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第九章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 準決勝編
105.激闘
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観客席ではナヴィ達四人が二人の戦闘を観戦していた。
「……まさかここまで一方的になるなんて」
ナヴィが唾を飲む。
やばいわねナターシャちゃん……。
相当ロイ君に押されてる。
「おらおらおらおらどうしたナターシャ! 守ってるだけじゃおいらに攻撃は当たらないぞ!」
ロイのハンマーが何度もナターシャを襲う。
「もう! ちょこまかと鬱陶しいわねロイ、これでもくら、え!」
ナターシャは一度ロイのハンマーをはじき返すとそのまま横に大きく一振りした。
「甘いよナターシャ!」
ロイはその横に振ったナターシャの大鎌を、身体を大きく反らせて躱す。
「うそ! また避けられた……?」
「ほらそこ、足元空いてるよ!」
体を反らした流れでナターシャの右足をハンマーで叩いた。
「いっつ……」
その攻撃を受けているナターシャを見ていたサテラが一瞬目を瞑った。
「……ん!」
「ロイ君やるわね……」
「ナヴィさん?」
「サテラちゃん、あの二人ってこんな力の差があったの……?」
「……いえ、勝ったり負けたりはしてましたが勝率だけで言うとナターシャの方が上です。けど……」
「けど?」
「単純に今はロイがナターシャに比べて圧倒的に強くなってるのは目に見えて分かります。なんか一回戦に比べて更に勘が鋭くなったというか、動きに無駄が無くなったというか……」
「確かに……」
ナターシャちゃんの攻撃がまだ一度も当たっていない。一回戦ではなかった動きをいくつもしているはずなのに、どうしてあんなにあっさり避けれるのかしら……。
ルナ、あなたロイ君に何をしたって言うの……?
「タイムアウト!」
「「!?」」
ナターシャとロイは交えていた武器を止め、声のする方に顔を向けた。
「ケ、ケビンさん?」
「ナターシャ、一度下がれ。作戦会議だ」
『ケビン選手の申し出により、今からタイムアウトの時間を設けます!』
「よーしルナ! 作戦会議するぞー」
「うん、そうね」
ロイの陽気に振る舞う後姿を見たナターシャが肩を落としながらケビンの元に戻った。
「すみませんケビンさん。あたし全然……」
「落ち着け。俺もロイがあそこまでやるとは正直驚いた」
「まるであたしの動きを全部知ってるかのように全部の攻撃を避けるんです」
「逆だな……」
「え?」
「あいつらはナターシャの動きを何も研究していない」
「それっていったい……」
「あいつらがこの準決勝までで特訓してきたのは、感覚を更に研ぎ澄ませることだ」
「感覚を……ですか?」
「つまり、ただでさえ鋭い感覚を持っているロイをルナは更に尖らせたということだな。どんな攻撃にも瞬時に対応できるように」
「そ、そんなのって、じゃああたしの攻撃は」
「今のままでは当たらないな。だが心配ない。昨日教えただろ、強化魔法」
「……あ、そっか! 単純な話でしたね」
「あぁ鋭い感覚を持ってるならそれが追い付かない速度で攻撃をすればいい」
ケビンそう言いながらナターシャの肩を持った。
「はい」
「じゃあ行ってこい」
「はい!」
「待たせたわねロイ」
ロイは先に作戦会議を終わらせ、フィールドで座りながらナターシャを待っていた。
「待ちくたびれたよー。何かいい案は浮かんだかい?」
「さぁね、これがあなたに効くのかは分からないけど……」
「?」
『さぁ、両選手タイムアウトを終え、フィールドに戻って来ました。それでは行きましょう……試合再開!』
「りゃぁぁぁ!」
「……!? ナターシャ! それじゃさっきと同じだよ! ただ突っ込んでくるだけじゃおいらに攻撃は、え?」
ロイの頬に小さな擦り傷ができていた。
ロイは顔をさすり傷を確認した。横を見ると、既に振り下ろされたナターシャの大鎌がフィールドに突き刺さっていた。
「うそ、見えなかった……?」
「当たった」
突き刺さった大鎌を抜き後退し、にやりと笑ったナターシャ。
「今急に大鎌が速くなったような……」
「さぁ、気になるな攻撃して見れば? ロイ!」
「ふふ、じゃあお言葉に甘えて!」
ロイは勢いよくナターシャの懐に飛び込んだ。
「おら!」
「……」
「なにぼそぼそと唱えてるんだいナターシャ!」
ロイは脇腹に叩き込もうとしていたハンマーを大鎌で防がれた。
「ロイ君の攻撃が防がれた!?」
リーチ差と大鎌の重さを考えれば懐に入った時点ですでに防ぐのは無理なはず……だけど。ナターシャちゃん何か仕掛けてきてるのかしら。
「ロイ、いいの? そのままそこにいて」
「ぐっ」
<フェザーウエイト!>
「ま、魔法!?」
その瞬間ナターシャはそれまで拮抗して交わっていたロイのハンマーを受け流し、大鎌の柄でロイの脇腹突いた。
「ぐあっ!」
「ロイ君!」
「心配しないでルナ、まだ全然大丈夫!」
一撃くらってしまったわね……。なるほど、<フェザーウエイト>は確か対象の物体を軽くする補助魔法。
でも、獣人族のナターシャちゃんがなぜ中級魔法の<フェザーウエイト>を……。
「さっきまでの威勢はどこにいったのかしら! ロイ!」
「くっ、さっきの速度で攻撃されるのを考えると迂闊に攻撃できない……」
「うわ、また<フェザーウエイト>か」
間一髪でナターシャの斬撃を避けていくロイ。
「あら、一撃だけだと思った?」
「な!」
「はぁぁ!」
「が、ガードが……うわぁぁ!」
毎回あの決めに入る一瞬だけに魔力を感じる。中級魔法で魔力が枯渇することを考慮して瞬間的にあの魔法で軽くして、その速度差でロイ君に追えないスピードで攻撃を繰り出していたのね。
やりますわねケビンさん。相手の動きを見てから反射的に動くロイ君の特性を理解したうえでの攻め方。見事です……。
これはわたくしたちはもう一段階次に行かなければならないかもですね。
「……まさかここまで一方的になるなんて」
ナヴィが唾を飲む。
やばいわねナターシャちゃん……。
相当ロイ君に押されてる。
「おらおらおらおらどうしたナターシャ! 守ってるだけじゃおいらに攻撃は当たらないぞ!」
ロイのハンマーが何度もナターシャを襲う。
「もう! ちょこまかと鬱陶しいわねロイ、これでもくら、え!」
ナターシャは一度ロイのハンマーをはじき返すとそのまま横に大きく一振りした。
「甘いよナターシャ!」
ロイはその横に振ったナターシャの大鎌を、身体を大きく反らせて躱す。
「うそ! また避けられた……?」
「ほらそこ、足元空いてるよ!」
体を反らした流れでナターシャの右足をハンマーで叩いた。
「いっつ……」
その攻撃を受けているナターシャを見ていたサテラが一瞬目を瞑った。
「……ん!」
「ロイ君やるわね……」
「ナヴィさん?」
「サテラちゃん、あの二人ってこんな力の差があったの……?」
「……いえ、勝ったり負けたりはしてましたが勝率だけで言うとナターシャの方が上です。けど……」
「けど?」
「単純に今はロイがナターシャに比べて圧倒的に強くなってるのは目に見えて分かります。なんか一回戦に比べて更に勘が鋭くなったというか、動きに無駄が無くなったというか……」
「確かに……」
ナターシャちゃんの攻撃がまだ一度も当たっていない。一回戦ではなかった動きをいくつもしているはずなのに、どうしてあんなにあっさり避けれるのかしら……。
ルナ、あなたロイ君に何をしたって言うの……?
「タイムアウト!」
「「!?」」
ナターシャとロイは交えていた武器を止め、声のする方に顔を向けた。
「ケ、ケビンさん?」
「ナターシャ、一度下がれ。作戦会議だ」
『ケビン選手の申し出により、今からタイムアウトの時間を設けます!』
「よーしルナ! 作戦会議するぞー」
「うん、そうね」
ロイの陽気に振る舞う後姿を見たナターシャが肩を落としながらケビンの元に戻った。
「すみませんケビンさん。あたし全然……」
「落ち着け。俺もロイがあそこまでやるとは正直驚いた」
「まるであたしの動きを全部知ってるかのように全部の攻撃を避けるんです」
「逆だな……」
「え?」
「あいつらはナターシャの動きを何も研究していない」
「それっていったい……」
「あいつらがこの準決勝までで特訓してきたのは、感覚を更に研ぎ澄ませることだ」
「感覚を……ですか?」
「つまり、ただでさえ鋭い感覚を持っているロイをルナは更に尖らせたということだな。どんな攻撃にも瞬時に対応できるように」
「そ、そんなのって、じゃああたしの攻撃は」
「今のままでは当たらないな。だが心配ない。昨日教えただろ、強化魔法」
「……あ、そっか! 単純な話でしたね」
「あぁ鋭い感覚を持ってるならそれが追い付かない速度で攻撃をすればいい」
ケビンそう言いながらナターシャの肩を持った。
「はい」
「じゃあ行ってこい」
「はい!」
「待たせたわねロイ」
ロイは先に作戦会議を終わらせ、フィールドで座りながらナターシャを待っていた。
「待ちくたびれたよー。何かいい案は浮かんだかい?」
「さぁね、これがあなたに効くのかは分からないけど……」
「?」
『さぁ、両選手タイムアウトを終え、フィールドに戻って来ました。それでは行きましょう……試合再開!』
「りゃぁぁぁ!」
「……!? ナターシャ! それじゃさっきと同じだよ! ただ突っ込んでくるだけじゃおいらに攻撃は、え?」
ロイの頬に小さな擦り傷ができていた。
ロイは顔をさすり傷を確認した。横を見ると、既に振り下ろされたナターシャの大鎌がフィールドに突き刺さっていた。
「うそ、見えなかった……?」
「当たった」
突き刺さった大鎌を抜き後退し、にやりと笑ったナターシャ。
「今急に大鎌が速くなったような……」
「さぁ、気になるな攻撃して見れば? ロイ!」
「ふふ、じゃあお言葉に甘えて!」
ロイは勢いよくナターシャの懐に飛び込んだ。
「おら!」
「……」
「なにぼそぼそと唱えてるんだいナターシャ!」
ロイは脇腹に叩き込もうとしていたハンマーを大鎌で防がれた。
「ロイ君の攻撃が防がれた!?」
リーチ差と大鎌の重さを考えれば懐に入った時点ですでに防ぐのは無理なはず……だけど。ナターシャちゃん何か仕掛けてきてるのかしら。
「ロイ、いいの? そのままそこにいて」
「ぐっ」
<フェザーウエイト!>
「ま、魔法!?」
その瞬間ナターシャはそれまで拮抗して交わっていたロイのハンマーを受け流し、大鎌の柄でロイの脇腹突いた。
「ぐあっ!」
「ロイ君!」
「心配しないでルナ、まだ全然大丈夫!」
一撃くらってしまったわね……。なるほど、<フェザーウエイト>は確か対象の物体を軽くする補助魔法。
でも、獣人族のナターシャちゃんがなぜ中級魔法の<フェザーウエイト>を……。
「さっきまでの威勢はどこにいったのかしら! ロイ!」
「くっ、さっきの速度で攻撃されるのを考えると迂闊に攻撃できない……」
「うわ、また<フェザーウエイト>か」
間一髪でナターシャの斬撃を避けていくロイ。
「あら、一撃だけだと思った?」
「な!」
「はぁぁ!」
「が、ガードが……うわぁぁ!」
毎回あの決めに入る一瞬だけに魔力を感じる。中級魔法で魔力が枯渇することを考慮して瞬間的にあの魔法で軽くして、その速度差でロイ君に追えないスピードで攻撃を繰り出していたのね。
やりますわねケビンさん。相手の動きを見てから反射的に動くロイ君の特性を理解したうえでの攻め方。見事です……。
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