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第2章
第十話 ~狂乱の体育祭~ ②
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第十話 ②
詩織さんと手を繋いで誰も居ない校舎の中を進む。
目的地は職員室だ。
まだ空さんや三輪先輩が来ていないので、生徒会室は鍵が掛かっているはずだ。
俺たちは職員室で常駐している先生から鍵を借りて、生徒会室へと向かう。
『生徒会室』
鍵を解いてから扉を開く。
ひんやりとした空気を感じながら中に入ると、やはり誰も居なかった。
「俺たちが一番乗りだね、詩織さん」
「そうですね。まぁ下の人間が早く来るのは当然かと思います」
少しだけ体育会系的な思考回路に少しだけ面白さを覚えながら、俺は自分の椅子に座る。
すると、俺の隣に座った詩織さんが俺の目を見て言ってきた。
「今なら誰もいませんよ?」
「そうだね。だけど、もう五分もしないうちに先輩二人は来ると思うよ?」
俺のその言葉に、詩織さんはニヤリと嗤った。
「五分もあるじゃないですか」
「確かに」
俺はそう言うと、両手を広げる。
その中に詩織さんは飛び込んできた。
「幸せです」
「それは何より」
俺の身体をぎゅっと抱き締めながら、詩織さんは顔を胸に押し当てる。
「ドキドキしてますね」
「あはは。君に抱き締められて平常心でいられるほど、俺は枯れて無いよ」
その言葉に詩織さんは嬉しそうに笑って、
「キスしてください。先輩が来てしまうかもしれないので軽めの……んぅっ!!」
軽めのを所望していたようだけど、俺が我慢出来なかったので濃厚なのをしておいた。
早朝の生徒会室で会員二人がこんな事をしてるなんて、なんて不道徳……
そして、たっぷりと彼女を堪能した俺は唇を離す。
「ご馳走様」
「……はい。お粗末さまでした」
トロンとした目の詩織さん。そんな彼女を満足気に俺は見ていると、
コンコン
と扉がノックされた。
あはは。誰か来たみたいだ。
「はい!!空いてます!!桐崎悠斗と黒瀬詩織は既に出席しています!!」
と返事をした。
ガラリと扉が開くと、空さんと三輪先輩が一緒にやって来た。
「おはよう、黒瀬さん。『悠斗』くん」
「はい。おはようございます『空』さん」
俺と空さんは名前で呼びあって挨拶をした。
その様子を見た三輪先輩が驚いたように目を見開いた。
「え?空がハーレム王のことを名前で!?しかもお互いに!!??」
……その、三輪先輩のハーレム王呼びも何とかなりませんか……?
「あはは。昨日なんだけど、悠斗くんとラウンズで一日身体を動かしてきてね。お互いに親睦を深めてきたわけさ」
「名前呼びは空さんから言われたことですね。俺もそれに応じた形です。まぁ……怜音先輩も俺を名前で呼んでますし、ある種の親睦の証だと思っていただければと思います」
「そ、そうなんだ。わかったよ……」
三輪先輩はまだ納得はいって無いだろうけど、そう答えた。
「さて、蒼井さんに悠斗くん。時間も限られてますので仕事に入りましょう」
「うん。そうだね、ごめんね詩織さん」
俺は場の空気を元に戻してくれた詩織さんに感謝した。
「空さんの原稿ですが、拝読させてもらいました。特に問題は無いと思います。個人的にはもう少し面白味があってもいいかな?と思いましたが、空さんらしい言葉選びだと思いました」
「うん。ありがとう。本番もしっかりと噛まないように言えるようにするよ」
「ここに来るまでの間に、保管してある機材の確認もしてきたけど問題はなかったよ」
「スケジュールの時間割も余裕を持って作ってあります。こちらも特に問題なく行けるかと思います。万が一の場合は中休憩の時間で調整する予定になってます」
そんな会話をしながら、生徒会室で確認事項を一つづつ潰していく。
そして、
「うん。問題は無さそうだ。あとは怪我なく体育祭が終えられることを祈ろうか」
「そうですね。保健委員の仕事が無いのが理想ですからね」
なんて話をしていると、八時を少し回っていた。
「それでは、自分はこれから実行委員の仕事があるのでグランドに行きますね」
俺はそう言うと、椅子から立ち上がる。
「頑張ってください。悠斗くん」
「うん。ありがとう詩織さん」
俺はそう言うと、生徒会室から出て行った。
「待ってたよ、悠斗」
生徒会室から出て少し歩くと、ニコリと笑みを浮かべた朱里が俺の前に現れる。
「お待たせ。確認事項が多くて少し長引いちゃ……んっ!!」
俺の身体を廊下の壁に押し付けて、朱里は強引に俺と唇を重ね合わせる。
求められるまま、俺が舌を入れると……
ガリッ
「……っぅ!!!!」
舌が噛まれる。
鋭い痛みに思わず離れようとするものの、後ろは壁。
俺は逃げられない。
一度、二度、三度。
傷口を舐めるように朱里の舌が俺の傷口を刺激する。
唇を離したときに、赤く染った唾液が糸を引く。
唇の端に流れる俺の血を舌で舐め取り、朱里は言う。
「…………言い訳するな」
「はい」
「随分と詩織ちゃんと楽しんだみたいだね?」
ニヤリと嗤う朱里。
「私にもしてよ」
「当然だよ。求められなくても俺からしてた」
俺はそう言うと朱里の身体を抱きしめる。
「ねぇ悠斗の一番は誰?」
「朱里だよ。当然だろ?」
俺はそう言うと彼女と唇を重ね、痛みの残る舌を絡める。
「あなたの心は誰のもの?」
「朱里だよ。当然だろ?」
俺がそう言うと、朱里は満足したように笑みを浮かべる。
「今日。悠斗はみんなの前で詩織ちゃんからキスをされる」
「だろうね」
俺がそう答えると、朱里は楽しそうに言った。
「ねぇ、どうするの?」
「そうなったら全部を言うよ。俺の気持ちをね」
その言葉に朱里は嗤う。
そして、俺の目を見てこう言い放った。
「あはは!!そうなったら『狂乱の体育祭』の開幕だね!!」
と。
詩織さんと手を繋いで誰も居ない校舎の中を進む。
目的地は職員室だ。
まだ空さんや三輪先輩が来ていないので、生徒会室は鍵が掛かっているはずだ。
俺たちは職員室で常駐している先生から鍵を借りて、生徒会室へと向かう。
『生徒会室』
鍵を解いてから扉を開く。
ひんやりとした空気を感じながら中に入ると、やはり誰も居なかった。
「俺たちが一番乗りだね、詩織さん」
「そうですね。まぁ下の人間が早く来るのは当然かと思います」
少しだけ体育会系的な思考回路に少しだけ面白さを覚えながら、俺は自分の椅子に座る。
すると、俺の隣に座った詩織さんが俺の目を見て言ってきた。
「今なら誰もいませんよ?」
「そうだね。だけど、もう五分もしないうちに先輩二人は来ると思うよ?」
俺のその言葉に、詩織さんはニヤリと嗤った。
「五分もあるじゃないですか」
「確かに」
俺はそう言うと、両手を広げる。
その中に詩織さんは飛び込んできた。
「幸せです」
「それは何より」
俺の身体をぎゅっと抱き締めながら、詩織さんは顔を胸に押し当てる。
「ドキドキしてますね」
「あはは。君に抱き締められて平常心でいられるほど、俺は枯れて無いよ」
その言葉に詩織さんは嬉しそうに笑って、
「キスしてください。先輩が来てしまうかもしれないので軽めの……んぅっ!!」
軽めのを所望していたようだけど、俺が我慢出来なかったので濃厚なのをしておいた。
早朝の生徒会室で会員二人がこんな事をしてるなんて、なんて不道徳……
そして、たっぷりと彼女を堪能した俺は唇を離す。
「ご馳走様」
「……はい。お粗末さまでした」
トロンとした目の詩織さん。そんな彼女を満足気に俺は見ていると、
コンコン
と扉がノックされた。
あはは。誰か来たみたいだ。
「はい!!空いてます!!桐崎悠斗と黒瀬詩織は既に出席しています!!」
と返事をした。
ガラリと扉が開くと、空さんと三輪先輩が一緒にやって来た。
「おはよう、黒瀬さん。『悠斗』くん」
「はい。おはようございます『空』さん」
俺と空さんは名前で呼びあって挨拶をした。
その様子を見た三輪先輩が驚いたように目を見開いた。
「え?空がハーレム王のことを名前で!?しかもお互いに!!??」
……その、三輪先輩のハーレム王呼びも何とかなりませんか……?
「あはは。昨日なんだけど、悠斗くんとラウンズで一日身体を動かしてきてね。お互いに親睦を深めてきたわけさ」
「名前呼びは空さんから言われたことですね。俺もそれに応じた形です。まぁ……怜音先輩も俺を名前で呼んでますし、ある種の親睦の証だと思っていただければと思います」
「そ、そうなんだ。わかったよ……」
三輪先輩はまだ納得はいって無いだろうけど、そう答えた。
「さて、蒼井さんに悠斗くん。時間も限られてますので仕事に入りましょう」
「うん。そうだね、ごめんね詩織さん」
俺は場の空気を元に戻してくれた詩織さんに感謝した。
「空さんの原稿ですが、拝読させてもらいました。特に問題は無いと思います。個人的にはもう少し面白味があってもいいかな?と思いましたが、空さんらしい言葉選びだと思いました」
「うん。ありがとう。本番もしっかりと噛まないように言えるようにするよ」
「ここに来るまでの間に、保管してある機材の確認もしてきたけど問題はなかったよ」
「スケジュールの時間割も余裕を持って作ってあります。こちらも特に問題なく行けるかと思います。万が一の場合は中休憩の時間で調整する予定になってます」
そんな会話をしながら、生徒会室で確認事項を一つづつ潰していく。
そして、
「うん。問題は無さそうだ。あとは怪我なく体育祭が終えられることを祈ろうか」
「そうですね。保健委員の仕事が無いのが理想ですからね」
なんて話をしていると、八時を少し回っていた。
「それでは、自分はこれから実行委員の仕事があるのでグランドに行きますね」
俺はそう言うと、椅子から立ち上がる。
「頑張ってください。悠斗くん」
「うん。ありがとう詩織さん」
俺はそう言うと、生徒会室から出て行った。
「待ってたよ、悠斗」
生徒会室から出て少し歩くと、ニコリと笑みを浮かべた朱里が俺の前に現れる。
「お待たせ。確認事項が多くて少し長引いちゃ……んっ!!」
俺の身体を廊下の壁に押し付けて、朱里は強引に俺と唇を重ね合わせる。
求められるまま、俺が舌を入れると……
ガリッ
「……っぅ!!!!」
舌が噛まれる。
鋭い痛みに思わず離れようとするものの、後ろは壁。
俺は逃げられない。
一度、二度、三度。
傷口を舐めるように朱里の舌が俺の傷口を刺激する。
唇を離したときに、赤く染った唾液が糸を引く。
唇の端に流れる俺の血を舌で舐め取り、朱里は言う。
「…………言い訳するな」
「はい」
「随分と詩織ちゃんと楽しんだみたいだね?」
ニヤリと嗤う朱里。
「私にもしてよ」
「当然だよ。求められなくても俺からしてた」
俺はそう言うと朱里の身体を抱きしめる。
「ねぇ悠斗の一番は誰?」
「朱里だよ。当然だろ?」
俺はそう言うと彼女と唇を重ね、痛みの残る舌を絡める。
「あなたの心は誰のもの?」
「朱里だよ。当然だろ?」
俺がそう言うと、朱里は満足したように笑みを浮かべる。
「今日。悠斗はみんなの前で詩織ちゃんからキスをされる」
「だろうね」
俺がそう答えると、朱里は楽しそうに言った。
「ねぇ、どうするの?」
「そうなったら全部を言うよ。俺の気持ちをね」
その言葉に朱里は嗤う。
そして、俺の目を見てこう言い放った。
「あはは!!そうなったら『狂乱の体育祭』の開幕だね!!」
と。
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