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第十二章 ナヴィとグローリア案内所
228.勝敗
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「うっ! 二人とも凄い力……前が見えない!」
ナヴィは二人のぶつかり合う力に吹き飛ばされないよう杖を地面に突き刺し必死にそれにしがみついていた。
「はぁぁぁぁぁ!」
「あぁぁぁぁぁ!」
二人のぶつかり合った力が大爆発を起こし、辺り一帯が煙で包み込まれた。
「ゲホッゲホッ……レミア……ヴィオネさん。うーん煙で前が見えないなぁ。まさか二人とも塵になっちゃってとかないよね?」
ナヴィは煙で視界が遮られつつも二人の様子を確認しようと、少しずつ近づいていた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ぐっぐ、ぐ、ぐ」
見えないながらも二人の声に気づくナヴィ。
「レミア、ヴィオネさん! いるの?」
「ナヴィか、早く、早く助けろ」
「え、ヴィオネさん? はい!」
ヴィオネットは苦しそうな声を上げ、ナヴィに助けを求めた。
「煙も晴れてきた……ヴィオネさん!? ってレミア!」
「ハァ、ハァ、ハァ」
「ゲホッゲホッ」
煙が晴れナヴィの視界に入ってきたのは、力尽きて倒れているヴィオネットとそれに馬乗りし、首を絞めているレミアだった。
「レミア何してるの!! 早く離れて!」
「だめだ……こいつは今意識を失ってる! がはっ!」
レミアの身体を後ろから掴み引っ張るナヴィ。
「は、な、れ、な、さ、いー!」
レミアのバーサーク状態の力に手も足も出ないのは必然だった。
意識が朦朧としてきているヴィオネットは偶然ナヴィの杖が目に入った。
「ナ、ナヴィ! ヒ<ヒール>だ!」
「え!? ヴィオネさんに!? 今はそんなことしている場合じゃ……」
「ち、ちがう、レミ、アにだ」
「え、なんで……?」
ヴィオネットの言葉に動揺するナヴィが数秒レミアを観察した。
レミアの身体は昨日と同等かそれ以上の怪我の仕方……。これを治したらレミアの力が戻っちゃう。そしたらヴィオネさんが。
いや……違う。
そうか!
ナヴィは引っ張っていたレミアから手を放し、杖を持つ。
「ヴィオネさん待っていてくださいね!」
「は、早くしろぉ!!」
「ハァ、ハァ、ハァ」
「今やります! とっておきの<ヒール>で!」
回復魔法はその対象の生命エネルギーを治癒する分消費する。
言うなれば負った怪我がひどければひどいほど生命エネルギーを消費するということ。
今のレミアならそのエネルギーの消費量は膨大なはず。
「はぁぁぁぁぁぁ!」
<セイクリッドヒール!!>
「ハァ、ハァ、ハァ……」
レミアの身体が緑色に輝き、ナヴィの回復魔法による治癒が始まった。
そしてレミアの首を絞めつける力がそれに反比例するかのようにが緩んでいった。
「ぐぐ、よし! いい加減にしやが、れ!」
ヴィオネットの抜けていた力が元に戻りレミアを勢いよく横にのけた。
「ヴィオネさん! 大丈夫ですか!?」
「緩めるな! まだ掛け続けてろ」
「は、はい!」
ナヴィが回復魔法を続けていると、レミアの身体はバーサーク状態から元の姿へと徐々に戻っていった。
「ハァ、ハァ、ハぁ、はぁ、あれ……私、姉さま!?」
「げほっ、げほっ、気を取り直したか、レミア」
目が覚めたレミアの目の前には、服も体もボロボロな状態で膝を着き、首を押さえ呼吸を整えていたヴィオネットがいた。
「姉さま……あれ、私……今、そういえばナヴィさんは?」
「あのヴィオネさん。レミアがやったんだよ」
「私……が?」
「えぇ、まぁ最後はちょいひやひやする展開だったけどね」
「そういえば、最後の一撃の時。私姉さまのアナザーフォームと少し似たような状態に……」
「あぁ、あれは間違いなく俺と同じものだった」
呼吸を整えながら話始めるヴィオネット。
「姉さま。今治療を!」
「いい、俺は大丈夫だ。それより……」
ヴィオネットは立ち上がり、レミアにゆっくりと抱き着いた。
「お前の勝ちだ。レミア」
「え、私が、姉さまに……?」
「あぁ……」
その言葉にレミアの涙腺が緩むもすぐにそれを否定した。
「でも、私。ナヴィさんと一緒でようやく姉さまに並んだだけで……私一人で姉さまを超えたわけでは」
「ふふ、やっぱ気づいてなかったんだな」
「え?」
「言ってもいいんじゃないか、ナヴィ」
「……」
ヴィオネットは困惑するレミアを尻目にナヴィに微笑みかけた。
「気づいていたんですか? ヴィオネさん」
「まぁな、レミアの攻撃を受けきった後にだが」
「あははは」
「たく。変なことしやがって」
照れながら頬を掻くナヴィの姿にキョトンとするレミア。
「あの……意味が分かってないのですが」
「あーんーとね。これ自分で言うのすごく恥ずかしいんですけど……」
ナヴィはレミアの問いに対し、自分で答えたくないという視線をヴィオネットに向けるも、ヴィオネットは知らんぷりをするかのように顔を逸らした。
「むー。はーっ。えっとねレミア」
「……はい」
「さっきヴィオネさんに言ってたよね。『私一人で姉さまを超えたわけではない』って」
「は、はぁ」
「でもね。あなたは超えたんだよ。一人で」
「え、それってどういうことでしょうか?」
「あーんーもうやっぱり恥ずかしいなぁ」
恥ずかしそうに頭をガシガシと掻いているナヴィの姿にヴィオネットは鼻で笑い、代わりに説明を始める。
「こいつはな。お前の作戦? だった渾身のカウンターからの一撃。その瞬間にナヴィに強化魔法を掛けてもらって威力を一気に上げて一発で倒すって感じだっただろう」
「は、はい。よくそこまで見抜いて……でもそれが関係あるんですか?」
「その時に掛けてないんだよ。こいつは」
「はい? え?」
「だからこいつがやったのは<アタックグロウ>を掛けるふり、だったんだぜ」
ナヴィは二人のぶつかり合う力に吹き飛ばされないよう杖を地面に突き刺し必死にそれにしがみついていた。
「はぁぁぁぁぁ!」
「あぁぁぁぁぁ!」
二人のぶつかり合った力が大爆発を起こし、辺り一帯が煙で包み込まれた。
「ゲホッゲホッ……レミア……ヴィオネさん。うーん煙で前が見えないなぁ。まさか二人とも塵になっちゃってとかないよね?」
ナヴィは煙で視界が遮られつつも二人の様子を確認しようと、少しずつ近づいていた。
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ぐっぐ、ぐ、ぐ」
見えないながらも二人の声に気づくナヴィ。
「レミア、ヴィオネさん! いるの?」
「ナヴィか、早く、早く助けろ」
「え、ヴィオネさん? はい!」
ヴィオネットは苦しそうな声を上げ、ナヴィに助けを求めた。
「煙も晴れてきた……ヴィオネさん!? ってレミア!」
「ハァ、ハァ、ハァ」
「ゲホッゲホッ」
煙が晴れナヴィの視界に入ってきたのは、力尽きて倒れているヴィオネットとそれに馬乗りし、首を絞めているレミアだった。
「レミア何してるの!! 早く離れて!」
「だめだ……こいつは今意識を失ってる! がはっ!」
レミアの身体を後ろから掴み引っ張るナヴィ。
「は、な、れ、な、さ、いー!」
レミアのバーサーク状態の力に手も足も出ないのは必然だった。
意識が朦朧としてきているヴィオネットは偶然ナヴィの杖が目に入った。
「ナ、ナヴィ! ヒ<ヒール>だ!」
「え!? ヴィオネさんに!? 今はそんなことしている場合じゃ……」
「ち、ちがう、レミ、アにだ」
「え、なんで……?」
ヴィオネットの言葉に動揺するナヴィが数秒レミアを観察した。
レミアの身体は昨日と同等かそれ以上の怪我の仕方……。これを治したらレミアの力が戻っちゃう。そしたらヴィオネさんが。
いや……違う。
そうか!
ナヴィは引っ張っていたレミアから手を放し、杖を持つ。
「ヴィオネさん待っていてくださいね!」
「は、早くしろぉ!!」
「ハァ、ハァ、ハァ」
「今やります! とっておきの<ヒール>で!」
回復魔法はその対象の生命エネルギーを治癒する分消費する。
言うなれば負った怪我がひどければひどいほど生命エネルギーを消費するということ。
今のレミアならそのエネルギーの消費量は膨大なはず。
「はぁぁぁぁぁぁ!」
<セイクリッドヒール!!>
「ハァ、ハァ、ハァ……」
レミアの身体が緑色に輝き、ナヴィの回復魔法による治癒が始まった。
そしてレミアの首を絞めつける力がそれに反比例するかのようにが緩んでいった。
「ぐぐ、よし! いい加減にしやが、れ!」
ヴィオネットの抜けていた力が元に戻りレミアを勢いよく横にのけた。
「ヴィオネさん! 大丈夫ですか!?」
「緩めるな! まだ掛け続けてろ」
「は、はい!」
ナヴィが回復魔法を続けていると、レミアの身体はバーサーク状態から元の姿へと徐々に戻っていった。
「ハァ、ハァ、ハぁ、はぁ、あれ……私、姉さま!?」
「げほっ、げほっ、気を取り直したか、レミア」
目が覚めたレミアの目の前には、服も体もボロボロな状態で膝を着き、首を押さえ呼吸を整えていたヴィオネットがいた。
「姉さま……あれ、私……今、そういえばナヴィさんは?」
「あのヴィオネさん。レミアがやったんだよ」
「私……が?」
「えぇ、まぁ最後はちょいひやひやする展開だったけどね」
「そういえば、最後の一撃の時。私姉さまのアナザーフォームと少し似たような状態に……」
「あぁ、あれは間違いなく俺と同じものだった」
呼吸を整えながら話始めるヴィオネット。
「姉さま。今治療を!」
「いい、俺は大丈夫だ。それより……」
ヴィオネットは立ち上がり、レミアにゆっくりと抱き着いた。
「お前の勝ちだ。レミア」
「え、私が、姉さまに……?」
「あぁ……」
その言葉にレミアの涙腺が緩むもすぐにそれを否定した。
「でも、私。ナヴィさんと一緒でようやく姉さまに並んだだけで……私一人で姉さまを超えたわけでは」
「ふふ、やっぱ気づいてなかったんだな」
「え?」
「言ってもいいんじゃないか、ナヴィ」
「……」
ヴィオネットは困惑するレミアを尻目にナヴィに微笑みかけた。
「気づいていたんですか? ヴィオネさん」
「まぁな、レミアの攻撃を受けきった後にだが」
「あははは」
「たく。変なことしやがって」
照れながら頬を掻くナヴィの姿にキョトンとするレミア。
「あの……意味が分かってないのですが」
「あーんーとね。これ自分で言うのすごく恥ずかしいんですけど……」
ナヴィはレミアの問いに対し、自分で答えたくないという視線をヴィオネットに向けるも、ヴィオネットは知らんぷりをするかのように顔を逸らした。
「むー。はーっ。えっとねレミア」
「……はい」
「さっきヴィオネさんに言ってたよね。『私一人で姉さまを超えたわけではない』って」
「は、はぁ」
「でもね。あなたは超えたんだよ。一人で」
「え、それってどういうことでしょうか?」
「あーんーもうやっぱり恥ずかしいなぁ」
恥ずかしそうに頭をガシガシと掻いているナヴィの姿にヴィオネットは鼻で笑い、代わりに説明を始める。
「こいつはな。お前の作戦? だった渾身のカウンターからの一撃。その瞬間にナヴィに強化魔法を掛けてもらって威力を一気に上げて一発で倒すって感じだっただろう」
「は、はい。よくそこまで見抜いて……でもそれが関係あるんですか?」
「その時に掛けてないんだよ。こいつは」
「はい? え?」
「だからこいつがやったのは<アタックグロウ>を掛けるふり、だったんだぜ」
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