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     第二十六章

同居してる事がバレて

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 今日の朝は、色々な事があって正直自分でも驚いている。朝起きたら楓が朝食を作っていて、紀伊名がお姫様だっこしながら登校を望んだので、僕はその望み通り学校まで登校した。

「涼平!」

「美優。おはよう」

「うんおはよう。じゃない!」

 何だ?今日の美優は何かおかしい。
えっと?楓が笑ってる。っという事は、楓まさか!

「涼平、楓とも暮らしてるって本当?」

 やっぱり、その話になるか!
口止めをしていた事はバレてないけど、その話題を口止めしていない。
楓の事だから、少し自慢気に言ったんだろう。言い方を変えたら誰でも今の美優みたいになる。

「楓が、家出したって言うから預かってるだけで」

「なんで楓はいいの?」

「美優さん忘れたの?家出なら涼平君の家に泊まってもいいって言ってたじゃない」

「そうなの?」

 おいおい、本当に忘れてるのか。
まぁ、事実だけども。なんか今日の夕方に美優が家出してきたって言って、僕の家に来そうだ。

「そうだよ。本当に忘れたの?」

「そう。なら仕方ないわね」

はい。また一人僕の家に家出人が増えました。
もう分かる。美優がこんな簡単に引き下がる訳が無い。
という事は今日、家出してきたという理由をつけて来るだろう。

そうして、学校が終わり家に戻るとなぜか美優まで付いて来ていた。

「美優?何してるの?」

「家出だけど?」

家出って、普通親と喧嘩して出て来るものじゃ無いのか?
でもそう考えると、楓も家出じゃない様な。
美優の親なら、すぐに電話が来て美優を連れて帰るだろう。

「美優、寝るんなら楓と同じ部屋で寝てよ。もう部屋がないから」

「涼平と同じ部屋はダメなの?」

「ダメだよ」

「分かった」

そういえば、明後日からゴールデンウィークか。
皆で可奈さんの所に行くって言ってたな。
もしかして美優、それを知ってて?

「じゃあ、紀伊名は風呂のお湯を楓は…洗濯物を取り込んで、美優は洗濯物をたたんどいて」

「涼平、凄いわね。指揮官みたい」

そりゃもう慣れましたから。
この家出人が来てから、何回か指揮はとってたから。
それじゃあ、料理を作り始めようかな。人数が増えると食材も少なくなってくるな。旅行から帰ってきた時に買い物してから帰ろう。

「はい、料理出来たよ」

「流石涼平。うまいわね」

「そりゃどうも。いただきます」

「いただきます」

なんか人が増えて、この家も賑やかになってきたな。

「よし。じゃあ楓、美優達よろしく」

「うん…」

「そんな悲しそうな顔しなくても、戻ってくるから」

そう、帰ってこないと今までの努力が水の泡だからな。
おっ!また警察か。犯人逮捕を協力しようかな?
いたいた。今日は二人か、充分かな。

「お二人さん!今捕まっといた方が、痛い目みなくてすむよ?」

「誰だ!」

「ただの高校生ですよ!次!」

「くそっ、ガキがー!」

だから、言ったのに、捕まっといた方がいいって。
そうしてると、警察官がやって来た。

「警察の人達の達ですね。犯人気絶させときましました」

「君、これを」

「手錠?まさか、僕を捕まえるんですか?」

「違うよ、今日みたいに警察官待ってたら犯人に逃げられるかも知れないだろ?だから、捕まえといてくれないかな?」

「分かりました!」

手錠なんて初めて使うけど。大丈夫かな?うまく出来るかな?今日はとりあえず帰ろう。

「ただいまーっと。うおっ!楓?」

「五分オーバーだけど?」

「すいません。警察の人と話を…。いや何でもない!」

「今、何を言いかけたの?言って」

「犯人逮捕したから、手錠をくれたんだよ。またこんな事があった時の為に」

「無茶してない?」

「してないよ」

「それならいいけど」

楓は悲しそうな顔をして、部屋に戻った。
明日学校に行く時、ちょっと話しながら行こうかな?
                      続く……
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