学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第二話 ⑨ ~彼女を夕食に誘ったら、両親も一緒に来ることになりました~

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 第二話  ⑨



『朱里ちゃんが夕食に来てくれるの!!??やったあ!!』
「まだ、決まった訳じゃないけど。一応大丈夫だと思いたいかな」
『よーし。腕によりをかけて夕飯を作っちゃうよ!!あと、お父さんが今日は休みだから、家に居るからね』
「そうかー。じゃあ初めてのご対面だな」
『今お父さんが話聞いてるけど、……楽しみにしてる。って伝えといてだってさ』
「おっけー。じゃあそろそろバスケ部も終わる頃だと思うから、電話切るな」
『うん!!じゃあまたなんかあったら電話してー』


 プツ


 俺は雫との電話を切ると、体育館へと向かう。

 時刻は十八時半。

 そろそろ着替えも終わった頃かなと思った。

 体育館の前で少しだけ待っていると、部活動を終えた生徒たちが姿を現し始める。
 コツ、コツ、と松葉杖の音が聞こえてくる。
 この音は、多分。

「あれ?悠斗。どうしたの、こんな所で」

 着替えを済まさせた朱里が目の前に現れる。彼女は松葉杖をつきながら俺に声をかける。

「少し前に生徒会活動が終わってね。いきなりで悪いんだけどもし良かったら朱里を夕食に誘おうかと思ってて」

 と、俺は彼女を夕食に誘った。

「ホントに!?今、お母さんが迎えに来てくれてると思うから、ちょっと聞いてみようかな」

 彼女自身は乗り気な様子に、俺はひとまず安堵する。

「ねぇねぇいーんちょー。生徒会ってどうだったの?」

 と、朱里の隣に居た佐藤さんが俺に問いかけてくる。

「あんまりこういうことは言いたくないけど、中々厳しい現状があったよ。ただ、何とかなりそうな手立ては打って来たけど」
「へぇー。やるじゃん、いーんちょー。これなら、来週の予算会議は期待出来るのかな?」

 ニンマリと笑いながらそう言う佐藤さん。

「そうだね。その予算会議だけど、みんながあっと驚く様なことになると思うけど、まぁよろしく頼むよ」

 と、俺は少しだけ言葉を濁した。

 出来高制だとか投げ銭システムはまだ言わない方がいいだろう。どれだけ親しくても、これはまだ極秘だ。

「まぁ、期待してるよ。いーんちょー。……いや、副かいちょーかな?」
「いや、いーんちょーでいいよ……っていーんちょーでも無いんだけどな……」

 なんて会話をしていると、下駄箱の前までたどり着く。

 朱里に肩を貸して、彼女の靴の履き替えを手伝う。

 そして、夕暮れに染る外を歩いていると、校内の駐車場に一台の車が停まっている。そして、そのそばに女性が一人立っていた。

「悠斗くんに朱里に佐藤さん。学校お疲れ様ー」

 遥さんが俺たちを見つけると、ニコッと笑って出迎えてくれる。

「さっき朱里からメッセージは貰ったわー。朱里を夕飯に誘ってくれてるのよね?」
「はい。いきなりで申し訳ありません。もう夕飯の支度とかが済んでるのでしたら、またの機会とも考えてますが……」
「ううん。夕食の支度はまだよ。そもそも、今日は外食をしようと思ってたのよ」

 明日はお父さんが仕事を休みなの。だから今日は外で食べようかと思ってたのよ。

「そうなんですか?でしたら尚更家族の時間を邪魔する訳には……」

 そう言う俺に、遥さんはニンマリと笑う。

「悠斗くん。私は『外食をする』って話をしたのよ?」
「えぇ。ですから、レストランかなにかでしょうか?」

 という俺に、遥さんは言った。

「ふふふ。悠斗くん。もし良かったら私たち家族の外食の行き先をあなたのご家庭にしてもいいかしら?」
「えぇ!!お母さん!!??」
「……なるほど。そういう話でしたか。ちなみに、勇さんは知ってるんですか?」
「えぇ、あなた達を待っている間にお父さんにも話をしてあるわ。悠斗くんさえ良ければ喜んでって言ってるわ」
「そうですか。自分としても、皆さんを自宅に呼ぶのはやぶさかでないです」
「ふふふ。そう言ってくれると嬉しいわ。朱里はどう?」

 と、遥さんは朱里に水を向ける。

「うん。悠斗がいいなら。それに雫ちゃんはいきなり大勢でいっても平気なの?」

「そうだね。まずは雫に聞いてみないとね」


 と、俺は雫に電話をしてみる。

『もしもし、おにぃ?どうしたの』

 すぐに電話に出てくれた雫に、頭の中で感謝をしながら俺は言う。

「今日の夕食に朱里を誘うって話だけど、今彼女のお母さんと話をしてて、もし良ければお母さんとお父さんも一緒したいって話になってて……」
『えぇ!!??』

 かなり驚く雫。そりゃそうだよな。

『そっかー……うん。でも平気だよ?今日はカレーを作る予定だから、多少人数が増えても大丈夫かな』
「そうか。なら良かったよ。いきなりごめんな、雫」
『ううん!!平気だよ!!じゃあカレー作って待ってるね』


 プツ


 と、電話が切れる。

「今、雫……妹に確認したところ。大丈夫だと言われましたので、ご家族でいらしても平気です」
「あらー。それは良かったわ」

 と、遥さんは両手を合わせて喜ぶ。

「じゃあ悠斗くん。私と朱里は一度家に帰るわね。そのあとみんなで悠斗くんのご家庭に向かうわ」
「はい。わかりました。では、お待ちしてます」

 自分の家の場所は朱里が知ってますので。

「うふふ。楽しみだわ」
「じゃあね、悠斗。また後で」

 二人はそう言うと、車に乗りこみ校門から出ていった。



「……そうか。これでいーんちょーも家族公認かー」
「遊びで付き合ってるつもりは無いけど、両親が顔を合わせるの早いなぁって思うわ」

 なんて会話を佐藤さんとする。

「まぁ、いーんちょーも頑張ってね」
「うん。ありがとう」

 バイバイー

 っと言って佐藤さんは帰って行った。

 さ、俺も帰るかな。

 佐藤さんの後を追うように、俺も自転車が停めてある駐車場へと足を運んだ。
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