『しっぽのきもち』♡猫族ミアの旅♡気持ちが分かれば仲良しに。

炭酸水『しっぽのきもち』

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レトナーク編

第11話 緊張しい

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 猪獣被害が出ている村に話を聞いた後、すぐ近くの森に入って1時間、鬱蒼とした木々の間を4人は索敵していた。

「ここに足跡がある」

 ミアが次々と獣道を見つけ出す。人見知りが激しいミアが、何かを見つけると口が動く。小柄なミアの動きは早く、ロゼたちがついてくるのに合わせるように足を止めては薬草をテキパキと摘んで袋にしまっていく。

「ミア、出来る子でしょ?」

「ん、そうだな」

 ミアの選ぶ道が狭く急で、やや力任せに森に踏み込んでいく大柄なガイの後ろを、ロゼが誇らしげに追いかける。ミアがやぶに入るとミアのしっぽだけが目印に、ほかの3人は迂回をすることになる。

「しかしこれ、ついていくの大変だな。早い云々ではなくて」

 ほかの冒険者なら歩き易い場所を選んで進むだろうが、単独行動の著しいミアはより険しい獣道を選んで進む。

 陽射しの当たる岩を見つけると、ミアは動きを止めて岩に身を潜め、遥か彼方を見る。

「……レッドウルフがいる」

「え、どこ、……見えた。」

 ミアの背中にロゼがぴったりとついて、ミアの指し示す先を覗き込む。

「レッドウルフたちが見ている方に、もしかしたら魔猪がいるのかも」

 厳かな口調でミアが伝える。
 先ほどの街道でのピクニック気分は無くなっている。

「魔猪は見えないな……分かるのか?」

 ガイが言う。

「どうしてそう思う?」

 ガイたちの後ろを淡々とついてきたギルが質問すると、ミアが答える。

「普通の猪獣よりも大きくて群れのボスにしては強い匂いがする。レッドウルフが痩せているの。この時期に被害を出すほど猪獣がいるのにレッドウルフが飢えているっておかしいかなって」

 ぼそぼそとミアは答えて、岩に背を預けてしゃがみこんだ。

(いつものミアなら、薬草を採取ついでにギルドに報告するまでが仕事だ。

「猪獣被害は、魔猪が原因ってこと?」

 ロゼがミアの横に立ち岩にもたれて訊く。

「魔猪のおかげで増えすぎた猪獣が村里に下りていたとしたら、いずれ魔猪も降りてくる可能性はあるかも」

「被害を村で抑えきれなくての依頼なのだから、まあ、そういうことだったのかもしれないな。じゃ、魔猪を狩っておくか?」

 ガイの一言で猪獣被害解消から魔猪討伐と話が進んで、作戦を立てることにした。

 先ず、魔猪が連れる猪獣を何頭か倒す。レッドウルフに気がつかれるが、飢えたレッドウルフはそちらに気を取られらだろう。先ずは、レッドウルフからの安全を確保し、魔猪を討伐する。

「ミア、いっしょに猪獣やる?」

 ロゼがミアを作戦に誘う。

「……うん、なんとか」

 ミアは控えめに返事をして、短剣に手をやって確認する。

「ミアは私の練習相手だからね」

「ロゼの相手が務まるなら、期待しちゃうな~」

(うにゃあ……ロゼ、私のこと高く売らないでほしいんだけど!)

 Aランクのガイに「期待」なんて言われてもプレッシャーでしかない。

 群れからわずかに離れた猪獣をターゲットに、ロゼは火球を放つと鼻先を燃やされた猪獣が悲鳴を上げながら地面を転がり、ミアは短剣に全体重をかけてその首元に飛び乗る。悲鳴に反応した猪獣がミアに向かって突進すると、ミアは寸前で宙に舞い、その頸椎に再び剣を突き刺した。

「何というか、『狩り』だな」

 と、ガイは感嘆する。次々と猪獣がロゼとミアに倒される様子を見て、『どっちが獣か分からない野性味…』というのがギルの感想だ。

 仲間をやられた猪獣の群れが、興奮状態でロゼとミアと膠着状態になる。群れの中から一際大きい魔猪が現れ、ガイとギルがロゼとミアの横から前に出る。魔猪は前足で土を木の根ごとバキバキと掻き、踏み鳴らすと威嚇の唸り声を上げ始めた。

「次、お前な?」

 譲ってやると言わんばかりにギルに魔猪を振る。

「Fランクから始める討伐じゃないと思うんだけどな」

 ギルはガイの無茶ぶりに肩をすくめつつも、群れのボスである魔猪と対峙した。
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