『しっぽのきもち』♡猫族ミアの旅♡気持ちが分かれば仲良しに。

炭酸水『しっぽのきもち』

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レトナーク編

第10話 2人はお揃いのコート

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「で、昨日のお買い物はそれかい? お揃いのコートを買ったのか? 2人ともなかなかかわいいね~。」

「さすが、ガイさん。やっぱり気がつきました? 色違いですけど、ミアとお揃いで決めてみました! って、なかなかって、なんですか? 」

「ごめんごめん、こんな若くてかわいいお嬢さまたちを連れてのクエストで、おじさんテンション上がり過ぎた! ミアも似合ってるね~」

 ガイがまた後ろに振り向いて、ギルも確認するように後ろを向くと、ミアがギルの背中に回り込む。しっぽの先だけが目に入った。ミアに警戒される上に露骨に避けられギルは傷心する。

 それにしても呑気な冒険者クエストの始まりで、ガイたちに緊張感がない。

『いやいや、ガイはAランクだ。この空気で場を和ませて仲間意識を高めているのかもしれない。むしろ、自分が硬過ぎるのかもしれない』

 ギルは、ロゼとミアの背丈やスタイルが違うものだから、コートがお揃いだという事に気が付きもしなかった。

 ロゼはスラリとした長身にコートでさらにシャープさを出してスタイルがよく見えるが、ミアはコートにすっぽり着られている状態で、裾からしっぽの先がチラチラと見えてそれ以上の特徴を言うのが困難だ。

 ロゼと会うのはいつも王宮で、礼服のドレスを着ているかぐらいだった。幼いころは剣の道着を着ていた記憶はあるが、レトナークだとかなりラフな格好をして口調も強い。冒険者をやっているという話は聞いていたが、片手間か令嬢の道楽ぐらいにイメージしていた。

「今まで知ってるロゼとはだいぶ違うな……」

 ギルがボソッと呟くと、

「ロゼはああ見えて、周到だよ……」

 後ろを歩くミアが不意に応えた。ミアは耳がいい。

 独り言に反応されて驚くと、ミアがそれに気まずさを覚えたのか、足取りが早くなりロゼの横に逃げていく。

『なんだ、普通に話せるじゃないか』と、ギルは思った。

 しばらくして、ロゼとミアが並んで歩き、ガイがゆっくりギルの方にスピードを落として話しかける。

「おい、昨日、なんかあったのか?ロゼがえらいお前につれないじゃないか?」

 小声でガイが様子を聞いてくる。

「ロゼとは何もありません。許婚といっても、だらだらと仮抑えみたいなもんですから」


 ガイはお前と、ギルに言う。唯一フランクに話してくれる貴重な友人なのかもしれない。単に、剣士としての師匠で、目上であるだけかも知れないが、今となっては、ガイ以上に親しく話せる相手がいないのも確かだ。

「お前が成人式を迎えた式典のとき、いよいよ婚約発表かと皆んな噂してたんだけどな。それにしても、よくこんな状況で、彼女、パーティーに参加したよな。声を掛けたの俺だけど。お前に近寄ってくる女たちを蹴散らすために参加するのかと思ってたんだが、なんか、違うのか?」

「……そんな事考えてなかった」

 ガイの眉がぎゅっと上がって、目がくるっと大きく開いた。

「なんだか、お前、色々凄いな」

「…それ、褒めてませんよね? 」

「ん、まぁ、褒めてはいないな? 」


 土の乾いた道沿いに草が青々とし、やがて街道を外れ、依頼元の農村に差し掛かろうとしていた。
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