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第七章 王都公認 案内人適性試験編
62.再び王都へ
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ブレビンスとスーザンがナヴィ達の案内所に訪問してから一か月が経った。
ナヴィ、ハンナ、エンフィーの三人は王都の門をくぐっていた。
「んー来たー!! 初王都!! お姉ちゃん、なんか色々ありすぎてどこ見ていいかわかんない!」
「あ、そっかエンフィーは初めてだもんね」
とは言ってもあたしもあれから一回も行ってないのだけれど……。
「凄い凄い、マップとお姉ちゃんの絵でしか見たことなかったからこんなに大きいなんて想像もしてなかったよ!」
エンフィーは目を輝かせながらきょろきょろと周りを見渡していた。
「ハンナさん! あっちのお店行きませんか!?」
「うん、ナヴィ時間は?」
「あ、まだ少し大丈夫よ、でも試験会場はあなた達はいけないからそのまま夕方までエンフィーといろんなところ回ってあげて」
「了解。あ、魔法適性とエミルサミルの武器屋行ってほしいんだっけ?」
「うん、コイル様とのダンジョン攻略からエンフィーにもだいぶ同行お願いしちゃってるからね。ほぼほぼ魔法適性は分かってるけど念のため。それとこのお金でオーダーメイドでエンフィー専用の装備も作ってもらって」
ナヴィは大量の金貨で膨れ上がった巾着をハンナに渡した。
「こんな大金……シスコン……」
「う、うるさいわね。あたしが公認の案内人になったらこのくらいのお金はすぐに溜まるわ」
「なれなかったら?」
「う、」
「考えてなかったのか。まぁ君なら大丈夫だと思うけど」
「ハンナさーん! はやくー!」
「はーい、今行くよー!」
「お姉ちゃんは?」
「そろそろ試験会場に向かうって」
「そっか! それでね、あのお店が……」
楽しそうに王都を見回り始める二人の後姿、ナヴィは手を振って見送った。
「さて、じゃああたしも行きますか!」
チラシでは確か北側にある『王都の案内所本部』に集合って書いてあったわね。
「よーし向かうぞー!」
「あれ、あなたもしかして上級ガイドのナヴィさんじゃないですか!?
ん? 誰かしらこの深緑の髪をした女の子。あたしより少し若めって感じね。胸のタトゥーは一つだからガイド……。
「あの、どうしてあたしを?」
「え、王都の案内人をしている人たちであなたのことを知らない人はいないですよ?」
「おーい! みんなー! こっちにあのナヴィさんがいるよ『三人の天才上級ガイド』の内の一人の!」
「え、『三人の天才上級ガイド』?」
「「きゃー!!」」
うーなんか急にたくさん人が来ちゃった……。でも。悪い気はしないわね。うふふ。
「あ、あの」
「はい! 何でしょうかナヴィさん」
う、このキラキラした目が逆に怖い。
「その三人の天才上級ガイドって」
「え、ご存じないんですか。ご本人のことなのに!?」
「え!あたし?」
「ねぇ! リウム!」
「こっちにもう一人いるよ! はやく!」
ナヴィと話していたリウムに、もう一人のガイドの少女が手を引いた。
ん、もう一人…?
「あの、リウムちゃん……だっけ?」
「はい、名前を呼んでもらえるなんて光栄です!」
「あの、そのもう一人の……その人あたしも見てみたいんだけど」
「もちろんです! すぐ近くにいるそうですので一緒に見に行きましょう!」
ナヴィのいたところから一本角に入った道を曲がる。
え……。あの褐色の肌に紅い瞳って。
「ケビン?」
「ナ、ナヴィ!? お前もここに来てたのか」
「キャー三人の内の二人が知り合いだったなんて! なんかすごくロマンチックですね!」
「いや、リウムちゃん……ロマンチックでも何でもないから……」
「ナヴィ久しぶりだな、お前もこの試験に?」
「ええ」
「じゃあライバルだな」
「え、あなたも出るの!?」
「あぁ、二人組の男女にひどく掴まれてな。俺自身はそんなに興味もないんだがアーサーにもでろでろって言われて……」
困った顔をしながら髪をぼさぼさと掻くケビン。
「あははあたしと同じだ、でも興味ないなんてケビンらしいね」
うわーまさかの最強のライバル登場しちゃったじゃんかぁーあたし大丈夫かー。
「あ、そうだケビン。『三人の天才上級ガイド』って何なの? そんな呼ばれ方あたし達されてるみたいだけど」
「あー。俺もよくわからんが、いわゆる三人同時にほぼ最年少でなった俺たち上級ガイドのことだ。『他の上級ガイドより十歳ほど若いが実績実力ともに折り紙付き』。なんていわれてるらしい。俺としては不本意だが」
「なるほど、なんかそれはそれでいいわね」
「何か言ったか?」
「あ、ううん? 大丈夫、こっちの話だから。あはは」
ん? 三人ってことはもう一人は……。
「おっとそろそろ時間だ、行くか」
「うわ、ほんとだ、もうこんな時間。一緒に行きましょ!」
「あぁ」
こうして二人は王都の案内所本部に向かった。
「受け付けはこちらになりまーす!」
「お、お願いしまーす!」
そこから数十分後。二人は受付が終わり、本部の建物へと入っていった。
「うー結構かかったなぁ。ケビンは?」
「俺もそこそこかかった。他の受験者はなんか手馴れてる感じがあったな。多分何度も挑戦してるんだろ」
「やっぱ厳しい試験になるのかなぁ、心なしか周りの目怖い……」
この広い部屋に大体百人くらいかしら……。年もやっぱりあたし達よりみんな全然上っぽいし。
「普段はこの試験の主席とあとはこの試験の内容からの推薦もあるらしい。年によるが推薦はない年の方が多いらしいぞ」
「そんな。ケ、ケビン。あなたには負けないからね!」
ケビンに向かいナヴィはびしっと指を差した。
「ふ、望むところだ」
すると二人の横を一人の少女が横切った。
「ナヴィ、あの女の子」
「あれはルナ? ルナ!」
ルナは顔を一度ナヴィの方に向けるとすぐに顔を逸らし逃げるように走っていった。
「ルナ待って!」
ナヴィが追いかけようとした瞬間、本部の吹き抜けの二階に飾られていた大きな鐘がなった。
「……!?」
「どうやら始まるぞ」
「本日はお集まりいただきまして誠にありがとうございます。開始時間になりましたので早速一次試験に入らせていただきます。わたくし、『アドバイザークラス』現案内人育成委員会理事長秘書を務めております。スーザン・アレスと申します。わたくしが今回の試験の基本的な進行を行いますのでどうぞよろしくお願いいたします」
「では始める前に、現理事長のブレビンス・ゴードンより皆様にご挨拶を申し上げます」
スーザンさんにブレビンスさん! あの時の会話してた人とは別人……。厳格でかっこいい感じ。
「えーおほん。現理事長のブレビンス・ゴードンでーす」
「「「軽い……」」」
「まぁ、なんだ、試験は全部で三日間、とりあえず頑張って下さい。例年通り主席は確約。その他は試験の内容次第で推薦という形です」
「あんなので大丈夫なのかよ」
「先が見えねぇ」
「あいつの下で働くのか」
「なんかすごいがやがやしてきたわね」
「それはそうだろ。あんな感じだし」
「うるさいねぇ。そういうのは公認の名を受け取ってから言ってもらってもいいかな?」
「……? 顔が変わった」
優しそうなブレビンスの表情が、あたし達を蔑み見下すような視線に……。
「フリーでやってる中途半端な素人には興味なんてないよ」
「私が欲しいのは確かな実力と実績のある上級ガイドだ。お前たちにそれだけの技量はあるのか? 見たところほとんど顔ぶれが変わってないじゃないか。ちゃんと前回の反省をしてきたんだろうな」
「同情はせん。贔屓もせん。これをやる理由は一つ『優秀な人材の確保と投与だ』」
「「……」」
会場が一瞬凍り付いたかのような沈黙に包まれた。
その沈黙を破ったのはさっきの顔から一変し、緩い表情と声になったブレビンスだった。
「それじゃー頑張ってくれたまえ。スーザンちゃん。後はよろしくー!」
「かしこまりました。それでは、第一次試験開始したいと思います!」
「う、凄い圧だったね」
「まぁ言ってることに間違いはなかったな」
なんだかワクワクしてきたわ。さぁやってやろうじゃないの。案内人適性試験!
ナヴィ、ハンナ、エンフィーの三人は王都の門をくぐっていた。
「んー来たー!! 初王都!! お姉ちゃん、なんか色々ありすぎてどこ見ていいかわかんない!」
「あ、そっかエンフィーは初めてだもんね」
とは言ってもあたしもあれから一回も行ってないのだけれど……。
「凄い凄い、マップとお姉ちゃんの絵でしか見たことなかったからこんなに大きいなんて想像もしてなかったよ!」
エンフィーは目を輝かせながらきょろきょろと周りを見渡していた。
「ハンナさん! あっちのお店行きませんか!?」
「うん、ナヴィ時間は?」
「あ、まだ少し大丈夫よ、でも試験会場はあなた達はいけないからそのまま夕方までエンフィーといろんなところ回ってあげて」
「了解。あ、魔法適性とエミルサミルの武器屋行ってほしいんだっけ?」
「うん、コイル様とのダンジョン攻略からエンフィーにもだいぶ同行お願いしちゃってるからね。ほぼほぼ魔法適性は分かってるけど念のため。それとこのお金でオーダーメイドでエンフィー専用の装備も作ってもらって」
ナヴィは大量の金貨で膨れ上がった巾着をハンナに渡した。
「こんな大金……シスコン……」
「う、うるさいわね。あたしが公認の案内人になったらこのくらいのお金はすぐに溜まるわ」
「なれなかったら?」
「う、」
「考えてなかったのか。まぁ君なら大丈夫だと思うけど」
「ハンナさーん! はやくー!」
「はーい、今行くよー!」
「お姉ちゃんは?」
「そろそろ試験会場に向かうって」
「そっか! それでね、あのお店が……」
楽しそうに王都を見回り始める二人の後姿、ナヴィは手を振って見送った。
「さて、じゃああたしも行きますか!」
チラシでは確か北側にある『王都の案内所本部』に集合って書いてあったわね。
「よーし向かうぞー!」
「あれ、あなたもしかして上級ガイドのナヴィさんじゃないですか!?
ん? 誰かしらこの深緑の髪をした女の子。あたしより少し若めって感じね。胸のタトゥーは一つだからガイド……。
「あの、どうしてあたしを?」
「え、王都の案内人をしている人たちであなたのことを知らない人はいないですよ?」
「おーい! みんなー! こっちにあのナヴィさんがいるよ『三人の天才上級ガイド』の内の一人の!」
「え、『三人の天才上級ガイド』?」
「「きゃー!!」」
うーなんか急にたくさん人が来ちゃった……。でも。悪い気はしないわね。うふふ。
「あ、あの」
「はい! 何でしょうかナヴィさん」
う、このキラキラした目が逆に怖い。
「その三人の天才上級ガイドって」
「え、ご存じないんですか。ご本人のことなのに!?」
「え!あたし?」
「ねぇ! リウム!」
「こっちにもう一人いるよ! はやく!」
ナヴィと話していたリウムに、もう一人のガイドの少女が手を引いた。
ん、もう一人…?
「あの、リウムちゃん……だっけ?」
「はい、名前を呼んでもらえるなんて光栄です!」
「あの、そのもう一人の……その人あたしも見てみたいんだけど」
「もちろんです! すぐ近くにいるそうですので一緒に見に行きましょう!」
ナヴィのいたところから一本角に入った道を曲がる。
え……。あの褐色の肌に紅い瞳って。
「ケビン?」
「ナ、ナヴィ!? お前もここに来てたのか」
「キャー三人の内の二人が知り合いだったなんて! なんかすごくロマンチックですね!」
「いや、リウムちゃん……ロマンチックでも何でもないから……」
「ナヴィ久しぶりだな、お前もこの試験に?」
「ええ」
「じゃあライバルだな」
「え、あなたも出るの!?」
「あぁ、二人組の男女にひどく掴まれてな。俺自身はそんなに興味もないんだがアーサーにもでろでろって言われて……」
困った顔をしながら髪をぼさぼさと掻くケビン。
「あははあたしと同じだ、でも興味ないなんてケビンらしいね」
うわーまさかの最強のライバル登場しちゃったじゃんかぁーあたし大丈夫かー。
「あ、そうだケビン。『三人の天才上級ガイド』って何なの? そんな呼ばれ方あたし達されてるみたいだけど」
「あー。俺もよくわからんが、いわゆる三人同時にほぼ最年少でなった俺たち上級ガイドのことだ。『他の上級ガイドより十歳ほど若いが実績実力ともに折り紙付き』。なんていわれてるらしい。俺としては不本意だが」
「なるほど、なんかそれはそれでいいわね」
「何か言ったか?」
「あ、ううん? 大丈夫、こっちの話だから。あはは」
ん? 三人ってことはもう一人は……。
「おっとそろそろ時間だ、行くか」
「うわ、ほんとだ、もうこんな時間。一緒に行きましょ!」
「あぁ」
こうして二人は王都の案内所本部に向かった。
「受け付けはこちらになりまーす!」
「お、お願いしまーす!」
そこから数十分後。二人は受付が終わり、本部の建物へと入っていった。
「うー結構かかったなぁ。ケビンは?」
「俺もそこそこかかった。他の受験者はなんか手馴れてる感じがあったな。多分何度も挑戦してるんだろ」
「やっぱ厳しい試験になるのかなぁ、心なしか周りの目怖い……」
この広い部屋に大体百人くらいかしら……。年もやっぱりあたし達よりみんな全然上っぽいし。
「普段はこの試験の主席とあとはこの試験の内容からの推薦もあるらしい。年によるが推薦はない年の方が多いらしいぞ」
「そんな。ケ、ケビン。あなたには負けないからね!」
ケビンに向かいナヴィはびしっと指を差した。
「ふ、望むところだ」
すると二人の横を一人の少女が横切った。
「ナヴィ、あの女の子」
「あれはルナ? ルナ!」
ルナは顔を一度ナヴィの方に向けるとすぐに顔を逸らし逃げるように走っていった。
「ルナ待って!」
ナヴィが追いかけようとした瞬間、本部の吹き抜けの二階に飾られていた大きな鐘がなった。
「……!?」
「どうやら始まるぞ」
「本日はお集まりいただきまして誠にありがとうございます。開始時間になりましたので早速一次試験に入らせていただきます。わたくし、『アドバイザークラス』現案内人育成委員会理事長秘書を務めております。スーザン・アレスと申します。わたくしが今回の試験の基本的な進行を行いますのでどうぞよろしくお願いいたします」
「では始める前に、現理事長のブレビンス・ゴードンより皆様にご挨拶を申し上げます」
スーザンさんにブレビンスさん! あの時の会話してた人とは別人……。厳格でかっこいい感じ。
「えーおほん。現理事長のブレビンス・ゴードンでーす」
「「「軽い……」」」
「まぁ、なんだ、試験は全部で三日間、とりあえず頑張って下さい。例年通り主席は確約。その他は試験の内容次第で推薦という形です」
「あんなので大丈夫なのかよ」
「先が見えねぇ」
「あいつの下で働くのか」
「なんかすごいがやがやしてきたわね」
「それはそうだろ。あんな感じだし」
「うるさいねぇ。そういうのは公認の名を受け取ってから言ってもらってもいいかな?」
「……? 顔が変わった」
優しそうなブレビンスの表情が、あたし達を蔑み見下すような視線に……。
「フリーでやってる中途半端な素人には興味なんてないよ」
「私が欲しいのは確かな実力と実績のある上級ガイドだ。お前たちにそれだけの技量はあるのか? 見たところほとんど顔ぶれが変わってないじゃないか。ちゃんと前回の反省をしてきたんだろうな」
「同情はせん。贔屓もせん。これをやる理由は一つ『優秀な人材の確保と投与だ』」
「「……」」
会場が一瞬凍り付いたかのような沈黙に包まれた。
その沈黙を破ったのはさっきの顔から一変し、緩い表情と声になったブレビンスだった。
「それじゃー頑張ってくれたまえ。スーザンちゃん。後はよろしくー!」
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