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第四章 『上級ガイド』のダンジョン探索編
33.ダンジョン探索とは
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ダンジョン探索が終わり、ルナと別れてからナヴィは村の帰路に就いた。
ナヴィの村に帰る足取りとともに夕日も着々と沈んでいた。
ルナかぁ、まさかあんな上級ガイドがいるなんて……。ライバルとしては的中率が百パーセントじゃなくてよかったけど。ケビンに続きあんな子まで出てきちゃうと、いよいよあたしって普通の人って感じよね……。個性っていう個性もないし。
「はぁ、なんか周りを見て目標の遠さをまざまざと感じた。テリウス様が今目の前に現れたとしてもパーティーに入れてもらうにはまだまだ実力不足よね……。ケビンの方が戦力になるし、ルナだってあんな凄い能力あるんだから」
肩を下ろしながらとぼとぼと歩いていると、村の入り口が見えた。
「おーい! ナヴィさん!」
誰かが手を振ってるわね。ん、あれは……。
「レイ様。レイ様ー!」
まぁ気にしててもしょうがない。あたしはあたしができることをやろう。
ナヴィは落としていた肩を上げ、走ってレイの元へと向かった。
「すみません。大変お待たせいたしました。」
「いえ、先ほどお店に行ったらエンフィーさんが今日の夕方には戻ってくると言っていたので。」
う、エンフィーあなたも占いでもやっているのかしら……。
「ナヴィさん、どうしたんですかその黒い斑点がたくさんついたローブ」
「あ、こ、これは、ダンジョンのトラップに引っかかってしまい……穴の中にいたモンスターに吹きかけられてしまいました」
「そうだったんですか、すみませんお手を煩わせてしまって」
「いえ、これも仕事ですから、おかげさまでマップの方もほぼ完璧に近い状態になったので!」
「ありがとうございます。妹のレミもきっと喜んでくれると思います!」
「そうしましたらレイ様。本日マップをお渡しすることができますので案内所の方で解説等させていただきます」
「はい。お願いします!」
村の入り口での会話は終わり、クローズの看板がかかった案内所に戻ってきた二人。
「エンフィー、デニスさん、帰ったわ」
「お姉ちゃん、レイ様、おかえりなさい! って、ローブきたなっ!」
「後で話すからとりあえずこれ洗濯してもらってもいいかしら」
「はいはーい、おーいデニスさん二人のお茶まだ?」
キッチンでお茶を入れているデニスが愛想笑いでエンフィーに返した。
「はい、ただいま。おかえりなさいませ、ナヴィさん、レイ様」
「ありがと。デニスさん。ちゃんと仕事してたの?」
「はい、もちろんでございます」
「エンフィー?」
本当? というような疑いの目でエンフィーに問いかける。
「まぁ最近の中では割とましだったんじゃない」
「よし!」
デニスがガッツポーズをとった。
「いや、ましになるのに何日かかってんのよ……。まぁいいわ。ちゃんとやってたなら安心ね」
「あの。ナヴィさん、そろそろいいですか」
「あ、はい、では始めましょうか」
カウンターに向かい合わせで座り、ナヴィは制作したマップをもとに解説を始めた。
「『悪戯の鍾乳洞』ここは文字通り、様々な悪戯という名のトラップがあります」
「トラップですか」
「えぇ、特に岩に擬態しているスイッチのようなものがいくつかあるので、足元に注意しながら歩く必要があります。しかし逆にいえばそこさえ気を付けてマップ通りに歩いていただければ問題なく最深部まで進むことができます」
「なるほど、そんなに難しいダンジョンじゃなさそうですね」
そんな無垢な笑顔で言われても……。
「あは、そ、そうですね、あははは」
何度自分の身を削ってトラップにわざと引っかかっていったか。これを簡単に攻略されちゃうとなんだか癪だなぁ。
「ナヴィさん。そういえば最深部には何が?」
「あ、はい。端的に言うとボスです」
「ボスですか、レミ大丈夫かな」
「お伺いしたところレミ様もレイ様と同じくレベル二十クラスの槍使い。ボスのレベルも同等かその少し上と見受けられました」
「それって勝てるんですか?」
「レミ様の魔法適性はなんでしょうか?」
「確か第一は木属性。第二は水だった気がします」
「なるほど、そうしましたらこちらをお使いください」
ナヴィはダンジョンに持って行っていたカバンの中から巻物を何本か取り出した。
「これは……?」
「こちらは『呪術の巻物』です。簡易的に下級魔法を放つことができます。魔力もいらず、自分の属性ではない魔法を放つことができます」
「す、すごく便利ですね」
「下級魔法だと低価格ですが、中級魔法以上ですと価格が跳ね上がりますね。作るのにも相当な魔力を込めるらしいので……」
「ですよね、こんなのすぐに作れたら……これ、雷の魔法ですか」
「はい、ボスはウナギ型の大型モンスターです。外皮がかなり厚く槍などを刺して内側から弱点の雷魔法を流すと大ダメージを与えることができます」
「あ、だからさっき属性を聞いていたんですね!」
「その通りです。説明は以上でございます。何かご質問ありますでしょうか?」
「いえ、大丈夫です! 想像以上に精巧に作られたマップとわかりやすい解説で妹もすごく喜ぶと思います。ありがとうございました。」
そういうとレイはカバンの中から大きな巾着袋を取り出した。
「これ少ないですけど受け取って下さい」
なにこれ、中身は……た、大金!
「こんなの頂けません! 前金もかなりの額頂いてたのに」
突き返すナヴィだったが、レイは強引にナヴィの手に収めさせた。
「妹の命の値段を考えれば安いものです。巻物のお金もありますし」
ナヴィはレイの妹を想う温かい笑顔にはっと気づかされる。
そっか、あたし勘違いしてた……。ダンジョン探索、マップ作り、攻略情報、これもまた冒険者様達の命を守ることに繋がるのね。
「レイ様、そうしましたらこちらありがたく頂戴します。レミ様の冒険がうまくいきますように心から願っています」
受け取ったナヴィもまた温かく包み込むような優しさに溢れた笑顔だった。
数日後
ナヴィは『悪戯の鍾乳洞』のダンジョン入り口に立っていた。
よし、入っていったわね。
レイ様の前ではああは言ったものの、あたしのマップが本当に大丈夫か不安でレミ様の後をついてきてしまった。
何か抜けてたら申し訳ないしなぁ。邪魔しないように後ろから見守っておこう……。
「あのぅ」
ナヴィは後ろから肩を叩かれた。
「はぁ! だ、だれ! え……」
「今日も会いましたね! ナヴィさん!」
「ルナ……?」
ナヴィの村に帰る足取りとともに夕日も着々と沈んでいた。
ルナかぁ、まさかあんな上級ガイドがいるなんて……。ライバルとしては的中率が百パーセントじゃなくてよかったけど。ケビンに続きあんな子まで出てきちゃうと、いよいよあたしって普通の人って感じよね……。個性っていう個性もないし。
「はぁ、なんか周りを見て目標の遠さをまざまざと感じた。テリウス様が今目の前に現れたとしてもパーティーに入れてもらうにはまだまだ実力不足よね……。ケビンの方が戦力になるし、ルナだってあんな凄い能力あるんだから」
肩を下ろしながらとぼとぼと歩いていると、村の入り口が見えた。
「おーい! ナヴィさん!」
誰かが手を振ってるわね。ん、あれは……。
「レイ様。レイ様ー!」
まぁ気にしててもしょうがない。あたしはあたしができることをやろう。
ナヴィは落としていた肩を上げ、走ってレイの元へと向かった。
「すみません。大変お待たせいたしました。」
「いえ、先ほどお店に行ったらエンフィーさんが今日の夕方には戻ってくると言っていたので。」
う、エンフィーあなたも占いでもやっているのかしら……。
「ナヴィさん、どうしたんですかその黒い斑点がたくさんついたローブ」
「あ、こ、これは、ダンジョンのトラップに引っかかってしまい……穴の中にいたモンスターに吹きかけられてしまいました」
「そうだったんですか、すみませんお手を煩わせてしまって」
「いえ、これも仕事ですから、おかげさまでマップの方もほぼ完璧に近い状態になったので!」
「ありがとうございます。妹のレミもきっと喜んでくれると思います!」
「そうしましたらレイ様。本日マップをお渡しすることができますので案内所の方で解説等させていただきます」
「はい。お願いします!」
村の入り口での会話は終わり、クローズの看板がかかった案内所に戻ってきた二人。
「エンフィー、デニスさん、帰ったわ」
「お姉ちゃん、レイ様、おかえりなさい! って、ローブきたなっ!」
「後で話すからとりあえずこれ洗濯してもらってもいいかしら」
「はいはーい、おーいデニスさん二人のお茶まだ?」
キッチンでお茶を入れているデニスが愛想笑いでエンフィーに返した。
「はい、ただいま。おかえりなさいませ、ナヴィさん、レイ様」
「ありがと。デニスさん。ちゃんと仕事してたの?」
「はい、もちろんでございます」
「エンフィー?」
本当? というような疑いの目でエンフィーに問いかける。
「まぁ最近の中では割とましだったんじゃない」
「よし!」
デニスがガッツポーズをとった。
「いや、ましになるのに何日かかってんのよ……。まぁいいわ。ちゃんとやってたなら安心ね」
「あの。ナヴィさん、そろそろいいですか」
「あ、はい、では始めましょうか」
カウンターに向かい合わせで座り、ナヴィは制作したマップをもとに解説を始めた。
「『悪戯の鍾乳洞』ここは文字通り、様々な悪戯という名のトラップがあります」
「トラップですか」
「えぇ、特に岩に擬態しているスイッチのようなものがいくつかあるので、足元に注意しながら歩く必要があります。しかし逆にいえばそこさえ気を付けてマップ通りに歩いていただければ問題なく最深部まで進むことができます」
「なるほど、そんなに難しいダンジョンじゃなさそうですね」
そんな無垢な笑顔で言われても……。
「あは、そ、そうですね、あははは」
何度自分の身を削ってトラップにわざと引っかかっていったか。これを簡単に攻略されちゃうとなんだか癪だなぁ。
「ナヴィさん。そういえば最深部には何が?」
「あ、はい。端的に言うとボスです」
「ボスですか、レミ大丈夫かな」
「お伺いしたところレミ様もレイ様と同じくレベル二十クラスの槍使い。ボスのレベルも同等かその少し上と見受けられました」
「それって勝てるんですか?」
「レミ様の魔法適性はなんでしょうか?」
「確か第一は木属性。第二は水だった気がします」
「なるほど、そうしましたらこちらをお使いください」
ナヴィはダンジョンに持って行っていたカバンの中から巻物を何本か取り出した。
「これは……?」
「こちらは『呪術の巻物』です。簡易的に下級魔法を放つことができます。魔力もいらず、自分の属性ではない魔法を放つことができます」
「す、すごく便利ですね」
「下級魔法だと低価格ですが、中級魔法以上ですと価格が跳ね上がりますね。作るのにも相当な魔力を込めるらしいので……」
「ですよね、こんなのすぐに作れたら……これ、雷の魔法ですか」
「はい、ボスはウナギ型の大型モンスターです。外皮がかなり厚く槍などを刺して内側から弱点の雷魔法を流すと大ダメージを与えることができます」
「あ、だからさっき属性を聞いていたんですね!」
「その通りです。説明は以上でございます。何かご質問ありますでしょうか?」
「いえ、大丈夫です! 想像以上に精巧に作られたマップとわかりやすい解説で妹もすごく喜ぶと思います。ありがとうございました。」
そういうとレイはカバンの中から大きな巾着袋を取り出した。
「これ少ないですけど受け取って下さい」
なにこれ、中身は……た、大金!
「こんなの頂けません! 前金もかなりの額頂いてたのに」
突き返すナヴィだったが、レイは強引にナヴィの手に収めさせた。
「妹の命の値段を考えれば安いものです。巻物のお金もありますし」
ナヴィはレイの妹を想う温かい笑顔にはっと気づかされる。
そっか、あたし勘違いしてた……。ダンジョン探索、マップ作り、攻略情報、これもまた冒険者様達の命を守ることに繋がるのね。
「レイ様、そうしましたらこちらありがたく頂戴します。レミ様の冒険がうまくいきますように心から願っています」
受け取ったナヴィもまた温かく包み込むような優しさに溢れた笑顔だった。
数日後
ナヴィは『悪戯の鍾乳洞』のダンジョン入り口に立っていた。
よし、入っていったわね。
レイ様の前ではああは言ったものの、あたしのマップが本当に大丈夫か不安でレミ様の後をついてきてしまった。
何か抜けてたら申し訳ないしなぁ。邪魔しないように後ろから見守っておこう……。
「あのぅ」
ナヴィは後ろから肩を叩かれた。
「はぁ! だ、だれ! え……」
「今日も会いましたね! ナヴィさん!」
「ルナ……?」
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