『しっぽのきもち』♡猫族ミアの旅♡気持ちが分かれば仲良しに。

炭酸水『しっぽのきもち』

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レトナーク編

第6話 食べ残しちゃいけません

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 ロゼとミアが颯爽と(強引に)退席して、ギルとガイがテーブルに残された。ガイは、ミアとロゼが抜けた席に移り、ギルに向き合って座った。男が2人横並びは狭い。

「ギル、何か言いたかったか? 」

「まぁ、今言える話じゃなかったけど、彼女(ミア)は、参加したい感じじゃなかったよね? 」

「確かに事情を知ったら、もっと参加してくれなさそうだなぁ」

 ガイは、腕を組んで、片手で顎を触る。賑やかなロゼとの会話が終わったレストランは、急に静かになったように錯覚させる。レストランの外の方が賑やかそうで、窓からは人々の往来が見える。

「ロゼは、何で彼女(ミア)なのかな」

 ギルは手が止まっていた食事を再開し、言葉を選びながら話す。

「確かに、ロゼとミアは凸凹コンビだな。ミアは冒険者パーティーは参加しない主義らしいよ。その分、口外する心配は減るだろ」

 ガイの説明はその通りだ。

 ロゼは気が強い華やかな美女、ミアはぱっと見地味で根暗な子だ。小柄で覗き込まないと表情が見えないが、猫耳としっぽの動きは忙しい。

「そうか、適任なんだな。でも、騙しているみたいで、あまり良い気がしないよ」

「ロゼがさっさとミアを連れて出たのは、ミアが参加を断り兼ねないからだろう」

「ますます申し訳ないんじゃないか? 」

「ギル、お前、自分の事を考えたらどうだ?なんだって厄介な事を抱え込んでるんだか……」

 ガイは広くなった席で、体を伸ばすように椅子に座りなおす。

「ガイの方が向いていると思うんだけど……」

「それは申し訳ないな。変わってやれなくて……ホッとしている」

「……」

 ガイは、本音を隠すタイプじゃない。ギルとの身分違いに臆せずザックリと話す。

「悪いな、なかなか実感なくて。実際に見せてもらっても……他国から報告が流れてきて、やっぱりそうなんだ? ぐらいで。リンド王国も、このレトナーク領もわりと平穏な世の中だからな」

 人の出入りがあるレストランで話せる話ではない。

「はぁ……」

 ギルの食事の手が止まってしまう。

「あー、分かった分かった! 残りは俺が食べるよ。ミアの事は、ロゼに任せとけばいい。問題があれば、パーティーメンバーは入れ替えも出来るし。本当にこの人数で良いのか? 少なすぎないか? 」

 すっかり食べる気が失せたギルの皿を奪って、ガイが食事を片付ける。

「いや、いいよ。これ以上のメンバーは要らない。やたら人に囲まれるのはうんざりなんだ。大丈夫、気に入ってるよ、十分」

 そう言って水を飲みながら、ギルは気が抜けたまま窓に目をやり、外の街並みを眺めた。
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