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第十章 王都公認 案内人適性試験 最終試験 決勝戦編
138.ナターシャ
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「はぁ、はぁ」
「ナターシ。水だ」
「はぁ。ありがとございます。ケビンさん」
フィールド外に出たナターシャは大鎌を捨てその場に座り込み、ケビンが渡した水を一気に飲み干した。
「やはり<バーサーク>は消耗が激しいな」
「はぁ、はぁ、いえ。まだ大丈夫です。あと一回は<バーサーク>の状態で戦えます」
「そうか……」
獣化状態で意識を保ったまま戦えるのは多くて二回だ……。たださっきの一回目ではかなりの時間を使わされたしな。正直二回目ができるかどうか……。
とはいえ、肉体的ダメージは殆ど負ってない分、可能性は十二分にある。
だが問題は二回目をやった後の精神の方だ……。二回目の限界には、もしくはナターシャの場合無理して三回目でもやろうものなら危険だ。
「はぁ、はぁケビンさん。なに難しい顔してるんですか?」
「ん? あ、あぁ」
「もしかして、あたしのこと心配してくれてるんですか……?」
座り込んだまま上目遣いでケビンを見つめるナターシャ。
「あぁ、そりゃお前のパートナーだからな」
「あら嬉しいです、何か懸念されていることでも?」
はぁ、今更こいつに隠し事をしてもしょうがない、か。
ケビンは膝を折り、ナターシャの目線に合わせて話始めた。
「ナターシャ。分かってはいると思うが次にもし<バーサーク>を使うなら二回目だ。正直俺は一度目の獣化で消耗させられたお前がこの技を使うのに賛成できない」
「え……ケビンさん、あたしは大丈夫です! まだやれます」
「闘気があるのはわかる。だがお前、自分が<バーサーク>の使用制限を超えた後、意識まで獣化したときにどういう風になるのか知っているか?」
「あ、それは……」
「正直どこまで暴走するか分からない。それにそうなれば間違いなく俺は棄権すると思う。というより、お前を止めれるのはこの場では俺だけだからな」
「そう……ですね……」
ナターシャはケビンから顔を反らし、唇を噛みしめた。
「サテラがこれを狙ってやったのかは分からないが、ここまでさせられた時点でこういう選択をせざる負えない」
「……」
「そして、その選択は俺がしていいものでもない」
「え……ケビンさんどういうことですか?」
「俺がナターシャに与えられるのは判断材料だけだ。決めるのはお前だ」
「決めるのは……あたし……」
「そう。さぁ、選べ。限界まで<バーサーク>を使い身を削ってまで勝利をもぎ取るか。身の安全を考えて<バーサーク>を使わず、戦略でサテラを倒すか」
その選択肢を出したケビンの顔を見てナターシャはくすりと笑った。
「ふふ。ケビンさん。そんなのもう選択肢なんてないじゃないですか」
「言っただろ。決めるのはお前だ」
ケビンもそのナターシャの笑顔にほんの少し口元が上がる。
「あたしはこのトーナメントで必ずサテラに勝ってあなたを優勝させてみせます」
「ふ、奇遇だ。俺も必ずお前を優勝させてみせる」
「ならもうあたしは決めました」
「安心しろ。後のことは何とかしてやる。全力で戦ってこい」
「ありがとうございます」
ナターシャは捨てていた大鎌を持ち上げ肩に担ぎフィールドへと戻っていった。
「ん? どうしたナターシャ?」
階段を登る手前でナターシャが振り返り、ケビンに満開の笑顔を見せた。
「ケビンさん、あなたがあたしの案内人で本当に良かった! 次そこに戻るのは勝った時ですね。あたしの背中見届けててください!」
その言葉と姿に驚いた表情を見せるケビン。
「ナターシャ。お前……」
「にかっ!」
「そういうのは終わってから言うもんだろ」
ケビンの頬がほんの少し赤く染まる。
「ほら終わってからじゃあたしもどうなってるか分からないし。あはは」
「ふ、まぁいい。待ってるぞナターシャ!」
「はい、では行ってきます!」
はぁ。ナヴィにはあんなことを言ったが俺も俺だな。あのアドバイスは案内人としては冒険者の命を捨てさせるような危険な助言だったかもな。
とにかくナターシャの身に何も起こらない事だけを祈っておこう。
ケビンは拳にぐっと力を入れナターシャを見届けた。
一方、サテラ&ナヴィペアは。
「はい、お水ね!」
「はぁ、はぁ、ありがとうございます。ナヴィさん」
「うん。まずは最後まで戦えるようにこの時間でできる限りの体力回復をしておきましょ」
「……はい」
あぁ、やっぱりナヴィさんがいると心強いな……。それに。ふふっ。
「ん? 何笑ってるのサテラ?」
「あ、いえ、ちゃん付けされなくなったのがちょっとむずがゆくて」
「う、あの時は勢いで……い、嫌ならやめるけど……」
「なんで今更照れてるんですか! 大丈夫です、サテラと呼んでください!」
「そう、ならよかった。あはは」
「それよりも、さっき言ってた形勢逆転のいい手があるって……」
「あぁ、そのことなんだけど。あんなこと言ったけど、まずは現状の把握と対策を考えていくわよ。その一手だけにも頼ってられないし、少しでも勝つ可能性を上げていくわ!」
「は、はい! お願いします!」
こうしてナヴィ達の作戦会議が始まった。
「ナターシ。水だ」
「はぁ。ありがとございます。ケビンさん」
フィールド外に出たナターシャは大鎌を捨てその場に座り込み、ケビンが渡した水を一気に飲み干した。
「やはり<バーサーク>は消耗が激しいな」
「はぁ、はぁ、いえ。まだ大丈夫です。あと一回は<バーサーク>の状態で戦えます」
「そうか……」
獣化状態で意識を保ったまま戦えるのは多くて二回だ……。たださっきの一回目ではかなりの時間を使わされたしな。正直二回目ができるかどうか……。
とはいえ、肉体的ダメージは殆ど負ってない分、可能性は十二分にある。
だが問題は二回目をやった後の精神の方だ……。二回目の限界には、もしくはナターシャの場合無理して三回目でもやろうものなら危険だ。
「はぁ、はぁケビンさん。なに難しい顔してるんですか?」
「ん? あ、あぁ」
「もしかして、あたしのこと心配してくれてるんですか……?」
座り込んだまま上目遣いでケビンを見つめるナターシャ。
「あぁ、そりゃお前のパートナーだからな」
「あら嬉しいです、何か懸念されていることでも?」
はぁ、今更こいつに隠し事をしてもしょうがない、か。
ケビンは膝を折り、ナターシャの目線に合わせて話始めた。
「ナターシャ。分かってはいると思うが次にもし<バーサーク>を使うなら二回目だ。正直俺は一度目の獣化で消耗させられたお前がこの技を使うのに賛成できない」
「え……ケビンさん、あたしは大丈夫です! まだやれます」
「闘気があるのはわかる。だがお前、自分が<バーサーク>の使用制限を超えた後、意識まで獣化したときにどういう風になるのか知っているか?」
「あ、それは……」
「正直どこまで暴走するか分からない。それにそうなれば間違いなく俺は棄権すると思う。というより、お前を止めれるのはこの場では俺だけだからな」
「そう……ですね……」
ナターシャはケビンから顔を反らし、唇を噛みしめた。
「サテラがこれを狙ってやったのかは分からないが、ここまでさせられた時点でこういう選択をせざる負えない」
「……」
「そして、その選択は俺がしていいものでもない」
「え……ケビンさんどういうことですか?」
「俺がナターシャに与えられるのは判断材料だけだ。決めるのはお前だ」
「決めるのは……あたし……」
「そう。さぁ、選べ。限界まで<バーサーク>を使い身を削ってまで勝利をもぎ取るか。身の安全を考えて<バーサーク>を使わず、戦略でサテラを倒すか」
その選択肢を出したケビンの顔を見てナターシャはくすりと笑った。
「ふふ。ケビンさん。そんなのもう選択肢なんてないじゃないですか」
「言っただろ。決めるのはお前だ」
ケビンもそのナターシャの笑顔にほんの少し口元が上がる。
「あたしはこのトーナメントで必ずサテラに勝ってあなたを優勝させてみせます」
「ふ、奇遇だ。俺も必ずお前を優勝させてみせる」
「ならもうあたしは決めました」
「安心しろ。後のことは何とかしてやる。全力で戦ってこい」
「ありがとうございます」
ナターシャは捨てていた大鎌を持ち上げ肩に担ぎフィールドへと戻っていった。
「ん? どうしたナターシャ?」
階段を登る手前でナターシャが振り返り、ケビンに満開の笑顔を見せた。
「ケビンさん、あなたがあたしの案内人で本当に良かった! 次そこに戻るのは勝った時ですね。あたしの背中見届けててください!」
その言葉と姿に驚いた表情を見せるケビン。
「ナターシャ。お前……」
「にかっ!」
「そういうのは終わってから言うもんだろ」
ケビンの頬がほんの少し赤く染まる。
「ほら終わってからじゃあたしもどうなってるか分からないし。あはは」
「ふ、まぁいい。待ってるぞナターシャ!」
「はい、では行ってきます!」
はぁ。ナヴィにはあんなことを言ったが俺も俺だな。あのアドバイスは案内人としては冒険者の命を捨てさせるような危険な助言だったかもな。
とにかくナターシャの身に何も起こらない事だけを祈っておこう。
ケビンは拳にぐっと力を入れナターシャを見届けた。
一方、サテラ&ナヴィペアは。
「はい、お水ね!」
「はぁ、はぁ、ありがとうございます。ナヴィさん」
「うん。まずは最後まで戦えるようにこの時間でできる限りの体力回復をしておきましょ」
「……はい」
あぁ、やっぱりナヴィさんがいると心強いな……。それに。ふふっ。
「ん? 何笑ってるのサテラ?」
「あ、いえ、ちゃん付けされなくなったのがちょっとむずがゆくて」
「う、あの時は勢いで……い、嫌ならやめるけど……」
「なんで今更照れてるんですか! 大丈夫です、サテラと呼んでください!」
「そう、ならよかった。あはは」
「それよりも、さっき言ってた形勢逆転のいい手があるって……」
「あぁ、そのことなんだけど。あんなこと言ったけど、まずは現状の把握と対策を考えていくわよ。その一手だけにも頼ってられないし、少しでも勝つ可能性を上げていくわ!」
「は、はい! お願いします!」
こうしてナヴィ達の作戦会議が始まった。
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