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38.化け物
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首根っこを押さえるアヤシーンが手の内で暴れ回る。
「ぐわっ。おい。放せ。放さんか!」
言われずとも。だ。
騒ぐアヤシーンを引きずり、負傷者の元まで走り戻る。
そのまま馬車の前へと放り投げた。
「ウガ?」
そこはサイクロプスマンの手前。
約5メートル。
「ひっ!?」
「ウガー!」
逃げるアヤシーン。
追うサイクロプスマン。
賢者は他者にも学ぶもの。
決して驕らず、優れた知恵を貪欲に吸収する。
アヤシーン。
集団を生かすため、弱者を切り捨てる。
その巧みな戦術。
俺も真似させてもらうとしよう。
その間も、馬車を降りた老人たちが、山賊を迎え撃つ。
「ふぉっふぉっふぉ。わしの古武術。受けてみるかな?」
ズバーン
2つに断たれる胴体。
古武術のタツオ。即死である。
「ジジイが。鬱陶しいんじゃい」
ペッ
吐き出される唾が遺体を汚す。
────────────────────────────────────
名前:山賊A
LV:20
体力:180
魔力:180
────────────────────────────────────
10代後半だろう。年若い山賊。
一般人に毛が生えた程度の能力。
時の流れは無情である。
かつての達人であっても、若さには敵わない。
かつての達人であっても、怪我には敵わない。
「アーウー! こんのー!」
「うおーおいらの魔法を食らえー!」
「にゅー!」
善戦するのはシルフィア様ほか2名のみ。
敵は複数。
守るべき老人も負傷者も複数。
全員を守れるはずもない。
俺がアヤシーンの相手をしていた間にも。
老人たちが、負傷者たちが山賊に斬り捨てられていく。
だが、俺が手助けに向かうわけにはいかない。
ムシャムシャ
俺の眼前。
殴り倒したアヤシーンを貪る一つ目の巨人。
サイクロプスマン。
────────────────────────────────────
名前:サイクロプスマン
体力:2000
魔力:1000
────────────────────────────────────
───シルフィア様の豆知識───
体長5メートルを超える一つ目の巨人。
その体力は抜群。
殴り捕まえ獲物を貪る野蛮なモンスター。
半面、知能が低く魔力に劣ります。
戦うのであれば、決して近づかないこと。
野蛮な匂いが髪に着いては、嫌ですから。
────────────────
アヤシーン。
時間稼ぎにすらならない。
俺たちが逃げる暇もない。
それも当然。
相手は体力2000の化け物なのだ。
「チョット! なんとかしなさいよ!」
「うおー! 数が多いぞーとても守れんぞー」
完全に山賊に包囲される俺たちの馬車。
なんとかと言われても、何ともしようがない。
軍師は常に冷静。
互いの戦力差を比較する。
結論──勝ち目は0である。
「マサキさん。早く逃げてください!」
相対するサイクロプスマンにしがみつく。
重症を負い、戦うことも出来ない冒険者。
俺の魔法でも。治療できなかった者たち。
生き残るには──
彼らの声に背を向け、俺は走り出す。
生贄作戦を続行する他に道はない!
「ぎゃあー」
「せめて足止めでも」
「ごぶうんをー」
振りほどき、叩き潰すサイクロプスマン。
背後に聞こえるは、彼らの断末魔。
「にゅぅ……」
彼らの最期に悲しげな声を漏らすシルフィア様。
老人たち。負傷者たちは、この逃避行で出会っただけの関係。
行きずりの隣人でしかない。
生贄としてシルフィア様が逃げる時間を稼げるなら、名誉の戦死である。
そんな彼らを気づかうというのだろうか?
全くもって無駄な感情。
だが、それこそがシルフィア様が王者たる証。
仁の心。義の精神。
シルフィア様が願うのであれば、打ち倒さねばならない。
暴虐の限りを尽くす悪鬼。サイクロプスマン。
例え無理難題だろうと、勝つための策を練らねばならない。
それが軍師の役割。
「コンノ……こんのバカ! 何やってるノヨ! 逃げるな! アタシがやるわヨ!」
ミーシャは迫る山賊を蹴り飛ばし、サイクロプスマンへ向かおうとする。
「ミーシャ。お前は黙って山賊の相手をしろ!」
先走るミーシャを一喝。
今。守るべきは俺の命。シルフィア様の命。
お前は俺の肉奴隷。勝手に死なせはしない。
生贄作戦は続行する。と言った。
だが、アヤシーンの策は、逃げるための策。
俺が成すべきは勝利のための策。
俺たちの中で最大の戦力。
それは、この俺だ。
俺が奴と相対。打ち倒すより他にない。
ならば、俺が奴を倒すにはどうすれば良い?
俺が奴より勝る部分は何だ? 俺の強みとは何だ?
サイクロプスマンに背を向け、走り寄る。
馬車の周囲に散らばる、かつての老人たち。
かつての達人たちの成れの果て。その遺体。
俺の強み。それはもちろん暴飲暴食。
食することで、対象が所持するスキルを習得する特殊な技能。
それこそがシルフィア様が俺と契約した最大の理由。
俺が異世界で生きるための活路。
では、対象とは何だ?
俺はこれまでモンスターを食して、そのスキルを奪って来た。
暴飲暴食の対象とは何だ?
人間とモンスター。どちらも生きとし1つの生命。
いったい何が違うという?
「マサキ殿。お逃げくだされー。ぎゃあー!」
「……何が生贄よ……アタシなんかより……アンタのがよっぽど化け物じゃナイ!」
……そうだ。俺は化け物だ。
月が見える。
俺の髪が逆立ち波打ち、八重歯が犬歯へと伸び始める。
見上げる満天の星空に、俺はまん丸の月を見た。
────────────────────────────────────
体力:1075 →【1575】満月ブースト発動
魔力:570
────────────────────────────────────
闇夜において力を発揮する。
ワーウルフマンを食らって得たこのスキル。
対象を食してスキルを習得するなど。
到底、人間業とは思えないその所業。
シルフィア様と契約したその時から。
すでに俺は人間ではなくなったのだ。
俺は化け物にして、すでにモンスター。
今さら人間としての建前など──必要ない。
ガブリ パクリ ゴクン
────────────────────────────────────
習得スキル
槍術 :A ↑
古武術 :A NEW
剛力 :A NEW
敏捷 :A ↑
瞑想 :A NEW
体力自動回復:A ↑
────────────────────────────────────
腕が熱い。
すでに幻痛すら無くなって久しい俺の左腕が。
握る。開く。動く。
俺の肩から先。失ったはずの左腕が再生していた。
体力自動回復。
そのA級ともなれば、欠損部位ですら再生するのだ。
「ウガー!」
取り付く負傷者を蹴散らして、サイクロプスマンが迫り来る。
握りしめる。
俺の左拳。
宿るは古の技術。A級古武術。
拾い上げる。
右腕に掴むは、かつて老人マタキチが手にした槍。
宿るは達人の技。A級槍術。
「私が最期……もう持たない……早く行って」
いよいよ目前まで迫るサイクロプスマン。
それでも遮ろうと、足を引きずり1人の少女が立ちふさがる。
サイクロプスマンが棍棒を振り下ろす。
それは少女の頭を穿つ必殺の一撃。
生贄作戦──これ以上の犠牲は必要ない!
振り下ろされる棍棒。その腕を目がけて。
俺は渾身の左ストレートを叩きつけた。
ズバーン
棍棒の一撃は少女の頭を逸れ、地面へと穿たれる。
「ウガ?」
A級古武術が奥義。受け流し。
奴の腕を横から叩いて、角度をズラしたのだ。
加えて、古武術を習得した者は、全ての体術の威力が増加する。
「ウギャアー!」
悲鳴を上げて棍棒を取り落すサイクロプスマン。
その腕が、骨が異様な角度に折れ曲がっていた。
剛力をも加えた俺のA級パンチ。
ただズラすだけで済もうはずがない。
「下がっていてくれ」
少女を背後に庇う。
腕を折った程度で怯むような相手なら。
サイクロプスマンが怪物だとは言われない。
「ウガー!」
落ちた棍棒を左腕でつかむと、まったく躊躇なく殴りかかる。
ガキーン
両手に構える槍で打ち払う。
ガキーン
巨体にふさわしいパワー。
ガキーン
巨体に似合わぬスピード。
ガキーン
槍と棍棒が火花を散らして激突する。
ボキーン
槍を持つ俺の両腕が軋み、曲がり、悲鳴を上げていた。
それでも。A級スキルである体力自動回復。
軋みは消え去り、曲がりは戻り、新たな力が湧き上がる。
体力で劣る俺が打ちあえるのも。
A級槍術のおかげ。
老人たちの残してくれたA級スキルのおかげ。
ガキーン ガキーン
打ち、払い、突く。
暴飲暴食。
俺は食らうのではない。
受け継ぐのだ。
彼らのスキルを。想いを。
ガキーン ガキーン
何十合と打ち続く。
俺とサイクロプスマンの鍔迫り合い。
「にゅ!」
互いの槍と棍とが荒れ狂う暴風の最中。
シルフィア様が俺の頭上で声を上げる。
頭が熱い。これは魔力の奔流。
そうだ。
俺だけではない。
シルフィア様と一緒につなげるのだ。
未来へ。彼らの生きた証を。
そのためにも……ここで死ぬわけにはいかない!
シルフィア様の魔力が流れ込むと同時。
俺の脳内に、動くべき軌跡が駆け巡る。
その流れのままに──
俺が放つは、A級槍術が奥義。
ラッシュ・突き。
シルフィア様が唱えるは風魔法ウインド・マシンガン。
2人のスキルと魔法が1つとなり爆発する。
今が臨界点。
【連携スキル・ライトニング・スラスト!】
ズン ズン ズン ズン ズドーン
電光石火の500連突き。
頭。胸。右腕。左腕。股間を無数に突き抜かれ、サイクロプスマンの巨体が崩れ落ちる。
彼らもまた一緒に連れて行くのだ。
魂を安置するべき聖域。
そのための妖精キングダム。
「ぐわっ。おい。放せ。放さんか!」
言われずとも。だ。
騒ぐアヤシーンを引きずり、負傷者の元まで走り戻る。
そのまま馬車の前へと放り投げた。
「ウガ?」
そこはサイクロプスマンの手前。
約5メートル。
「ひっ!?」
「ウガー!」
逃げるアヤシーン。
追うサイクロプスマン。
賢者は他者にも学ぶもの。
決して驕らず、優れた知恵を貪欲に吸収する。
アヤシーン。
集団を生かすため、弱者を切り捨てる。
その巧みな戦術。
俺も真似させてもらうとしよう。
その間も、馬車を降りた老人たちが、山賊を迎え撃つ。
「ふぉっふぉっふぉ。わしの古武術。受けてみるかな?」
ズバーン
2つに断たれる胴体。
古武術のタツオ。即死である。
「ジジイが。鬱陶しいんじゃい」
ペッ
吐き出される唾が遺体を汚す。
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名前:山賊A
LV:20
体力:180
魔力:180
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10代後半だろう。年若い山賊。
一般人に毛が生えた程度の能力。
時の流れは無情である。
かつての達人であっても、若さには敵わない。
かつての達人であっても、怪我には敵わない。
「アーウー! こんのー!」
「うおーおいらの魔法を食らえー!」
「にゅー!」
善戦するのはシルフィア様ほか2名のみ。
敵は複数。
守るべき老人も負傷者も複数。
全員を守れるはずもない。
俺がアヤシーンの相手をしていた間にも。
老人たちが、負傷者たちが山賊に斬り捨てられていく。
だが、俺が手助けに向かうわけにはいかない。
ムシャムシャ
俺の眼前。
殴り倒したアヤシーンを貪る一つ目の巨人。
サイクロプスマン。
────────────────────────────────────
名前:サイクロプスマン
体力:2000
魔力:1000
────────────────────────────────────
───シルフィア様の豆知識───
体長5メートルを超える一つ目の巨人。
その体力は抜群。
殴り捕まえ獲物を貪る野蛮なモンスター。
半面、知能が低く魔力に劣ります。
戦うのであれば、決して近づかないこと。
野蛮な匂いが髪に着いては、嫌ですから。
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アヤシーン。
時間稼ぎにすらならない。
俺たちが逃げる暇もない。
それも当然。
相手は体力2000の化け物なのだ。
「チョット! なんとかしなさいよ!」
「うおー! 数が多いぞーとても守れんぞー」
完全に山賊に包囲される俺たちの馬車。
なんとかと言われても、何ともしようがない。
軍師は常に冷静。
互いの戦力差を比較する。
結論──勝ち目は0である。
「マサキさん。早く逃げてください!」
相対するサイクロプスマンにしがみつく。
重症を負い、戦うことも出来ない冒険者。
俺の魔法でも。治療できなかった者たち。
生き残るには──
彼らの声に背を向け、俺は走り出す。
生贄作戦を続行する他に道はない!
「ぎゃあー」
「せめて足止めでも」
「ごぶうんをー」
振りほどき、叩き潰すサイクロプスマン。
背後に聞こえるは、彼らの断末魔。
「にゅぅ……」
彼らの最期に悲しげな声を漏らすシルフィア様。
老人たち。負傷者たちは、この逃避行で出会っただけの関係。
行きずりの隣人でしかない。
生贄としてシルフィア様が逃げる時間を稼げるなら、名誉の戦死である。
そんな彼らを気づかうというのだろうか?
全くもって無駄な感情。
だが、それこそがシルフィア様が王者たる証。
仁の心。義の精神。
シルフィア様が願うのであれば、打ち倒さねばならない。
暴虐の限りを尽くす悪鬼。サイクロプスマン。
例え無理難題だろうと、勝つための策を練らねばならない。
それが軍師の役割。
「コンノ……こんのバカ! 何やってるノヨ! 逃げるな! アタシがやるわヨ!」
ミーシャは迫る山賊を蹴り飛ばし、サイクロプスマンへ向かおうとする。
「ミーシャ。お前は黙って山賊の相手をしろ!」
先走るミーシャを一喝。
今。守るべきは俺の命。シルフィア様の命。
お前は俺の肉奴隷。勝手に死なせはしない。
生贄作戦は続行する。と言った。
だが、アヤシーンの策は、逃げるための策。
俺が成すべきは勝利のための策。
俺たちの中で最大の戦力。
それは、この俺だ。
俺が奴と相対。打ち倒すより他にない。
ならば、俺が奴を倒すにはどうすれば良い?
俺が奴より勝る部分は何だ? 俺の強みとは何だ?
サイクロプスマンに背を向け、走り寄る。
馬車の周囲に散らばる、かつての老人たち。
かつての達人たちの成れの果て。その遺体。
俺の強み。それはもちろん暴飲暴食。
食することで、対象が所持するスキルを習得する特殊な技能。
それこそがシルフィア様が俺と契約した最大の理由。
俺が異世界で生きるための活路。
では、対象とは何だ?
俺はこれまでモンスターを食して、そのスキルを奪って来た。
暴飲暴食の対象とは何だ?
人間とモンスター。どちらも生きとし1つの生命。
いったい何が違うという?
「マサキ殿。お逃げくだされー。ぎゃあー!」
「……何が生贄よ……アタシなんかより……アンタのがよっぽど化け物じゃナイ!」
……そうだ。俺は化け物だ。
月が見える。
俺の髪が逆立ち波打ち、八重歯が犬歯へと伸び始める。
見上げる満天の星空に、俺はまん丸の月を見た。
────────────────────────────────────
体力:1075 →【1575】満月ブースト発動
魔力:570
────────────────────────────────────
闇夜において力を発揮する。
ワーウルフマンを食らって得たこのスキル。
対象を食してスキルを習得するなど。
到底、人間業とは思えないその所業。
シルフィア様と契約したその時から。
すでに俺は人間ではなくなったのだ。
俺は化け物にして、すでにモンスター。
今さら人間としての建前など──必要ない。
ガブリ パクリ ゴクン
────────────────────────────────────
習得スキル
槍術 :A ↑
古武術 :A NEW
剛力 :A NEW
敏捷 :A ↑
瞑想 :A NEW
体力自動回復:A ↑
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腕が熱い。
すでに幻痛すら無くなって久しい俺の左腕が。
握る。開く。動く。
俺の肩から先。失ったはずの左腕が再生していた。
体力自動回復。
そのA級ともなれば、欠損部位ですら再生するのだ。
「ウガー!」
取り付く負傷者を蹴散らして、サイクロプスマンが迫り来る。
握りしめる。
俺の左拳。
宿るは古の技術。A級古武術。
拾い上げる。
右腕に掴むは、かつて老人マタキチが手にした槍。
宿るは達人の技。A級槍術。
「私が最期……もう持たない……早く行って」
いよいよ目前まで迫るサイクロプスマン。
それでも遮ろうと、足を引きずり1人の少女が立ちふさがる。
サイクロプスマンが棍棒を振り下ろす。
それは少女の頭を穿つ必殺の一撃。
生贄作戦──これ以上の犠牲は必要ない!
振り下ろされる棍棒。その腕を目がけて。
俺は渾身の左ストレートを叩きつけた。
ズバーン
棍棒の一撃は少女の頭を逸れ、地面へと穿たれる。
「ウガ?」
A級古武術が奥義。受け流し。
奴の腕を横から叩いて、角度をズラしたのだ。
加えて、古武術を習得した者は、全ての体術の威力が増加する。
「ウギャアー!」
悲鳴を上げて棍棒を取り落すサイクロプスマン。
その腕が、骨が異様な角度に折れ曲がっていた。
剛力をも加えた俺のA級パンチ。
ただズラすだけで済もうはずがない。
「下がっていてくれ」
少女を背後に庇う。
腕を折った程度で怯むような相手なら。
サイクロプスマンが怪物だとは言われない。
「ウガー!」
落ちた棍棒を左腕でつかむと、まったく躊躇なく殴りかかる。
ガキーン
両手に構える槍で打ち払う。
ガキーン
巨体にふさわしいパワー。
ガキーン
巨体に似合わぬスピード。
ガキーン
槍と棍棒が火花を散らして激突する。
ボキーン
槍を持つ俺の両腕が軋み、曲がり、悲鳴を上げていた。
それでも。A級スキルである体力自動回復。
軋みは消え去り、曲がりは戻り、新たな力が湧き上がる。
体力で劣る俺が打ちあえるのも。
A級槍術のおかげ。
老人たちの残してくれたA級スキルのおかげ。
ガキーン ガキーン
打ち、払い、突く。
暴飲暴食。
俺は食らうのではない。
受け継ぐのだ。
彼らのスキルを。想いを。
ガキーン ガキーン
何十合と打ち続く。
俺とサイクロプスマンの鍔迫り合い。
「にゅ!」
互いの槍と棍とが荒れ狂う暴風の最中。
シルフィア様が俺の頭上で声を上げる。
頭が熱い。これは魔力の奔流。
そうだ。
俺だけではない。
シルフィア様と一緒につなげるのだ。
未来へ。彼らの生きた証を。
そのためにも……ここで死ぬわけにはいかない!
シルフィア様の魔力が流れ込むと同時。
俺の脳内に、動くべき軌跡が駆け巡る。
その流れのままに──
俺が放つは、A級槍術が奥義。
ラッシュ・突き。
シルフィア様が唱えるは風魔法ウインド・マシンガン。
2人のスキルと魔法が1つとなり爆発する。
今が臨界点。
【連携スキル・ライトニング・スラスト!】
ズン ズン ズン ズン ズドーン
電光石火の500連突き。
頭。胸。右腕。左腕。股間を無数に突き抜かれ、サイクロプスマンの巨体が崩れ落ちる。
彼らもまた一緒に連れて行くのだ。
魂を安置するべき聖域。
そのための妖精キングダム。
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