村人Aは勇者パーティーに入りたい! ~圧倒的モブが史上最高の案内人を目指します~

凛 捺也

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第十章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 決勝戦編

128.晩餐

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「準決勝お疲れ様でしたー! 無事にあたし達が決勝進出できたということで、今日はたくさん食べて飲みましょう!」

 いつものレストランでジョッキを掲げるナヴィ。

「あはは、お姉ちゃんがそれ言うのもどうかと思うけど」

「まぁいいんじゃない。ナヴィも今回の三日間は張り詰めたような緊張感があったし」

「私はお腹が空きました、ナヴィさん早く食べましょう!」

 目の前にある豪華な料理の数々にサテラは目を輝かせていた。

「ふふ、サテラちゃん。もちろんよ、それじゃみんな早速だけど。かんぱーい!!」

「「かんぱーい!!」」


「あのぉナヴィさん。わたくし達もいてよろしかったのでしょうか……」

「うおぉ、ルナ、この料理すげーうまいぞ! おいらこんなの初めてだ!」

「あ、ちょっと、ロイ君行儀が悪い! ちゃんとフォークを持ちなさい!」

 ナヴィとサテラの隣にはそれぞれルナとロイが座っていた。

「もちろんよ! ルナとロイ君も惜しかったけど、すごい頑張ってたし。それに……」

「それに……?」

 ナヴィの神妙な面持ちにルナの食事を進める手が止まった。


「それに、二人からケビンとナターシャちゃんの話も聞けるしね!!」

 ナヴィはルナににやりと笑いかける。

「さ、流石ナヴィさん。抜け目がないですね……というか本命はそっちなんじゃないですか……?」

「あははは、まぁとにかく今日はたくさん飲みましょ! 流石に今日くらいお酒沢山飲んでも大丈夫だよね」

「それもそうですね……」

 二人は小さくジョッキを当てた。

「おいらも飲むぞー!」

「こらロイ! 私たちはまだ駄目!」

「えーいいじゃーん」




「サテラちゃんとロイ君は仲良しねぇ」

「えぇ微笑ましいですね……」

「ルナ。早速だけど、ルナの目から見てナターシャちゃんのあの<バーサーク>どうだった?」

「はい、強力な技でしたね。とにかくスピードとパワーが桁違いでした。わたくし達の反応速度や反射神経をはるかに凌駕するものでした」

「そうね、あれを使われたらかなり厄介だわ」

「いくつか分かったことというか推測なのですが、二つほど気になったことがあります」

「気になったこと……?」

「はい、一つはナターシャちゃんが<バーサーク>を使っているころからケビンさんは何も声を掛けなくなったんです、多分獣化によって人間との意思疎通が図れなくなるデメリットがあるのでしょう」

「なるほどね、その間はナターシャちゃんだけの戦闘ってことね。もう一つは?」

「はい。もう一つはあの<バーサーク>にはナヴィさんも見た通り時間制限のようなものがあります」

「あぁ、たしか最後勝敗が決まった後倒れちゃったよね」

「はい。それはそれでいいのですが……その直前のスピードとパワーは<バーサーク>を始めてから一番強力なものとなってました」

「時間制限はあるけど、それを狙うならその時には最強のパワーとスピードを相手にしないといけないというわけね……」

「はい、獣化というものは多分時間が経つにつれて深く洗練されたものになっていく。しかしそれが人間の体では耐え切れなくなるところがあり、そこで限界を迎えて倒れてしまう。とはいえ、あくまでも憶測ですので何とも言えないですが……」

「流石ルナね、あの時間だけでそこまで考えていたなんて……」

「いえ、わたくしなんてまだまだです。現にここまでわかっていても対策が浮かばなかったんです。中途半端な魔法や一発に掛けた大技のスキルじゃない。強力になったスピードとパワーだけであそこまでロイ君がやられてしまうなんて……」

「シンプルだけど、だからこそ対策のしようがなかったってことね」

 その話を横耳で聞いていたロイが持っていたコップを強く置いた。

「ルナ! もうその話はやめろ! 次やったらおいらたちが勝つんだから!」

「ふふ、馬鹿ねロイ君。わたくし達に次は無いでしょ」

 それを聞いたロイは腕をぶんぶんと振り回す。

「そんなの分かってるよ! でもまぁそれにしてもナターシャ怖かったなぁ」

「ロイ、怖かったの?」

「うん、本当になんか、ナターシャの目が今からおいらを食い殺してやるって目をしててさ。もう戦いながらちびりそうだったよ」

「こら、食事中!」

 サテラはロイの頭を軽く叩いた。

「いたっ、これだからご令嬢は」

「なんか言った!?」

「なーんも。とにかくサテラも気を付けてな。下手な小細工はナターシャには通じないからな」

「うん。ありがとう。ロイ」


 こんな感じで今日の話をしながらあたし達四人とルナとロイは遅くまで食事を楽しんだ。



 食事を終えたナヴィとルナはロイとサテラをそれぞれ家に送り届けた後、二人で商店街を歩いていた。

「あの、ナヴィさん」

「なに?」

「もしよければ、これからもう一軒行きませんか?」

「え? もう日も跨ぎそうだけど……」

「あの、ナヴィさんと、二人きりでお話ししたいことがあって……」

「二人きりで? 何の話?」

 ルナはもじもじと体を動かし、口をもごつかせていた。

「ルナ?」

「……あの、わたくしと、テリウス様について……まだ説明ができていなかったので、そのお話を」

 ナヴィは程よく酔っていた顔から目が覚めたかのように普段の顔に戻った。
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