学園の聖女様と俺の彼女が修羅場ってる。

味のないお茶

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第2章

第十話 ~狂乱の体育祭~ ③

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 第十話  ③



「おはよう、桐崎くん」
「おはよう、星くん。ごめんな遅刻しちまったよ」

 グラウンドに出ると、既に実行委員の星くんが確認業務を行っていた。

「あはは。生徒会の仕事もあるんだから、このくらいの遅刻なんて誤差みたいなものだよ。気にしないで構わないよ」

 笑顔でそう言ってくれる星くん。

 ごめん……遅れた本当の理由は、朱里とイチャイチャしてたからなんだ……

 とは言えない。

 実行委員の朱里は廊下で俺とキスをしたあと、

『私は機材の確認に行ってくるね。悠斗はグラウンドの確認だよね。じゃあまた後でね!!』

 と笑顔で去って行った。

『あーあーテステス。マイクのテスト中ー。生徒会副会長の桐崎悠斗くんは彼女とイチャイチャしていたので遅刻ですかー』

 と怜音先輩の声が響く。

「…………はぁ」

 テキトーなことを言わないでくれ!!とはなんとも言いづらいことを言われている……

「あはは……君も大変だね……」
「あの人の愛情表現は独特過ぎるんだよ……」

 俺は放送をしているテントへと歩いて行く。

『おや!!生徒会副会長の桐崎悠斗くんがこちらに向かってきているぞ!!何か遅刻に対してのコメントがもらえるのかな!!??』

「おはようございます。怜音先輩」

 俺が朝の挨拶をすると、怜音先輩はニヤリと笑って俺にマイクを渡してきた。

「さぁ、悠斗くん。マイクのテストをよろしく頼むよ」
「わかりました。遅刻の言い訳をさせてもらいますよ」

 なんて言って俺はマイクを受け取った。

 そして、

『皆さんおはようございます、生徒会副会長の桐崎悠斗です。マイクのテストを兼ねて、遅刻の言い訳をさせてもらいます!!皆さんすみません!!朱里と廊下でイチャイチャしてたら遅刻しました!!』

 あはははははは!!!!!!

 グラウンドにいる全ての生徒が笑っていた。

 後ろにいる怜音先輩も爆笑している。

『ここから先は遅れを取り戻すために頑張りますのでよろしくお願いします!!』

 俺はそう言うと、マイクを怜音先輩に返した。

「マイクは大丈夫そうですね」
「あはは。そうだね。まったく、やはり君は面白い男だね」

 怜音先輩はそう言うと、俺の耳元で囁いた。

『彼女に噛まれた舌はまだ痛むだろ?』

「……っ!!」

 まさか、本当に見られていたっ!!??

 驚愕の表情を浮かべる俺に、怜音先輩がニタリと笑った。

「なに、写真になんか残してないさ。私の心のバインダーに収めてあるだけだよ」
「……永久保存版じゃないですか」

 その言葉に、怜音先輩は笑った。

「あはは。そうだね。さて、悠斗くん。私がこのカードを使って君に何を言うと思う?」
「…………俺はあなたからデートに誘われるなんて思ってませんよ?」
「ふふふ。いや、君の予想は裏切らせてもらうよ?」

 その言葉に俺は驚いた。

「え?どういう意味ですか……」
「君と空のプライベートの対談。と言うのを新聞部として収録したい。三人でデートをしないか?」
「……それってデートなんですか?」
「ふふふ。親しい人同士が時間を決めて合うことをデートと言うんだよ?」
「……デートの定義を聞いてる訳じゃないんですけどね」

 俺はそう言ったあと、一つため息をついた。

「良いですよ。そのくらいなら。生徒会として新聞部にお付き合いします」
「ありがとう悠斗くん。ちなみにわかってると思うけど、私服で来てもらうからね?空と二人で学校とは関係ない会話をして、仲が良い事を示してもらいたい」
「なんでですか?」
「君と空が少しギクシャクしてる。と生徒たちの間で囁かれているから。と言うのもあるね」
「……あぁそうですか」
「まぁ『事実』は違うとは思うけどね。周りはそう思ってる。という話さ」

 怜音先輩はそこまで言うと、手をパタパタと振った。

「さて、この話はここまでにしようか。そろそろ真面目に働かないと『彼女』に怒られそうだしね」

 彼女?
 ……あぁ空さん辺りかな?

「あはは……怜音先輩から真面目なんて言葉が出るとは驚きです」
「あはは。言うじゃないか、悠斗くん。まぁいいや。デートの時間については体育祭が終わったら話をしようか」
「はい。それでお願いします」

 俺はそう言うと、テントから出てグラウンドの方へと歩いて行った。

 よし。白線の確認と、来訪者ゾーンのテープを確認を……


「ねぇ、悠斗?」
「……え!?あ、朱里……どうしたの」

 グラウンドをテクテク歩いていると、朱里がいつの間にか後ろに居た。

「デートって言葉が聞こえたけどどういうこと?」

 ニヤリと嗤う朱里。
 ……あぁ『彼女』というのは俺の『交際相手の朱里』と言う意味の彼女……

「いや……その……別に深い意味では無いんだけど」
「怜音先輩には手を出さないと思ってたんだけどなぁ」

 そう言った朱里は俺の耳元で囁く。

『今から体育館裏に来てよ。そこなら誰も居ないから』

 そう朱里は俺から離れると、体育館の方へと歩いて行った。

「……行かないわけにはいかないよな」


 俺はひっそりと体育館の裏へと向かった。





 そこでは、朱里から……まぁ……おしおきをされました。
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