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第十章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 決勝戦編
129.マリオット案内所
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深夜になり、商店街のほとんどが店じまいをしている中、ライトがついている一軒の店をルナとナヴィは見つけた。
「ここでいいかしら」
「バーですかね。入りましょうか」
地下へとつながる階段を降りると古びた木造の扉があり、ナヴィはそれを開ける。
「すみませーん、まだやってますか? ってお客さん一人だけ」
フードを被ってる人が一人……。カウンターの奥には右目に眼帯をしてる赤髪の大柄の男の人、この店のマスターかな。
「いらっしゃい! おや、あんたらは今日の試合の……」
「わたくし達の試合をご覧になられたんですか?」
「あぁ見たよ、通信魔法でコロシアムの様子をここからだけどな」
「ほえぇ、便利ですねぇ……」
そんな会話をしながら二人はカウンターの席に着いた。
ナヴィは少し酔っていたこともあり、隣にいた客に話しかけた。
「もしかしてあなたもあたし達の試合見てくれてたんですかぁ?」
「お前なぁ……酔っぱらってんのか?」
「「なっ!」」
隣の客がフードを取る。
「ケ、ケケ、ケビンさん!?」
「ななな、なんであんたがここに!」
「別に酒を飲むくらいいだろ。せっかく一人でしっぽり飲んでたのによ」
「しっぽりって……」
「こんなこともあるんですねぇあははは」
「ルナ、これは占いで分からなかったの?」
「そんな常時できるものでもないですから。道具もないですし」
「あははは、お客さんら、噂のあの天才上級ガイドの三人だろ。三人そろって来店してくれるなんてこりゃ嬉しいなぁ」
「たまたまだ、たまたま」
「たまたまね」
「たまたまですね」
「何だ、随分と仲がいいじゃねぇか、今日の試合良いもの見せてもらったぜ。最初の一杯はサービスしてやる。なにか飲みたいものはあるか?」
「あたし甘いので!」
「じゃあわたくしも同じのを」
「はいよ」
シェイカーを使い手際よく二人のドリンクを作っていった。
「はい、どうぞ」
「「ありがとうございます」」
「……マスターその腕……冒険者とかやられてました? 鍛え上げられた肉体に、腕から見える無数の傷跡が……」
「あはは、流石だなナヴィさん。まぁそれらしいことはやってたよ。最近はこっちが忙しくてね」
胸のタトゥーは見えないけど相当なレベルの人っぽい。
「ってそんなことはいいんだった! ルナ、それで話って……?」
「ナ、ナヴィさん。でもケビンさんもいますし……」
「ん? 俺に聞かれちゃまずい話なのか?」
そうか、二人きりでってルナは言ってた……けど。
「あたしは別にいいわよ、それに二次試験の時あたし達のぎくしゃくした関係でケビンにも迷惑かけちゃったし」
「それは、俺も聞いていいのかい?」
頬をポリポリと掻きながらルナに聞くマスター。
「マスターは別に聞いても分からない話だと思いますよ。もちろん聞いても大丈夫ですが他言無用でお願いします」
「約束しよう」
「ありがとうございます。では話していきますね」
「わたくしは親離れしたガイドなり立て見習いとしてルーカトリ街に小さな案内所を開きました」
「あれは、今から三年ほど前になりますかね、勇者テリウスのパーティーが魔王討伐に失敗したと大陸全土に広がったすぐのことでした」
わたくしはいつものように早朝から開店の準備をしていると一人の冒険者様が尋ねてきました。
「いらっしゃいませ! マリオット案内所へようこそ!」
「こんにちは、ルナさん」
「? あのーわたくしのことをご存じなのですか?」
「あぁ、今日君に会いに来た」
「え!?」
ってこの方……。
「ブラウンの髪に白銀のロングコート、それに背中にある漆黒の大剣……あなた様は」
「申し遅れた、テリウスだ」
「やっぱり……」
魔王討伐に失敗したという情報から一週間しか経ってない。それにこのぼろぼろの装備……きっと自分の拠点に帰らずそのままここに向かってきたんだ。
「あ、あの、とりあえず救急箱を持って……」
「大丈夫だ。治せる傷は歩きながら治してきた」
「そ、それでも……」
「それより占いが当たる案内人とは君のことかい、ルナ」
「それは、そうですけど……」
「実は占ってほしいことがあってそれを聞きに来た」
「占ってほしいことですか……? テリウス様の今後のことでしょうか?」
「いや、オリバービレッジという小さな村にいる少女についてだ」
「……?」
ルナはそこまで説明すると一度ドリンクを手に取り喉を潤した。
「ゴクッ。失礼しました。それでわたくしの占いはその人の場所や特徴の情報を正確にいただければ、遠隔で占うことも可能です。テリウス様はそれを知っていてわたくしの元に参ったそうです」
「待ってルナ、今の話、オリバービレッジの少女って……」
ナヴィは固唾を飲みルナの方に目を向けた。
「はい、それはナヴィさんのことでした」
「え、だって……テリウス様の大切な人ってルナなんじゃ……」
唖然とした表情でナヴィはルナに質問を続けた。
「いえ、それは大きな誤解です」
「じゃあテリウス様はあたしを……」
「はい。テリウス様はその日から今までナヴィさんの様子をわたくしの占いを通じて伺っていたのです」
「え……なんでそんなことを……」
「ここでいいかしら」
「バーですかね。入りましょうか」
地下へとつながる階段を降りると古びた木造の扉があり、ナヴィはそれを開ける。
「すみませーん、まだやってますか? ってお客さん一人だけ」
フードを被ってる人が一人……。カウンターの奥には右目に眼帯をしてる赤髪の大柄の男の人、この店のマスターかな。
「いらっしゃい! おや、あんたらは今日の試合の……」
「わたくし達の試合をご覧になられたんですか?」
「あぁ見たよ、通信魔法でコロシアムの様子をここからだけどな」
「ほえぇ、便利ですねぇ……」
そんな会話をしながら二人はカウンターの席に着いた。
ナヴィは少し酔っていたこともあり、隣にいた客に話しかけた。
「もしかしてあなたもあたし達の試合見てくれてたんですかぁ?」
「お前なぁ……酔っぱらってんのか?」
「「なっ!」」
隣の客がフードを取る。
「ケ、ケケ、ケビンさん!?」
「ななな、なんであんたがここに!」
「別に酒を飲むくらいいだろ。せっかく一人でしっぽり飲んでたのによ」
「しっぽりって……」
「こんなこともあるんですねぇあははは」
「ルナ、これは占いで分からなかったの?」
「そんな常時できるものでもないですから。道具もないですし」
「あははは、お客さんら、噂のあの天才上級ガイドの三人だろ。三人そろって来店してくれるなんてこりゃ嬉しいなぁ」
「たまたまだ、たまたま」
「たまたまね」
「たまたまですね」
「何だ、随分と仲がいいじゃねぇか、今日の試合良いもの見せてもらったぜ。最初の一杯はサービスしてやる。なにか飲みたいものはあるか?」
「あたし甘いので!」
「じゃあわたくしも同じのを」
「はいよ」
シェイカーを使い手際よく二人のドリンクを作っていった。
「はい、どうぞ」
「「ありがとうございます」」
「……マスターその腕……冒険者とかやられてました? 鍛え上げられた肉体に、腕から見える無数の傷跡が……」
「あはは、流石だなナヴィさん。まぁそれらしいことはやってたよ。最近はこっちが忙しくてね」
胸のタトゥーは見えないけど相当なレベルの人っぽい。
「ってそんなことはいいんだった! ルナ、それで話って……?」
「ナ、ナヴィさん。でもケビンさんもいますし……」
「ん? 俺に聞かれちゃまずい話なのか?」
そうか、二人きりでってルナは言ってた……けど。
「あたしは別にいいわよ、それに二次試験の時あたし達のぎくしゃくした関係でケビンにも迷惑かけちゃったし」
「それは、俺も聞いていいのかい?」
頬をポリポリと掻きながらルナに聞くマスター。
「マスターは別に聞いても分からない話だと思いますよ。もちろん聞いても大丈夫ですが他言無用でお願いします」
「約束しよう」
「ありがとうございます。では話していきますね」
「わたくしは親離れしたガイドなり立て見習いとしてルーカトリ街に小さな案内所を開きました」
「あれは、今から三年ほど前になりますかね、勇者テリウスのパーティーが魔王討伐に失敗したと大陸全土に広がったすぐのことでした」
わたくしはいつものように早朝から開店の準備をしていると一人の冒険者様が尋ねてきました。
「いらっしゃいませ! マリオット案内所へようこそ!」
「こんにちは、ルナさん」
「? あのーわたくしのことをご存じなのですか?」
「あぁ、今日君に会いに来た」
「え!?」
ってこの方……。
「ブラウンの髪に白銀のロングコート、それに背中にある漆黒の大剣……あなた様は」
「申し遅れた、テリウスだ」
「やっぱり……」
魔王討伐に失敗したという情報から一週間しか経ってない。それにこのぼろぼろの装備……きっと自分の拠点に帰らずそのままここに向かってきたんだ。
「あ、あの、とりあえず救急箱を持って……」
「大丈夫だ。治せる傷は歩きながら治してきた」
「そ、それでも……」
「それより占いが当たる案内人とは君のことかい、ルナ」
「それは、そうですけど……」
「実は占ってほしいことがあってそれを聞きに来た」
「占ってほしいことですか……? テリウス様の今後のことでしょうか?」
「いや、オリバービレッジという小さな村にいる少女についてだ」
「……?」
ルナはそこまで説明すると一度ドリンクを手に取り喉を潤した。
「ゴクッ。失礼しました。それでわたくしの占いはその人の場所や特徴の情報を正確にいただければ、遠隔で占うことも可能です。テリウス様はそれを知っていてわたくしの元に参ったそうです」
「待ってルナ、今の話、オリバービレッジの少女って……」
ナヴィは固唾を飲みルナの方に目を向けた。
「はい、それはナヴィさんのことでした」
「え、だって……テリウス様の大切な人ってルナなんじゃ……」
唖然とした表情でナヴィはルナに質問を続けた。
「いえ、それは大きな誤解です」
「じゃあテリウス様はあたしを……」
「はい。テリウス様はその日から今までナヴィさんの様子をわたくしの占いを通じて伺っていたのです」
「え……なんでそんなことを……」
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