学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第1章

第八話 ③ ~二回目のデート・水族館では少しアクシデントがありました~

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 第八話  ③





「わぁー!!悠斗くん!!見て見て!!クラゲって可愛いねぇ!!」
「そうだね、朱里さん。とても可愛いよ」

 水族館デートを初めて数分で、朱里さんは大はしゃぎだ。ちなみに先程の可愛いはクラゲでは無く朱里さんだ。

 館内は少し肌寒く感じたので、隣を見ると、朱里さんが少し寒そうにしてたので、Gジャンを貸した。

 萌え袖をしながら、顔に袖を近づけ、

「悠斗くんの匂いがするぅ」

 とか言われて死にそうになった。

 水族館デートは概ね好調な滑り出しだ。

 若いカップルか、老年の夫婦が来客のほとんどで、騒ぐ子供みたいなのや変なナンパ野郎なんかは居なかった。

 そして館内は幻想的でロマンティックな雰囲気に、普段見かけることの無い珍しい生物達が目白押しだ。

 まさに、非日常を味わうには最適の場所だ。

「悠斗くん、ペンギン見に行こうよペンギン!!」
「ははは、朱里さん。あまり走ると転んじゃうよ?手を繋いで歩いて行こう」

 ペンギンは逃げないよ?

 俺は朱里さんと手を繋ぎ、ペンギンがいるコーナーへと彼女を案内する。

 大丈夫。館内の地図は把握してるし、迷子になることは無い。

「あれ?ペンギンどこだっけ?」

 なんてやってたら興醒めもいいとこだ。

 どんなデートでも、事前準備はしっかりとしておかないと。

 幸い、ペンギンコーナーでは運悪く隠れてるとかそういうのもなく、愛らしいペンギンの姿を見てご満悦の朱里さん。
 良かった良かった。

 そして、俺たちは手を繋ぎながら、館内を見て回る。

「お、悠斗くん!!あれはかの有名なアレだね!!」
「え……どれかな?」

 と朱里さんが少し小走りで向かった水槽の先は、

 チンアナゴ

「チンアナゴ可愛いよ!!チンアナゴ可愛い!!やだぁ、どうしよう、ほんと可愛い!!見る前はちょっと半信半疑だったけど、実物は飼いたいくらい可愛い!!」

 テンション爆上がりの朱里さん……

 ペンギンの時よりテンション高くない?

『水族館といえば、イルカ、ペンギン、チンアナゴだ』

 と言っていた二人の言葉が蘇ってくる。

 そうか、あれは……正しかったんだな

「ははは、たしかにこれは可愛いよね」

 ニョキっと飛び出し、キョロキョロと周りを見てるような感じはとても愛らしい。



 そして、そんなこんなで色々と回っていると二時間ほどが経って居たようだ。

「ちょっとお化粧直しに行ってくるね」
「うん。わかった」

 そう行って手洗い場へ向かう朱里さん、俺もサッと手洗いを済ませると、近くにある休憩スペースを確認する。

 幸いなことに空きは結構あるようだ。

 どうやらみんなは館内レストランを利用するようだった。

 少しだけ安心し、手洗い場の前に戻る。

 スマホを開いて時間つぶし。なんて真似はしない。

「デートがつまんないです」

 なんて言ってるように見えるだけだ。

 俺は少しだけ壁にもたれ掛かりながら、彼女を待つ。

「ねぇねぇ、お兄さんちょっと良い?」
「もしかして男友達と来てるとか?」

 少しだけボーっとしてると、突然若い女性の二人組に声を掛けられる。

 はぁ……

「いえ、彼女と来てますので」

 と突っぱねる。

「えー、ホントかなぁ?」
「体良く断ろうとしてなーい?良かったら一緒にご飯でも……」

「悠斗くんは私とご飯を食べるんです。あなた達とではありません」
「あ、朱里さん……」

 手洗い場から戻ってきた朱里さんが、女性二人を睨んでいる。

「あぁ……やっぱり彼女居たんだ」
「まぁ……そこそこ可愛いじゃん?じゃあ仕方ないね」

 おにーさんばいばーい

 と言って女性の二人組は去って行った。

 な、なんて迷惑な……

「……悠斗くん?」
「はい」

 隣から聞こえてくる朱里さんの優しげな声。

 やべぇ、そっちを向けない……

「もー悠斗くん。怒ってないよ?だって悠斗くんかっこいいもん。こーゆー事もあるよ」
「あ、朱里さん……」

 恐る恐る振り向くと、少しだけ頬を膨らました彼女が居た。

「しっかりと断ってるのも見てたし、もういいよ!!ほら、お昼食べよ!!」

 私自慢のサンドイッチを振る舞ってあげよう!!

 そう言って休憩スペースへ歩いていく朱里さん。

 良かった。アクシデントはあったけど、何とかなったな。

 少しヒヤヒヤしたけど、予定外のトラブルを切り抜けられてホッとした俺だった。
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