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第十一章 王都公認案内人 ナヴィ・マクレガン編
178.孤独な夜 小説本文
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「あー北大路さんね、話しかけない方がいいわよ」
「ああいう自己陶酔してる子って周りから人がいなくなるのよね」
「少しぐらい弱みがあればいいけど、あそこまで完璧だとねぇ」
「誰も近寄らないよあれじゃ」
……聞こえてるっつーの。
弱みがない……確かにあたしは街を歩けば周りにいる男が全員見惚れるくらいの容姿があるし、運動だって勉強だってそこら辺の生徒には手の届かないレベルでできる。
けどそうやって生きてきたあたしにだって弱みはある。
あたしの周りに人がいたことなんて一度もない……。両親だってそうだ。あたしと話をするときはいつも成績や進路、家訓、そんな話ばかりだ。あたしに興味なんてない。
でもその理由もあたしに責任があるからだ。
あたしが周りの人を自分とは違うと淘汰し続けてきていたからだ。みんながあたしのことを見てくれないのはあたしがみんなを見ていないからだ。
そんなの分かってる……分かってる。
「……ヴィさん、ナヴィさん、ナヴィさん!」
「あれ……夢……?」
ベッドで眠っていたナヴィはアミスのノックと名前を呼ぶ声で目を覚ました。
「アミスなのです。起こしてしまったら申し訳ないのです。夜ご飯扉の横に置いておきました! 冷めないうちに食べるのですよ!」
「……アミス」
「ではおやすみなさいなのです!」
ナヴィは遠のいていくアミスの足音を聞いてから扉を開け夕食の乗ったトレーを自室へと持ち帰った。
「ん? これは……本部からの手紙?」
パンの乗っていた皿の下に手紙が敷いてあるのに気づきその手紙を手に取った。
「誰か先に封筒を開けたのかしら……とりあえず読んでみよ」
「……そっか、そろそろ定期報告の時期だったわね、ってこれ明日じゃない!」
エンフィーとも仲直りしなくちゃいけないのに、こんなことしてる場合じゃ。って。
「あれ、もう一枚手紙が……ちいさ!」
四つ折りにされた小さなメモ用紙を開くナヴィ。
「これ、アミス……」
ーナヴィさんへー
中を覗いてしまってすみません! アミスたちのことは気にせず行ってくるのです!
エンフィーさんのことは任せるのです!
ーアミス・レイバンー
ナヴィはアミスの手紙を見て微笑した。
「……ありがとう、アミス……来て早々のあなたには負担掛けてばっかりね」
今は色々と報告しなくちゃいけないことがたくさんある……。とにかく今日中にそれをまとめないと。
それに……。
その後ナヴィはアミスの準備した夕食を一気に平らげ、一晩かけて定期報告の資料を作成していた。
次に日の明朝。
「うーお姉ちゃんとのことがあってなんだか眠れなかったな……」
「おはようございます、エンフィーさん!」
「あ、アミスさんおはようございます、あのお姉ちゃんは」
「定期報告に王都に向かったそうですよ」
「え? アミスさんがどうしてそれを」
「あ、すみません、本部からの手紙を覗いてしまったのです……」
「なるほど……」
険しい顔になるエンフィー。二人の間に少しの沈黙が生まれた。
「あの……昨日はごめんなさいアミスさん」
「へ?」
「あの、私昨日は取り乱しちゃって……その、私たち姉妹の喧嘩にアミスさんを巻き込んでしまって……その」
昨日のことを話しながら涙目になっていくエンフィーを見て、すかさずエンフィーがフォローに入る。
「大丈夫なのですよ! それに、きっとすぐに仲直りできるのです!」
「アミスさん」
「とにかく今はお店のことだけ考えましょう! ナヴィさんがいなくてもエンフィーさんは大丈夫なのです!」
「お姉ちゃんがいなくても……」
「はいなのです! さぁ、今日もがんばるのですよー!」
「は、はい」
こうしていつも通り、いつもの時間にマクレガン案内所は開店した。
その頃、ナヴィは馬を使い半日ほどで王都へと着いた。
「うん、やっぱり馬は快適だねぇ。まぁ転移魔法を使えればもっと早く着くんだけどさ」
本部への定期報告は夕方。今はお昼時だし、どこかでご飯でも食べようかしら。
王都の正門をくぐろうと歩き始めたその時だった。
「あ! ナヴィ・マクレガンだ!」
「あ、だめでしょさんをちゃんとつけないと!」
「うわすっげー!」
「ん? 何この子たち」
ナヴィの周りに王都の正門の近くで遊んでいた子供達が集まってきた。
「うわーあの天才上級ガイドを生で見れるなんて」
「試合コロシアムで見てたじゃん」
やめて……。
「違うよ、こんなに近くで見れることがすごいんだよ!」
「今は案内人の希望の星って言われてるんだよ! あのルナさん、ケビンさんと並んで」
そんな力あたしにはない……。
「いやーすごいなぁ、僕らも案内人を目指してるんですけどやっぱり近くで見るとオーラがありますね!」
「私ナヴィさんみたいな案内人になりたーい」
やめてよ、あたしは……。
「どうやったらそんなにすごい案内人に……」
「やめて!!!!」
「「「「え……?」」」」
ナヴィの拒絶する叫び声が正門全体に響き渡りやまびこのように何度も繰り返された。
「あ、ご、ごめんなさい、あたし、あたしは……ごめん!」
ナヴィはそのまま囲んでいた子供たちの間を抜けて王都の中心部へと走っていった。
「ああいう自己陶酔してる子って周りから人がいなくなるのよね」
「少しぐらい弱みがあればいいけど、あそこまで完璧だとねぇ」
「誰も近寄らないよあれじゃ」
……聞こえてるっつーの。
弱みがない……確かにあたしは街を歩けば周りにいる男が全員見惚れるくらいの容姿があるし、運動だって勉強だってそこら辺の生徒には手の届かないレベルでできる。
けどそうやって生きてきたあたしにだって弱みはある。
あたしの周りに人がいたことなんて一度もない……。両親だってそうだ。あたしと話をするときはいつも成績や進路、家訓、そんな話ばかりだ。あたしに興味なんてない。
でもその理由もあたしに責任があるからだ。
あたしが周りの人を自分とは違うと淘汰し続けてきていたからだ。みんながあたしのことを見てくれないのはあたしがみんなを見ていないからだ。
そんなの分かってる……分かってる。
「……ヴィさん、ナヴィさん、ナヴィさん!」
「あれ……夢……?」
ベッドで眠っていたナヴィはアミスのノックと名前を呼ぶ声で目を覚ました。
「アミスなのです。起こしてしまったら申し訳ないのです。夜ご飯扉の横に置いておきました! 冷めないうちに食べるのですよ!」
「……アミス」
「ではおやすみなさいなのです!」
ナヴィは遠のいていくアミスの足音を聞いてから扉を開け夕食の乗ったトレーを自室へと持ち帰った。
「ん? これは……本部からの手紙?」
パンの乗っていた皿の下に手紙が敷いてあるのに気づきその手紙を手に取った。
「誰か先に封筒を開けたのかしら……とりあえず読んでみよ」
「……そっか、そろそろ定期報告の時期だったわね、ってこれ明日じゃない!」
エンフィーとも仲直りしなくちゃいけないのに、こんなことしてる場合じゃ。って。
「あれ、もう一枚手紙が……ちいさ!」
四つ折りにされた小さなメモ用紙を開くナヴィ。
「これ、アミス……」
ーナヴィさんへー
中を覗いてしまってすみません! アミスたちのことは気にせず行ってくるのです!
エンフィーさんのことは任せるのです!
ーアミス・レイバンー
ナヴィはアミスの手紙を見て微笑した。
「……ありがとう、アミス……来て早々のあなたには負担掛けてばっかりね」
今は色々と報告しなくちゃいけないことがたくさんある……。とにかく今日中にそれをまとめないと。
それに……。
その後ナヴィはアミスの準備した夕食を一気に平らげ、一晩かけて定期報告の資料を作成していた。
次に日の明朝。
「うーお姉ちゃんとのことがあってなんだか眠れなかったな……」
「おはようございます、エンフィーさん!」
「あ、アミスさんおはようございます、あのお姉ちゃんは」
「定期報告に王都に向かったそうですよ」
「え? アミスさんがどうしてそれを」
「あ、すみません、本部からの手紙を覗いてしまったのです……」
「なるほど……」
険しい顔になるエンフィー。二人の間に少しの沈黙が生まれた。
「あの……昨日はごめんなさいアミスさん」
「へ?」
「あの、私昨日は取り乱しちゃって……その、私たち姉妹の喧嘩にアミスさんを巻き込んでしまって……その」
昨日のことを話しながら涙目になっていくエンフィーを見て、すかさずエンフィーがフォローに入る。
「大丈夫なのですよ! それに、きっとすぐに仲直りできるのです!」
「アミスさん」
「とにかく今はお店のことだけ考えましょう! ナヴィさんがいなくてもエンフィーさんは大丈夫なのです!」
「お姉ちゃんがいなくても……」
「はいなのです! さぁ、今日もがんばるのですよー!」
「は、はい」
こうしていつも通り、いつもの時間にマクレガン案内所は開店した。
その頃、ナヴィは馬を使い半日ほどで王都へと着いた。
「うん、やっぱり馬は快適だねぇ。まぁ転移魔法を使えればもっと早く着くんだけどさ」
本部への定期報告は夕方。今はお昼時だし、どこかでご飯でも食べようかしら。
王都の正門をくぐろうと歩き始めたその時だった。
「あ! ナヴィ・マクレガンだ!」
「あ、だめでしょさんをちゃんとつけないと!」
「うわすっげー!」
「ん? 何この子たち」
ナヴィの周りに王都の正門の近くで遊んでいた子供達が集まってきた。
「うわーあの天才上級ガイドを生で見れるなんて」
「試合コロシアムで見てたじゃん」
やめて……。
「違うよ、こんなに近くで見れることがすごいんだよ!」
「今は案内人の希望の星って言われてるんだよ! あのルナさん、ケビンさんと並んで」
そんな力あたしにはない……。
「いやーすごいなぁ、僕らも案内人を目指してるんですけどやっぱり近くで見るとオーラがありますね!」
「私ナヴィさんみたいな案内人になりたーい」
やめてよ、あたしは……。
「どうやったらそんなにすごい案内人に……」
「やめて!!!!」
「「「「え……?」」」」
ナヴィの拒絶する叫び声が正門全体に響き渡りやまびこのように何度も繰り返された。
「あ、ご、ごめんなさい、あたし、あたしは……ごめん!」
ナヴィはそのまま囲んでいた子供たちの間を抜けて王都の中心部へと走っていった。
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