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第十二章 ナヴィとグローリア案内所
183.グローリア案内所
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「ふーありがとうマーガレット。結構走ったわね。あ、あれかしら」
「ヒヒン」
あたしがオリバービレッジを出てから南西の方向に、本部からもらったこの馬、マーガレットを走らせて四日ほど。スーザンさんの指示にあったデンバード山脈にたどり着いた。
「ってかなんで山……? ってあら、マーガレットどうしたの?」
「グルルル……」
変ね……いつもは温厚なのにここまで警戒心をむき出しにするなんて……。
「ヒヒンヒヒン!」
「え、なに? 早く乗れって!?」
なんだろう何かが近づいてくる!?
「ギシャア!」
草むらから五体のゴブリンが飛び出してきた。
「え、うそ!? ここはもう人が出入りするところよね、こんなところまでモンスターが出てくるの!?」
「ヒヒン!!」
それにこのゴブリン。あたし達の近くで出てくるゴブリンとはわけが違う。武装してるし、接近されるまで気づかなかったってことは魔力をコントロールしてギリギリまで隠していた……。
「く、ごめんマーガレット一気に走り抜けよう!」
ナヴィはマーガレットに飛び乗り両足を強く突いた。
「ヒヒーン!」
「とにかくこの山を駆け上ろう! マーガレットあなたの速さならあいつらを撒けるわ」
そこからあたしの指示でマーガレットは全速力で山を登っていった。
「くっそ、もうすぐ案内所の場所のはずだけど……まだ差は開いたけどゴブリンから逃れられてない……」
ん? あそこにいるのは……女の人? 眼鏡を掛けてるし来ている服はエプロンドレス、冒険者じゃない……このままじゃ!
「そこのあなた! ここは危険よ! 早くあたしの馬に……」
「え……? あぁゴブリンですか……」
そういうと彼女は眼鏡を取って向かってくるゴブリンの方を向いた。
「ちょ、早く手を取って!」
「大丈夫です、私の後ろに……」
「え!?」
ゴブリンはその女性を通過したナヴィではなく眼鏡を外した女性に襲い掛かった。
「ふー……離れていてください」
「え、えぇ」
なにこれ、彼女の周りに炎が纏わりついてる……?
「ギシャー!!」
<ドラグーン・フレア>
構えた右手から大量の炎が放射された。
「魔法!?」
龍が勢いよく炎を吐き出すかのような火炎放射……しかもすんごい威力。
「ギャァァァァ!」
「うそ、一撃で炭になっちゃった……」
「ご無事でしょうか?」
その魔法に見惚れていたナヴィの目の前に眼鏡の女性が顔を近づけた。
「うわぁ!? い、いつの間に!」
さっきまでゴブリンの目の前にいたのに、一瞬であたしの前に。
「ん? 黒の長髪、青い瞳の二重、魔法使いの風貌、それにその王都公認のバッジ……もしかしてあなたがナヴィ・マクレガンさんでしょうか?」
「へ、どうしてあたしの名前を……」
「それは後ほどご説明いたします。目指しているんですよね、『グローリア案内所』を」
「……」
驚いた表情を見せるナヴィを見てその女性はくすっと笑った。
「ふふ。では私についてきてください」
「え、えぇ」
そこから山の中を歩くこと数分、グローリア案内所へと到着した。
「……」
「……」
う……結局大した話もできないままここまで来ちゃった。
まさか、もしかしてこの人がアドバイザーの……?
でもあの強さ、それに突如のモンスター襲撃にも臆さない平常心。
この人なのかな……。
「どうかいたしましたか? そんなに私をじーっと見つめて」
「へっ? あ、す、すみませんもしかしたら案内所のマスターの方なのかなと」
「さぁ、どうでしょうか」
「え?」
「あなたも見ればきっとすぐにわかります、それでは玄関を開けますよ」
「……? えぇ」
扉に手を掛けた女性を見て、ナヴィはのどを一度大きく動かし目をかっと開いた。
見ればすぐにわかるって……ってことはこの人じゃないってことよね。
それに同じ人間なんだからそんなに大差もないはず。
どんな人なんだろう。
「マスター。ただいま戻りました」
「あぁ、ご苦労。下がれ」
低くて野太い声……でも……。
間違いない、この人だ。
四日前の定期報告の終了時、ナヴィはスーザンにそのアドバイザーについて話を聞いていた。
「スーザンさん、この人は……?」
「ヴィオネット。この子は前回の大規模侵攻の功労者の一人よ」
「この子?」
「あぁ、とは言っても私と同い年だけどね」
「そうなんですか? 二人は仲良かったんですか……?」
「私はそうなりたかったけどね、けど彼女はそんなに生易しい人間じゃない」
「王都公認にもなってないですしね」
「だけど、実力は本物よ。彼女の率いたパーティーは多くのサーティーンプリンスターを撃退していったわ」
「そ、そんな実力が!?」
「えぇ、だけど如何せん性格に難ありだからね……」
「あはは、会うのがちょっと怖くなってきました」
「さっきも言ったけど実力は本物。案内人としての素質も戦闘能力も抜群」
「戦闘能力も……?」
「さっき報告した、唯一サーティーンプリンスターを圧倒し無傷で帰還したアドバイザーが一人だけいたって」
「……もしかしてそれが?」
「えぇ。それが彼女。その変人ぶりと彼女の龍のような攻撃的な瞳から呼ばれていたわ」
「あ、あなたが」
見た瞬間に分かった。この人だ。圧倒的なオーラ。案内人とは思えない攻撃的な瞳。
前に立ち続けられたら、そのまま飲み込まれそうになる威圧感。
無傷でテンスシート、ミモザよりも階級の高い魔王幹部を一人で倒したと言われる現在確認されているアドバイザーで最強の案内人の一人。
「奇龍 ヴィオネット・グローリア……」
「あぁ? だれだてめぇ」
「ヒヒン」
あたしがオリバービレッジを出てから南西の方向に、本部からもらったこの馬、マーガレットを走らせて四日ほど。スーザンさんの指示にあったデンバード山脈にたどり着いた。
「ってかなんで山……? ってあら、マーガレットどうしたの?」
「グルルル……」
変ね……いつもは温厚なのにここまで警戒心をむき出しにするなんて……。
「ヒヒンヒヒン!」
「え、なに? 早く乗れって!?」
なんだろう何かが近づいてくる!?
「ギシャア!」
草むらから五体のゴブリンが飛び出してきた。
「え、うそ!? ここはもう人が出入りするところよね、こんなところまでモンスターが出てくるの!?」
「ヒヒン!!」
それにこのゴブリン。あたし達の近くで出てくるゴブリンとはわけが違う。武装してるし、接近されるまで気づかなかったってことは魔力をコントロールしてギリギリまで隠していた……。
「く、ごめんマーガレット一気に走り抜けよう!」
ナヴィはマーガレットに飛び乗り両足を強く突いた。
「ヒヒーン!」
「とにかくこの山を駆け上ろう! マーガレットあなたの速さならあいつらを撒けるわ」
そこからあたしの指示でマーガレットは全速力で山を登っていった。
「くっそ、もうすぐ案内所の場所のはずだけど……まだ差は開いたけどゴブリンから逃れられてない……」
ん? あそこにいるのは……女の人? 眼鏡を掛けてるし来ている服はエプロンドレス、冒険者じゃない……このままじゃ!
「そこのあなた! ここは危険よ! 早くあたしの馬に……」
「え……? あぁゴブリンですか……」
そういうと彼女は眼鏡を取って向かってくるゴブリンの方を向いた。
「ちょ、早く手を取って!」
「大丈夫です、私の後ろに……」
「え!?」
ゴブリンはその女性を通過したナヴィではなく眼鏡を外した女性に襲い掛かった。
「ふー……離れていてください」
「え、えぇ」
なにこれ、彼女の周りに炎が纏わりついてる……?
「ギシャー!!」
<ドラグーン・フレア>
構えた右手から大量の炎が放射された。
「魔法!?」
龍が勢いよく炎を吐き出すかのような火炎放射……しかもすんごい威力。
「ギャァァァァ!」
「うそ、一撃で炭になっちゃった……」
「ご無事でしょうか?」
その魔法に見惚れていたナヴィの目の前に眼鏡の女性が顔を近づけた。
「うわぁ!? い、いつの間に!」
さっきまでゴブリンの目の前にいたのに、一瞬であたしの前に。
「ん? 黒の長髪、青い瞳の二重、魔法使いの風貌、それにその王都公認のバッジ……もしかしてあなたがナヴィ・マクレガンさんでしょうか?」
「へ、どうしてあたしの名前を……」
「それは後ほどご説明いたします。目指しているんですよね、『グローリア案内所』を」
「……」
驚いた表情を見せるナヴィを見てその女性はくすっと笑った。
「ふふ。では私についてきてください」
「え、えぇ」
そこから山の中を歩くこと数分、グローリア案内所へと到着した。
「……」
「……」
う……結局大した話もできないままここまで来ちゃった。
まさか、もしかしてこの人がアドバイザーの……?
でもあの強さ、それに突如のモンスター襲撃にも臆さない平常心。
この人なのかな……。
「どうかいたしましたか? そんなに私をじーっと見つめて」
「へっ? あ、す、すみませんもしかしたら案内所のマスターの方なのかなと」
「さぁ、どうでしょうか」
「え?」
「あなたも見ればきっとすぐにわかります、それでは玄関を開けますよ」
「……? えぇ」
扉に手を掛けた女性を見て、ナヴィはのどを一度大きく動かし目をかっと開いた。
見ればすぐにわかるって……ってことはこの人じゃないってことよね。
それに同じ人間なんだからそんなに大差もないはず。
どんな人なんだろう。
「マスター。ただいま戻りました」
「あぁ、ご苦労。下がれ」
低くて野太い声……でも……。
間違いない、この人だ。
四日前の定期報告の終了時、ナヴィはスーザンにそのアドバイザーについて話を聞いていた。
「スーザンさん、この人は……?」
「ヴィオネット。この子は前回の大規模侵攻の功労者の一人よ」
「この子?」
「あぁ、とは言っても私と同い年だけどね」
「そうなんですか? 二人は仲良かったんですか……?」
「私はそうなりたかったけどね、けど彼女はそんなに生易しい人間じゃない」
「王都公認にもなってないですしね」
「だけど、実力は本物よ。彼女の率いたパーティーは多くのサーティーンプリンスターを撃退していったわ」
「そ、そんな実力が!?」
「えぇ、だけど如何せん性格に難ありだからね……」
「あはは、会うのがちょっと怖くなってきました」
「さっきも言ったけど実力は本物。案内人としての素質も戦闘能力も抜群」
「戦闘能力も……?」
「さっき報告した、唯一サーティーンプリンスターを圧倒し無傷で帰還したアドバイザーが一人だけいたって」
「……もしかしてそれが?」
「えぇ。それが彼女。その変人ぶりと彼女の龍のような攻撃的な瞳から呼ばれていたわ」
「あ、あなたが」
見た瞬間に分かった。この人だ。圧倒的なオーラ。案内人とは思えない攻撃的な瞳。
前に立ち続けられたら、そのまま飲み込まれそうになる威圧感。
無傷でテンスシート、ミモザよりも階級の高い魔王幹部を一人で倒したと言われる現在確認されているアドバイザーで最強の案内人の一人。
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「あぁ? だれだてめぇ」
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