精霊様と魔法使い~強奪チートで妖精キングダム~

くろげブタ

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11.山間の村。最前線の村。

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 衣料品店で、高級貴族御用達服を購入した。
 10万円しただけあって、素晴らしい着心地。
 その外見は、まるで高級スーツ。

 異世界もなかなかやるではないか。

 衣料品店を後にした俺は、そのまま宿屋へ向かう。

「ごめん。今晩の宿を頼みたい」

「ひ……は、はひ」

 今度は何だ? 
 今の俺は高級スーツに身を包んでいる。
 強盗に間違われる事もないはずだ。

「あ、あの。どちらの貴族様で?」

 ……なるほど。
 さすがは宿屋の受付。
 一目で俺の素性を見抜くとはな……

 今の俺はただの平民。
 ただし、妖精キングダムの建国後は異なる。
 シルフィア様が女王様となる。
 ならば、その腹心である俺はといえば、当然貴族。

「妖精キングダムの貴族。マサキだ。部屋にこだわりはない。よろしく頼む」

 それなら今から貴族を名乗っても何の問題もない。

「はい。質素な部屋で申し訳ありませんが、どうかこちらへ」

 精一杯の愛想でもって、部屋へと案内する受付。
 田舎村だから仕方はないが、本当に質素な部屋。
 テレビもない。エアコンもない。
 それでもベッドはなかなかに寝心地が良い。
 シルフィア様もベッドの上でポンポン飛び跳ねご満悦である。
 1泊2万円の価値はあったというものだ。


 翌朝。
 森を出て以来、久しぶりの快眠。
 体調も万全とあらば、今日はモンスター退治に出かけるとしよう。

 大通りを通り抜け、村を囲む柵へと到着する。
 いっちょ前に柵の一部は門になっており、門番であろう兵士が控えていた。

「あの。どちらへお出かけで?」
「どこの貴族だ? 外は危険で一杯だというのに」

 外へ出ようとする俺を、門番の兵士が足止めする。

 どうやら貴族である俺が、モンスター退治などという野蛮な行為に赴く事を疑問に思っているようだ。

 その疑問。もっともである。
 俺は妖精キングダムの貴族にして、最強魔法使いである天才軍師。
 ただし、そのいずれも将来の。である。

 残念ながら今の俺は貧弱なだけのただの平民。
 知能だけは天才だが、体力、魔力ともに子供並と言わざるをえない。

 いかに天才といえど、その才が芽生える前。
 子供であるなら、野蛮な大人の暴力に屈する事もある。

 そうはならないよう。
 俺の才能をいち早く開花させるためにも。

「貴族たるもの民の平穏を守るのが義務。これよりモンスター退治に赴く。通していただきたい」

 モンスターを食べて魔石を食べて、俺自身をレベルアップさせるのだ。

「なんと見上げたお心意気」
「我らがトータス村の領主にも見習ってほしいもんだぜ」
「どうかお気をつけて行ってきてください」

 村を出る俺を敬礼で見送る兵士たち。
 田舎村だと馬鹿にしていたが、なかなか礼儀正しいではないか。

「そういえば……あの男。本当に貴族なのか?」
「確かに……高級貴族御用達服を着ているからてっきり」
「貴族様なら貴族証を持っているはずだが……」
「次に通る時に確認するか」

 門を通り抜けすでに街道へ到達する俺の耳に、風に乗り兵士の声が聞こえていた。

 貴族証だと? 何だそれは?
 当然だかそのような物は持っていない。

 そして、高級貴族御用達服。
 どうやら、宿屋の受付といい門番の兵士といい。
 俺を貴族だと勘違いしたのは、この服。
 高級スーツが原因のようである。

 衣料品店から適当に見繕ったのだが……
 これは本来、平民は購入できない服なのではないか?
 留守番を務めるという小娘が、間違えて売ってしまった可能性が高い。

 名前から考えても、おそらく貴族は特別な身分。
 貴族を詐称したとなれば、罪にも問われかねない。

 ……まあ良いか。
 高級スーツの着心地を堪能した今。
 今さらふんどし一丁に戻れやしない。

 俺は妖精キングダムの貴族。
 着るのが当然。着ない方が間違いというもの。

 それよりモンスターだ。
 適当に雑魚モンスターを蹴散らして、魔石を獲得。
 レベルアップに励むとしよう。

 っと、その前に。
 俺は精霊ボックスから魔石を取りだした。

「はい。シルフィア様。朝食ですよー。たくさん食べて大きくなりましょうねー」

 取り出したのは、森で退治したゴブリンマンの魔石。
 シルフィア様には三食。全て魔石を食べていただく。
 いち早く魔力を上げるには、これが一番の近道。

 強くなるだけであれば俺は戦わずとも良いのだが、森で集めた魔石の在庫もいずれは尽きる。
 何より全てがシルフィア様まかせというのも、みっともない話。
 俺はヒモではないのだから頑張るとしよう。

 そんなわけでザクザク山道を進む。

 俺が辿り着いた村。
 トータス村は周囲を山に囲まれた山間の村。
 野生のモンスターには事欠かないはずだ。

 樹木の生い茂る山道。
 薄暗い事もあり、少々不穏な雰囲気に包まれていた。

 そういえば……何も考えずに村を出たが。
 付近はどのようなモンスターが生息しているのであろうか?
 まさか手強いモンスターがいやしないだろうか?

 森で始めてモンスターと相対した時。
 俺の傍らにはシルフィア様が居た。
 まあ、今も居るが……そうではない。
 精霊だった頃の、お強いシルフィア様。
 おかげで、何の不安もなくモンスターと戦う事が出来たのだ。

 かえりみて今の俺はというと……

────────────────────────────────────
名前:マサキ
体力:140
魔力:15
────────────────────────────────────

 一般人をやや上回るだけの体力。
 一般人を大きく下回る魔力。

 おまけに武器も何もない。
 あるのは──

 パクパクモグモグ

 頭上で魔石にパクつくシルフィア様だけ。
 心もとないにも程がある。

 ゴソゴソと樹木の影から蠢く音がする。
 辺りにプンと漂う獣臭。近寄る何者かの気配。

 それでも。弱くなったとはいえ、シルフィア様はシルフィア様。
 異世界における俺の心の拠り所。
 あの時はシルフィア様に守られる立場だった俺だが、今は俺がシルフィア様を守る立場にある。
 そのためにも、ここは完勝といきたいものだ。

「シギャー!」

 飛び出したのは黄色く長い身体。
 光る眼。口元から覗く鋭利な牙。
 4ツ足で2メートル近い体躯を蹴って飛びかかるその姿は、危険な猛獣に他ならない。

「穿て。風の弾丸。ウインド・バレット!」

 ドッドッドン

 俺が放つは風の魔法。
 飛びかかる猛獣の腹へと3発の風弾が収束する。

 カキーン

 しかし、猛獣の魔力バリアに弾かれ、風弾は力なく霧散した。

────────────────────────────────────
名前:サーベルキャットマン
体力:350
魔力:350
スキル:???
────────────────────────────────────

 精霊アイで覗き見るモンスターの能力。
 精霊アイのレベルが落ちたため、スキルは不明。

 それでも分かる。
 俺とは魔力のレベルが違う。
 強さの桁が違う。

「ギシャー!」

 猛獣の爪が振るわれる。
 身をかわす暇もない。
 バネのように振るわれた爪は、俺の身体を縦に切り裂いた。

 ズバアッ

 吹き飛ぶ左腕。
 左肩からその先が軽い。

 まさか……まだ村からそれほど離れていないのだぞ?
 だというのに、このような凶暴なモンスターが生息しているなど。
 俺の知能を持ってしても予測できない不測の事態。

 いや……冷静に考えれば、ここは人里離れた山間の村。
 魔族と争う大地。その最前線に位置する村なのだ。

 冷静に考えれば、当然ありえる話。
 まさかこの俺が。
 貴族だ何だと言われ、調子に乗りすぎたとでもいうのか?

 とにかく、今は背を向け一目散に逃げるほかない。

 凶暴な猛獣に対して、並の体力しか持たない俺。
 森の中、武器もなく猛獣に勝てようはずがない。

「ギシャー!」

 背後に迫るであろう猛獣。
 振り向く余裕もない。
 それでも、絶望的な事だけは分かる。

 ここは日本でもなければ、安全な街中でもない。
 弱肉強食。ここが情け容赦のない異界の地である事を思い出す。

 俺の運命は終わるのか?
 ここで猛獣のエサとして。何も成す事なく終わるのか?

 ドンッ

 突如。俺の背後で地面が爆ぜていた。
 風弾。ウインド・バレットが地面を穿ち、辺りに土煙が、木の葉が舞い上がる。

 俺は樹木の幹を掴んで急速旋回。
 騒動に紛れて猛獣の視界から外れ、何とか逃亡に成功した。

「はあっ……はあっ……」

 猛獣を振り切ったか?
 とっさに辺りの腐葉土へ。
 落ち葉の下へと潜り込み、身を潜める。

 先ほどのウインド・バレット。
 モンスターを狙えば魔力バリアに弾かれる。
 だから地面を狙ったのか?

 巻き起こる土煙が、舞い上がる落ち葉が目隠しとなっていなければ。
 俺は逃げる暇なく死んでいた。

「はあ……はあ……あ、ありがとうございます。シルフィア様」 

 俺の頭上から。
 背後へウインド・バレットを放ったのは、シルフィア様。

 心もとない事など何もない。
 このような小さな外見になっても、やはりシルフィア様は俺のご主人様。
 俺の尊敬する精霊様。

 異世界に来た時のそのまま。今も俺を守ってくれている。

 それに引き替え……俺のこの様は何だ?

 守るべき森から。ダンジョンから逃げ出して。
 今も守ると誓ったシルフィア様に助けられてばかり。

 何が貴族か……何が天才か!
 俺の目から滴り落ちるのは涙。
 だが、恐怖で泣くのではない。
 俺が嘆くのは自身の情けなさ。

 天才でも何でもない。
 隠れてうずくまるだけのミジンコのような存在。
 それが俺だという事実に……

 しかも、これでは全く隠れる事にもなっていない。
 俺の左肩を湯水のようにあふれ出る血。
 むせ返る血の匂いは、落ち葉の下に隠れた程度で隠せるものではない。

 片腕を失うほどの大怪我なのだ。

 体力自動回復スキル。
 魔力を消費して、自信の怪我を治療するとはいうが。
 これだけの傷を癒すには、いくらの魔力が必要になるだろう。
 今の魔力ではとても治療は不可能。それほどの重症。

 あの猛獣……サーベルキャットマンといったか?
 今は俺の左腕を食べて満足しているかもしれない。
 だが、あの体格だ。
 すぐに食べ終え、匂いをたどり、やって来る。

 俺の元へ。
 そして今度、食べられるのは俺の身体。
 そして……シルフィア様の身体。

 シルフィア様……なぜ俺のようなミジンコと契約したのだろう?
 もっと強い。
 それこそギルドにいたような冒険者と契約すれば良かったのだ……

 今からでも解約できないものだろうか?
 そうすれば、シルフィア様だけでも。
 空を飛べる妖精であれば、地を這う猛獣から逃げる事が出来るのだから。

「シル……」

 呼びかけようとする。
 俺が見たのは、一心不乱に魔石をかじるシルフィア様のお姿だった。

 あわせて徐々にだが俺の傷口から。
 流れあふれる血が止まっていく。

 俺を見捨てて逃げるなど、頭にもない。

 体力自動回復スキル。
 その発動に足りない魔力を。
 俺の怪我を癒すため、シルフィア様は魔石を食べて補充し続けているのだ。

 お腹が苦しいだろうに、自身の身体ほどもある大きな魔石を必死にかじり続けるシルフィア様。

 ……その信頼に応えずして……何が天才か!

 俺は天才軍師。
 力では敵わない。
 魔力も敵わない

 落ち葉に埋もれたまま、身にまとう高級貴族御用達スーツを脱ぎ捨てる。
 何が貴族か! 
 今の俺には部不相応な華美な服。

 俺にあるのは、ただ俺の頭脳。
 俺が奴に勝るのは、天才としての知性ただ1点。

 ザクザク

 静寂に満ちる森に、猛獣の足音だけが鳴り響く。

 ザクザク

 俺の怪我はまだ治らない。
 当たり前だ。左腕を失ったのだ。

 ザクザク

 血の匂いを辿り、猛獣がやって来る。
 血を流しすぎたからか。
 俺は無性にお腹が空いていた。

 ザクザク

 俺を食らい尽し、シルフィア様をも食らい尽さねば、猛獣が止まらないというのなら。

 ザクザク

 俺が先にお前を食らうまでだ!

「ギシャー!」

 落ち葉の間から漂う濃厚な血の匂い。
 猛獣。サーベルキャットマンが見逃すはずもない。

 天高く飛び上がり、小高く盛り上がる落ち葉へと爪を突き立てた。

 ズギャーン!

 吹き飛ぶ落ち葉。
 ちぎれ飛ぶ人影。

 同時に、俺は身体に積もる落ち葉を振り切り、跳ね起きる。
 目の前に見えるは猛獣。サーベルキャットマンのその背中。

 全力を込めて。
 俺は一気に拳を突き入れた。

 ドカーン!

「ギャイーン?!」

 俺のパンチがサーベルキャットマンの背中を打ち抜いた。
 不意をついた一撃は、確実に奴の身体を捉え、吹き飛ばし、地面へと叩きつける。

 血の匂いを辿り、飛びついたのだろうが。
 俺の身体の出血は、体力自動回復によりすでに止まっている。

 貴様が引き裂いたのは、高級貴族御用達スーツ。
 流れる血を全て拭い、落ち葉を積み埋め置いたのだ。

 これぞ天才こそが成せる策略。空蝉の術。

「ギシャー!」

 完全に俺のパンチが入ったにもかかわらず。
 地面を跳ね起き、向き直るサーベルキャットマン。

 それでこそ猛獣。

 今度こそ逃がさないとばかりに飛びかかる。
 その身体。その牙で俺を食らおうというのだろうが……

 シルフィア様が森で俺を鍛えたのは何のためだ?
 暴飲暴食。モンスターのスキルを取り込むため。
 魔法だけが俺の力ではない。
 俺には森で習得した数々のスキルがある。

 俺は自身の目に魔力を込める。
 シルフィア様のスキル。精霊の目。精霊アイ。

 魔力を込めることで、相手の能力を分析。
 さらには、一時的に驚異的な動体視力をも獲得できるのが精霊アイ。

 今の俺には、貴様の飛びかかり。
 スローモーションのように丸見えだ。

 飛びかかるサーベルキャットマン。
 その顔面を目がけて、俺は全力で拳を振り抜いた。

 ドカーン!

「ギャオォォォーン!」

 地面に叩き落とされたサーベルキャットマンが盛大な悲鳴を上げる。

 それも当然。これはただのパンチではない。
 ウルトラゴブリンから奪った、スキル練度AのA級パンチ。

 A級スキルは一騎当千スキル。

 その破壊力は、個であっても集団を相手取る力を持つほどだという。
 そのクロスカウンター。

「グルルル……」

 だが、背後からの不意打ち。正面からのクロスカウンター。
 2発のA級パンチを受けたにもかかわらず、サーベルキャットマンは起き上がろうとしていた。

 肉体系スキルの。
 パンチの威力を決定するのは、スキル練度と体力。

 いくらA級パンチといえど、一般人に毛が生えた程度の体力しか持たない俺では、本来の性能は引き出せない。
 A級スキルの能力を全て引き出すには、A級に相応しい体力が必要ということか。

 いいだろう。
 奴が動きを止めないというのなら、動きを止めるまで……

 血を流して、ちょうどお腹が減っていたところだ。
 地面をのたうち回るサーベルキャットマン。
 その喉元へと。

 ガブリ

 俺は全力で噛みついた。

 俺が持つA級スキルはパンチだけではない。
 俺の噛みつきスキルは、クレイジーベアから分捕ったスキル。
 その練度もまたA級なのだ。

「ギャイィィイィィーン!」

 断末魔の悲鳴を上げ、サーベルキャットマンは息絶えた。
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