学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第1章

第二話 ⑧ ~初デート・思い出の公園で初めての.....~

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 第二話  ⑧




「ありがとうございました。またお越しくださいませ」

 店員さんの言葉と笑顔を背に受け、俺たちは店を後にする。

「いやーいい買い物が出来たよ!!」
「うん。とてもよく似合っていたからね」

 ご満悦の彼女から、洋服の入った紙袋をさりげなく受け取る。
 そして、空いている方の手で彼女の手を握る。

「今日はすごく楽しかったよ悠斗くん」
「ありがとう。そう言って貰えると嬉しいな」

 俺は満面の笑みを浮かべる彼女に笑みを返す。
 あとは彼女を家まで送って、そのタイミングでこのブレスレットを渡そうかな。

 スマホで時間を確認すると、時刻は十七時。

 帰りの電車はそれほど待たずに乗れそうだな。

 そんなことを考えながら駅へと向かった。

 そして帰りの電車の中で、

「あーあー楽しい時間はあっという間だなぁ」
「そうだね。俺も時間の進みが早かったなって思ったよ」
「数学の授業なんてすごく長く感じるのにね!!」
「あぁ、そう言えば朱里さんは数学嫌いだったね」
「数学が嫌いだから文系を選んだからね!!」
「俺は単純に本を読むのが好きだから文系にしたよ」
「おんなじ文系だから、二年生でも同じクラスになれるといいね!!」
「そうだね。こればかりは運だと思うけど、祈っておこうかな」
「まぁ、違うクラスになっても逢いに行くよ!!」
「それは嬉しいな」

 なんて会話をしていると、彼女の最寄り駅に到着する。

「家まで送るよ」

 俺がそう言うと、

「ほんと?ありがとう!!」

 と喜ぶ彼女。

「まだそんなに暗くないから危険は少ないと思うんだけど、もう少し一緒にいたいなぁって思ってたんだ」
「俺もそれは同じかな」

 そう言いながら、カードを改札口のリーダーに押し当て、駅の外に出る。

「私は自転車でここまで来たんだけど、悠斗くんに合わせて押して帰ろうと思う」
「いや、ここの駅なら学校の最寄りだから通学に使ってる自転車があるよ。だから一緒に自転車こいで帰れるかな」
「あ、そうか!!じゃあそこまで大変じゃないね」
「そうそう。だから朱里さんを家まで送るのは苦じゃないんだよね。駅も定期圏内だし、自転車もあるし」

 そういう俺に、ちょっとだけ思案した彼女は軽く問いかけてくる。

「もし良かったら軽く公園でお話とかしない?」
「喜んで」

 彼女のお願いに即答する俺。

「あはは、ありがとう!!私の家の近くの公園に行こうか!!」
「おっけー」

 俺は通学に使っている自転車に跨り、彼女の後を追うように漕いで行った。





「到着ー」
「へぇ、こんなところに公園が」

 彼女の家の真裏の辺りにある小さな公園。
 ベンチやブランコや砂場や鉄棒と狭いなりにも遊具は揃っていた。

「小さい頃はここで良く遊んでいたの」
「なるほど、思い出の公園なわけだ」

 俺の言葉に頷く彼女。
 そして、少し低いベンチに腰を下ろす。
 その隣に俺も座る。

「もう一度言うね。今日はすごく楽しかったよ。ありがとう」
「どういたしまして。そう言って貰えると頑張った甲斐があったかな?」
「悠斗くんが私の彼氏で良かったなぁってすごく感じられる一日だったよ」
「ありがとう。その言葉はすごい自信になるよ」

 そんな会話を少し繰り広げながら、頃合いを見て俺が彼女に切り出す。

「その.....初デートの一日を締めくくるプレゼントを用意してあるんだけど、受け取って貰えるかな?」
「.....え?」
「はい。これなんだけど」

 驚く彼女に、先程の洋服屋で購入したブレスレットを渡す。

「中身はアクセサリーが入ってる。どんなものかは家で見て欲しいかな」
「.....」
「朱里さん?」

 少し黙り込む彼女に声をかける。
 すると、

「.....今のでキュンキュンポイントが100万を突破しました」

 ちゅっ!!

 俺の頬に彼女が唇を押し当てる。

「あ、朱里さん.....っ!!??」

 俺が振り向いた時には彼女はもう離れていた。

 その柔らかい感触に動揺しながら、俺はまだ彼女の感触が残る頬を押える。

 そんな俺を尻目に、彼女は立ち上がり、

「ま、またね!!」

 と言って駆け足で自転車に跨り、自宅へと走っていった。

 その後ろ姿を呆然と眺めながら、今日は顔を洗えないやーとかそんなことを俺は考えていた。
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