村人Aは勇者パーティーに入りたい! ~圧倒的モブが史上最高の案内人を目指します~

凛 捺也

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第四章 『上級ガイド』のダンジョン探索編

34.ダンジョン同行?

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「どうしてルナがここに?」

「えへへ、ま、またナヴィさんに会いたくて……」

 そんな恥ずかしそうにもぞもぞしながら言わないでくれるかなぁ。

「ルナ? もしかしてこれ偶然じゃないわよね?」

「もちろんです、カードで今日ナヴィさんがここに来るとわかったのでつい飛び出してきてしまいました!」

「あなた自分のお店は……」

「急遽休業です!」

「そんな自信満々な顔で言うことじゃないでしょ!」


 ルナはそのままの勢いでナヴィに言った。

「あの、ナヴィさん! 今日ナヴィさんに同行してもいいですか?」

「え? あ、あたし?」

「はい、今日一日でいいので、ナヴィさんのことがもっと知りたくて……」

「んーとはいってもねぇ」

 レミ様の後を追うだけなんだけどなぁ。

「だめ……でしょうか?」

 う、ルナのこの上目使いの破壊力……すごい。


「まぁいいわ、あたしもあなたのこともっと知りたいと思ってたし」

「あ、ありがとうございます! そしたら今日一日よろしくお願いします!」


「ええ、でもあたし今からこのダンジョン入るけど一人じゃないとだめなんじゃ……」

「あぁこのダンジョン、最後のレアアイテムのみ一人でダンジョン攻略しないとだめなだけなんです」

「そうなのね。知らなかった」

「はい、わたくしも占いで知りました!」

 そんなことまで調べられるの。相変わらず便利なスキルね。



「じゃあナヴィさん、早速ダンジョンに入りましょう!」

「凄いノリノリだね。数日前の空腹の状態からは信じられない元気さ」

「ふふふ。さぁ行きましょうか!」

 二人はレミが入ってから数分後にダンジョンに入っていった。





「うーんと、三つの分岐された道は右側が正解ね……一応真ん中にはアイテムも取れるけど記載されているトラップに注意、か」

 茶髪のポニーテールに、百六〇センチほどの背丈で槍を持つレミが順調に攻略していく。

「それにしても兄さんが持って帰ってきてくれたこのマップ本当にすごい。まだ何もトラップに引っかからないわ。それにアイテムの場所までこんなに詳細に」

 まぁ攻略のしがいがないと言えばそうなんだけど、今日は私一人だから仲間にも頼れないしな。安全が一番よね。

「さ、この先も行くわよー!」




 曲がり角からひょこっと二人が顔を出した。

「おぉやってるやってる」

「流石ナヴィさんのマップですね全然苦戦せずもう中間部まで」

 二人は順調に進むレミの姿を見て安心していた。

「前にルナのマップを見せてもらって完璧なマップになったからね。ルナのお手柄よ」

「いえ、わたくしなんてそんな」

 恥ずかしそうにナヴィから視線を逸らすルナ。

「あれ、レミ様を見失っちゃった」

「本当ですね、先に進むの早すぎませんか?」

 ん? ルナ様が早いのかな。もしかして……。

「ねぇルナ、なんか足元で変な感触なかった?」

「あ、まさか……さっき踏んだかもしれないです」

 ダンジョンに入らずに占いからマップを作っていたルナには初めての感触だったため、擬態したスイッチに気づいていなかった。

「そんなー!」
「きゃー!」

 二人はスイッチによりできた大きな溝に落ちていった。

「いたたた、何か前にも同じことがあったような、でも今のところのスイッチはあたしのマップでは見落としてたみたい……ルナの方は?」

「わたくしもです。ここに記載していたのは宝箱で、罠ではありませんでした」

「なるほど、二人とも予期していなかったトラップってことね……」

 んーここはなんの対策もできてないしモンスターによっては危ないかしら。レミ様にも早く追いつかないと。

 顎を摩り、目を閉じて考える。

「ナヴィさん。ナヴィさん! 前、前!」

「あれは、エイ!?」

 体長数メートルはある巨大なエイ型モンスターが空中に舞っていた。

「ここにもボスが」

「考えていても仕方ありませんナヴィさん!」

「ええ!」

 二人は魔力を練り上げた。

 ルナはグローブに魔力を溜めていくタイプね。珍しい。でもゆっくり見ていられないわ。

「同じ魚だったら雷属性が弱点でしょ!」
<ライトニング!>

 ナヴィの放った雷のレーザーがエイに直撃する。

「効いてる!? あ、あれ」

 雷を受けたエイはその雷を吸収し口から放出した。

「ナヴィさん!」

「えぇ!」
<エアシールド!>

 危ない。何とか間に合った。

「電気エイですね……」

「ええ、そうみたい」

「ナヴィさん、わたくしの魔法はもう少し時間がかかります。時間を稼いでいただけませんか?」

「分かった。こっちで何とかするわ!」
<エアシュート!>

「さぁこっちを見なさい!」

 エイはナヴィに的を絞り攻撃を集中させた。

 とりあえず下級魔法の攻撃を当てて属性ダメージが何かを調べなきゃね。

<ファイアーボール!>
<アイスバーン!>
<ウィンドカッター!>

 ナヴィの魔法がエイに直撃するもダメージはほとんど入らなかった。

 その間もエイの放電攻撃がナヴィを襲う。


「いたたた。くそ……なら」

<ストーンウェーブ!>

 岩の波がエイを飲み込む。

「グルルル」

 効いてる……。土属性か!

「ルナ!」

「はい! お待たせしました!」
<ガーディアン・ストーンゴーレム!>

 ルナの目の前に茶色の魔法陣が現れそこから岩でできた巨人が作られていった。

「ガーディアン!? 上級魔法じゃない。すごい魔力……」

「行きなさい! ストーンゴーレム!」

 空中で飛んでいるエイに向かって岩の巨人は跳んでいき、重たい拳を何発も食らわせた。

「キュウ……キュウ……」

 ストーンゴーレムにやられたエイはナヴィ達の足元へと落ちていった。


 ガーディアンは初めて見たわ。

「ナヴィさんありがとうございます!」

「あたしなんて全然。むしろありがとう!」

「いえ、見ての通りガーディアンは出すまでに時間がかかるので、それまで任せっきりになってしまいます」

「でもいいものが見れたわ。あなたガーディアン使いだったのね」

「使いとまでは……使う頻度は多いですが」

 あれー。さっきまでの戦闘の頼もしさとは違ってまた恥ずかしがり屋のルナに戻ってしまったわ。

「あ、ナヴィさん宝箱が!」

 エイの死骸が消え、そこから宝箱が現れた。

「開けるわね、ん? 魔術書……」

「そのグレーの魔術書、ガーディアンを呼び出す魔法です。多分先ほどのエイを呼び出すことができるのでは?」

「え! そしたらあたしでもできるの?」

「はい、魔力さえあれば、ガーディアンは魔法適性は関係ないので」

「でも、これルナが倒したから……」

「わたくしは他にもたくさんのガーディアンがいますからナヴィさんがお使いください。」

 それにナヴィさんの魔力ならとんでもなく強いガーディアンを召喚できる気がして見るのが楽しみなんです。

「ありがとう! 帰ったら読ませてもらうわ!」

「はい、ではレミ様を早く探しましょう!」

 こうして二人はレミの後を追いダンジョン最深部に向かった。
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