精霊様と魔法使い~強奪チートで妖精キングダム~

くろげブタ

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7.森からの脱出

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 妖精さんが幸せに暮らせる国。
 妖精キングダムの建国。

 そのためにも、まずは今の窮地を脱しなければならない。

 先ほどまで近くでお喋りしていたサラマンダー男。
 探索を諦めたのか、遠くへと歩き去っていった。

「ふんぬっ」

 掛け声1発。
 俺は燃える倒木の下から、何とか這い出る事に成功した。

 それにしても背中が痛い。
 常人なら死にも直結しかねないヒドイ火傷。

 だが、幸いにも俺は常人ではない。
 ウルトラゴブリンから習得したスキル。
 体力自動回復C。

 多少の傷なら時間と共に元通りというわけだ。
 というわけで、とっととこの場を脱するとしよう。

 妖精になったシルフィア様を頭上に、俺はテクテクと。
 かつては泉であったクレーターから距離をとるべく移動する。

 しかし……背中が痛い。
 体力自動回復。本当に回復しているのだろうか?

────────────────────────────────────
体力:0+50=50
魔力:0+0=0
────────────────────────────────────

 死んでるじゃん!
 俺の体力0やん!

 いや……待て。
 契約により、俺とシルフィア様は一心同体。
 体力と魔力を共用するという。

 という事は、シルフィア様の体力の分。
 あと50はダメージを受けても大丈夫という事か?
 それを証明するように俺の怪我の影響か、時間と共にシルフィア様の体力が減少していた。

────────────────────────────────────
体力:0+45=45
魔力:0+0=0
────────────────────────────────────

 なるほど。
 俺とシルフィア様であわせて1つの体力という事だが……分かりづらい。
 表示を変更できないものか。

────────────────────────────────────
体力:40(120)
魔力:0 (10)
────────────────────────────────────

 よく分からんが変更できた。
 それは良いとして、全く体力が回復していないのだが……バグったか?

 いや。そういえば、先ほどまで10あった魔力が0になっている。
 これはもしかして……

───シルフィア様情報───

体力自動回復
消耗した体力を自動的に回復しつづける。
ただし、発動中は魔力を消費しつづける。

──────────────

 ……駄目じゃないか。
 元々俺の魔力は0。
 妖精さんになったシルフィア様の魔力は10。

 この魔力では体力自動回復などネコに小判。
 即座にガス決である。

 いや。そんな愚痴っている場合ではない。
 現実問題。このままでは死ぬ。

 先に森を逃げた妖精さんと合流できれば良いのだが……
 未だ炎の燻るこの場に居るはずもない。

「いってぇーーーーうぉーー」

 叫んでいる間は少し痛みが紛れるという。
 だが、根本的な解決にはなっていない。
 痛みは紛れても、このままでは失血死は免れない。

 魔力だ、魔力が欲しい!
 魔力さえあれば、体力自動回復で怪我が治るはずである。

 俺の悲鳴を聞いたシルフィア様は、空間から。
 アイテムボックスから魔石を取り出し、懸命にかじり始めていた。

 それは……俺が森で倒したモンスターの魔石。
 シルフィア様に言われるまま回収していたものだ。

 うおおお。食ってる場合かああああ。
 いてええんだよおおおお。

 その時、シルフィア様が魔石をかじるのにあわせて、魔力が少しだけ回復する。

 ……お??

 シルフィア様が魔石をかじる。魔力回復。体力自動回復。魔力枯渇。自動回復終了。
 シルフィア様が魔石をかじる。魔力回復。体力自動回復。魔力枯渇。自動回復終了。

 おお!

 シルフィア様は、魔石を食べると魔力が回復するのか?
 さすがはシルフィア様! 助かった。

 一生懸命に魔石をかじるシルフィア様だが、そろそろお腹が苦しそうである。

 がんばれ! シルフィア様!

 涙目で俺の方を見ている。

 がんばれ! がんばれ!

 俺の応援の甲斐あって、なんとか魔石をかじり続けるシルフィア様。
 俺の傷が癒えると同時。
 シルフィア様はお腹をぽっこり膨らませて、地面に倒れ伏していた。

────────────────────────────────────
名前:マサキ
体力:140(+20)
魔力:15 (+5)
────────────────────────────────────

 驚くべき事に、俺の魔力が5増加していた。
 いや。俺というより、シルフィア様の魔力というべきか?

───シルフィア様情報───

妖精は、魔力と親和性の高い存在。
魔石を食べる事で魔力が微小に成長する。
魔石を獲得したなら食べさせなさい。

──────────────

 それでモンスターを退治した後、俺に魔石を回収させていたのか。
 先を見据えた深謀遠慮。さすがはシルフィア様。尊敬です。

 おまけに、大ダメージから回復した影響か、俺の体力も増加していた。
 これまでノーダメージだったから分からなかったが、楽に勝てる場合でも適度に殴られた方が良いのだろうか?

 いやいや。痛い上にそれで死んでは元も子もない。
 体力は上がればラッキー程度の存在に考えよう。
 何より俺は魔法使い。魔力さえ上がれば問題ない。

 地面に寝転ぶシルフィア様を拾い上げ、俺は森を出るため走り出す。

 ついには森を抜け、街道と思わしき場所まで辿り着く。
 ここまで来れば一安心であろう。

 振り返る森に広がる黒い炎。
 奴ら……魔族だか何だか知らんが俺の、シルフィア様の森を燃やし尽くすなど。
 許されざる蛮行。この借りはいずれ返さねばなるまい。
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