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ギルバート視点
ダンジョンは長い洞窟だ。
最初は魔物やトラップばかりだった。
勇者は魔王との戦いのために体力を温存しておきたいようだ。
ほとんどの魔物は私とフローレンスの魔法で倒してきた。
だがこいつはそうもいかないようだ。
ミイラのような姿だが動いている。知性もあるようだ。
フローレンスが言うには、
「あれはリッチです。死者や魔法を使います。」
やっと神官やら聖女やらの出番か?
「ひ弱な人の身でよくぞここまでたどり着いたな。
誉めてつかわそう。
我は屍の王。
闇に巣くう者を束ねる者。
かわいそうだが、この先へ通すわけにはいかぬ。
出でよ、アンデットの兵士達よ!」
地面から骸骨の兵士が湧いてきた。
神官が後方から声をあげる。
「アンデットなど恐れるに足らぬ!
聖なる光よ、我らを守りたまえ!」
神官が光出した。
その光は徐々に広がり、アンデット達が砂のように崩れてゆく。
勇者は聖なる剣を構えてリッチに立ち向かった。
大きく振りかぶり、一撃で斬り倒した。
「ぎぃやあぁぁぁー!
…なんちゃって。」
ん?
「はい、皆さんお疲れ様。撤収してくださーい。」
先ほど砂になったアンデットはもとの姿に戻り、大きな扉の隣にある小さな扉から消えて行った。
「あ、あれは通用口ですので皆様はこちらの大きな扉が開くまで少々お待ちください。」
どういう事だ?
私に対して深々と礼をとり、
「ギルバート様、魔王様の眷族であらせられるあなた様に対するご無礼お許し下さい。
一応こちらが最終ステージで私を倒せばゴールの魔王城到達でございます。
ですが、先ほどの聖なる光も剣も私どもには効果がございません。
あなた様とあなた様の配下であられるそちらのダークエルフ殿以外はすべてアンデットの餌食となりますでしょう。
魔王様より初回限定特別サービスイージーモードで戦うよう仰せつかっております。」
ふふっ、ジュリアスめ、ふざけた事を。
まあ、あんな単純な攻撃でやられる奴らではないと思ったが。
「ふ、ふざけるな!」
勇者が叫んだ。
「どういう意味だ?お前らは魔王とぐるだったのか?」
「別にお前達の仲間になった覚えは無いが?」
そうなのだ。
たまたま行き先が同じだっただけで役に立つかと思って同行したが、全く何の役にもたたない奴らだった。
「まあ、得したと思って付いてこい。」
「そういう訳にはまいりません!」
今度は神官だ。
「我々は魔王を討伐に来たのです。
こうなれば袂を別つしかございません。」
「それでもいいが、私から離れれば魔物の餌だぞ?聖女はまあ…ゴニョゴニョ(小声)されて生かしてもらえるかもしらんが。」
「嫌ぁー!私は嫌よ!ギルバート様と行きます!」
聖女が腕にしがみつく。
ダンジョンに入ってからの戦いぶりを見ていれば、誰に頼ればいいかわかっているようだ。
勇者は呆然としている。
あんなに勇者にべったりだったのにな。
ダンジョンは長い洞窟だ。
最初は魔物やトラップばかりだった。
勇者は魔王との戦いのために体力を温存しておきたいようだ。
ほとんどの魔物は私とフローレンスの魔法で倒してきた。
だがこいつはそうもいかないようだ。
ミイラのような姿だが動いている。知性もあるようだ。
フローレンスが言うには、
「あれはリッチです。死者や魔法を使います。」
やっと神官やら聖女やらの出番か?
「ひ弱な人の身でよくぞここまでたどり着いたな。
誉めてつかわそう。
我は屍の王。
闇に巣くう者を束ねる者。
かわいそうだが、この先へ通すわけにはいかぬ。
出でよ、アンデットの兵士達よ!」
地面から骸骨の兵士が湧いてきた。
神官が後方から声をあげる。
「アンデットなど恐れるに足らぬ!
聖なる光よ、我らを守りたまえ!」
神官が光出した。
その光は徐々に広がり、アンデット達が砂のように崩れてゆく。
勇者は聖なる剣を構えてリッチに立ち向かった。
大きく振りかぶり、一撃で斬り倒した。
「ぎぃやあぁぁぁー!
…なんちゃって。」
ん?
「はい、皆さんお疲れ様。撤収してくださーい。」
先ほど砂になったアンデットはもとの姿に戻り、大きな扉の隣にある小さな扉から消えて行った。
「あ、あれは通用口ですので皆様はこちらの大きな扉が開くまで少々お待ちください。」
どういう事だ?
私に対して深々と礼をとり、
「ギルバート様、魔王様の眷族であらせられるあなた様に対するご無礼お許し下さい。
一応こちらが最終ステージで私を倒せばゴールの魔王城到達でございます。
ですが、先ほどの聖なる光も剣も私どもには効果がございません。
あなた様とあなた様の配下であられるそちらのダークエルフ殿以外はすべてアンデットの餌食となりますでしょう。
魔王様より初回限定特別サービスイージーモードで戦うよう仰せつかっております。」
ふふっ、ジュリアスめ、ふざけた事を。
まあ、あんな単純な攻撃でやられる奴らではないと思ったが。
「ふ、ふざけるな!」
勇者が叫んだ。
「どういう意味だ?お前らは魔王とぐるだったのか?」
「別にお前達の仲間になった覚えは無いが?」
そうなのだ。
たまたま行き先が同じだっただけで役に立つかと思って同行したが、全く何の役にもたたない奴らだった。
「まあ、得したと思って付いてこい。」
「そういう訳にはまいりません!」
今度は神官だ。
「我々は魔王を討伐に来たのです。
こうなれば袂を別つしかございません。」
「それでもいいが、私から離れれば魔物の餌だぞ?聖女はまあ…ゴニョゴニョ(小声)されて生かしてもらえるかもしらんが。」
「嫌ぁー!私は嫌よ!ギルバート様と行きます!」
聖女が腕にしがみつく。
ダンジョンに入ってからの戦いぶりを見ていれば、誰に頼ればいいかわかっているようだ。
勇者は呆然としている。
あんなに勇者にべったりだったのにな。
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