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     第二十一章

結局、三人に怒られました

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 二学期始まって二日目。僕は大胆な登校をしました。
若干バトルアニメみたいに窓の近くにある棒を使って登り教室に着きました。僕は昔から身体能力や運動能力が優れていたので、こういう事を昔からしていたので簡単登れました。

 そして今、僕は三人に説教が混じった質問を受けています。いつもなら、普通に回避できる所を紀伊名が余計な一言を入れて説教されていたり、質問されたりのいわゆるループに遭っていました。

「それで?他に言いたい事は?」

「ありません」

言ったところでまた、何か言われそうだったのでやめた。

「許して欲しい?」

「許して欲しいです。女神様方」

なぜか、今はこの三人の事を女神様と呼ぶ様になった。

「そうねー。ゴールデンウィークに昔アンタがいた所に連れて行ってくれたら許す」

「丁度良かった。可奈さんに挨拶に行こうと思っていた所なんだ。紀伊名と一緒に」

あ、今度は僕が口を滑らした。終わった。

「追加!その後、あんたの家に私達三人を泊める事!」

「分かりました。女神様方」

あーあ。
まーた、面倒な事に。
紀伊名は大丈夫かな?

学校が終わって、紀伊名の家に荷物を取りに行こうとしたら美優達が止めてきた。
流石にこれ以上は隠し切れないので、朝と同じ様に紀伊名を抱えて走った。
紀伊名のナビにしたがって走って紀伊名の家までやっと着いた。

「涼ちゃん大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫」

「それより、荷物を運ぼう。今必要なものを選んでこの箱に入れて」

「うん。分かったー」

初めて紀伊名の家に来たけど、服と教科書、机以外何も無いな。
ゴミをちゃんと出してるみたいだし。

「出来たよ!」

「それじゃあ、帰ろうか」

「そうだねー」

ゴールデンウィークか、まあ可奈さんにお礼とかしたかったし丁度良いな。変な誤解されなかったらいいけど。

「そういえば、涼ちゃん家のお金どうしてるの?」

「毎月、父さんのお母さん。おばさんが振り込んでくれてるからお金の心配は無かったんだ」

「そうだったんだね!私、涼ちゃんが悪い事してお金を持ってるのと思ってた」

「紀伊名から見て僕はそんな風に見えてたんだね」

はっきり言ってショックだった。
いやまあいいんだけどね!
紀伊名はこんな事平然と言うって子だと知ってるからいいんだけど。
やっぱりショックだ。

「もう着いた。何か早く感じたな」

「そう?私は長く感じたよ?」

「中に入ろう。夕飯の準備もしないと」

「私も手伝うよ!」

「その気持ちだけで充分だよ」

また朝みたいな事になったら大変だから。
でも、何かしたそうだし紀伊名でもできそうな事といえば……。

「じゃあ、風呂場の掃除お願い。ついでにお湯も入れといて」

「了解!」

にしても、なんであの三人は昔僕と紀伊名がいた孤児院に行きたがってたんだろう?よく分からん。

夕飯を食べ終わり、紀伊名は風呂。
僕は稽古をしていた。今は経験が浅いので、いざとなって使えるかどうかまだ分からない。
でも、少しは強くなった気がする。ほんの少しだけ。

そして次の日の朝、昨日と同じ様な朝だった。でも、紀伊名がドジを踏む事が無かった野で、遅刻はなさそうだ。そう思っていると、家のチャイムが鳴ったので、誰かと思って見てみると。

                     続く……
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