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第十二章 ナヴィとグローリア案内所
190.ナヴィのいない案内所
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ナヴィとレミアが試合を始めている頃。
ナヴィのいなくなったマクレガン案内所では。
「エンフィーさん、この書類お願いしますなのです!」
「アミスさんありがとう! んじゃついでにこれお願いします!」
「了解なのですー!」
店内には溢れかえるほどの冒険者が今か今かとエンフィーとアミスの受付を待っていた。
「はい、次に人どうぞ!」
「いやーより一層繁盛してきたなぁエンフィーちゃん」
「あ、サム様! はい、おかげさまで」
「おう、ってあれ、ナヴィちゃんは?」
「あ、あの……お姉ちゃんは」
そういうとエンフィーはサムから顔を背けた。
「あれ、俺なんか言っちゃいった?」
「あ、あのー! すみません。ナヴィさんは今武者修行中なのです!」
エンフィーの様子を見ていたアミスが会話に割って入った。
「あ、アミスちゃん。そうかぁ武者修行かぁ。攻略の難しいダンジョンがあってぜひ同行をと思ったんだけどなぁ」
「そうなのですか……ナヴィさんの同行依頼は今すぐには厳しいのです」
同行という言葉を聞いてエンフィーが顔を下に向けながらサムに尋ねた。
「お姉ちゃん……にですよね」
「あぁそのつもりだったけど……」
サムは間髪を入れずにすぐに返した。
「ちょっとサムさん!」
隣で話を聞いていた魔法使いのメリーがサムの耳を強く引っ張った。
「いてて! なんだよ」
メリーはサムの耳に手を当て小声で話し始めた。
「ナヴィさんの話を出した瞬間のエンフィーさんの顔見なかったんですか!? あれは訳アリですよ」
「そ、そうなのか……」
「とにかく、今エンフィーさんの前ではナヴィさんの話は禁止です!」
「お、おう、分かった」
「あの、お二方とも何を話されているのですか……?」
「あぁわりぃ、ちょっとマルクについて」
「えぇ、これからどうしようと」
「あ、あの!」
エンフィーは恥ずかしながらも破裂したような大きな声を出した。
「「は、はい!?」」
「おねえちゃ、ナヴィ・マクレガンはしばらく帰ってきません。ですのでもしよろしければ私に同行させてもらえないでしょうか!?」
「「え?」」
「現状ナヴィの常連だった他の冒険者様は私やアミスさんが代行として行っております。サム様達が良ければその同行私に引き受けさせてください! お願いします!」
深く頭を下げたエンフィーに対し、サムとメリーは向き合いアイコンタクトをして頷いた。
「あぁじゃあよろしくお願いするよ!」
「ほ、本当ですか!」
その瞬間エンフィーの暗く沈んでいた顔が一気に晴れ目をキラキラと輝かせた。
「おう、よろしくな!」
「よろしくね、エンフィーさん」
「はい! 必ずナヴィ以上に役に立ってみせます!」
「あはは、すごい気合いだな」
「当然です!」
お姉ちゃんがいなくてもお店の経営はしっかりと右肩上がり。仕事量の余裕はないけどお姉ちゃんには絶対に負けたくない!
「あのーすみませーん」
「あ、はい、なんでしょう」
あ、あの方は外で待ってた冒険者様だ。
「雨降ってきましたよー!」
「あ、すみません店内はお客さんでいっぱいですので、大変申し訳ないのですが」
「あー違う違う! ほら、あれ。洗濯物しまわなくて大丈夫ですか?」
冒険者が指さす方にはエンフィー達の服やタオルなどが風で激しく揺れていた。
「わ、忘れてた!! アミスさん、受付お願いします!」
「分かったのです! 洗濯物よろしくなのですー!」
うわー今日午後から雨降る予定だったのすっかり忘れてた……。
店内の裏口から外へと出たエンフィー。
「ちょっ風つよ、これ飛ばされちゃうんじゃ……あ、良かった全部かかってる」
よーし早く取り込んじゃって。
あ……。
「これ……お姉ちゃんの仕事着」
雨ざらしで一枚だけ地面に落ちていたナヴィの仕事着をエンフィーは拾った。
「あっちゃー泥だらけだこれ」
エンフィーはだんだんと強くなっていく雨の中、洗濯物を取り込むのを忘れナヴィの仕事着を見つめていた。
お姉ちゃん……。
『あたしはね、エンフィー。もっと強くならないといけないの。あなたを、アミスを守れるくらいに』
『別にいいよもう帰ってこなくても、私一人でこのおじいちゃんの店を守っていくから。それじゃ元気でね。お姉ちゃん』
「勢いであんなこと言っちゃったけど。私だっていつまでもお姉ちゃんの背中を追い続けるだけじゃない」
お店の運営も問題なくできてるしアミスさんとだって上手くやっていけてる。
でも……。
それでも……。
「エンフィーさん! 何してるのですか! 早く中に……ん?」
裏口の扉から顔を覗かせたアミスはナヴィの服を見つめるエンフィーの姿が目に移った。
「エンフィー……さん?」
「アミスさんはやくー!」
店内にいた冒険者がアミスを急かすように呼んだ。
「はい、只今なのですー!」
そしてそこから少し経ち閉店の時間となった。
「ふー疲れたのですー!」
「アミスさん、お疲れ様です。そしてさっきはすみません」
「いえいえ、お気になさらずー!」
エンフィーさんの目頭が真っ赤だ……。
「エンフィーさん。明日はお休みにしませんか?」
「え?」
アミスの突拍子のない提案に目を丸くするエンフィー。
「明日は今日雨で濡れて汚れてしまった洗濯物をもう一度洗いたいのです!」
「え、でも雨で濡れただけでそんなに汚れては……」
「いいえエンフィーさん」
アミスはそういうとエンフィーの持っていた洗濯物の山の中から一枚の仕事着を掴んだ。
「たった一着でも汚れていたら気持ちよく仕事はできないのですよ」
「アミスさん……それは……お姉ちゃんの」
「ナヴィさん。早く帰ってくるといいですね」
「アミスさん……うっ。うっ」
アミスの笑顔を見た瞬間、エンフィーの目からは外で降っていた雨のように涙が流れ始めた。
「あはは、まだまだ雨は止みそうにないです……ね」
アミスはエンフィーを抱きしめながら、ナヴィの仕事着を心配そうに眺めた。
ナヴィさん。元気にしているのでしょうか……。
ナヴィのいなくなったマクレガン案内所では。
「エンフィーさん、この書類お願いしますなのです!」
「アミスさんありがとう! んじゃついでにこれお願いします!」
「了解なのですー!」
店内には溢れかえるほどの冒険者が今か今かとエンフィーとアミスの受付を待っていた。
「はい、次に人どうぞ!」
「いやーより一層繁盛してきたなぁエンフィーちゃん」
「あ、サム様! はい、おかげさまで」
「おう、ってあれ、ナヴィちゃんは?」
「あ、あの……お姉ちゃんは」
そういうとエンフィーはサムから顔を背けた。
「あれ、俺なんか言っちゃいった?」
「あ、あのー! すみません。ナヴィさんは今武者修行中なのです!」
エンフィーの様子を見ていたアミスが会話に割って入った。
「あ、アミスちゃん。そうかぁ武者修行かぁ。攻略の難しいダンジョンがあってぜひ同行をと思ったんだけどなぁ」
「そうなのですか……ナヴィさんの同行依頼は今すぐには厳しいのです」
同行という言葉を聞いてエンフィーが顔を下に向けながらサムに尋ねた。
「お姉ちゃん……にですよね」
「あぁそのつもりだったけど……」
サムは間髪を入れずにすぐに返した。
「ちょっとサムさん!」
隣で話を聞いていた魔法使いのメリーがサムの耳を強く引っ張った。
「いてて! なんだよ」
メリーはサムの耳に手を当て小声で話し始めた。
「ナヴィさんの話を出した瞬間のエンフィーさんの顔見なかったんですか!? あれは訳アリですよ」
「そ、そうなのか……」
「とにかく、今エンフィーさんの前ではナヴィさんの話は禁止です!」
「お、おう、分かった」
「あの、お二方とも何を話されているのですか……?」
「あぁわりぃ、ちょっとマルクについて」
「えぇ、これからどうしようと」
「あ、あの!」
エンフィーは恥ずかしながらも破裂したような大きな声を出した。
「「は、はい!?」」
「おねえちゃ、ナヴィ・マクレガンはしばらく帰ってきません。ですのでもしよろしければ私に同行させてもらえないでしょうか!?」
「「え?」」
「現状ナヴィの常連だった他の冒険者様は私やアミスさんが代行として行っております。サム様達が良ければその同行私に引き受けさせてください! お願いします!」
深く頭を下げたエンフィーに対し、サムとメリーは向き合いアイコンタクトをして頷いた。
「あぁじゃあよろしくお願いするよ!」
「ほ、本当ですか!」
その瞬間エンフィーの暗く沈んでいた顔が一気に晴れ目をキラキラと輝かせた。
「おう、よろしくな!」
「よろしくね、エンフィーさん」
「はい! 必ずナヴィ以上に役に立ってみせます!」
「あはは、すごい気合いだな」
「当然です!」
お姉ちゃんがいなくてもお店の経営はしっかりと右肩上がり。仕事量の余裕はないけどお姉ちゃんには絶対に負けたくない!
「あのーすみませーん」
「あ、はい、なんでしょう」
あ、あの方は外で待ってた冒険者様だ。
「雨降ってきましたよー!」
「あ、すみません店内はお客さんでいっぱいですので、大変申し訳ないのですが」
「あー違う違う! ほら、あれ。洗濯物しまわなくて大丈夫ですか?」
冒険者が指さす方にはエンフィー達の服やタオルなどが風で激しく揺れていた。
「わ、忘れてた!! アミスさん、受付お願いします!」
「分かったのです! 洗濯物よろしくなのですー!」
うわー今日午後から雨降る予定だったのすっかり忘れてた……。
店内の裏口から外へと出たエンフィー。
「ちょっ風つよ、これ飛ばされちゃうんじゃ……あ、良かった全部かかってる」
よーし早く取り込んじゃって。
あ……。
「これ……お姉ちゃんの仕事着」
雨ざらしで一枚だけ地面に落ちていたナヴィの仕事着をエンフィーは拾った。
「あっちゃー泥だらけだこれ」
エンフィーはだんだんと強くなっていく雨の中、洗濯物を取り込むのを忘れナヴィの仕事着を見つめていた。
お姉ちゃん……。
『あたしはね、エンフィー。もっと強くならないといけないの。あなたを、アミスを守れるくらいに』
『別にいいよもう帰ってこなくても、私一人でこのおじいちゃんの店を守っていくから。それじゃ元気でね。お姉ちゃん』
「勢いであんなこと言っちゃったけど。私だっていつまでもお姉ちゃんの背中を追い続けるだけじゃない」
お店の運営も問題なくできてるしアミスさんとだって上手くやっていけてる。
でも……。
それでも……。
「エンフィーさん! 何してるのですか! 早く中に……ん?」
裏口の扉から顔を覗かせたアミスはナヴィの服を見つめるエンフィーの姿が目に移った。
「エンフィー……さん?」
「アミスさんはやくー!」
店内にいた冒険者がアミスを急かすように呼んだ。
「はい、只今なのですー!」
そしてそこから少し経ち閉店の時間となった。
「ふー疲れたのですー!」
「アミスさん、お疲れ様です。そしてさっきはすみません」
「いえいえ、お気になさらずー!」
エンフィーさんの目頭が真っ赤だ……。
「エンフィーさん。明日はお休みにしませんか?」
「え?」
アミスの突拍子のない提案に目を丸くするエンフィー。
「明日は今日雨で濡れて汚れてしまった洗濯物をもう一度洗いたいのです!」
「え、でも雨で濡れただけでそんなに汚れては……」
「いいえエンフィーさん」
アミスはそういうとエンフィーの持っていた洗濯物の山の中から一枚の仕事着を掴んだ。
「たった一着でも汚れていたら気持ちよく仕事はできないのですよ」
「アミスさん……それは……お姉ちゃんの」
「ナヴィさん。早く帰ってくるといいですね」
「アミスさん……うっ。うっ」
アミスの笑顔を見た瞬間、エンフィーの目からは外で降っていた雨のように涙が流れ始めた。
「あはは、まだまだ雨は止みそうにないです……ね」
アミスはエンフィーを抱きしめながら、ナヴィの仕事着を心配そうに眺めた。
ナヴィさん。元気にしているのでしょうか……。
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