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第四章 『上級ガイド』のダンジョン探索編
35.ナヴィのマップ
しおりを挟む「ナヴィさん。レミ様を見つけましたよ!」
「あ、本当ね、良かった」
二人の視線の先にはボロボロになったレミの姿があった。
「な、なんでそんなボロボロに……あたしのマップがだめだったのかな……?」
不安そうな顔をするナヴィにルナが声を掛ける。
「ナヴィさん、レミ様の手、見てください。確かに知らないトラップに引っかかったかもしれませんが……」
レミの手にはナヴィの探索では無かった別のレアアイテムがあった。
「水晶のリング……あんなものがあったのね」
「はい、それにレミ様の顔」
そこにはにんまりとした顔でリングを見るレミの姿があった。
「マップにはなかったけど、こういうのがひょっこり出てくるのもやっぱり冒険ならではよね! トラップには引っかかったけど大満足。そりゃマップだって百パーセントじゃないものね」
レミ様……嬉しそうでよかったけど。
「でもやっぱり悔しいわね。」
「え?」
ルナがナヴィの顔を見る。
「もしかしたらあたしの知らないトラップでレミ様が死んでしまっていたのかもしれない。って考えると、やっぱりこのダンジョン探索は細心の注意と百パーセントの攻略が必要ってことよね。奥が深いし本当に次から気を付けないと」
「ナヴィさん……」
わたくしも八割の的中率じゃダメなのかも……。
「ナヴィさん、これからもお時間あるときでいいので一緒にダンジョン探索してくれないでしょうか?」
「え? どうしたのいきなり」
「わたくしの占いと、ナヴィさんの探索能力があれば百パーセントのマップが作れると思うんです!」
ナヴィの手を取り、真剣な眼差しを向けるルナ。
「ルナ……」
「ナヴィさんの仕事の向き合い方はとても素敵です。冒険者様にしっかりと寄り添えててわたくしもそうなっていきたいと思いました。」
ナヴィも手を握り返し、ルナに言葉を返した。
「わかったわ。あたしもルナとならできそうな気がする」
「あ、ありがとうございます!」
「でもそれは、あとで。レミ様を追うわよ!」
「はい!」
そこから数分でレミはダンジョンの最深部に着いた。
ナヴィとルナもその後すぐに到着した。
「さぁ、ボスね。マップの攻略情報では確かウナギ型のモンスター。『弱点の属性は雷、体は頭部、おすすめは体の内側から雷属属性の魔法を流すこと。』なるほどね、だから兄さんは私の適性じゃない雷の巻物をくれたってことね」
「うん。ちゃんと読んでくれてる」
「何とかなりそうですかね?」
「大丈夫だと思うけど……。あたしは結構時間かかっちゃったから」
「攻略情報が分かるのとわからないのとじゃ全然違いますから」
「ルナ、ここからは魔法陣があるからあたし達は入れないわ」
「そうみたいですね、では入り口まで戻りましょうか」
レミが魔法陣に入っていくのを見送った後、二人は入り口までゆっくりと帰っていった。
その道中ルナの話をナヴィが聞いていた。
「ルナ、あなた、どこに住んでるの?」
「わたくしはルーカトリ街に案内所を構えてます、ナヴィさんの村からだとこのダンジョンをさらに超えたところにあります」
「え! ルーカトリ街? レベルの高い冒険者御用達の街じゃない!」
「そうですね、大体三十から高い人だと五十クラスほどの方が来るときも……」
「ん? そういえばなんであたしの村の位置知ってるの? あたし言ったかしら……?」
ルナは少し慌てて言葉を並べる。
「あ、そ、それは、ほらあれですよ、神官ラハマンを倒した上級ガイドの一人がオリバービレッジにいるって聞いて。そ、それにわたくしも占いで何度か調べたので」
「なんで占いで調べる必要があるの?」
「あ、あの、そ、それは……」
洞窟から明かりが漏れていたのをルナは早々に気づく。
「ナ、ナヴィさん出口ですよ! 外にでて休みましょう。今日はわたくしのお弁当があるので!」
「そう。まぁレミ様もまだボスと戦ってると思うし」
「はい。さぁ早く早く!」
「ちょっ。ルナ!」
ナヴィの手を引きダンジョンの外へと駆け足で出て行った。
数十分後
「ルナ。レミ様が帰ってきた!」
弁当を食べる手を止め草むらの中でレミの様子を伺う二人。
転移魔法の陣が展開され、レミはボス部屋の魔法陣から転送された。
転移された瞬間レミはその場で倒れた。
「レミ様!」
「ナヴィさん!?」
ナヴィは倒れたレミを見た瞬間草むらから飛び出した。
打撲の跡が多々あり、瀕死状態になったレミを抱え声を掛けた。
「ひどい怪我……レミ様! レミ様!」
<ホーリーヒール!>
レミの身体全体に薄緑色の膜が張られた。
ナヴィさんの上級回復魔法。すごい早さで治っていきますね。
少しの時間回復魔法を掛けていると、レミが目を開けた。
「あなたは……」
「私はナヴィです。ダンジョン攻略お疲れさまでした」
「あ、あなたがこのマップを」
「はい、至らぬ点が多くてすみませんでした」
「いいえ、ナヴィさんこれ見てください」
レミの手にはナヴィがダンジョン探索の時にボスがドロップしたものと同じ『水明の耳飾り』を手に持っていた。
「それは……」
「はい、こんな姿になったのは私の実力不足です。これをゲットすることができたのは依頼した兄さんとこのマップを作ってくれたナヴィさんのおかげです」
「レミ様。ダンジョン攻略成功、おめでとうございます!」
レミを抱きかかえながらナヴィの目が潤んだ。
良かった。生きて帰ってこれて……。良かったありがとうって言ってくれるマップを作ることができて。
「そういえばそのナヴィさんがどうしてここに?」
「あ、あの、それは……たまたまです! この子の住んでいる街の通り道で通りかかったら偶然レミ様がいたので」
ナヴィさん、わたくしを言い訳に使うのはいいですが、苦し紛れにもほどがあります。
「そう。でも回復魔法もありがとうございます。これで何とか家まで帰れそうです」
「はい、お兄様もきっと喜ばれると思います」
こうしてダンジョンの入り口でレミを見送った。
「さて。見守るのも終わったし、あたし達も帰りましょうか」
「あの、ナヴィさん」
「どうしたのルナ、そんな真剣な顔して」
「ナヴィさんの村に行っていいですか?」
「え? まぁそれは別にいいけどどうしてかしら」
「それは……」
少し会話に間が空いた。そこからルナは話始める。
「実は今日ナヴィさんのことをカードで占ったのですが……出たカードは『悪魔』でした」
「……何か良くないことが起こりそうってこと?」
「その通りです、意味は『破壊、暴力、力の誤用』です」
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