6 / 29
第九章
彼女をまた抱きしめる事になった
しおりを挟む
コンコンっと鳴って入ってきたのは、舞だけだった。この順番だと、最後は美優かな?
そんな事を考えていると、予想はついていたが楓よりも暗く、悲しげな顔をしていた。
「そんなとこに立ってないでこっちに来て座ったら?」
こんな顔にしたのは紛れも無い。この僕だ。
僕が、この子から笑顔を奪ったんだ。
「ねぇ舞?あれから、歌ってる時とか楽しい?悲しい事とかない?」
悲しい事となら今、あるじゃないか。今ここに。
「ありますよ。楓さんから話は聞きました。どうしてあんな事をしたのか」
本当なら今すぐにでも泣きたいはずなのに、我慢して僕を困らせない様にしてるんだ。
「舞。ちょっと僕の側に来てくれないかな?」
「なんですか?」
僕はぎゅっと抱きしめた。僕のせいで舞を…いや楓やきっと美優もこんな顔をしてるんだろうな。
「ちょっと、離してください!」
「舞?無理しなくても良いよ?」
そう言うと、舞は泣きながら僕にこう言った。
「先輩は馬鹿なんですか?死ぬかもしれないのにこんな真似して。残った私達の身にもなって下さい!」
また言われた。
楓の次は舞か。
「確かに、悪かったと思ってる。でもね、もしあの時引いてたら犯人逃げてただろ?だから…」
「それでも!自分の命くらい大切にして下さい!
刺さる所が悪かったら、死んでたかもしれないんですよ?」
それもそうだ。でも、人を特に大切な人を守れるのなら、死んだ時は本望かもしれない。
「舞?一つ聞いていいかな?」
舞は涙をぐいっと拭って「何でしょう?」と顔を上げた。
「舞は、僕が死んだら悲しむかい?」
「もちろんです!だから今後こんな真似しないで下さい」
だけど、人はいずれ大切な人が死んでも、忘れる事があるだろう。舞は僕の事、忘れないかな?
誰かを亡くして、悲しい思いをするか、それとも危ない真似をして生きているか、舞はどっちがいいかな?
「舞は……いや、何でもない」
「何なんですか?変な先輩ですね。おっと今日はもう失礼します。ちょっと用があるので」
「うん。また来なよ?」
舞は「はい!」と笑顔で言いながら、病室を出て行った。
そういえば、今何時だ?
時計を見ると、五時三十分だった。確か、楓が帰ったのもこんな時間だったかな?何かを…って考え過ぎかな?とりあえず、本でも読むか。
次の日の夕暮れ時、今日は誰も来なかった。案外、美優が来ると思っていたが思い違いだったらしい。結局、トレーニングが出来たのは、ほんの三十分。
流石に看護師さんに一時間も付き合わせる訳にもいかないので、三十分にした。そして今の状況にあたる。やっぱり誰もいないとこんなにも静かだったんだな。美優と楓が言い争いをしてたらこの病室はきっと、静かじゃなかっただろうに。
さてと、暇だしちょっとだけ、腹筋でもしようかな?バレない程度に。足音が聞こえたらやめればいいんだ。そうしよう。
と思いながらも、呆気無く失敗に終わって、正座をさせられながら、お説教をさせられた。
「高野さん?私、あの時言いましたよね?ここではなく、トレーニングルームでと」
「いや、あのーそのですね?暇だったのでご飯の時間までまだあるから、腹筋でもしようかなーっと考えた訳ですよ」
ああダメだ。僕はこの人には勝てない。
それにしてもタイミング良すぎでしょ!
百目か!この人は!
「それでは、明日はトレーニングルーム行きは無しです!いいですね?」
「そんな殺生な」
「いいですね?」
「はい。すいませんでした」
はぁ、足が痺れて立てない。何時間お説教されたんだろう?えっと確かあの時の時間は五時だったかな?それで今の時間が、六時三十分!一時間三十分もお説教させられてたのか僕は。
流石女性ですね、話が長い!ある意味これってトレーニング何じゃ…ってないか。
別に、看護師さんじゃなくても、誰か来てくれればいいんじゃ?あの時の意味はそういうことだったのか。だったら、明日誰か来てくれるのを期待しよう! 続く…
そんな事を考えていると、予想はついていたが楓よりも暗く、悲しげな顔をしていた。
「そんなとこに立ってないでこっちに来て座ったら?」
こんな顔にしたのは紛れも無い。この僕だ。
僕が、この子から笑顔を奪ったんだ。
「ねぇ舞?あれから、歌ってる時とか楽しい?悲しい事とかない?」
悲しい事となら今、あるじゃないか。今ここに。
「ありますよ。楓さんから話は聞きました。どうしてあんな事をしたのか」
本当なら今すぐにでも泣きたいはずなのに、我慢して僕を困らせない様にしてるんだ。
「舞。ちょっと僕の側に来てくれないかな?」
「なんですか?」
僕はぎゅっと抱きしめた。僕のせいで舞を…いや楓やきっと美優もこんな顔をしてるんだろうな。
「ちょっと、離してください!」
「舞?無理しなくても良いよ?」
そう言うと、舞は泣きながら僕にこう言った。
「先輩は馬鹿なんですか?死ぬかもしれないのにこんな真似して。残った私達の身にもなって下さい!」
また言われた。
楓の次は舞か。
「確かに、悪かったと思ってる。でもね、もしあの時引いてたら犯人逃げてただろ?だから…」
「それでも!自分の命くらい大切にして下さい!
刺さる所が悪かったら、死んでたかもしれないんですよ?」
それもそうだ。でも、人を特に大切な人を守れるのなら、死んだ時は本望かもしれない。
「舞?一つ聞いていいかな?」
舞は涙をぐいっと拭って「何でしょう?」と顔を上げた。
「舞は、僕が死んだら悲しむかい?」
「もちろんです!だから今後こんな真似しないで下さい」
だけど、人はいずれ大切な人が死んでも、忘れる事があるだろう。舞は僕の事、忘れないかな?
誰かを亡くして、悲しい思いをするか、それとも危ない真似をして生きているか、舞はどっちがいいかな?
「舞は……いや、何でもない」
「何なんですか?変な先輩ですね。おっと今日はもう失礼します。ちょっと用があるので」
「うん。また来なよ?」
舞は「はい!」と笑顔で言いながら、病室を出て行った。
そういえば、今何時だ?
時計を見ると、五時三十分だった。確か、楓が帰ったのもこんな時間だったかな?何かを…って考え過ぎかな?とりあえず、本でも読むか。
次の日の夕暮れ時、今日は誰も来なかった。案外、美優が来ると思っていたが思い違いだったらしい。結局、トレーニングが出来たのは、ほんの三十分。
流石に看護師さんに一時間も付き合わせる訳にもいかないので、三十分にした。そして今の状況にあたる。やっぱり誰もいないとこんなにも静かだったんだな。美優と楓が言い争いをしてたらこの病室はきっと、静かじゃなかっただろうに。
さてと、暇だしちょっとだけ、腹筋でもしようかな?バレない程度に。足音が聞こえたらやめればいいんだ。そうしよう。
と思いながらも、呆気無く失敗に終わって、正座をさせられながら、お説教をさせられた。
「高野さん?私、あの時言いましたよね?ここではなく、トレーニングルームでと」
「いや、あのーそのですね?暇だったのでご飯の時間までまだあるから、腹筋でもしようかなーっと考えた訳ですよ」
ああダメだ。僕はこの人には勝てない。
それにしてもタイミング良すぎでしょ!
百目か!この人は!
「それでは、明日はトレーニングルーム行きは無しです!いいですね?」
「そんな殺生な」
「いいですね?」
「はい。すいませんでした」
はぁ、足が痺れて立てない。何時間お説教されたんだろう?えっと確かあの時の時間は五時だったかな?それで今の時間が、六時三十分!一時間三十分もお説教させられてたのか僕は。
流石女性ですね、話が長い!ある意味これってトレーニング何じゃ…ってないか。
別に、看護師さんじゃなくても、誰か来てくれればいいんじゃ?あの時の意味はそういうことだったのか。だったら、明日誰か来てくれるのを期待しよう! 続く…
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
昔好きだったお姉さんが不倫されたので落としに行ったら後輩からも好かれていた
九戸政景
恋愛
高校三年生の柴代大和は、小学校一年生の頃からの付き合いである秋田泰希の姉である夕希に恋心を抱いていたが、夕希の結婚をきっかけに恋心を諦めていた。
そして小学生の頃の夢を見た日、泰希から大和は夕希の離婚を伝えられ、それと同時にある頼みをされる。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
一条さん結婚したんですか⁉︎
あさとよる
恋愛
みんなの憧れハイスペックエリートサラリーマン『一条 美郷(※超イケメン)』が、結婚してしまった⁉︎
嫁ラブの旦那様と毒舌地味嫁(花ちゃん)....とっ!その他大勢でお送りしますっ♡
((残念なイケメンの一途過ぎる溺愛♡))のはじまりはじまり〜
⭐︎本編は完結しております⭐︎
⭐︎番外編更新中⭐︎
SSS級の絶世の超絶美少女達がやたらと俺にだけ見え見えな好意を寄せてくる件について。〜絶対に俺を攻略したいSSS級の美少女たちの攻防戦〜
沢田美
恋愛
「ごめんね、八杉くん」
中学三年の夏祭り。一途な初恋は、花火と共に儚く散った。
それ以来、八杉裕一(やすぎ・ゆういち)は誓った。「高校では恋愛なんて面倒なものとは無縁の、平穏なオタク生活を送る」と。
だが、入学した紫水高校には《楽園の世代》と呼ばれる四人のSSS級美少女――通称《四皇》が君臨していた。
• 距離感バグり気味の金髪幼馴染・神行胱。
• 圧倒的カリスマで「恋の沼」に突き落とす銀髪美少女・銀咲明日香。
• 無自覚に男たちの初恋を奪う、おっとりした「女神」・足立模。
• オタクにも優しい一万年に一人の最高ギャル・川瀬優里。
恋愛から距離を置きたい裕一の願いも虚しく、彼女たちはなぜか彼にだけ、見え見えな好意を寄せ始める。
教室での「あーん」に、放課後のアニメイトでの遭遇、さらには女神からの「一緒にホラー漫画を買いに行かない?」というお誘いまで。
「俺の身にもなれ! 荷が重すぎるんだよ!」
鋼の意志でスルーしようとする裕一だが、彼女たちの純粋で猛烈なアプローチは止まらない。
恋愛拒否気味な少年と、彼を絶対に攻略したい最強美少女たちの、ちょっと面倒で、でも最高に心地よい「激推し」ラブコメ、開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる