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第84話・魔法使いの集いとのギルドバトル1

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当然、前衛の中にはレンもいる。
魔法使いの集いなんて、ネタギルドに入りやがって。
ゼロがギルド作ったらしいから、俺も入りたいな~ってならんかったのか!

ただ、魔法使いの集いもEランクギルドってことは少しはやるのだろう。
相手ギルドの作戦としては魔法使い8人が魔法を放ち続けて、ヒーラーが回復と防御を担当するという戦法だろう。
単純な戦法だが、魔法使い8人は脅威だ。

「みんな、聞いてくれ。
相手ギルドは前衛魔法使い8、後衛ヒーラー3だ。
多分、魔法使い8人による魔法攻撃で圧倒しつつ、遠距離攻撃はヒーラーが防ぐといった作戦だと思う。
ルリは予定通り射程に入り次第攻撃をしてくれ、狙うのはヒーラーが守っていない魔法使いを優先で倒すこと。
アシュレイ様は、魔法使いの数が多いからルリが攻撃される可能性を考慮し、魔法が飛んで来たら防ぐこと。
レイナは隙を見てライジングスラッシュで移動すれば魔法に当たらず接近できると思うから、タイミングを見て攻め込んでよし。」

「はい!」「了解ですわ」「分かったわ」

さあ、魔法使いの集いはどうする。
fortuneの圧倒的遠距離火力のルリによる攻撃が相当きついと思うが、魔法使い8人という数の暴力で死を覚悟して突っ込んでくるのか?
じりじりと俺たちは魔法使いの集いに接近していく。

「射程に入りました!集中!速射!
攻撃します!」

ルリが集中と速射を使った瞬間に、魔法使い8人がものすごい勢いで下がる。
お、弓による遠距離攻撃がやばいと思ったのか?やるじゃないか。
魔法使い達とヒーラー3人の立ち位置が入れ替わり、大盾を前に構えてじりじりと進んでくる。
その後ろからヒーラーを盾にしながら魔法使い勢が進んでくる。

まあそうするしかないかもしれんが、ヒーラー3人でルリの猛攻を防ぎきれるか?
相手ヒーラー陣は防御スキルで身を固めつつ、3人寄り添い大盾を並べる。

「マルチプルアロー!」

ドシュ!ドシュ!ドシュ!ドシュ!

圧巻だな。1秒毎に10本ずつ同時に矢が放たれる。
高火力弓ボミングから放たれているため、防御するのも必死だろう。

「キャーーーーーー!」

アヤトの悲鳴が聞こえる。
アヤトは大盾に身を隠しながら、ルリから放たれれる矢を大盾で受けているようだ。
盾に10発の矢が当たるたびに爆音が響く。
ルリの矢は的確にアヤトの大盾だけに当たっている。

それにしても、アヤトは男だっていうのに声まで女だな。
どうなっとるんだ、この世界は。

「ウォーターウォール!」
「サンドウォール!」

おお!やるじゃないか!
後方にいるウィザードがビショップ3人の前に水の壁と砂の壁を張ったらしい。

「ルリ、ショットに切り替えて持久戦に変更。
マルチプルアローは消耗が激しいだろうから、ショットで弾幕を展開しつつ焦ってでてきた魔法使いを打ち抜け」

「了解です!」

ルリさんはマルチプルアローをやめ、ショットに切り替える。
ドドドドドドドド!と弓から矢が絶え間なく放たれ、ウォーターウォールとサンドウォールへ攻撃し続ける。


-魔法使いの集いside-
「ど、どうする?
砂の壁は用意したが、長くはもたいないぞ」

魔法使いの1人が動揺したような声で言う。

「私も、あのアーチャーの猛攻を受け続ければもたないと思う」

アヤトもアーチャーの攻撃は耐えきれないと言う。

「アヤトは俺が守る!」

「レン・・・」

二人は抱き合う。
知らない人が見れば美少女と抱き合う男の図のために、嫉妬や妬みが沸き上がる展開だが、ここにいる魔法使い7人とビショップ2人は白い目で見ている。
男同士でなにやってんだお前らと。

「正直なところ、非常にまずい。
とりあえず開幕はアヤトが耐えてくれたから一人も倒れてはいないが、こちらも壁を張り続けれるわけじゃない。
かといって攻撃するために前へでれば、アーチャーの攻撃をくらうものがでてしまう。
だが、このままではじり貧だ!
ビショップはウォーターウォールとサンドウォールが終わり次第、3人で大盾を前に前進。魔法使いはその後ろをついていって、アーチャーを射程に入れて魔法で倒す!
全員なにがあっても前進の気持ちを忘れるな!時間との勝負だ!
アーチャーにビショップが倒される前に決着をつける、いい・・・な?」

魔法使いの集いのギルドマスターが作戦を立てみんなに攻め込むぞと声を掛けている時に気配を感じ振り向く。
鬼がいた。


ルリがウォーターウォールとサンドウォールにショットを打ち続けていると、レイナが俺に向かって声をかけてくる。

「ゼロ、私の出番でいいわよね?」

本当に頼もしくなったものだ。
相手がルリの攻撃にたまらず視界を遮るような壁を設置したから、その隙に接近して倒してくると。

「レイナ、暴れてこい!
ルリ!レイナが危なくなったら最優先で援護を!」

「お任せください!」

「鬼人化!怒気!」

鬼人化によってレイナの体から真っ赤な妖気のようなものが現れる。
鬼人化は、一定時間攻撃力と防御力とHP大幅アップと攻撃を食らっても怯まなくなると。
怒気は、一定時間スタミナを無視してスキル打ち放題になる。
レイナ最強の自己バフコンボだ。

「ライジングスラッシュ!ライジングラッシュ!ライジングスラッシュ!ライジングスラッシュ!」

レイナは瞬間移動のように敵陣へ突っ込んでいく。
ウォーターウォールとサンドウォールを展開している横から魔法使いの集いを襲う。
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