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第2章
番外編 ④ ~星くんの恋愛相談~
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番外編 ④
「へぇ、『学園の王子様』の恋慕のお相手は『深緑(しんりょく)の令嬢(れいじょう)』だったのね」
と、佐藤さんが言った。
「深緑の令嬢?なんだそりゃ」
健が首を傾げると、佐藤さんは言う。
「去年一年間美化委員をやってたのは知ってるでしょ?花壇とかを一生懸命に管理してる姿がとても綺麗だったから、一部では深緑の令嬢って呼ばれてるのよ」
「へぇ、そりゃあ初耳だったな」
俺も初耳だったな。
「それで、さっきの続きだけど。告白しない……出来ない理由を聞いてもいいかな?」
俺がそう言うと、星くんは苦笑いを浮かべる。
「間接的には君のせい。でもあるんだよね。桐崎副会長」
「……え?」
突然の役職呼びに、俺は驚く。
「部活動支援金。の話は知ってるよね?」
「当然だろ?俺が発案した……あ」
わかってしまった…………
「あはは。桐崎くん、わかったかな。もう既に俺にはたくさんの支援金が入ってるんだ」
「そうですね。詳しい金額は伏せますが、既に累計で五桁の金額が、星さん宛に支援金として入っています」
「「「五桁!?」」」
詩織さんの言葉に、三人が驚きの声を上げる。
「部長の館山さんからも、『金集めはお前に任せた』って言われててね。正直な話、俺が『独り身だから』支援金が入ってる。そう思ってるんだ」
「その、星くん?」
朱里がそんな星くんに言う。
「私も悠斗と付き合ってるけど、それなりの金額が支援金として入ってるみたいだよ?」
そう。朱里は俺と付き合ってる。そう公言してるけど、結構な額が支援金として入っている。
一概に『交際相手が居るから支援金入らない』とは言えないのでは?
そう思う朱里の気持ちは分かる。
だが、ことはそう簡単じゃない。
朱里と星くんとでは決定的な差がある。
「そうだね。たしかに藤崎さんは桐崎くんと付き合ってるけど支援金が入ってるね。でも、それって『支援金制度が出来た時点で既に付き合ってる』そんな状態だったよね?」
「……あ」
そう。そうなのだ。
今、朱里を支援してるのは
『朱里に俺と言う彼氏が居ても支援したい』
という人達なのだ。
星くんガチ恋勢。みたいな人達が彼を支援してるなら、星くんに彼女が出来たら支援なんかしないだろう。
そうなれば、サッカー部の支援金はガクッと減ることが予想出来る。
「だったらよ。部活を引退するまで恋愛を我慢すればいいんじゃねぇか?」
と健が言う。
そうだな。俺もそう思った。
彼が部活を引退する時に、首藤さんに告白して、OKを貰えれば、時間はかかるかもしれないが、丸く収まりそうだが……
「そう。俺もそう思ってたんだ」
そう言うと、星くんは少しだけ困ったように笑う。
「でも、事情が変わったんだ……」
「事情が変わった?」
俺は彼に説明を促した。
「そう。最初は俺も首藤さんへの想いを引退まで我慢して、全国大会で優勝したら告白しよう。そう思ってた」
「……かっけぇ」
俺は思わずそう呟いた。
「あはは。でもさ、事情が変わったんだ。その……他校のサッカー部の俺と同じフォワードの二年生がさ、練習試合で見かけた首藤さんに一目で惚れたみたいで、猛烈なアプローチをしてるみたいなんだ」
「…………マジか」
「首藤さんはそれを迷惑に思ってるみたいなんだけど、彼女が独り身なのをいいことに、その他校の生徒は引き下がらないみたいなんだ」
星くんはそう言うと、水をひと口飲んだ。
「彼女を助けたい。という気持ちが半分。彼女と付き合いたい。という気持ちも半分。俺はどうしたら良いかな?」
俺は少しだけ思案する。
そして、彼にこう話した。
「『学園の王子様が深緑の令嬢を悪漢の手から救い出す』そういうストーリーを作ろう」
と。
「へぇ、『学園の王子様』の恋慕のお相手は『深緑(しんりょく)の令嬢(れいじょう)』だったのね」
と、佐藤さんが言った。
「深緑の令嬢?なんだそりゃ」
健が首を傾げると、佐藤さんは言う。
「去年一年間美化委員をやってたのは知ってるでしょ?花壇とかを一生懸命に管理してる姿がとても綺麗だったから、一部では深緑の令嬢って呼ばれてるのよ」
「へぇ、そりゃあ初耳だったな」
俺も初耳だったな。
「それで、さっきの続きだけど。告白しない……出来ない理由を聞いてもいいかな?」
俺がそう言うと、星くんは苦笑いを浮かべる。
「間接的には君のせい。でもあるんだよね。桐崎副会長」
「……え?」
突然の役職呼びに、俺は驚く。
「部活動支援金。の話は知ってるよね?」
「当然だろ?俺が発案した……あ」
わかってしまった…………
「あはは。桐崎くん、わかったかな。もう既に俺にはたくさんの支援金が入ってるんだ」
「そうですね。詳しい金額は伏せますが、既に累計で五桁の金額が、星さん宛に支援金として入っています」
「「「五桁!?」」」
詩織さんの言葉に、三人が驚きの声を上げる。
「部長の館山さんからも、『金集めはお前に任せた』って言われててね。正直な話、俺が『独り身だから』支援金が入ってる。そう思ってるんだ」
「その、星くん?」
朱里がそんな星くんに言う。
「私も悠斗と付き合ってるけど、それなりの金額が支援金として入ってるみたいだよ?」
そう。朱里は俺と付き合ってる。そう公言してるけど、結構な額が支援金として入っている。
一概に『交際相手が居るから支援金入らない』とは言えないのでは?
そう思う朱里の気持ちは分かる。
だが、ことはそう簡単じゃない。
朱里と星くんとでは決定的な差がある。
「そうだね。たしかに藤崎さんは桐崎くんと付き合ってるけど支援金が入ってるね。でも、それって『支援金制度が出来た時点で既に付き合ってる』そんな状態だったよね?」
「……あ」
そう。そうなのだ。
今、朱里を支援してるのは
『朱里に俺と言う彼氏が居ても支援したい』
という人達なのだ。
星くんガチ恋勢。みたいな人達が彼を支援してるなら、星くんに彼女が出来たら支援なんかしないだろう。
そうなれば、サッカー部の支援金はガクッと減ることが予想出来る。
「だったらよ。部活を引退するまで恋愛を我慢すればいいんじゃねぇか?」
と健が言う。
そうだな。俺もそう思った。
彼が部活を引退する時に、首藤さんに告白して、OKを貰えれば、時間はかかるかもしれないが、丸く収まりそうだが……
「そう。俺もそう思ってたんだ」
そう言うと、星くんは少しだけ困ったように笑う。
「でも、事情が変わったんだ……」
「事情が変わった?」
俺は彼に説明を促した。
「そう。最初は俺も首藤さんへの想いを引退まで我慢して、全国大会で優勝したら告白しよう。そう思ってた」
「……かっけぇ」
俺は思わずそう呟いた。
「あはは。でもさ、事情が変わったんだ。その……他校のサッカー部の俺と同じフォワードの二年生がさ、練習試合で見かけた首藤さんに一目で惚れたみたいで、猛烈なアプローチをしてるみたいなんだ」
「…………マジか」
「首藤さんはそれを迷惑に思ってるみたいなんだけど、彼女が独り身なのをいいことに、その他校の生徒は引き下がらないみたいなんだ」
星くんはそう言うと、水をひと口飲んだ。
「彼女を助けたい。という気持ちが半分。彼女と付き合いたい。という気持ちも半分。俺はどうしたら良いかな?」
俺は少しだけ思案する。
そして、彼にこう話した。
「『学園の王子様が深緑の令嬢を悪漢の手から救い出す』そういうストーリーを作ろう」
と。
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