学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第九話 ~蒼井さんとの初めてのお出掛け~ ⑥

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 第九話  ⑥



 蒼井視点



 スヤスヤと僕の膝の上で寝息を立てる悠斗くんを見ながら、僕は微笑ましいものを感じていた。

 こうなることは予想通り。彼が僕の膝の上で眠るのはある程度わかっていた事だった。

 だから、こうして『生足』が彼に当たるような服装をチョイスしたんだからね。

 別にお弁当に何かを『盛った』訳じゃない。

 そりゃあ『愛情』はたっぷりと入れさせてもらったけど、そんな一介の高校生に『睡眠薬』なんて手に入れられるはずないだろう?

 きっと彼は昨晩『あの二人ととても隠微な夜』を過ごして来たと確信している。
 そんな『ほぼ徹夜』な彼が、適度に身体を動かして、美味しいご飯をたっぷり食べたらどうなるか?
 そんなのは簡単に予想出来るだろう。

 僕は悠斗くんの頭を撫でながら考える。

 さて、この後はどうしようかな?

 時刻は十三時。まぁ一時間くらいは寝かせてあげようかな。

 ここまでは非常に順調に来てる。互いに名前で呼び合う展開にも自然に持ち込めた。

 そして、最大の目標は

『悠斗くんと次のデートを約束させること』

 そして、僕が持っている二つ目の武器。
『諸刃の剣』
 の使い道は

『僕に対して再び罪悪感を抱かせること』

 このデートで『過去を精算した』なんて思わせては行けない。

 今後もずっと、彼には僕への想いを抱えて生きてもらう。

 悠斗くんの中に僕を刻み付けるのが目的だ。

『黒瀬さんのことを黙っていて欲しければ僕の言うことを聞いてもらおうか?』

 なんて使い方をするつもりは無い。

 そんなことをしたら、一生彼は僕を好きになることは無いだろう。僕は悠斗くんの人形が欲しいんじゃない。彼が丸ごと欲しいんだ。

『たまたま君に生徒会の件で会いに教室に行ったら、君と黒瀬さんの……その、ことを見てしまってね。あまりそういうことは、学校では控えた方が良いと思うんだよね?』

 みたいな言い方をするつもりだ。

 これならば、僕に『見られていた』という意識を持たせた上で、『黙っていてもらうためにも、僕の言うことは断れなくなる』という状況に持ち込めるはずだ。

 何も今日一日で『身体の関係』に持ち込むつもりは微塵も無い。そもそも、今日は彼の中はきっとすっからかんだろう。

 だったら、また後日にした方が確実だ。

「まったく。こんなに可愛い女の子たちに好かれるだなんて、君も幸せな男の子だね」

 僕はそう呟きながら、悠斗くんの頭を撫でる。

 あぁ……幸せだなぁ。
 早く彼の……全てが欲しい。

『身体』や『時間』だけ。じゃない。『心』まで全て僕のものにしたい。

 彼と黒瀬さんのデートの内容は会話まで含めて調べてある。

 黒瀬さんは彼の『心』に『慈愛』という方法でアプローチを掛けて『身体』と『時間』を手にすることが出来た。

 僕は逆に『罪悪感』を利用してまずは『時間』から奪いに行こう。


 彼を起こすまであと三十分。

 悠斗くんとの『時間』を楽しみながら、僕はこの後のことに思いを馳せた。
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