11 / 19
7 橋を掛けるデレ
7-1
しおりを挟む
結論から言おう、俺は無事に後宮にたどり着いた。
怪訝な門番に本当に女か?と再三確認され、男手がなく力仕事をバリバリやってたらこうなったと堂々と言い切り、付け足すように背が高いと声は必然的に低くなるのよと頓珍漢な理論で説き伏る。それからも何度も、えーほんと?ほんと!まじか?まじよ!と繰り返し、ダメ押しで差別だわ!人権侵害よ!と泣き真似したら、なんとこの世界でも差別はよろしくない扱いだったらしく、人権を考慮して譲歩するが納得はしていないとでっかく顔に書いてある門番にやっと城内に招き入れてもらえた。
侍従の方に引き渡された後はだだっ広い城内を右へ左へ練り歩き、ヘトヘトになった頃ようやっと後宮入り。自室をいただき、殿下との顔合わせまでくつろいでおけと待機中、今ココ。
第一の目標はクリアし、ひとまずほっと安堵の息をついた。
「あーしばし休けーい」
朝から夕方までみっちり学問という名の仕事をこなし、後は明日に備えて自宅でまったりするだけだった今日も一日お疲れ様の放課後に、突如王政が生きてる世界に放り出され、挙句時間が戻ったのか今日2度目の真っ昼間。そこで状況を理解する間もなく殺気を纏った武装集団に追い回され人一人抱えてしにものダッシュで逃走劇。やっと落ち着いたかと思って腹ごしらえしたら脅迫され、女装を強要され、数時間前にダッシュで逃げ出したお城に嫁に来た。
疲れない方がどうかしている。思い返してしまうとどっと疲れがおしよせ、行儀よく座っているのもままならず、ふかふかの備え付け高級ソファーに全身で沈み込んだ。
もうだめ、動けない。あの青年の婚約者を探して説得するという任務があるが立ち上がれる気がしない。ああ寝心地最高。もう俺はこのソファーから離れないと決めた。案内してくれた人が殿下と顔合わせと言っていたが忘れてしまおう、俺は体調不良なんだ。誰に言うでもなく、しいて言うならば自分自身に弁解するかのようにソファーの甘い誘惑に身を落としてだらけ続けた。
どれくらいたっただろうか。眠りの悪魔が俺の意識をふわっふわの真綿で包み、深い闇の底に放り捨てようとしたのを俺の全部が許可したその素晴らしいタイミングで、扉がコンコンと不協和音を奏でる。
俺はこの心地良い微睡みから抜け出す気は毛頭ないと無視を決め込んだ。小向の真似だ。
だが扉をノックした人物は粘り強い性質らしく、お呼びじゃないのに何度も何度も扉に暴力をふるい続けるではないか。物にあたるの断固反対。叩かれ続ける扉が可哀想でしぶしぶ返事をすると、言い終わるかないかの内に蹴破る勢いで扉が全開した。
「おくつろぎ中でしたか? 申し訳ありません。使用人の方がお見えになっておりましたのでご案内しました」
その侍従の後ろからスッと姿を現したのは、この世界では一般的なものだろう簡易な服を身に纏った小向だった。
おいおいなんだ、貞操帯制服はどうした。それにダボダボなその服、とっても見覚えあるんですが。眠気が一気にふっとんだ。
「は? どしたの? なんでここに??」
「…………」
「ほんとどゆこと? というか貞操帯は??」
「…………」
あまりの衝撃に飛び起きた俺は扉の前に佇む小向に駆け寄り、変わり過ぎている服装に慌ててボディチェックを開始する。ただ服の上からベタベタ触るだけだ、何も分からない。どうしたらいいのか分からず狼狽しながら、やはりこの服はあの青年が着ていた服だと確信がないものの本能が告げる事実に発狂しそうだ。
そんな荒れ狂う心境の俺とは裏腹に、微動だにしない来訪者。その静けさに冷静になった事で体ばかり目がいっていたのを恥じ、そっと小向の表情をうかがい見る。
顔の上半分は長い前髪と黒縁の大きなメガネで確認する事は叶わなかったが、思いの外透明感あるきめ細やかな肌にはえる朱色の唇は震えていて、かたく噛み締められていた。今にも血が出そうな程噛み締められた唇は痛々しくて、それこそ無意識にゆっくりと解すように揉んでやる。上唇と下唇の間を親指で数度撫でると少しずつ強張りがとけていった。
「……置いてくから」
そうか、心細かったのか。
「だから来たの?」
コクリと頷く小向は一人で置いて行かれたのが不安だったのだろう、ダボダボで今にもすっとーんと落ちそうな裾をロールアップした庶民ズボンを両手でぎゅっと握りしめていた。
ここに至るまで狼狽えていたのは俺だけで、この同級生は常にペースを変えず通常運転に見えた。どんだけ図太い神経しているんだと感心していたが、やはり俺と同じな高1になりたてほやほやのガキだったのだろう。困惑が表面に出ていないだけで、きっと心中は穏やかじゃなかった筈だ。俺に散々な態度取り続けていた癖に、現金なやつ。
「変なことはされなかった?」
「べつに」
「うん、それならいいんだ。置いてってごめんね? 来てくれてありがとう」
むずがゆい気持ちを隠すように野暮ったい黒頭をわしゃわしゃと撫でまくる。わっわっと驚いた小向は踏ん張りがきかず、俺の腕力に振り回され絶妙なバランスで保っていたシャツがずり落ちてしまい、右肩がつるりと顔を出した。
身長差のせいでその隙間からお目見えしたピンク色のちっちゃな突起物。あえて俺はノーコメントを選択する。
「というか、なんでそんなのきてるの。ばっちいからぽいしなさい」
「制服めだつ」
「だからって何もそんなの着なくても……」
「落ちてた」
「どこに?」
「じべた」
素直に返事をくれるなんて珍しいな。なんだ?地球滅亡すんのか??いやそもそも今自分たちは異世界にいる。槍が降っても今更驚かない。
珍しくてもいいじゃないかデレ小向大歓迎と開き直った俺は、立ち話もなんだと小向の腕を掴み奥へ誘った。極上な備え付け高級ソファーの心地をともに分かちあおうじゃないか。
従順に応じた小向はそくされるままソファーにちょこんと腰掛けた。俺と合流できた事で安心したのだろう、先程までのかたい雰囲気は消え去り、ゆったりと背もたれに体を委ねる。そうすると自然と座面は深い位置になり、床から離れた脚は宙に浮いた。
大人一人が寝転んでも大丈夫なくらいの横広なソファーは、小向が中央寄りに座ってもなお十分な余裕がある。元が小柄だからか、その幅は些細なものだ。だが俺はあえて小向の真横に座す。
片足をソファーに乗り上げ、小向へ正面がむくよう横向きの態勢をとる。持て余した長い脚を小向のお尻と背もたれの間にあった僅かな隙間に捻り込んでみたが、瞬間ぴくんと反応しただけで、その後いやう素振りはなかった。そのまま俺の脚ごと背もたれを活用し続けている。
ソファーの前にさすが後宮の家具と感嘆する猫足ローテーブルがあるのだが、その上には俺が入室した時おもてなしとしてリアルメイドが出してくれた菓子と飲み物が置いてある。見た目チョコレート、そして見た目クッキー。味見はしていないので自信はない。その時にいれてくれた紅茶はもう冷めていた。
「ここにチョコっぽいのとクッキーっぽいのがあります。食べてないから自信ないけど……食う?」
ひとまとめで皿にのせテーブル中央に置いてあった菓子。リーチをいかして手繰り寄ると、クッキーの焼き菓子特有の香りに混じってふわりとカカオの香りがした。それを種類別で数個ほど手に取り目前に差し出すと、俺の手元と顔を何往復かした小向の視線は最終的に菓子一本に絞られたようだ。くいっと催促するように手のひらを揺すると、チョコレートをひとつだけつまみ上げ、そっと頬張った。
「これちょこ」
「へーカカオあるんだこの世界。こっちは?」
「クッキー、おいし」
お口にあったのか小向は俺の手のひらにのったチョコレートとクッキーをひとつずつ交互に口に運んで味わいだした。あのパンケーキを食べてた時のようにとろける空気。もきゅもきゅと咀嚼する度動く唇は幸せと言わんばかりに弧を描き、頬は桜色に染まっている。
俺はというと、そんな嬉しそうな小向の横顔を左側の至近距離から眺め、だらしなく目尻を下げていた。夢中になって食べてるのをいい事に、目の前の横髪をすいたり耳にかけたり、柔らかな耳たぶを揉んだりしながらスキンシップを重ねた。食べようと口を開く時に垣間見える舌も突いてみたい。おいしそうな頬もはむはむしたい。小向が男くさくないからかな?ついつい構いたくなってしまう。飢えていた関係性の変化が俺のパーソナルスペースをおかしくさせていた。
しかし、甘い。決してお菓子の事じゃない、小向の事だ。数時間前、結果的に置いていく事になってしまったが、思わぬかたちで吉と出たらしい。
こと最近にいたっては、我が教室2列目の前から4番目の席と5番目の席の間にはグランドキャニオンよりも広い溝があると半分諦めていた。だが、お互いを知ってるのはお互いだけという環境に放り込まれた事から、溝の幅が縮まっていたのだろう。初めて"シネ"と返事してくれたあれが確かな証拠だ。
寂しさスイッチとは予想外の結果を産む。小向のスイッチはそこに橋を建設した。きっと溝が広いままだったら長い橋になり、渡る前に思い直す。小向は頑固者だ。そもそも橋を掛ける発想すら浮かばない可能性大。掛けられたのはとっても短い橋だった。
4つ、3つ、2つ。最後の1つが唇の向こう側に消えていったのを見届けて、空っぽになった手のひらへ更にお菓子を追加した。
怪訝な門番に本当に女か?と再三確認され、男手がなく力仕事をバリバリやってたらこうなったと堂々と言い切り、付け足すように背が高いと声は必然的に低くなるのよと頓珍漢な理論で説き伏る。それからも何度も、えーほんと?ほんと!まじか?まじよ!と繰り返し、ダメ押しで差別だわ!人権侵害よ!と泣き真似したら、なんとこの世界でも差別はよろしくない扱いだったらしく、人権を考慮して譲歩するが納得はしていないとでっかく顔に書いてある門番にやっと城内に招き入れてもらえた。
侍従の方に引き渡された後はだだっ広い城内を右へ左へ練り歩き、ヘトヘトになった頃ようやっと後宮入り。自室をいただき、殿下との顔合わせまでくつろいでおけと待機中、今ココ。
第一の目標はクリアし、ひとまずほっと安堵の息をついた。
「あーしばし休けーい」
朝から夕方までみっちり学問という名の仕事をこなし、後は明日に備えて自宅でまったりするだけだった今日も一日お疲れ様の放課後に、突如王政が生きてる世界に放り出され、挙句時間が戻ったのか今日2度目の真っ昼間。そこで状況を理解する間もなく殺気を纏った武装集団に追い回され人一人抱えてしにものダッシュで逃走劇。やっと落ち着いたかと思って腹ごしらえしたら脅迫され、女装を強要され、数時間前にダッシュで逃げ出したお城に嫁に来た。
疲れない方がどうかしている。思い返してしまうとどっと疲れがおしよせ、行儀よく座っているのもままならず、ふかふかの備え付け高級ソファーに全身で沈み込んだ。
もうだめ、動けない。あの青年の婚約者を探して説得するという任務があるが立ち上がれる気がしない。ああ寝心地最高。もう俺はこのソファーから離れないと決めた。案内してくれた人が殿下と顔合わせと言っていたが忘れてしまおう、俺は体調不良なんだ。誰に言うでもなく、しいて言うならば自分自身に弁解するかのようにソファーの甘い誘惑に身を落としてだらけ続けた。
どれくらいたっただろうか。眠りの悪魔が俺の意識をふわっふわの真綿で包み、深い闇の底に放り捨てようとしたのを俺の全部が許可したその素晴らしいタイミングで、扉がコンコンと不協和音を奏でる。
俺はこの心地良い微睡みから抜け出す気は毛頭ないと無視を決め込んだ。小向の真似だ。
だが扉をノックした人物は粘り強い性質らしく、お呼びじゃないのに何度も何度も扉に暴力をふるい続けるではないか。物にあたるの断固反対。叩かれ続ける扉が可哀想でしぶしぶ返事をすると、言い終わるかないかの内に蹴破る勢いで扉が全開した。
「おくつろぎ中でしたか? 申し訳ありません。使用人の方がお見えになっておりましたのでご案内しました」
その侍従の後ろからスッと姿を現したのは、この世界では一般的なものだろう簡易な服を身に纏った小向だった。
おいおいなんだ、貞操帯制服はどうした。それにダボダボなその服、とっても見覚えあるんですが。眠気が一気にふっとんだ。
「は? どしたの? なんでここに??」
「…………」
「ほんとどゆこと? というか貞操帯は??」
「…………」
あまりの衝撃に飛び起きた俺は扉の前に佇む小向に駆け寄り、変わり過ぎている服装に慌ててボディチェックを開始する。ただ服の上からベタベタ触るだけだ、何も分からない。どうしたらいいのか分からず狼狽しながら、やはりこの服はあの青年が着ていた服だと確信がないものの本能が告げる事実に発狂しそうだ。
そんな荒れ狂う心境の俺とは裏腹に、微動だにしない来訪者。その静けさに冷静になった事で体ばかり目がいっていたのを恥じ、そっと小向の表情をうかがい見る。
顔の上半分は長い前髪と黒縁の大きなメガネで確認する事は叶わなかったが、思いの外透明感あるきめ細やかな肌にはえる朱色の唇は震えていて、かたく噛み締められていた。今にも血が出そうな程噛み締められた唇は痛々しくて、それこそ無意識にゆっくりと解すように揉んでやる。上唇と下唇の間を親指で数度撫でると少しずつ強張りがとけていった。
「……置いてくから」
そうか、心細かったのか。
「だから来たの?」
コクリと頷く小向は一人で置いて行かれたのが不安だったのだろう、ダボダボで今にもすっとーんと落ちそうな裾をロールアップした庶民ズボンを両手でぎゅっと握りしめていた。
ここに至るまで狼狽えていたのは俺だけで、この同級生は常にペースを変えず通常運転に見えた。どんだけ図太い神経しているんだと感心していたが、やはり俺と同じな高1になりたてほやほやのガキだったのだろう。困惑が表面に出ていないだけで、きっと心中は穏やかじゃなかった筈だ。俺に散々な態度取り続けていた癖に、現金なやつ。
「変なことはされなかった?」
「べつに」
「うん、それならいいんだ。置いてってごめんね? 来てくれてありがとう」
むずがゆい気持ちを隠すように野暮ったい黒頭をわしゃわしゃと撫でまくる。わっわっと驚いた小向は踏ん張りがきかず、俺の腕力に振り回され絶妙なバランスで保っていたシャツがずり落ちてしまい、右肩がつるりと顔を出した。
身長差のせいでその隙間からお目見えしたピンク色のちっちゃな突起物。あえて俺はノーコメントを選択する。
「というか、なんでそんなのきてるの。ばっちいからぽいしなさい」
「制服めだつ」
「だからって何もそんなの着なくても……」
「落ちてた」
「どこに?」
「じべた」
素直に返事をくれるなんて珍しいな。なんだ?地球滅亡すんのか??いやそもそも今自分たちは異世界にいる。槍が降っても今更驚かない。
珍しくてもいいじゃないかデレ小向大歓迎と開き直った俺は、立ち話もなんだと小向の腕を掴み奥へ誘った。極上な備え付け高級ソファーの心地をともに分かちあおうじゃないか。
従順に応じた小向はそくされるままソファーにちょこんと腰掛けた。俺と合流できた事で安心したのだろう、先程までのかたい雰囲気は消え去り、ゆったりと背もたれに体を委ねる。そうすると自然と座面は深い位置になり、床から離れた脚は宙に浮いた。
大人一人が寝転んでも大丈夫なくらいの横広なソファーは、小向が中央寄りに座ってもなお十分な余裕がある。元が小柄だからか、その幅は些細なものだ。だが俺はあえて小向の真横に座す。
片足をソファーに乗り上げ、小向へ正面がむくよう横向きの態勢をとる。持て余した長い脚を小向のお尻と背もたれの間にあった僅かな隙間に捻り込んでみたが、瞬間ぴくんと反応しただけで、その後いやう素振りはなかった。そのまま俺の脚ごと背もたれを活用し続けている。
ソファーの前にさすが後宮の家具と感嘆する猫足ローテーブルがあるのだが、その上には俺が入室した時おもてなしとしてリアルメイドが出してくれた菓子と飲み物が置いてある。見た目チョコレート、そして見た目クッキー。味見はしていないので自信はない。その時にいれてくれた紅茶はもう冷めていた。
「ここにチョコっぽいのとクッキーっぽいのがあります。食べてないから自信ないけど……食う?」
ひとまとめで皿にのせテーブル中央に置いてあった菓子。リーチをいかして手繰り寄ると、クッキーの焼き菓子特有の香りに混じってふわりとカカオの香りがした。それを種類別で数個ほど手に取り目前に差し出すと、俺の手元と顔を何往復かした小向の視線は最終的に菓子一本に絞られたようだ。くいっと催促するように手のひらを揺すると、チョコレートをひとつだけつまみ上げ、そっと頬張った。
「これちょこ」
「へーカカオあるんだこの世界。こっちは?」
「クッキー、おいし」
お口にあったのか小向は俺の手のひらにのったチョコレートとクッキーをひとつずつ交互に口に運んで味わいだした。あのパンケーキを食べてた時のようにとろける空気。もきゅもきゅと咀嚼する度動く唇は幸せと言わんばかりに弧を描き、頬は桜色に染まっている。
俺はというと、そんな嬉しそうな小向の横顔を左側の至近距離から眺め、だらしなく目尻を下げていた。夢中になって食べてるのをいい事に、目の前の横髪をすいたり耳にかけたり、柔らかな耳たぶを揉んだりしながらスキンシップを重ねた。食べようと口を開く時に垣間見える舌も突いてみたい。おいしそうな頬もはむはむしたい。小向が男くさくないからかな?ついつい構いたくなってしまう。飢えていた関係性の変化が俺のパーソナルスペースをおかしくさせていた。
しかし、甘い。決してお菓子の事じゃない、小向の事だ。数時間前、結果的に置いていく事になってしまったが、思わぬかたちで吉と出たらしい。
こと最近にいたっては、我が教室2列目の前から4番目の席と5番目の席の間にはグランドキャニオンよりも広い溝があると半分諦めていた。だが、お互いを知ってるのはお互いだけという環境に放り込まれた事から、溝の幅が縮まっていたのだろう。初めて"シネ"と返事してくれたあれが確かな証拠だ。
寂しさスイッチとは予想外の結果を産む。小向のスイッチはそこに橋を建設した。きっと溝が広いままだったら長い橋になり、渡る前に思い直す。小向は頑固者だ。そもそも橋を掛ける発想すら浮かばない可能性大。掛けられたのはとっても短い橋だった。
4つ、3つ、2つ。最後の1つが唇の向こう側に消えていったのを見届けて、空っぽになった手のひらへ更にお菓子を追加した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる