上 下
128 / 155

第128話・悪魔の国との戦争5

しおりを挟む
ゼロの前に大きな魔法陣が5つ並び、後方の敵行軍部隊に向かって極太のエネルギー5本を放つ。

「ゴゴゴゴォーーーーーーーーーーーー!!!」

5つの大きな魔法陣から放たれた、ドラゴンブレスのような極太のエネルギーは轟音と地響きをたてながら、後方の敵行軍部隊全てを飲み込んでいく。
悪魔軍はブラストカノンのエネルギーに飲み込まれ続ける。大きな魔法陣は一定時間エネルギーを放出し続けると役目を果たしたかのうように消えていく。
敵行軍部隊で生き残っているは3体の上半身ムキムキの悪魔と、身長3mぐらいの巨大な翼が生えた上半身裸でムキムキの恐ろしい顔をしたデーモン的な上位悪魔だ。生き残った4体の悪魔もブラストカノンを受けて、ダメージを負っているようだ。

大量の敵を倒したことで俺のLVが51になった。
そうだった、ギルドバトルと違って戦争で敵を倒すとLVが上がるんだった!
それも3LVも上がった、すげー数の敵を倒したからだな!
うんうんと頷く。

「やってくれたな!!!人間共めー!!!!」

上位悪魔が野太い声が響き渡る。

「あの悪魔怖すぎでしょ、でかいし。レッド、お前はあのデーモン的なやつな」

「あんなおいしい獲物をくれるなんて、ゼロはいいやつだな!!!」

レッドはバンッ!という音を立てると、瞬間移動のように上位悪魔の元へ走って行く。

「この局面ではレッドのような勢いも重要だよな、爆風の剣!」

ゼロは爆風の剣を手に握りその場から一瞬で消えると、ムキムキの悪魔の目の前へ移動する。

「な、なんだとぉぉぉぉ!!!」

ムキムキの悪魔が叫んだと同時に爆風の剣での胴体ぶった切る。
他の2体のムキムキ悪魔はどうなっているんだと、呆然としている。あんなスピードで動けるのは、七大悪魔クラスじゃないのかと。

「グァ!!!」

「グゾォ・・・」

後のムキムキ悪魔2体へ瞬時に接近して、軽々と胴体をぶった切る。
こんな簡単に倒せるのか・・・まあブラストカノンをくらっているわけだから弱っていたってことだろうな。

ゼロは、ん~?と爆風の剣を眺める。
俺の爆風の剣が黒くなっているような気がするが・・・バーニアでの移動も一段と早くなった気もするが、気のせいだろうか。

ふと爆風の杖を見る・・・
な!爆風の杖が進化している!なんか大魔法使いが持っているような歪で神々しいような見た目の杖になった。それも、黒い風を纏い出している。
これが爆風の杖の本来の姿か!50LVで真の姿になる的なことをダンが言ってたもんな。
カッコイィー!とゼロはレッドそっちのけで喜ぶ。
その頃、レッドは一番遠方にいた大将格に向けて走り、接敵しようとしていた。

「行くぞぉぉ!!!!デカブツ!!!!」

レッドの赤いオーラがより強く膨れ上がり、大剣にいたっては赤いオーラがさらに大きな大剣をかたどり、レッドの身長の2倍以上の大きさになった。それを軽々と担ぎ、上位悪魔へ接近すると、レッドは飛び上がって大剣を振り下ろす。

「ふはははははははは!
真!爆心地!」

「なめるなよ!!!小僧!!!
ダークネスバースト!!!」

上位悪魔は体から黒いもやを膨れ上がらせて、なにかを貯めたかのように口が膨れ上がる。
その口の中のものをレッドへ向けて解放すると、禍々しい黒いビームのようなものがレッドに放たれる。

レッドの赤いオーラの大剣と上位悪魔のダークネスバーストが衝突すると、ものすごい爆発音と共にレッドと上位悪魔を中心とした巨大な爆発が起こる。
ゼロはムキムキ悪魔3体を討伐して、進化した爆風の杖にを見てカッコイィ―と杖に夢中だったため、予想だにしない大爆発音が耳に飛び込みビクッと体が硬直しレッド達のほうを向く。

あっつ!ゼロは熱風を避けるように手をかざす。
爆風の熱がここまで来るんだけど!
まじか~、あんな大爆発を大剣の一振りでおこせるのか、すげえな。
大爆発していた戦場が、徐々にはれてくる。

「っはあああ!やりおるわ!!!!」

上位悪魔は胸を張り爆発を吹き飛ばす。あの大爆発をくらったにしてはダメージが少ないように見える。いや超回復系か?

「くくく、お前本当に七大悪魔とかいうやつだったのか?」

レッドは笑いながら、赤いオーラを纏った巨大な大剣を担ぐ。

「我が名はサタン!七大悪魔の一人よ、人間よ名は」

「俺は王国軍最強、虹の赤のレッドだ!」

「ほお、お前がイーリス王国切り札の虹か。
だが、先ほどの爆発程度の攻撃しかできぬのなら退け!我らの目的は人間の滅亡ではなく、イーリス王国を潰す。ただそれだけだ」

ゼロは気配をなるべく消しつつ近寄って、サタンとレッドの話しを聞いていた。
サタンは人間の滅亡が目的ではないと。この時点で悪いやつじゃないように思える。
黒龍が言ってたように、ベルゼブブとアスモデウス以外は筋さえ通せばルシファー側につきそう気がする。サタンは今後の悪魔の国に必要だろう!

「ああ?!お前、俺が弱いって」

レッドがしゃべっている途中で、サタンとレッドの間にゼロが瞬間移動のよう現れて割り込み、サタンへ向かって話をする。
しおりを挟む
1 / 3

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!


処理中です...