7 / 22
レトナーク編
第6話 食べ残しちゃいけません
しおりを挟む
ロゼとミアが颯爽と(強引に)退席して、ギルとガイがテーブルに残された。ガイは、ミアとロゼが抜けた席に移り、ギルに向き合って座った。男が2人横並びは狭い。
「ギル、何か言いたかったか? 」
「まぁ、今言える話じゃなかったけど、彼女(ミア)は、参加したい感じじゃなかったよね? 」
「確かに事情を知ったら、もっと参加してくれなさそうだなぁ」
ガイは、腕を組んで、片手で顎を触る。賑やかなロゼとの会話が終わったレストランは、急に静かになったように錯覚させる。レストランの外の方が賑やかそうで、窓からは人々の往来が見える。
「ロゼは、何で彼女(ミア)なのかな」
ギルは手が止まっていた食事を再開し、言葉を選びながら話す。
「確かに、ロゼとミアは凸凹コンビだな。ミアは冒険者パーティーは参加しない主義らしいよ。その分、口外する心配は減るだろ」
ガイの説明はその通りだ。
ロゼは気が強い華やかな美女、ミアはぱっと見地味で根暗な子だ。小柄で覗き込まないと表情が見えないが、猫耳としっぽの動きは忙しい。
「そうか、適任なんだな。でも、騙しているみたいで、あまり良い気がしないよ」
「ロゼがさっさとミアを連れて出たのは、ミアが参加を断り兼ねないからだろう」
「ますます申し訳ないんじゃないか? 」
「ギル、お前、自分の事を考えたらどうだ?なんだって厄介な事を抱え込んでるんだか……」
ガイは広くなった席で、体を伸ばすように椅子に座りなおす。
「ガイの方が向いていると思うんだけど……」
「それは申し訳ないな。変わってやれなくて……ホッとしている」
「……」
ガイは、本音を隠すタイプじゃない。ギルとの身分違いに臆せずザックリと話す。
「悪いな、なかなか実感なくて。実際に見せてもらっても……他国から報告が流れてきて、やっぱりそうなんだ? ぐらいで。リンド王国も、このレトナーク領もわりと平穏な世の中だからな」
人の出入りがあるレストランで話せる話ではない。
「はぁ……」
ギルの食事の手が止まってしまう。
「あー、分かった分かった! 残りは俺が食べるよ。ミアの事は、ロゼに任せとけばいい。問題があれば、パーティーメンバーは入れ替えも出来るし。本当にこの人数で良いのか? 少なすぎないか? 」
すっかり食べる気が失せたギルの皿を奪って、ガイが食事を片付ける。
「いや、いいよ。これ以上のメンバーは要らない。やたら人に囲まれるのはうんざりなんだ。大丈夫、気に入ってるよ、十分」
そう言って水を飲みながら、ギルは気が抜けたまま窓に目をやり、外の街並みを眺めた。
「ギル、何か言いたかったか? 」
「まぁ、今言える話じゃなかったけど、彼女(ミア)は、参加したい感じじゃなかったよね? 」
「確かに事情を知ったら、もっと参加してくれなさそうだなぁ」
ガイは、腕を組んで、片手で顎を触る。賑やかなロゼとの会話が終わったレストランは、急に静かになったように錯覚させる。レストランの外の方が賑やかそうで、窓からは人々の往来が見える。
「ロゼは、何で彼女(ミア)なのかな」
ギルは手が止まっていた食事を再開し、言葉を選びながら話す。
「確かに、ロゼとミアは凸凹コンビだな。ミアは冒険者パーティーは参加しない主義らしいよ。その分、口外する心配は減るだろ」
ガイの説明はその通りだ。
ロゼは気が強い華やかな美女、ミアはぱっと見地味で根暗な子だ。小柄で覗き込まないと表情が見えないが、猫耳としっぽの動きは忙しい。
「そうか、適任なんだな。でも、騙しているみたいで、あまり良い気がしないよ」
「ロゼがさっさとミアを連れて出たのは、ミアが参加を断り兼ねないからだろう」
「ますます申し訳ないんじゃないか? 」
「ギル、お前、自分の事を考えたらどうだ?なんだって厄介な事を抱え込んでるんだか……」
ガイは広くなった席で、体を伸ばすように椅子に座りなおす。
「ガイの方が向いていると思うんだけど……」
「それは申し訳ないな。変わってやれなくて……ホッとしている」
「……」
ガイは、本音を隠すタイプじゃない。ギルとの身分違いに臆せずザックリと話す。
「悪いな、なかなか実感なくて。実際に見せてもらっても……他国から報告が流れてきて、やっぱりそうなんだ? ぐらいで。リンド王国も、このレトナーク領もわりと平穏な世の中だからな」
人の出入りがあるレストランで話せる話ではない。
「はぁ……」
ギルの食事の手が止まってしまう。
「あー、分かった分かった! 残りは俺が食べるよ。ミアの事は、ロゼに任せとけばいい。問題があれば、パーティーメンバーは入れ替えも出来るし。本当にこの人数で良いのか? 少なすぎないか? 」
すっかり食べる気が失せたギルの皿を奪って、ガイが食事を片付ける。
「いや、いいよ。これ以上のメンバーは要らない。やたら人に囲まれるのはうんざりなんだ。大丈夫、気に入ってるよ、十分」
そう言って水を飲みながら、ギルは気が抜けたまま窓に目をやり、外の街並みを眺めた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜
桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。
上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。
「私も……私も交配したい」
太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる