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第四章 波乱の学園生活
78 提示された選択肢
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学園の門の方が騒がしくなり、すぐに陛下とバルハルト公とジェン公が、医務室に入ってきた。
バルハルト公とジェン公が、ジークハルトのベットの横に立ち彼の顔を覗き込んだ。
僕は少し体をずらしたのだが、ジークハルトの手が離れないので本当に少しずれただけになってしまった。
バルハルト公は、その様子をみると少し苦笑してベットの反対側に移動した。
ジェン公が、鑑定を使いジークハルトの様子を再度確認しているようだった。
バルハルト公は、陛下と二三何か言葉を交わしてから口を閉じる。
ジェン公はため息をついた。
「王家の毒で間違いない。今、こいつが命があるのは…ラスティのおかげだな。」
陛下は、すまないと小さく呟く。
「エスターの従者の仕業だ…私がエスターにきちんと向き合えていたなら…ジークをこんな目には…。」
ジェン公は肩をすくめた。
「王子という称号をこの子が得てから覚悟の上のことだ…お前の所為もエスターの所為でもないさ。教会が動き出した…まず、ジークをやつらが狙ったことは幸運だったと思おう。この子だから命があった。他の子だったら…今頃亡骸を抱いて泣いていたろ頃だろう。まぁ…だからと言って犯人は、許さないけどな。俺…私の子をこんな目に合わせたんだからな。」
陛下は、少しだけ考えると後ろに控えていたロイスに声をかける。
「すまない、ロイス…入り口を守ってくれないか。これから…少し極秘の話をする。結界を張るが誰もここにいれないように頼む。」
ロイスは、はいと頷くと外に出た。
バルハルト公が念のためにと探索の魔法を使用した。
盗聴などを警戒してのようだ。
バルハルト公が陛下に頷く。
陛下が、呪文を唱え結界を張った。
それから陛下は、カーテンを閉めてから僕の方を見る。
「ジークに使われた毒は、王族が死ぬために作られているだけあってかなり強力なものだ。ジークはこのままだと立つこともできないくらいの後遺症が残ると思う。」
バルハルト公とジェン公が悲し気に頷く。
僕は唇を噛みしめた。
もっとはやく気が付いていたら。
リノに気を取られずに早く薬を飲ませていたら。
僕の考えなどお見通しだったのだろう。
ジェン公がお前の所為ではないよと僕の頭をぐりぐりと撫でた。
「ラスティには、ここで一つ…選択してほしい。」
陛下の言葉に僕は顔を上げる。
「…ジークを治療するか、このままにするかだ。」
僕は、目を丸くする、
そんなことは選択にはならない。
そう言おうとした僕をジェン公が止めた。
「何を言っているのだと思うだろうけど…先日話をしただろう?」
御伽噺についてだとジェン公は言う。
バルハルト公は、自分にはよく理解できていないのでなと少し不満げにつぶやいている。
僕にもよくわからない。
それがどうしてそんな選択になるのかが。
陛下は、苦く笑う。
「ジークを助けるためには…ラスティの神力が必要だ。リオンに神力がなく…次の聖者が現れていない。教会は聖者は唯一無二だと思っているから。現れない可能性として、彼らは王家に聖者がいると考えているのだと思う。王家の聖者は教会の聖者とは別だとは彼らは知らない。いや…知っていても信じない。そして…そういう者にとっての王家の聖者は邪魔なんだ。王家に聖者がいるかどうか確認するために。第二王子のジークハルトが現在一番王位継承権に近いから、排除も兼ねてだろうけど。リノはおそらく教会の誰かにそそのかされたのだろう。その誰かは…まだ特定できていない…情けないことだがね…。」
つまり…ジークハルトを治療する方法はある。
けれど、それには神力が必要で、ジークハルトが治ったということは、神力の使い手が王家にいるということ。
「でも…陛下も使えますよね?」
陛下は、うんと頷く。
「けど、私の力だけではジークハルトを完全に治すのは無理だ。教会は私の力は把握している。ジークハルトの状態を治したという事は…私以上の神力を持つ者がいるということになる…。ジークハルトの治療には…ラスティの力が必要だ。」
ジークハルトを治すということは、王家に聖者クラスの神力を使えるものがいるということ。
王家に聖者がいることを教会は嫌う。
僕を亡き者にするために、教会が命を狙う可能性があるということなのだろう。
御伽噺が本当ならば、僕の死は世界の崩壊を早めるが可能性がある。
実際繰り返しの生でのリオンの試練はそこから始まるから御伽噺と言って馬鹿にはできない。
リノの言った言葉、リオンが気に入っているから僕はしかたなく狙わなかったという趣旨のことを言っているということはリノが教会の教えを重視しているのだろうというのはわかる。
けどだ…。
リノはそれでもエスターの、王家の王子の従者だ。
教会が関わっていると確定するのは少し早い気もする。
教会がらみの人間が原因で僕は死んでいるから、可能性は高いけど、ここで教会だと絞ってしまうのも危険な気がする。
とはいっても、ジークハルトを治療すれば、何かしらのものに狙われる可能性は増えるのは確定だろう。
ジークハルトを
治療する ←
治療しない
そんな選択肢が僕の目の前にあるということなのだ。
まぁ…そんな選択一択ではないか?
ジークハルトは、僕にとって家族同然。
それに、守ると約束したばかりだ。
僕は陛下を見る。
「治療には、どうしたらいいですか?」
ジェン公は、複雑そうな表情をした。
息子を治したいけれど、僕のことも守りたい。
バルハルト公は、安堵しているようだった。
彼は、きっと僕に危険な目に合わないように守ればいいと結構単純に思っているのだと思う。
そういうものでもないが、まっすぐなバルハルト公に少し安心してしまう。
陛下は、少し悲し気な顔をしていた。
「うん…まぁ…わかっていたことだけども……ね…。」
そう言って陛下は、僕の手と握っているジークハルトの手を包み込むように自分の手を重ねた。
バルハルト公とジェン公が、ジークハルトのベットの横に立ち彼の顔を覗き込んだ。
僕は少し体をずらしたのだが、ジークハルトの手が離れないので本当に少しずれただけになってしまった。
バルハルト公は、その様子をみると少し苦笑してベットの反対側に移動した。
ジェン公が、鑑定を使いジークハルトの様子を再度確認しているようだった。
バルハルト公は、陛下と二三何か言葉を交わしてから口を閉じる。
ジェン公はため息をついた。
「王家の毒で間違いない。今、こいつが命があるのは…ラスティのおかげだな。」
陛下は、すまないと小さく呟く。
「エスターの従者の仕業だ…私がエスターにきちんと向き合えていたなら…ジークをこんな目には…。」
ジェン公は肩をすくめた。
「王子という称号をこの子が得てから覚悟の上のことだ…お前の所為もエスターの所為でもないさ。教会が動き出した…まず、ジークをやつらが狙ったことは幸運だったと思おう。この子だから命があった。他の子だったら…今頃亡骸を抱いて泣いていたろ頃だろう。まぁ…だからと言って犯人は、許さないけどな。俺…私の子をこんな目に合わせたんだからな。」
陛下は、少しだけ考えると後ろに控えていたロイスに声をかける。
「すまない、ロイス…入り口を守ってくれないか。これから…少し極秘の話をする。結界を張るが誰もここにいれないように頼む。」
ロイスは、はいと頷くと外に出た。
バルハルト公が念のためにと探索の魔法を使用した。
盗聴などを警戒してのようだ。
バルハルト公が陛下に頷く。
陛下が、呪文を唱え結界を張った。
それから陛下は、カーテンを閉めてから僕の方を見る。
「ジークに使われた毒は、王族が死ぬために作られているだけあってかなり強力なものだ。ジークはこのままだと立つこともできないくらいの後遺症が残ると思う。」
バルハルト公とジェン公が悲し気に頷く。
僕は唇を噛みしめた。
もっとはやく気が付いていたら。
リノに気を取られずに早く薬を飲ませていたら。
僕の考えなどお見通しだったのだろう。
ジェン公がお前の所為ではないよと僕の頭をぐりぐりと撫でた。
「ラスティには、ここで一つ…選択してほしい。」
陛下の言葉に僕は顔を上げる。
「…ジークを治療するか、このままにするかだ。」
僕は、目を丸くする、
そんなことは選択にはならない。
そう言おうとした僕をジェン公が止めた。
「何を言っているのだと思うだろうけど…先日話をしただろう?」
御伽噺についてだとジェン公は言う。
バルハルト公は、自分にはよく理解できていないのでなと少し不満げにつぶやいている。
僕にもよくわからない。
それがどうしてそんな選択になるのかが。
陛下は、苦く笑う。
「ジークを助けるためには…ラスティの神力が必要だ。リオンに神力がなく…次の聖者が現れていない。教会は聖者は唯一無二だと思っているから。現れない可能性として、彼らは王家に聖者がいると考えているのだと思う。王家の聖者は教会の聖者とは別だとは彼らは知らない。いや…知っていても信じない。そして…そういう者にとっての王家の聖者は邪魔なんだ。王家に聖者がいるかどうか確認するために。第二王子のジークハルトが現在一番王位継承権に近いから、排除も兼ねてだろうけど。リノはおそらく教会の誰かにそそのかされたのだろう。その誰かは…まだ特定できていない…情けないことだがね…。」
つまり…ジークハルトを治療する方法はある。
けれど、それには神力が必要で、ジークハルトが治ったということは、神力の使い手が王家にいるということ。
「でも…陛下も使えますよね?」
陛下は、うんと頷く。
「けど、私の力だけではジークハルトを完全に治すのは無理だ。教会は私の力は把握している。ジークハルトの状態を治したという事は…私以上の神力を持つ者がいるということになる…。ジークハルトの治療には…ラスティの力が必要だ。」
ジークハルトを治すということは、王家に聖者クラスの神力を使えるものがいるということ。
王家に聖者がいることを教会は嫌う。
僕を亡き者にするために、教会が命を狙う可能性があるということなのだろう。
御伽噺が本当ならば、僕の死は世界の崩壊を早めるが可能性がある。
実際繰り返しの生でのリオンの試練はそこから始まるから御伽噺と言って馬鹿にはできない。
リノの言った言葉、リオンが気に入っているから僕はしかたなく狙わなかったという趣旨のことを言っているということはリノが教会の教えを重視しているのだろうというのはわかる。
けどだ…。
リノはそれでもエスターの、王家の王子の従者だ。
教会が関わっていると確定するのは少し早い気もする。
教会がらみの人間が原因で僕は死んでいるから、可能性は高いけど、ここで教会だと絞ってしまうのも危険な気がする。
とはいっても、ジークハルトを治療すれば、何かしらのものに狙われる可能性は増えるのは確定だろう。
ジークハルトを
治療する ←
治療しない
そんな選択肢が僕の目の前にあるということなのだ。
まぁ…そんな選択一択ではないか?
ジークハルトは、僕にとって家族同然。
それに、守ると約束したばかりだ。
僕は陛下を見る。
「治療には、どうしたらいいですか?」
ジェン公は、複雑そうな表情をした。
息子を治したいけれど、僕のことも守りたい。
バルハルト公は、安堵しているようだった。
彼は、きっと僕に危険な目に合わないように守ればいいと結構単純に思っているのだと思う。
そういうものでもないが、まっすぐなバルハルト公に少し安心してしまう。
陛下は、少し悲し気な顔をしていた。
「うん…まぁ…わかっていたことだけども……ね…。」
そう言って陛下は、僕の手と握っているジークハルトの手を包み込むように自分の手を重ねた。
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