『しっぽのきもち』♡猫族ミアの旅♡気持ちが分かれば仲良しに。

炭酸水『しっぽのきもち』

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レトナーク編

第9話 ロゼが仁王立ちしてた

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「…ミア、ミア、起きて」

 ロゼに軽く揺すられて、ミアは目を覚ますと、朝の陽射しが部屋に差し込んで明るい。

 昨日の疲れはなく、お腹も空いてスッキリしている。
 ミアは伸びをしようとするが、ロゼに顔を覗き込まれて止まる。

「どういうことになってるの?」

 ロゼが困った風の顔をして、ミアの顔を覗き込む。

 肩にのしかかる腕の重さに気がついて後ろを振り向くと、彫刻的な寝顔があった。

「にゃぁ!!!」

 思わず飛び起き、ベッドの外に落ちた。

 その反動でベッドが軋むと、ギルの目が薄っすら開いて、微睡んだ顔をする。

 ギルのぼやけた視界が、緩やかに鮮明になる。

 眩しいほど明るい部屋の中、ルームウェアのロゼが両手を腰に当て、ギルの目の前で仁王立ちしていた。ギルは何事かと思って、慌てて上体を起こしてベッドに座る。

「な、なに?」

 なんでロゼがここにいるのか分からないギルは、目をこすって対応する。久々の熟睡に、覚醒が追いつかない。

「この部屋にギルがいるのを忘れてて、ミアを部屋に向かわせたのは私だから、私の落ち度なんだけど……」

 そう言われて、深夜の事を思い出してギルは青ざめる。確かにロゼの失敗だが、予定通り謝ることにした。

「……済まなかった。」

 ベッドに水平になる程頭を下げるギル。
 これは、もしや、修羅場と言うものかも知れない。

「鍵を掛けていれば何事も無かったはずよね」

「……(たしかに)」

 許婚の家で不貞をしたと疑われている。
 どう考えても、状況が揃っている。

 ミアがわたわたと、ロゼの後ろに隠れる。

「不審者が来たかと思って拘束したらミアで、気絶させてしまった」

「うんうん、それで? …で、ミアには何もしてないわよね?」

「何もしてない。」

「…ミアを抱きまくらにしてたけど?」

「…えっ?」

(にゃ???)

 ギルには、身に覚えがない。ロゼは、頭ひとつ分背の低いミアを片脇に引き寄せる。

「とにかく、ミアがここにいるのはマズイから、私の部屋に連れて行くわ。ギルは後で詳しく話を聞くけど、今度またミアに手を出したら、私が許さないからね」

 ミアが、ギルに圧をかける。

 ロゼは、がここにいるのはマズい」と言う発想はないのか、ミアだからダメなのか?許婚のロゼの感覚に、ギルは戸惑う。

「……分かった。ところで、ロゼはいつからここに居た?」

「…ん、半刻前かな?」

 まさかの質問に、嘘がつけないロゼが視線だけを部屋の壁に向ける。

(そんな前からいたの?ロゼ、悪趣味過ぎるよ~)

 ミアも、記憶が戻ってきた。

 真っ暗なゲストルームに入り、寝入ろうとッドに飛び乗ったら、いきなり身体を反転させられ、誰かに羽交い締めにされたのを思い出した。

(そうだ、あれ、ギルだった。)

 夜目で見たのはギルで、そこまでしか記憶がない。

 そして、ロゼは仁王立ちのまま、斜めにギルを見下げる様に言い放つ。

「ギル、貴方、疲れ過ぎじゃない?」

 ギルは、ロゼを直視出来ず、顔を横を向ける。その自覚だけはあるような気がする。

冒険者パーティー結成初日の朝だった。
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