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第六章 コイルとエンフィー『幸運の聖水』を求めて
52.苦手なもの
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「ふーなんとか到達することができましたね」
エンフィーは額の汗を腕で拭った。
「まさかあんな無茶な作戦でここに来ることができるなんて……」
「えへへ、無茶でしたけどちゃんとここまで来ることができましたよ! コイル様。タオル使いますか?」
剣舞を使った際、大量の水がコイルに掛かっていた。それに気づいたエンフィーがカバンからタオルを引っ張り出した。
「タオルも持ってきてたんですね!」
「まぁ『ガイド』なんで。冒険者様のサポートをするのが私たちの仕事ですから!」
「すごく嬉しいんですけど、道案内をする人の範疇を超えてると思うのですが……」
「それは村人の時までの話です! とはいえお姉ちゃんもよくそのようなことを言われたと言ってました。あはは。やりすぎなんですかね……」
「そ、そんなことないです! 少なくとも僕はすごく助かってますし」
そういうとコイルはエンフィーのタオルを受け取り、濡れた髪を拭き取った。
「エンフィーさんありがとうございます!」
「いえ、喜んでいただけて良かったです。ではそろそろ参りましょうか」
「はい、案内よろしくお願いします!」
二人は薄暗く、足場の悪いダンジョンの中に入っていく。
「うぅ。ここのダンジョンは暗いですね……」
エンフィーの体は強張っていた。
「場所が場所だからしょうがないですよ、あ、そーだ」
<ヒート!>
コイルは足元に落ちていた木の枝の先端に火をつける。
「こうすればよく見えますよね?」
「ありがとうございます、私暗いところが苦手で……」
安心からか力の抜けたエンフィーはその場でしゃがみこんだ。
足元もでこぼこで歩きにくい。……ん?この足跡って。
「それってあんまり『ガイド』に向かないんじゃ……」
「あぁやめてください、それは自分でもよーくわかってます! でももう一つだけこのダンジョンに苦手なものがあるんです」
だんだん小さくなっていくエンフィーの声にコイルは耳を近づけた。
「え、苦手なものですか?」
「はい、実はお店の時点ではこのモンスターが出現することは知らなかったのですが……見てくださいこの足跡」
エンフィーの指差したところをコイルも注目する。
「結構大きい足跡ですね。三本指のモンスターですか」
「はい、それで注目してほしいのはこの足跡から次の足跡までのインターバルです」
二人はしゃがみ込んだまま道の先を見る。
「何か不思議ですね、兎みたいに飛んでるような足跡の付き方……」
「私の知りうる限りこの足跡の形とそのインターバル、このモンスターは……ん?」
エンフィーの頭の上にドロッとした透明の粘液のようなものが振りかかった。
「エ、エ、エンフィーさん。あ、あたま、頭!」
「え?」
髪を触るエンフィー。触った瞬間にエンフィーの顔が一瞬で青ざめる。
このドロドロの液体……というか唾液は……。
二人は恐る恐る見上げると、上にはコイルの倍以上はある、青の体をしたカエル型のモンスターが大きな喉を上下に動かしていた。
「ゲコッゲコッ!」
大きく口を開けた二人は体が一瞬硬直してしまう。
先に動くことができたのはエンフィーだった。
「ひいいいいいいいいいい。すみませんコイル様。私、カエル駄目なんですぅー!」
コイルの姿を確認せず、エンフィーはその場から逃げるように立ち去っていった。
「ちょっ、エンフィーさん!? そっちの道は行ったら危ないって昨日……行ってしまった」
そっか、エンフィーさんカエルが駄目だったのか。
コイルは立ち上がり刀を抜いた。
確かこいつは『ビッグフロッグ』レベル的に倒せないモンスターではないけど一応中級モンスターだったはず。確かこいつってダンジョンで一匹見つけたら、そのダンジョンに十匹はいるって言われてたよな。
ん? 待てよ。それって今いなくなったエンフィーさん。まずくね!?
「やばい、こんなところで立ち止まってる場合じゃないぞ!」
ビッグフロッグは細長い舌をひゅるひゅると動かし続けていた。
「行くぞ!」
コイルはモンスターに真っ直ぐ切りかかった。
「ゲコゲコッ! ゲコッ!」
カエルは真上に跳びコイルの一撃を容易に躱す。
モンスターを切るはずだったコイルの刀は地面に刺さっていた。
「凄い跳躍力。さすがカエル型のモンスターってところか」
刀を抜こうとするコイルに、カエルの長い舌が飛んできた。
「上から攻撃か! ぐっ」
カエルの攻撃を抜いた刀で間一髪のところで防いだ。
結構強いな、地面に一センチくらいめり込んだぞ……。ってあいつ上に張り付いてる!?
カエルは逆さの状態になりながら舌での攻撃を続けた。
「く、一発一発が速いし重いし、躱すので精一杯か」
エンフィーさんの補助魔法があれば容易に倒せるんだけどなぁ……。
「プップッ!」
モンスターが先程よりも粘度の高い唾液をコイルの足元に吐いた。
「んな! きったね!」
足をジタバタさせ何とか粘液を取ろうとするコイル。
その間にカエルが地面に着地する。
「ちっ今から反撃してやる」
カエルはコイルの目の前に立ち、大きく口を開けた。
「ん? なんだ? ……!?」
カエルの口の中から青色のエネルギーが大きくなっていくのが見えた。
「これってアングリータイガーと同じ……魔法攻撃か!」
でもあの玉エネルギーが溜まるのが遅いな、これなら簡単に。
「ん? ……あれ、足が……足が離れない!?」
さっきの唾液か! 素直に受けるんじゃなかった……。
「ふん、ふん! 全然だめだー!」
一度刀を捨て足を何とか持ち上げようとするも、まったく地面から離れる気配がなかった。
カエルのエネルギーを溜めていた玉が最大まで大きくなった。
「くそ、やばい……それなら!」
足元に捨てた刀を取り、魔力を高めた。
「さぁカエルさん。真っ向勝負と行こうじゃないか」
カエルがエネルギー弾をコイルに放った。
コイルは両手で持った刀を頭上に上げた。
「疲れるからあんまり使いたくないけど……」
コイルの眼球が緑色に変わった。
<剣舞・風烈斬>
風属性の薄く鋭い斬撃がモンスターの放ったエネルギー弾を真っ二つにし、そのままビッグフロッグに貫通していった。
「まぁ、この攻撃なら一発か」
中級の技だから結構魔力も使うし、また出てきたら大変だなぁ。
「そうだ、エンフィーさんを探さないと!」
「あだ!」
歩き出そうとした瞬間、コイルはその場に転んだ。
あ、忘れてた……。
足、動かないんだった。
エンフィーは額の汗を腕で拭った。
「まさかあんな無茶な作戦でここに来ることができるなんて……」
「えへへ、無茶でしたけどちゃんとここまで来ることができましたよ! コイル様。タオル使いますか?」
剣舞を使った際、大量の水がコイルに掛かっていた。それに気づいたエンフィーがカバンからタオルを引っ張り出した。
「タオルも持ってきてたんですね!」
「まぁ『ガイド』なんで。冒険者様のサポートをするのが私たちの仕事ですから!」
「すごく嬉しいんですけど、道案内をする人の範疇を超えてると思うのですが……」
「それは村人の時までの話です! とはいえお姉ちゃんもよくそのようなことを言われたと言ってました。あはは。やりすぎなんですかね……」
「そ、そんなことないです! 少なくとも僕はすごく助かってますし」
そういうとコイルはエンフィーのタオルを受け取り、濡れた髪を拭き取った。
「エンフィーさんありがとうございます!」
「いえ、喜んでいただけて良かったです。ではそろそろ参りましょうか」
「はい、案内よろしくお願いします!」
二人は薄暗く、足場の悪いダンジョンの中に入っていく。
「うぅ。ここのダンジョンは暗いですね……」
エンフィーの体は強張っていた。
「場所が場所だからしょうがないですよ、あ、そーだ」
<ヒート!>
コイルは足元に落ちていた木の枝の先端に火をつける。
「こうすればよく見えますよね?」
「ありがとうございます、私暗いところが苦手で……」
安心からか力の抜けたエンフィーはその場でしゃがみこんだ。
足元もでこぼこで歩きにくい。……ん?この足跡って。
「それってあんまり『ガイド』に向かないんじゃ……」
「あぁやめてください、それは自分でもよーくわかってます! でももう一つだけこのダンジョンに苦手なものがあるんです」
だんだん小さくなっていくエンフィーの声にコイルは耳を近づけた。
「え、苦手なものですか?」
「はい、実はお店の時点ではこのモンスターが出現することは知らなかったのですが……見てくださいこの足跡」
エンフィーの指差したところをコイルも注目する。
「結構大きい足跡ですね。三本指のモンスターですか」
「はい、それで注目してほしいのはこの足跡から次の足跡までのインターバルです」
二人はしゃがみ込んだまま道の先を見る。
「何か不思議ですね、兎みたいに飛んでるような足跡の付き方……」
「私の知りうる限りこの足跡の形とそのインターバル、このモンスターは……ん?」
エンフィーの頭の上にドロッとした透明の粘液のようなものが振りかかった。
「エ、エ、エンフィーさん。あ、あたま、頭!」
「え?」
髪を触るエンフィー。触った瞬間にエンフィーの顔が一瞬で青ざめる。
このドロドロの液体……というか唾液は……。
二人は恐る恐る見上げると、上にはコイルの倍以上はある、青の体をしたカエル型のモンスターが大きな喉を上下に動かしていた。
「ゲコッゲコッ!」
大きく口を開けた二人は体が一瞬硬直してしまう。
先に動くことができたのはエンフィーだった。
「ひいいいいいいいいいい。すみませんコイル様。私、カエル駄目なんですぅー!」
コイルの姿を確認せず、エンフィーはその場から逃げるように立ち去っていった。
「ちょっ、エンフィーさん!? そっちの道は行ったら危ないって昨日……行ってしまった」
そっか、エンフィーさんカエルが駄目だったのか。
コイルは立ち上がり刀を抜いた。
確かこいつは『ビッグフロッグ』レベル的に倒せないモンスターではないけど一応中級モンスターだったはず。確かこいつってダンジョンで一匹見つけたら、そのダンジョンに十匹はいるって言われてたよな。
ん? 待てよ。それって今いなくなったエンフィーさん。まずくね!?
「やばい、こんなところで立ち止まってる場合じゃないぞ!」
ビッグフロッグは細長い舌をひゅるひゅると動かし続けていた。
「行くぞ!」
コイルはモンスターに真っ直ぐ切りかかった。
「ゲコゲコッ! ゲコッ!」
カエルは真上に跳びコイルの一撃を容易に躱す。
モンスターを切るはずだったコイルの刀は地面に刺さっていた。
「凄い跳躍力。さすがカエル型のモンスターってところか」
刀を抜こうとするコイルに、カエルの長い舌が飛んできた。
「上から攻撃か! ぐっ」
カエルの攻撃を抜いた刀で間一髪のところで防いだ。
結構強いな、地面に一センチくらいめり込んだぞ……。ってあいつ上に張り付いてる!?
カエルは逆さの状態になりながら舌での攻撃を続けた。
「く、一発一発が速いし重いし、躱すので精一杯か」
エンフィーさんの補助魔法があれば容易に倒せるんだけどなぁ……。
「プップッ!」
モンスターが先程よりも粘度の高い唾液をコイルの足元に吐いた。
「んな! きったね!」
足をジタバタさせ何とか粘液を取ろうとするコイル。
その間にカエルが地面に着地する。
「ちっ今から反撃してやる」
カエルはコイルの目の前に立ち、大きく口を開けた。
「ん? なんだ? ……!?」
カエルの口の中から青色のエネルギーが大きくなっていくのが見えた。
「これってアングリータイガーと同じ……魔法攻撃か!」
でもあの玉エネルギーが溜まるのが遅いな、これなら簡単に。
「ん? ……あれ、足が……足が離れない!?」
さっきの唾液か! 素直に受けるんじゃなかった……。
「ふん、ふん! 全然だめだー!」
一度刀を捨て足を何とか持ち上げようとするも、まったく地面から離れる気配がなかった。
カエルのエネルギーを溜めていた玉が最大まで大きくなった。
「くそ、やばい……それなら!」
足元に捨てた刀を取り、魔力を高めた。
「さぁカエルさん。真っ向勝負と行こうじゃないか」
カエルがエネルギー弾をコイルに放った。
コイルは両手で持った刀を頭上に上げた。
「疲れるからあんまり使いたくないけど……」
コイルの眼球が緑色に変わった。
<剣舞・風烈斬>
風属性の薄く鋭い斬撃がモンスターの放ったエネルギー弾を真っ二つにし、そのままビッグフロッグに貫通していった。
「まぁ、この攻撃なら一発か」
中級の技だから結構魔力も使うし、また出てきたら大変だなぁ。
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あ、忘れてた……。
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