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第十二章 ナヴィとグローリア案内所
227.覚悟の拳
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「え、さ、作戦って」
「はい。姉さまを倒せる一回こっきりの作戦です」
「一回こっきり……」
「おいおい二人とも。話すのは勝手だがそれならそれでこっちも休ませてもらうぜ」
<ヒール!>
二人の話す様子を見ていたヴィオネットが自分に回復魔法を掛けた。
「あ、ちょっと、それずるいですよ!」
「るせぇ。こっちだって疲れてんだ! 好きにさせろ!」
「むー! 回復魔法も使うなんて聞いてないし……」
「ナヴィさん。大丈夫です。それよりも早く耳を!」
拗ねるナヴィの顔を見たレミアが急かすように話し始める。
「う、うん」
「えー、実は姉さまの攻撃に………………」
レミアはナヴィの耳に手を当て作戦を伝える。
「え、レミアそれってもう……」
「はい。一か八かです」
「でもそれじゃ失敗したときに……」
「確実に成功する作戦は作戦とは言いません。それに……」
「ん?」
「今はリスクを考えるよりも、姉さまを倒したいという気持ちがどうしても先走ってくるんです」
レミアの曇りのない真っ直ぐにヴィオネットを見つめる瞳にナヴィの心が奪わた。
「レミア……」
「よし、分かった。やろう!」
「はい、お願いします!」
二人は拳を突き合わせる。
「お、なんだ終わったのか?」
「嘘……時間で言えば二分くらいだったのに。全快じゃないですか……」
ヴィオネットは待っていましたと言わんばかりに首の骨を鳴らす。
「さぁ、第二ラウンドだな」
「いいえ、その必要はありません」
ナヴィの前に立ち拳を構えるレミア。
「は? なんだとレミア」
「次の一撃で姉さまに勝たせてもらいます」
「……ふふ。面白いことを言うじゃねぇか。なら、やってみろぉ!」
ヴィオネットは左足を一歩引き、つま先が直角に曲がるほど踏み込みを見せた。
「「来た!」」
ナヴィとレミアはそれを見た瞬間、目を見開いた。
「はぁぁぁ!!」
「な、速い!?」
俺の初速の攻撃を狙って突っ込んできた!? スピードは完全に俺の方が上なのに……レミアが予測して動いてきたのか?
どういうことだ……。
「作戦通りねレミア」
ヴィオネットの視界の奥に、にやりと笑うナヴィの顔が目に入った。
「ナヴィか!?」
「いいえ! 違いますよ……これはレミアの作戦です」
「い、いやいやレミア! その作戦はあまりにも無謀すぎるわ!」
レミアの作戦に対し首を横に振るナヴィ。
「いえ、できます!」
「そんなのヴィオネさんに癖でもなきゃ見極められないでしょ?」
「はい、ですからその癖を狙うんです」
「え、分かったの?」
「確実ではありませんが、姉さまの初撃を狙います」
「初撃を……?」
「はい、姉さまの初撃の攻撃パターンは豊富にありますが、そこに向かうまでの動作は全て同じです」
「動作が同じ? どういうこと」
「私たちの戦い方は基本的には近接戦闘です。ですからどんな攻撃をするにも必ず距離を詰めなければいけないんです」
「言いたいことはわかるけど……それと癖とはどう関係して」
「いいですか、よく聞いてくださいね」
「姉さまのあの超スピードは魔法を掛けてそうなっているものではありません。類まれな身体能力で一瞬でゼロから最高速度まで持っていっています」
「確かに……あの距離の詰め寄りの速さは異常よね」
「人間は基本的に筋肉を使う時は緩やかに、山なりに力を使うものです。そうじゃない場合は必ず他の筋肉で少しずつ力を溜めてから実際の使う筋肉へとパワーを移行させています」
「えーっと、つまり、あの超スピードの突攻は必ずその前にどこかの筋肉に力を溜めて準備しているってこと?」
「その通りです。そして何十回も行った特訓と、今日の戦闘でその癖があるという可能性を見出しました」
「可能性って……絶対じゃないのね……」
「はい、多分姉さまもそれを理解していて攻撃のバリエーションを豊富にしてカモフラージュしながら行ってるみたいですね。まったく姉ながら本当に恐ろしい人です」
「じゃあレミアのやろうとしていることって……」
「はい、それは」
「な!?」
突攻を仕掛けレミアに拳を入れようと右手を引くヴィオネット。
しかしその目の前には既に突き出たレミアの拳があり、それが目と鼻の先の距離にあることに気づく。
「カウンターです!!!」
<ドラグレットブロー!!>
「今だ! アタックグロウ!」
それと同時にナヴィの杖が赤く光り出した。
レミア渾身の火炎の拳がヴィオネットの顔面を直撃する。
「ん、これは!? 感触が……?」
「甘いなレミア」
ヴィオネットの顔に無数の龍鱗が彼女を守るように覆っていた。
「俺の癖に気づいたことは褒めてやろう。だがお前にこの龍鱗は砕けない」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
「な!?」
諦めてない? まさか、お前は本当にその攻撃で俺の龍鱗を砕こうと……?
いくらナヴィの強化魔法があったとしてもそれだけでは。
「超える。私は、姉さまを!!」
「ねぇ、レミア?」
作戦を伝え終え、ナヴィから離れようとするレミア。
「はい?」
「作戦の内容は分かったけど。その、もしカウンターの条件が整ったとしてその一発で倒せなかったらどうするの?」
「そうですね……そうしたら」
「最後は力勝負です!! 姉さま!!」
「あははははは。おもしれぇ! 砕いてみやがれ! お前らの力で!!」
その後、交わる二つの力が大爆発を起こした。
「はい。姉さまを倒せる一回こっきりの作戦です」
「一回こっきり……」
「おいおい二人とも。話すのは勝手だがそれならそれでこっちも休ませてもらうぜ」
<ヒール!>
二人の話す様子を見ていたヴィオネットが自分に回復魔法を掛けた。
「あ、ちょっと、それずるいですよ!」
「るせぇ。こっちだって疲れてんだ! 好きにさせろ!」
「むー! 回復魔法も使うなんて聞いてないし……」
「ナヴィさん。大丈夫です。それよりも早く耳を!」
拗ねるナヴィの顔を見たレミアが急かすように話し始める。
「う、うん」
「えー、実は姉さまの攻撃に………………」
レミアはナヴィの耳に手を当て作戦を伝える。
「え、レミアそれってもう……」
「はい。一か八かです」
「でもそれじゃ失敗したときに……」
「確実に成功する作戦は作戦とは言いません。それに……」
「ん?」
「今はリスクを考えるよりも、姉さまを倒したいという気持ちがどうしても先走ってくるんです」
レミアの曇りのない真っ直ぐにヴィオネットを見つめる瞳にナヴィの心が奪わた。
「レミア……」
「よし、分かった。やろう!」
「はい、お願いします!」
二人は拳を突き合わせる。
「お、なんだ終わったのか?」
「嘘……時間で言えば二分くらいだったのに。全快じゃないですか……」
ヴィオネットは待っていましたと言わんばかりに首の骨を鳴らす。
「さぁ、第二ラウンドだな」
「いいえ、その必要はありません」
ナヴィの前に立ち拳を構えるレミア。
「は? なんだとレミア」
「次の一撃で姉さまに勝たせてもらいます」
「……ふふ。面白いことを言うじゃねぇか。なら、やってみろぉ!」
ヴィオネットは左足を一歩引き、つま先が直角に曲がるほど踏み込みを見せた。
「「来た!」」
ナヴィとレミアはそれを見た瞬間、目を見開いた。
「はぁぁぁ!!」
「な、速い!?」
俺の初速の攻撃を狙って突っ込んできた!? スピードは完全に俺の方が上なのに……レミアが予測して動いてきたのか?
どういうことだ……。
「作戦通りねレミア」
ヴィオネットの視界の奥に、にやりと笑うナヴィの顔が目に入った。
「ナヴィか!?」
「いいえ! 違いますよ……これはレミアの作戦です」
「い、いやいやレミア! その作戦はあまりにも無謀すぎるわ!」
レミアの作戦に対し首を横に振るナヴィ。
「いえ、できます!」
「そんなのヴィオネさんに癖でもなきゃ見極められないでしょ?」
「はい、ですからその癖を狙うんです」
「え、分かったの?」
「確実ではありませんが、姉さまの初撃を狙います」
「初撃を……?」
「はい、姉さまの初撃の攻撃パターンは豊富にありますが、そこに向かうまでの動作は全て同じです」
「動作が同じ? どういうこと」
「私たちの戦い方は基本的には近接戦闘です。ですからどんな攻撃をするにも必ず距離を詰めなければいけないんです」
「言いたいことはわかるけど……それと癖とはどう関係して」
「いいですか、よく聞いてくださいね」
「姉さまのあの超スピードは魔法を掛けてそうなっているものではありません。類まれな身体能力で一瞬でゼロから最高速度まで持っていっています」
「確かに……あの距離の詰め寄りの速さは異常よね」
「人間は基本的に筋肉を使う時は緩やかに、山なりに力を使うものです。そうじゃない場合は必ず他の筋肉で少しずつ力を溜めてから実際の使う筋肉へとパワーを移行させています」
「えーっと、つまり、あの超スピードの突攻は必ずその前にどこかの筋肉に力を溜めて準備しているってこと?」
「その通りです。そして何十回も行った特訓と、今日の戦闘でその癖があるという可能性を見出しました」
「可能性って……絶対じゃないのね……」
「はい、多分姉さまもそれを理解していて攻撃のバリエーションを豊富にしてカモフラージュしながら行ってるみたいですね。まったく姉ながら本当に恐ろしい人です」
「じゃあレミアのやろうとしていることって……」
「はい、それは」
「な!?」
突攻を仕掛けレミアに拳を入れようと右手を引くヴィオネット。
しかしその目の前には既に突き出たレミアの拳があり、それが目と鼻の先の距離にあることに気づく。
「カウンターです!!!」
<ドラグレットブロー!!>
「今だ! アタックグロウ!」
それと同時にナヴィの杖が赤く光り出した。
レミア渾身の火炎の拳がヴィオネットの顔面を直撃する。
「ん、これは!? 感触が……?」
「甘いなレミア」
ヴィオネットの顔に無数の龍鱗が彼女を守るように覆っていた。
「俺の癖に気づいたことは褒めてやろう。だがお前にこの龍鱗は砕けない」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!」
「な!?」
諦めてない? まさか、お前は本当にその攻撃で俺の龍鱗を砕こうと……?
いくらナヴィの強化魔法があったとしてもそれだけでは。
「超える。私は、姉さまを!!」
「ねぇ、レミア?」
作戦を伝え終え、ナヴィから離れようとするレミア。
「はい?」
「作戦の内容は分かったけど。その、もしカウンターの条件が整ったとしてその一発で倒せなかったらどうするの?」
「そうですね……そうしたら」
「最後は力勝負です!! 姉さま!!」
「あははははは。おもしれぇ! 砕いてみやがれ! お前らの力で!!」
その後、交わる二つの力が大爆発を起こした。
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