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第五章 逆襲の『ガイド殺し』 エンフィー奪還編
41.アメルダ
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「アメルダ! 大丈夫ですか?」
ルナがアメルダに声を掛ける。
「ルナ、ここにいては攻撃に巻き込まれてしまうわ。早く離れて」
「でもアメルダが……」
「私は大丈夫。それよりルナ、魔力は?」
アメルダは体をゆっくりと起こしながら、態勢を立て直す。
「あれをぎりぎりやれるくらいはあります。ですが、少しだけ魔力を練る必要があるのでもう少しだけ時間を稼いでください」
「分かった。私ももう少しで消えてしまうわ。時間との勝負ね」
この会話の間にもゴブリンには<ヒール>が掛けられ続けていた。
「二人とも! また攻撃が来る!」
ナヴィも再度杖を構え、迎撃の態勢になった。
アメルダは残りの力を振り絞るかのように、ゴブリンとの戦闘を再開させた。
「ナヴィさん。できる限りアメルダに補助魔法を……防御系のでお願いできますか? 私はアメルダに一つ仕掛けを施します。ですので、それまでアメルダが消えないようにしたいです」
「……分かった。でもこれで魔力的にも最後の魔法よ」
<ディフェンドグロウ!>
深緑色のオーラに包まれたアメルダの防御力が向上した。
「よし、これでとりあえずは!」
アメルダの攻撃も回避中心の反撃から、捨て身の攻撃に切り替わった。
ゴブリンもこん棒で数回アメルダに攻撃を与えているが、手数ではアメルダが圧倒していた。
「来た! アメルダ、いけます!」
「ルナ! 頼んだわよ!」
魔力を溜めていたルナのグローブから白い光がアメルダに放たれた。
<ガーディアンプロキシモ・ヘルケルベロス!>
「グルァァァァァ!」
雄叫びとともに、アメルダの高貴なグレーの毛皮がどす黒く変色し、両側の肩甲骨からは頭が生えだした。それと同時に体もビッグゴブリンと同じ全長十メートルほどの巨体になっていった。
「三つの頭に漆黒の毛皮……あれがケルベロス! アメルダ、凄い……」
見惚れていたナヴィにルナが肩を叩く。
「ナヴィさん離れてください! あの状態のアメルダは理性がないのです。近くにいたら敵味方問わず攻撃してきます」
「なるほど。諸刃の剣ってことね」
「はい、でもあの状態になったアメルダはそこらへんもボスモンスターの強さの比ではありません」
ルナの言う通り、変貌を遂げたアメルダは強化されたビッグゴブリンを圧倒していく。
三つの頭で肩や腕を食いちぎり、吐き出す業火でダメージを与え続けた。
岩陰に隠れたナヴィはその戦いぶりに驚愕していた。
「これは化け物ね……こんなのあたしもどうやって倒したらいいかわからないわ」
「あはは、わたくしもです。飼い主で良かったと心の底から思っています。本人はこの姿になるのをひどく嫌っていますが」
「そりゃそうでしょ。あんな綺麗な犬が化け物になるんだから」
「ナヴィさん見てください。もうすぐ終わりそうです」
ビッグゴブリンは様々な部位が噛み千切られており、見るも無残な姿になっていた。しかし補助魔法と<ヒール>により、何とか生かされているという状態だった。
アメルダは口を大きく開けその中で魔法陣を展開した。
「あれがアメルダのプロキシモ状態の必殺スキル<ヘル・インフェルノ>です」
最大火力の炎が三方向から吐き出された。
<ヒール>で回復されていたゴブリンの皮膚は爛れ、体力を一撃で削り切り、ビッグゴブリンは倒れていった。
それを確認してからというようにゴブリンに続いてアメルダもその場で倒れた。
「アメルダ!?」
「ナヴィさん、大丈夫です。これはわたくしの魔力が完全に底をついたことを意味しています。アメルダ自身もこのようなダメージで消えるようなことはありませんから」
「そっか。はぁ、助かったぁ」
ナヴィは大きく息をつく。
「はい。では、アメルダは戻しますね」
アメルダは光の球体に変わり、ルナのグローブへと還っていった。
「これであたし達の魔力はほぼゼロね」
「えぇ、ここまできたのはいいですが……」
ナヴィはポシェットの中を漁り始めた?
「あ、ナヴィさんそういえばその中には何が……?」
「ポーションっていうほどではないんだけど……とりあえずこれどうぞ!」
ナヴィはポシェットから二つのアイテムを取り出した。
「バンドエイドにMPドロップですか」
「とりあえずで持ってきといてよかった。この飴と絆創膏で微量かもだけど回復に努めましょう」
「ありがとうございます」
「さぁじゃあ行こう!」
二人がアイテムを使い立ち上がろうとしたその瞬間、部屋の奥から岩壁が崩れるような大きな衝撃音が鳴った。
「な、なに!?」
「分かりません。しかし、煙の奥から人影が!」
そのまま岩陰に隠れ続け、様子を覗う二人。
ぱちぱちと拍手をしながら一人の男が煙の中から現れた。
「いやぁ実に見事。ナヴィさん。そしてそのお友達のルナさん、よくこの強化された、ビッグゴブリンを倒されましたな! さぁ隠れてないで出てきなさい、あなたの大切な妹さんはここにいますよ」
この薄気味悪い声。
「ちょ……ナ、ナヴィさん!」
岩陰に隠れて身を隠していたナヴィが杖を持ち直し、デニスの前へ向かっていった。
「デニス! 貴様よくもエンフィーを。早く返して!」
「おっとそんな怖い顔してもだめですよ。それにそんなに怒っても主導権はこちらにありますからね」
後ろからデニスパーティーの大盾使いと弓使いが現れた。そして二人の間にはボロボロになり一人で立つこともできなくなったエンフィーが刃物を首に当てられていた。
「エンフィー!」
そのナヴィの呼び声でエンフィーは気を取り戻す。
「……ねぇちゃん、お、ねぇ、ちゃん……」
か細く、途切れた声でナヴィを呼んだ。
エンフィー、そんな、あいつらどこまでも……。
「デニス! お前だけは……お前だけは……お前だけは絶対に許さない!」
ルナは岩陰からナヴィの表情が見えた。
ナヴィさんのあんな憎悪に満ちた顔……あれはだめだ。助けなきゃ。
「お姉ちゃん……逃げて」
ルナがアメルダに声を掛ける。
「ルナ、ここにいては攻撃に巻き込まれてしまうわ。早く離れて」
「でもアメルダが……」
「私は大丈夫。それよりルナ、魔力は?」
アメルダは体をゆっくりと起こしながら、態勢を立て直す。
「あれをぎりぎりやれるくらいはあります。ですが、少しだけ魔力を練る必要があるのでもう少しだけ時間を稼いでください」
「分かった。私ももう少しで消えてしまうわ。時間との勝負ね」
この会話の間にもゴブリンには<ヒール>が掛けられ続けていた。
「二人とも! また攻撃が来る!」
ナヴィも再度杖を構え、迎撃の態勢になった。
アメルダは残りの力を振り絞るかのように、ゴブリンとの戦闘を再開させた。
「ナヴィさん。できる限りアメルダに補助魔法を……防御系のでお願いできますか? 私はアメルダに一つ仕掛けを施します。ですので、それまでアメルダが消えないようにしたいです」
「……分かった。でもこれで魔力的にも最後の魔法よ」
<ディフェンドグロウ!>
深緑色のオーラに包まれたアメルダの防御力が向上した。
「よし、これでとりあえずは!」
アメルダの攻撃も回避中心の反撃から、捨て身の攻撃に切り替わった。
ゴブリンもこん棒で数回アメルダに攻撃を与えているが、手数ではアメルダが圧倒していた。
「来た! アメルダ、いけます!」
「ルナ! 頼んだわよ!」
魔力を溜めていたルナのグローブから白い光がアメルダに放たれた。
<ガーディアンプロキシモ・ヘルケルベロス!>
「グルァァァァァ!」
雄叫びとともに、アメルダの高貴なグレーの毛皮がどす黒く変色し、両側の肩甲骨からは頭が生えだした。それと同時に体もビッグゴブリンと同じ全長十メートルほどの巨体になっていった。
「三つの頭に漆黒の毛皮……あれがケルベロス! アメルダ、凄い……」
見惚れていたナヴィにルナが肩を叩く。
「ナヴィさん離れてください! あの状態のアメルダは理性がないのです。近くにいたら敵味方問わず攻撃してきます」
「なるほど。諸刃の剣ってことね」
「はい、でもあの状態になったアメルダはそこらへんもボスモンスターの強さの比ではありません」
ルナの言う通り、変貌を遂げたアメルダは強化されたビッグゴブリンを圧倒していく。
三つの頭で肩や腕を食いちぎり、吐き出す業火でダメージを与え続けた。
岩陰に隠れたナヴィはその戦いぶりに驚愕していた。
「これは化け物ね……こんなのあたしもどうやって倒したらいいかわからないわ」
「あはは、わたくしもです。飼い主で良かったと心の底から思っています。本人はこの姿になるのをひどく嫌っていますが」
「そりゃそうでしょ。あんな綺麗な犬が化け物になるんだから」
「ナヴィさん見てください。もうすぐ終わりそうです」
ビッグゴブリンは様々な部位が噛み千切られており、見るも無残な姿になっていた。しかし補助魔法と<ヒール>により、何とか生かされているという状態だった。
アメルダは口を大きく開けその中で魔法陣を展開した。
「あれがアメルダのプロキシモ状態の必殺スキル<ヘル・インフェルノ>です」
最大火力の炎が三方向から吐き出された。
<ヒール>で回復されていたゴブリンの皮膚は爛れ、体力を一撃で削り切り、ビッグゴブリンは倒れていった。
それを確認してからというようにゴブリンに続いてアメルダもその場で倒れた。
「アメルダ!?」
「ナヴィさん、大丈夫です。これはわたくしの魔力が完全に底をついたことを意味しています。アメルダ自身もこのようなダメージで消えるようなことはありませんから」
「そっか。はぁ、助かったぁ」
ナヴィは大きく息をつく。
「はい。では、アメルダは戻しますね」
アメルダは光の球体に変わり、ルナのグローブへと還っていった。
「これであたし達の魔力はほぼゼロね」
「えぇ、ここまできたのはいいですが……」
ナヴィはポシェットの中を漁り始めた?
「あ、ナヴィさんそういえばその中には何が……?」
「ポーションっていうほどではないんだけど……とりあえずこれどうぞ!」
ナヴィはポシェットから二つのアイテムを取り出した。
「バンドエイドにMPドロップですか」
「とりあえずで持ってきといてよかった。この飴と絆創膏で微量かもだけど回復に努めましょう」
「ありがとうございます」
「さぁじゃあ行こう!」
二人がアイテムを使い立ち上がろうとしたその瞬間、部屋の奥から岩壁が崩れるような大きな衝撃音が鳴った。
「な、なに!?」
「分かりません。しかし、煙の奥から人影が!」
そのまま岩陰に隠れ続け、様子を覗う二人。
ぱちぱちと拍手をしながら一人の男が煙の中から現れた。
「いやぁ実に見事。ナヴィさん。そしてそのお友達のルナさん、よくこの強化された、ビッグゴブリンを倒されましたな! さぁ隠れてないで出てきなさい、あなたの大切な妹さんはここにいますよ」
この薄気味悪い声。
「ちょ……ナ、ナヴィさん!」
岩陰に隠れて身を隠していたナヴィが杖を持ち直し、デニスの前へ向かっていった。
「デニス! 貴様よくもエンフィーを。早く返して!」
「おっとそんな怖い顔してもだめですよ。それにそんなに怒っても主導権はこちらにありますからね」
後ろからデニスパーティーの大盾使いと弓使いが現れた。そして二人の間にはボロボロになり一人で立つこともできなくなったエンフィーが刃物を首に当てられていた。
「エンフィー!」
そのナヴィの呼び声でエンフィーは気を取り戻す。
「……ねぇちゃん、お、ねぇ、ちゃん……」
か細く、途切れた声でナヴィを呼んだ。
エンフィー、そんな、あいつらどこまでも……。
「デニス! お前だけは……お前だけは……お前だけは絶対に許さない!」
ルナは岩陰からナヴィの表情が見えた。
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