ。今日は何を作ってやるんだ?」
「ふふーん!!昨日はおにぎりでしたからね。サンドイッチを作ってあげる予定です!!」
ピンク色のエプロンを身に纏い美凪は台所に立つ。
制服とエプロンと言う彼女の姿。何度見ても心臓に悪いとは思うよな。
なんて思いながら、俺は弁当箱をふたつ持って居間のテーブルへと向かう。
そこで手早く弁当箱を布で包んでいく。
「レタスとトマトときゅうり。そしてハムを使ったサンドイッチを作ってあげましょう!!あとは昨日のうちに茹でておいたゆで卵を潰してマヨネーズとあえたたまごマヨサンドイッチも作りましょう!!そう言えば、隠し味に少しだけからしを加えると美味しいと聞きましたね」
美凪はそう言うとサンドイッチ作りに取り掛かる。
レタスを水で洗った後、キッチンペーパーで水気を取る。
そして大きめのトマトときゅうりを真剣な表情で包丁を使ってスライスしていく。
何度も包丁を使わせているが、彼女は今まで一度も指を切っていない。
美凪はそれに慢心することなく、いつでも真剣な表情で包丁を扱っている。
「ははは。もうあいつが包丁を使うのも安心してみてられるな」
あいつが奏の昼ごはんを作るのは二週間ほど前からだ。
俺が弁当の残りを使っておにぎりやらなんならを作っていた時のことだ。
『お昼ごはんありがとう。好きだよ。凛太郎くん』
『はいはい。どういたしまして、奏』
『むー!!やっぱり納得いきません!!明日から奏さんのお昼ごはんは私が作ります!!』
『『……え??』』
『あはは。いつかそう言うとは思ってたよ』
中学時代からのいつものやり取り。美凪が頬を膨らませながら意を唱えた。
その様子を幸也が何となくわかっていたような笑みを浮かべていた。
『奏さん!!』
『な、何かな、優花ちゃん……』
『私の事好きですよね!!』
『『……あ』』
そうか。奏は『好きな人』の料理しか食べられない。
美凪は自分が奏の『好きな人』になろうと思ってるんだな。
『私の事!!好きですよね!!奏さん!!もしかして、嫌いなんですか!?』
『……あはは!!もー!!優花ちゃんは可愛いなぁ!!』
奏はそう言うと、満面の笑みを浮かべて美凪に言葉を返した。
『私は優花ちゃんのこと!!『大好き』だよ!!』
『『あはは』』
『好きな人』じゃない。『大好きな人』
俺なんかよりずっとずっと上のランクじゃないか。
俺と幸也は顔を見合せて笑いあった。
『良かったな。幸也』
『全部凛太郎のおかげだよ。本当に感謝してるよ』
『俺は何もしてない。全部美凪の意思だよ』
『ははは。本当に凛太郎は他人からの感謝を受け取らないな』
『なるほどな。そこまで言うなら今度は風呂掃除でも手伝ってもらうかな。前の居住者が残した少し頑固な汚れがあるんだ』
『いいよ。それくらいならお安い御用だよ』
俺と幸也がそう言って笑いあっていると、美凪と奏がやはりそれを冷めた目で見ていた。
『……ねぇ、いつもの事だけど。なんで私たちが仲を深めると向こうが更に仲良くなるの?』
『むー……一番のライバルはもしかしたら成瀬さんかもしれません……』
……安心しろ美凪。そんなことは無いから。
そんなやり取りが前にあったわけだ。
「出来ました!!『優花ちゃんスペシャルサンドイッチ』の出来上がりです!!」
物思いにふけっていると、台所からそんな声が聞こえてきた。
その声を受けて、俺は時計を確認する。
どうやらそろそろ家を出る時間だった。
「よし。じゃあそろそろ家を出ようか美凪」
「はい!!そうですね」
美凪はそう言うと、奏の昼ごはんのサンドイッチを潰れないように紙袋に入れて、カバンとは別にして手に持った。
俺が持とうか?と以前言ったら
『これは私が奏さんに手渡しをするんです!!』
と断られてしまった。
そして、俺と美凪は身支度を整えてから玄関へと向かう。
そこで靴に履き替えたあと扉を開けて外に出る。
天気は快晴。雲ひとつない青空だった。
「春の陽気を感じる暖かさですね!!とても良い天気です」
「そうだな。四月から五月になっただけでこんなにも気温が変わるんだな」
俺が前に住んでいた田舎は夏になると少しだけ暑かった。
都会の夏もかなり暑いと聞く。
今から夏のことを考えるのはちょっと早いとは思うけど、美凪とはこの先ずっと一緒に居る予定だ。
四季の移り変わりを共に楽しめるように頑張ろう。
そう思いながら、俺と美凪は手を繋いで通学路を歩いて行った。
制服に着替えたあと、俺は台所へと向かい今日食べる弁当を作り始める。
昨日のうちに俺と美凪の弁当の分のご飯は炊いてある。
今日の夜は四人で食べることになるからな。
変に米を残すより、使い切ってしまってから新しくご飯を炊くのが良いだろう。
炊飯器のご飯を弁当箱に移し、美凪のお母さんから貰った高級味のりを上に乗せる。
「ちょうど一ヶ月で使い切ったな。まさかとは思うけどそれすら計算してたとか言わないよな……」
義理のお母さんの先見の明に少しだけ戦慄を覚えながら、俺は弁当を作っていく。
おかずはだし巻き玉子と冷凍のカルビハンバーグ。
このカルビハンバーグ。美凪の『大好物』だ。
『こ、これは冷凍食品なんですか!?私の大好きな味付けです!!かなりやばい味してますよ!!』
『ははは。小さなお子様に大人気だからな。子供舌の美凪には好まれると思ってたよ』
『むー!!子供舌では無いです!!美味しいものを見抜ける神の舌ですよ!!』
そんなやり取りもあったくらいだ。
『身体に悪いものが入ってませんか?』なんて言ってた最初に比べたら美凪の冷凍食品に対する考え方も変わってきたよな。
そう思いながら彩りのレタスとミニトマト。
そして出来合いのきんぴらごぼうを中に入れる。
「よし。これで完成だな」
俺が弁当作りを終えると、後ろから足音が聞こえてきた。
「ちょうどお弁当作りが終わったみたいですね!!そしたら『奏さんの昼ごはん』を作るので台所を借りますね!!」
「良いぞ。今日は何を作ってやるんだ?」
「ふふーん!!昨日はおにぎりでしたからね。サンドイッチを作ってあげる予定です!!」
ピンク色のエプロンを身に纏い美凪は台所に立つ。
制服とエプロンと言う彼女の姿。何度見ても心臓に悪いとは思うよな。
なんて思いながら、俺は弁当箱をふたつ持って居間のテーブルへと向かう。
そこで手早く弁当箱を布で包んでいく。
「レタスとトマトときゅうり。そしてハムを使ったサンドイッチを作ってあげましょう!!あとは昨日のうちに茹でておいたゆで卵を潰してマヨネーズとあえたたまごマヨサンドイッチも作りましょう!!そう言えば、隠し味に少しだけからしを加えると美味しいと聞きましたね」
美凪はそう言うとサンドイッチ作りに取り掛かる。
レタスを水で洗った後、キッチンペーパーで水気を取る。
そして大きめのトマトときゅうりを真剣な表情で包丁を使ってスライスしていく。
何度も包丁を使わせているが、彼女は今まで一度も指を切っていない。
美凪はそれに慢心することなく、いつでも真剣な表情で包丁を扱っている。
「ははは。もうあいつが包丁を使うのも安心してみてられるな」
あいつが奏の昼ごはんを作るのは二週間ほど前からだ。
俺が弁当の残りを使っておにぎりやらなんならを作っていた時のことだ。
『お昼ごはんありがとう。好きだよ。凛太郎くん』
『はいはい。どういたしまして、奏』
『むー!!やっぱり納得いきません!!明日から奏さんのお昼ごはんは私が作ります!!』
『『……え??』』
『あはは。いつかそう言うとは思ってたよ』
中学時代からのいつものやり取り。美凪が頬を膨らませながら意を唱えた。
その様子を幸也が何となくわかっていたような笑みを浮かべていた。
『奏さん!!』
『な、何かな、優花ちゃん……』
『私の事好きですよね!!』
『『……あ』』
そうか。奏は『好きな人』の料理しか食べられない。
美凪は自分が奏の『好きな人』になろうと思ってるんだな。
『私の事!!好きですよね!!奏さん!!もしかして、嫌いなんですか!?』
『……あはは!!もー!!優花ちゃんは可愛いなぁ!!』
奏はそう言うと、満面の笑みを浮かべて美凪に言葉を返した。
『私は優花ちゃんのこと!!『大好き』だよ!!』
『『あはは』』
『好きな人』じゃない。『大好きな人』
俺なんかよりずっとずっと上のランクじゃないか。
俺と幸也は顔を見合せて笑いあった。
『良かったな。幸也』
『全部凛太郎のおかげだよ。本当に感謝してるよ』
『俺は何もしてない。全部美凪の意思だよ』
『ははは。本当に凛太郎は他人からの感謝を受け取らないな』
『なるほどな。そこまで言うなら今度は風呂掃除でも手伝ってもらうかな。前の居住者が残した少し頑固な汚れがあるんだ』
『いいよ。それくらいならお安い御用だよ』
俺と幸也がそう言って笑いあっていると、美凪と奏がやはりそれを冷めた目で見ていた。
『……ねぇ、いつもの事だけど。なんで私たちが仲を深めると向こうが更に仲良くなるの?』
『むー……一番のライバルはもしかしたら成瀬さんかもしれません……』
……安心しろ美凪。そんなことは無いから。
そんなやり取りが前にあったわけだ。
「出来ました!!『優花ちゃんスペシャルサンドイッチ』の出来上がりです!!」
物思いにふけっていると、台所からそんな声が聞こえてきた。
その声を受けて、俺は時計を確認する。
どうやらそろそろ家を出る時間だった。
「よし。じゃあそろそろ家を出ようか美凪」
「はい!!そうですね」
美凪はそう言うと、奏の昼ごはんのサンドイッチを潰れないように紙袋に入れて、カバンとは別にして手に持った。
俺が持とうか?と以前言ったら
『これは私が奏さんに手渡しをするんです!!』
と断られてしまった。
そして、俺と美凪は身支度を整えてから玄関へと向かう。
そこで靴に履き替えたあと扉を開けて外に出る。
天気は快晴。雲ひとつない青空だった。
「春の陽気を感じる暖かさですね!!とても良い天気です」
「そうだな。四月から五月になっただけでこんなにも気温が変わるんだな」
俺が前に住んでいた田舎は夏になると少しだけ暑かった。
都会の夏もかなり暑いと聞く。
今から夏のことを考えるのはちょっと早いとは思うけど、美凪とはこの先ずっと一緒に居る予定だ。
四季の移り変わりを共に楽しめるように頑張ろう。
そう思いながら、俺と美凪は手を繋いで通学路を歩いて行った。
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