学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第五話 ⑧ ~激戦の予算会議~ 朝 蒼井視点

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 第五話  ⑧




 蒼井視点




 生徒会室を出た僕と琴音は、桐崎くんに言われた指示に従い、放送部の部室へと向かう。

 部長の牧野(まきの)くんは一日の放送スケジュールを紙に書き込むために、この時間には登校してるのを知っている。

 本来。当日にいきなりスケジュールを変更させるのはかなり至難だが、そこはこちらの『お願いの仕方』次第だろう。

 正直な話。牧野くんがうちの生徒会の琴音に恋をしてる。と言う話は私の耳にも届いている。
 知らないのは琴音だけだろう。

 まぁ、自分の好きな子がお願いしてきたら、何とかしたくなるのが男の子ってものだろう。

 何となく、桐崎くんの性格の悪さが見えてきてるけど……

「空、どうしたの?なんか神妙な顔してるけど」

 と、僕の感情が表情に出てたのか。琴音が訝しげに聞いてくる。

「いや、何でもないよ。放送部の牧野くんに上手くお願い出来るか少し心配だっただけだから」

 そう言うと、琴音が少しだけ強く言葉を返してくる。

「わ、私も頑張るよ!!」
「あはは。心強いよ、琴音。ありがとう」



『放送室』



 そんな話をしていると、目的の場所へと辿り着く。


 僕は扉をノックする。

「生徒会長の蒼井空だ。失礼する」

 僕はそう言って扉を開けて中に入る。

「……生徒会長が放送部に何の用……っ!!??」

 中に居た部長の牧野くんは、訝しげに僕を見たあと、隣に居る琴音を見て驚きに顔を歪める。

 ……これでバレてないつもりなのかな?

 僕はちょっとだけ呆れながらも、言葉を発する。

「突然で大変申し訳ないんだが、今日の放送スケジュールの変更をお願いしたくて来た次第だよ」
「……放送スケジュールですか」
「うん。具体的にはお昼の放送を、本日行われる予算会議の告知として生徒会が使用したいと考えている」

 僕はそう言うと、彼に向かって頭を下げる。
 隣の琴音も同じように頭を下げる。

「無理を承知で頼んでいる。しかし、そこを何とかして欲しい。この通りだ」
「……い、いやその時間は既に」
「わ、私からもお願いします……っ!!」

 琴音!!ナイスタイミングだ!!

 私は下を向きながら笑みを浮かべた。

「…………うぅ」

 牧野くんは少しだけ思案したあと、ため息をひとつ吐いた。

 そして、

「…………わかりました」
「それは、了承した。と取ってもいいかい?」

 僕は顔を上げて彼に問いかける。

「はい。本来放送予定だったのは漫画部が依頼していたアニソンメドレーです。彼らには僕から明日に変更したと伝えておきます」
「いや、そこは僕がこの後に行こう。そこまで君に手を煩わせないよ」
「……そうですか。助かります」

 牧野くんはそう言うと、放送スケジュールを書いていた紙を手に取る。
 そして、昼の部分を『アニソンメドレー』から、『生徒会の予算会議告知』に書き換えてくれた。

「ありがとう。助かったよ」
「いえ。……こちらにも断れないような理由もありましたので」

 と、彼はちらりと琴音を見やる。

「…………?」

 琴音はなんのことか分からず、首を傾げる。

「…………はぁ」

 彼は小さくため息を吐くと、首を横に振った。

 自分の行動が、琴音になんの感情も抱かせてないことに気が付いたのか、彼は少し肩を落としていた。

「さ、さて!!僕たちはこれから漫画部に行くことにするよ!!」

 僕はこの空気を変えようと、声を張り上げる。

「はい。よろしくお願いします、生徒会長」
「うん。今日の予算会議では放送部や漫画部に不利なことにはならないと約束しよう」
「あはは……期待してます」

 僕と琴音は放送部を後にすると、次は漫画部の部室へと向かうことにする。




「ねぇ、空。さっきの部長さん。私のことをちらちら見てたけどなんなのかな?」

 と、琴音から言われた。

 牧野くん……名前すら覚えてもらってないぞ……

「あはは……僕にもよく分からないかな」
「そっかぁ……なんかあんまりいい気分じゃ無かったんだよね」

 下心があるような感じがしたんだよね。
 あれならまだハーレム王の視線の方がマシかなぁ……

 なんて、言ってる琴音……



 が、頑張れ牧野くん……

 僕は心の中で彼にエールを送った。
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