十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶

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第2章 後編

第十三話 ~勉強会が終わったあとは凛音と帰宅することになりました~

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 第十三話




「さて、あと三十分くらいで十八時になるから、ここでらで今日の勉強の確認を兼ねてテストでもしようか」

 時計を確認した俺は、英単語の書き取りの手を止めて皆にそう話を振った。
 永久のお陰で不安のあった文法の部分に理解を示すことが出来た俺は、後は細かい点数を落とさないように単語の書き取りに注力していた。

「石崎もかなり真面目に暗記項目を進めてたからな。流石にこれで0点は無いだろ?」
「あ!!バカ、桜井!!点数のことは言うなよ!!」

 ……あ、やべぇ。点数のことは白雪さんには話してないんだよな。
 思わず口が滑ってしまった俺は、「……スマン、石崎」と手を合わせて謝罪した。

「……涼太くん?0点ってどういう事ですか?」
「い、いや……その……」

 冷たい視線で問い詰める白雪さんに、石崎が少しだけ視線を逸らしながらバツの悪そうな表情をしている。

 本当に……ごめん……

 かなり強めに問い詰められた石崎は、白雪さんに対して小テストの点数のことを話した。

 それを聞いた白雪さんは、小さくため息をつきながら

「はぁ……今日は帰ったら夕飯後に私と一緒に勉強会の続きです。涼太くんに拒否権はありません」

 と良くある恋愛イベントみたいなことを提案されていた。

「わかったよ。とりあえず飯が終わったらそっちに行くわ」

 と石崎は言葉を返していた。

 そして、そんなやり取りが終わったあと俺たちは勉強した部分のテストを行った。

 俺に対しては永久が英語の問題を出してくれた。
 それに対して間違えることなく答えることが出来た。

 石崎に関しても、今回暗記を進めていた部分に対してはきちんと点数が取れていた。

 小テストの0点。と言うのも、単純に理解に当てる時間が少なかったようにも思える。
 しっかりと勉強をすれば赤点回避くらいは出来るとは思えた。

「さて、そろそろ時間だし帰ろうか。石崎の点数にも光明が見えたしな」
「桜井の余計な発言のせいで俺がかなり痛手を負ったようにも思えるけどな……」
「ははは……あれは悪かったよ」

 勉強道具をカバンにしまい込み、帰宅の準備を終えた俺たちは机の上を綺麗に拭いたあと図書室を後にした。

「また明日も利用させてもらいますね。多分時間帯としては朝になると思います」
『はい。話はしておくから大丈夫よ』

 俺は三上さんにそう話をしたあとに帰路に着いた。



「じゃあ今日は霧都は私と帰る日だから永久は一人で寂しく帰りなさい」
「ふふふ。今日は週に一回だけの凛音さんと帰る『幼馴染の日』ですからね。まぁ霧都の正妻は私ですから。凛音さんも彼と『幼馴染の時間』を楽しんでくれれば良いですよ」

 二人はそんなやり取りをしていた。
 一触即発。な雰囲気では無かった。
 どちらも笑ってそんな話をしていた。

『お互いに認めあってるのよ』

 なんて話をしていたから、俺にはわからない二人だけの何かがあるのかもしれない……

「ふん。口の減らない女ね。まぁ良いわ、そうでなければつまらないもの」

 凛音はそう言い残すとこっちに向かって歩いてきた。

「さぁ霧都、帰るわよ!!」
「はいはい。今日はサドルが盗まれてなくて良かったな」

 冗談交じりでそう言うと、凛音は本当に嫌そうな表情をしながら言葉を返してきた。

「そ、そんな何回も盗まれるわけないでしょ!!てか、まだ見つからないのよ……誰よ犯人は、本当に気持ち悪いわね……」
「凛音ファンクラブ。何てものが昔はあったからな。熱狂的ファンがやらかしたのかもしれないな」
「見つけたらぶっ○ろしてやるわよ……」

 おいおい……仮にも美少女だろ。女の子がしていい顔してねえぞ、お前。

 そんなことを思いながら、俺と凛音は家へと向かって自転車を漕いで行った。




「それで、勉強の進みはどうなのよ?」
「あぁ、悪くは無いな。もともと平均点位は取れると思ってたけど、仮にも次期生徒会長って言われてるからな。それじゃあ恥ずかしいから頑張ってる感じだよ」

 凛音の問い掛けにそう答えると、彼女は少しだけ不機嫌そうな表情を浮かべながら言葉を返してきた。

「何で私には『高校では新しいことをしたい』って話をしてこなかったのよ。私はてっきりまた野球をすると思ってたわ」
「中学時代のことがあったからな。元々高校では野球をする予定は無かったんだよ。まぁ今はなし崩し見たいにやってる部分はあるけどな」

 俺が本気でやる時は『永久にかっこいいところを見せる時だけ』
 そう言う『縛り』をつけてる。

 そのためのトレーニングは続けてるけど、部活動に所属して本気でやるってのは無いだろうな。

 生徒会と部活動の両立なんて出来るとは思わないしな。

「中学時代のこと……ね。まぁ悪かったわ。アンタの気持ちも考えずに不躾なことを言ったと思ってるわよ」
「……は?」

 凛音の口から出てきた言葉に、俺は声を上げて耳を疑った。
 こ、こいつが反省した……だと?

「……何よその表情は。私だって後悔して反省することくらいあるわよ」
「そ、そうか……」
「あはは。何よその表情。かなり間抜けな顔をしてるわよ、霧都」

 凛音はケラケラと笑ったあと、俺に言葉を続けてきた。

「あとはそうね。『アンタの告白を袖にしたこと』これも後悔してるわ」
「………………今更そんなことを言われてもな。あの時と今ではもう俺の気持ちも変わってる」

 苦虫を噛み潰したような気持ちになりながら、俺はそう言葉を返す。
 古傷をえぐられるような気分だ。
 決していい思い出では無い。

「そんなことはわかってるわ。それにアンタと同じで私の気持ちもあの時とは違うわよ」
「それで、今更そんな話をしてきて、一体どう言うつもりなんだよ」

 俺が凛音にそう問掛けると、彼女は軽く笑いながら答える。

「別にどうと言う話では無いわよ。ただの世間話よ世間話」

 そんな話をしていると、俺たちは自宅の前まで帰って来ていた。

「帰って来たわね。今日も楽しかったわ、霧都」
「そうか」

 凛音は家の前で自転車から降りると俺に向けて言ってきた。

「今回のテストでは私が永久を倒してアンタと『デート』をするわ」

『デート』と言う単語に俺の心が僅かに痛む。
 そう、こいつと『お出かけ』はあっても『デート』は無かったからだ。

「今から私とどこに行くかを考えておきなさい」
「その必要は無いだろ。勝つのは永久だからな」

 俺がそう答えると、凛音は手をひらひらとさせながら家の中へと入っていった。

「本当に……今更過ぎるんだよ……」

 姿の見えなくなった凛音に向けて、俺は軽く表情を歪めながらそう呟いた。
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