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第六章 コイルとエンフィー『幸運の聖水』を求めて
48.コイルの実力
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「コイル様。大変申し訳ございません」
半べそになりながら深々と頭を下げるエンフィー。
「あははは。気にしないでください、昨日二人でたくさん見たので僕もある程度は覚えていますし」
「コイルさまぁ」
「それにエンフィーさんも頭の中にほとんどもう入ってますよね?」
「はい! それはもちろんです! 多少勘になってしまう場面があるかもしれませんが……」
「なら大丈夫です! それにモンスターが出ても僕が守ります」
自分の胸をとんとんと叩くコイルの姿にエンフィーは無意識にコイルを見つめていた。
「……」
「エンフィーさん?」
「え、あ、はい!」
コイル様の話し方すごい頼もしくなってる……。
「……!? 何か来ますね」
刀に手を添えるコイル。
あ、コイル様気づかなかったけど刀になってる……。
「モンスターの気配ですか?」
同行の経験がほとんどないエンフィーはその気配にはまだ気づけずにいた。
「三,四……全部で五体です!」
草むらから五体の小さな狼型のモンスターが現れた。
「あれは、ウォルフです。下級モンスターですが素早いモンスターです!」
五体のモンスターは二人の周りを回りながらじわじわと近づいてくる。
「えぇエンフィーさん。僕の後ろへ!」
コイルの後ろに下がるエンフィーが心配そうにコイルを見つめる。
下級モンスターだけどこの数は……しかも厄介なウォルフ……。
「コイル様、何か補助魔法などは……?」
「大丈夫です、僕ももうレベル二十クラスですよ? 見守っててください」
そういうとコイルは刀を抜いた。近づいてくるモンスターにも動じず、目を瞑った。
コイル様、凄い集中力……。
「ガァァ!」
ウォルフ達は一斉にコイルに飛び掛かる。
<剣舞・華輪!>
かっと目を開いたコイルは舞うようにその場で一回転し五体を一気に切り刻んだ。
「これがコイル様の……す、すごい!」
コイルの攻撃を受けた五体のウォルフは同時に倒れていった。
刀を鞘に戻し、一呼吸置いたコイルがエンフィーに微笑みかける。
「ね、大丈夫って言ったでしょ?」
「は、はい! すごいですコイル様! 聞いていた話の想像以上でした!」
エンフィーは興奮し、口が頭の回転に追いつけていないような話し方になっていた。
「そこまで言われると恥ずかしいなぁ」
頬を赤らめるコイル。
「いえ、あの<剣舞>という技、すごく速いし綺麗でした!」
「あぁ剣舞はもともと踊りから派生した技ですからね、華輪はその中でも初歩の技です」
「へぇ、あれで初歩の技なんですね。他の技が楽しみです!」
「今日のダンジョンであと一つ二つは必ず見せることになりますから」
「はい。楽しみにしておきますね!」
二人はウォルフの素材を集めた後、またダンジョンに向かい進み始めた。
ダンジョンまでの道中は基本的には森のため道に迷いやすいが、昨日の予習や、エンフィーの記憶力もあり、するすると抜けていった。
「さすがエンフィーさん順調ですね」
「いえこの程度なら全然です、お姉ちゃんはもっと難解な道中やダンジョンもさらっと覚えちゃうんです」
「僕からしたら二人とも本当にすごいですよ、なんでこの村にずっといるのかわからないです」
「え?」
エンフィーはきょとんとした顔でコイルを見た。
「あ、あぁ、言い方が悪くなってしまいました。オリバービレッジは『始まりの村』と言われているだけあって歩いて行ける範囲のダンジョンは殆どが初球のダンジョンです」
「あ、確かに……」
「ですから二人の実力ならもっと中上級の冒険者がよく来るようなところに店を構えた方がいいんじゃないかなって」
口を開けゆっくりと前を見るエンフィー。
「考えたこともなかったです。確かにそれもそうですね」
「でも僕たちとしてはいなくなると困ってしまうんですけどね。でもそれは僕たちの力が至らないだけなので気にせず行ってもいいですからね」
「いえ! そ、そんなことは」
「お店もあの状態だとかなりの修繕費が掛かるでしょう。まぁ頭の片隅にでも置いておいてください」
確かにそれもそうか、どちらにせよお店もあのままじゃ営業も厳しいし。お姉ちゃんも今はあんな状態だけど早く『アドバイザー』になりたいと思うから、そのためにはよりたくさんの経験値が必要。それに私も……。
「コイル様、ありがとうございます。お姉ちゃんと相談してみますね」
「はい、ぜひ!」
その後もコイルがモンスターを倒しながら進んでいくと、大量の水が下に流れる音が聞こえてきた。
「コイル様」
「えぇ近いですね、行きましょう」
二人は小走りで水の音がする方へ向かった。
前を走るエンフィーが急に止まり、人差し指を口元に当て、小声でコイルに言った。
「……コイル様」
「……?」
二人は草むらの陰に入り中腰になった。
「どうかしましたか?」
「あれをご覧ください」
エンフィーが指を差すと、その場所には大きな虎型モンスターがいた。
「あ、あれは……アングリータイガー?」
「私の記憶だと確かマップ上ではもうあの注意書きのところは通過したと思ったのですが……」
「ここまでも範囲だったってことか、エンフィーさん。どうにかして躱していけないですかね?」
「アングリータイガーがいる場所はもう『竜門の滝』のすぐ傍です。入る前に必ず見つかります」
「戦闘は避けられないということですか」
「コイル様、大丈夫そうですか?」
「えぇ何とかやってみます! エンフィーさん、サポートお願いできますか?」
「もちろんです。任せてください!」
「では行きましょう! エンフィーさんは僕の後ろに!」
「はい!」
二人はアングリータイガーに向かって飛び出した。
半べそになりながら深々と頭を下げるエンフィー。
「あははは。気にしないでください、昨日二人でたくさん見たので僕もある程度は覚えていますし」
「コイルさまぁ」
「それにエンフィーさんも頭の中にほとんどもう入ってますよね?」
「はい! それはもちろんです! 多少勘になってしまう場面があるかもしれませんが……」
「なら大丈夫です! それにモンスターが出ても僕が守ります」
自分の胸をとんとんと叩くコイルの姿にエンフィーは無意識にコイルを見つめていた。
「……」
「エンフィーさん?」
「え、あ、はい!」
コイル様の話し方すごい頼もしくなってる……。
「……!? 何か来ますね」
刀に手を添えるコイル。
あ、コイル様気づかなかったけど刀になってる……。
「モンスターの気配ですか?」
同行の経験がほとんどないエンフィーはその気配にはまだ気づけずにいた。
「三,四……全部で五体です!」
草むらから五体の小さな狼型のモンスターが現れた。
「あれは、ウォルフです。下級モンスターですが素早いモンスターです!」
五体のモンスターは二人の周りを回りながらじわじわと近づいてくる。
「えぇエンフィーさん。僕の後ろへ!」
コイルの後ろに下がるエンフィーが心配そうにコイルを見つめる。
下級モンスターだけどこの数は……しかも厄介なウォルフ……。
「コイル様、何か補助魔法などは……?」
「大丈夫です、僕ももうレベル二十クラスですよ? 見守っててください」
そういうとコイルは刀を抜いた。近づいてくるモンスターにも動じず、目を瞑った。
コイル様、凄い集中力……。
「ガァァ!」
ウォルフ達は一斉にコイルに飛び掛かる。
<剣舞・華輪!>
かっと目を開いたコイルは舞うようにその場で一回転し五体を一気に切り刻んだ。
「これがコイル様の……す、すごい!」
コイルの攻撃を受けた五体のウォルフは同時に倒れていった。
刀を鞘に戻し、一呼吸置いたコイルがエンフィーに微笑みかける。
「ね、大丈夫って言ったでしょ?」
「は、はい! すごいですコイル様! 聞いていた話の想像以上でした!」
エンフィーは興奮し、口が頭の回転に追いつけていないような話し方になっていた。
「そこまで言われると恥ずかしいなぁ」
頬を赤らめるコイル。
「いえ、あの<剣舞>という技、すごく速いし綺麗でした!」
「あぁ剣舞はもともと踊りから派生した技ですからね、華輪はその中でも初歩の技です」
「へぇ、あれで初歩の技なんですね。他の技が楽しみです!」
「今日のダンジョンであと一つ二つは必ず見せることになりますから」
「はい。楽しみにしておきますね!」
二人はウォルフの素材を集めた後、またダンジョンに向かい進み始めた。
ダンジョンまでの道中は基本的には森のため道に迷いやすいが、昨日の予習や、エンフィーの記憶力もあり、するすると抜けていった。
「さすがエンフィーさん順調ですね」
「いえこの程度なら全然です、お姉ちゃんはもっと難解な道中やダンジョンもさらっと覚えちゃうんです」
「僕からしたら二人とも本当にすごいですよ、なんでこの村にずっといるのかわからないです」
「え?」
エンフィーはきょとんとした顔でコイルを見た。
「あ、あぁ、言い方が悪くなってしまいました。オリバービレッジは『始まりの村』と言われているだけあって歩いて行ける範囲のダンジョンは殆どが初球のダンジョンです」
「あ、確かに……」
「ですから二人の実力ならもっと中上級の冒険者がよく来るようなところに店を構えた方がいいんじゃないかなって」
口を開けゆっくりと前を見るエンフィー。
「考えたこともなかったです。確かにそれもそうですね」
「でも僕たちとしてはいなくなると困ってしまうんですけどね。でもそれは僕たちの力が至らないだけなので気にせず行ってもいいですからね」
「いえ! そ、そんなことは」
「お店もあの状態だとかなりの修繕費が掛かるでしょう。まぁ頭の片隅にでも置いておいてください」
確かにそれもそうか、どちらにせよお店もあのままじゃ営業も厳しいし。お姉ちゃんも今はあんな状態だけど早く『アドバイザー』になりたいと思うから、そのためにはよりたくさんの経験値が必要。それに私も……。
「コイル様、ありがとうございます。お姉ちゃんと相談してみますね」
「はい、ぜひ!」
その後もコイルがモンスターを倒しながら進んでいくと、大量の水が下に流れる音が聞こえてきた。
「コイル様」
「えぇ近いですね、行きましょう」
二人は小走りで水の音がする方へ向かった。
前を走るエンフィーが急に止まり、人差し指を口元に当て、小声でコイルに言った。
「……コイル様」
「……?」
二人は草むらの陰に入り中腰になった。
「どうかしましたか?」
「あれをご覧ください」
エンフィーが指を差すと、その場所には大きな虎型モンスターがいた。
「あ、あれは……アングリータイガー?」
「私の記憶だと確かマップ上ではもうあの注意書きのところは通過したと思ったのですが……」
「ここまでも範囲だったってことか、エンフィーさん。どうにかして躱していけないですかね?」
「アングリータイガーがいる場所はもう『竜門の滝』のすぐ傍です。入る前に必ず見つかります」
「戦闘は避けられないということですか」
「コイル様、大丈夫そうですか?」
「えぇ何とかやってみます! エンフィーさん、サポートお願いできますか?」
「もちろんです。任せてください!」
「では行きましょう! エンフィーさんは僕の後ろに!」
「はい!」
二人はアングリータイガーに向かって飛び出した。
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