91 / 94
91
しおりを挟む
まさか僕の知らない所で僕の子供が出来ているなんてね。
「それにしてもジュリアスはぜんぜん変わらないわね。」
「アンジェリカは大人になったね。」
女王としての風格もある。
「アーサー殿下がユリウスをジュリアスの子供にしたかったのは他に理由があるのよ。」
帝国に妃や子供をを何人も持つ兄上なら一人くらい増えてもいいかなって訳じゃないの?
アンジェリカは侍女に一冊の絵本を持ってこさせた。
昔、ある国にとてもとても美しく心の優しい賢いアンジェリカというお姫様がいました。
お姫様には婚約者がいました。
その国のレナードという王子様でした。
アンジェリカはいつか王子様と結婚して王女になるのだからと、この国の為に一生懸命勉強して立派な人になりました。
ですが王子様は愚かで浮気者でした。
ある日、愚かなレナードは旅の踊り子と恋に落ち、アンジェリカに婚約破棄を突き付けました。
アンジェリカは別にレナードを好きではなかったけど傷つきました。
これまで一生懸命この国の為に尽くしてきた事が水の泡になってしまうのです。
だけどその時、この国の王様は怒りました。
お前のような愚かな王子はいらない、この国はアンジェリカに任せると。
突然この国の女王になったアンジェリカは不安でした。
本当に自分にそんな大役が務まるのかと。
その時、この国よりも、もっと大きな大国の皇子様が手を差しのべてくれました。
以前よりずっと想いを寄せていたと。
だけど、婚約者のいるアンジェリカにはそんな事を言えなくて諦めていました。
婚約を破棄したのならば自分と結婚して欲しいと申し出てくれたのです。
アンジェリカはとても嬉しく思いました。
だってアンジェリカも本当はずっとその金髪で青い目をしたステキな皇子様が好きだったのです。
皇子様はすぐに自国へ戻り、結婚の許しを得てくると言いましたが、その前に二人だけで小さな結婚式を挙げました。二人とも嬉しくて待てなかったのです。
そして皇子様は自国へと旅立ちました。
ところが、それから数日後、大変な事が起こったのです。
とてもとても美しいアンジェリカの噂をどこからか聞きつけた魔族が、お城からアンジェリカを拐ってしまったのです。
それを知った皇子様は急いで魔族のいる魔界にアンジェリカを助けに行きました。
魔界の魔物達はなぜかいつもより狂暴で皇子様の行く手を阻みました。
ですが皇子様は愛するアンジェリカを助けるため頑張りました。
やっとの事で魔族の元へたどり着くと、得意の魔法であっという間に倒してしまいました。
それまで人間と魔族は境界線を守り、人を拐うことなどありませんでした。
魔物達も狂暴になり人里を襲う事もありませんでした。
なぜこんな事がおきてしまったのだろうかと話していたそこへ、よろよろと年老いた魔族がやってきました。
驚くことにその魔族は自分が魔王だと名乗りました。
魔王は見ての通り力が衰えて魔族や魔物を従える事が出来なくなってしまったと言うのです。
そしてどうか皇子様に魔王になって欲しいとお願いしたのでした。
魔王が弱いと魔族が勝手に人間を襲ったり魔物が狂暴になったりするのだそうです。
このまま魔王がいなくなったら人間界は魔族にめちゃくちゃにされてしまいます。
皇子様は悩みました。
世界には自分が必要だけれど、アンジェリカとは一緒にいられなくなります。
魔界と人間界では時間の流れが違うからです。
アンジェリカも悩みました。
皇子様とは一緒にいたいけれど、それでは世界も自分の大切な国も大変な事になってしまいます。
そして愛する二人は泣く泣く別の道を歩くことにしました。
そして昼はそれぞれの役目を果たすため一生懸命働き、夜は空を見上げきっと同じ月を見ているとお互いを想うのでした。
女王と魔王になった皇子様
「それにしてもジュリアスはぜんぜん変わらないわね。」
「アンジェリカは大人になったね。」
女王としての風格もある。
「アーサー殿下がユリウスをジュリアスの子供にしたかったのは他に理由があるのよ。」
帝国に妃や子供をを何人も持つ兄上なら一人くらい増えてもいいかなって訳じゃないの?
アンジェリカは侍女に一冊の絵本を持ってこさせた。
昔、ある国にとてもとても美しく心の優しい賢いアンジェリカというお姫様がいました。
お姫様には婚約者がいました。
その国のレナードという王子様でした。
アンジェリカはいつか王子様と結婚して王女になるのだからと、この国の為に一生懸命勉強して立派な人になりました。
ですが王子様は愚かで浮気者でした。
ある日、愚かなレナードは旅の踊り子と恋に落ち、アンジェリカに婚約破棄を突き付けました。
アンジェリカは別にレナードを好きではなかったけど傷つきました。
これまで一生懸命この国の為に尽くしてきた事が水の泡になってしまうのです。
だけどその時、この国の王様は怒りました。
お前のような愚かな王子はいらない、この国はアンジェリカに任せると。
突然この国の女王になったアンジェリカは不安でした。
本当に自分にそんな大役が務まるのかと。
その時、この国よりも、もっと大きな大国の皇子様が手を差しのべてくれました。
以前よりずっと想いを寄せていたと。
だけど、婚約者のいるアンジェリカにはそんな事を言えなくて諦めていました。
婚約を破棄したのならば自分と結婚して欲しいと申し出てくれたのです。
アンジェリカはとても嬉しく思いました。
だってアンジェリカも本当はずっとその金髪で青い目をしたステキな皇子様が好きだったのです。
皇子様はすぐに自国へ戻り、結婚の許しを得てくると言いましたが、その前に二人だけで小さな結婚式を挙げました。二人とも嬉しくて待てなかったのです。
そして皇子様は自国へと旅立ちました。
ところが、それから数日後、大変な事が起こったのです。
とてもとても美しいアンジェリカの噂をどこからか聞きつけた魔族が、お城からアンジェリカを拐ってしまったのです。
それを知った皇子様は急いで魔族のいる魔界にアンジェリカを助けに行きました。
魔界の魔物達はなぜかいつもより狂暴で皇子様の行く手を阻みました。
ですが皇子様は愛するアンジェリカを助けるため頑張りました。
やっとの事で魔族の元へたどり着くと、得意の魔法であっという間に倒してしまいました。
それまで人間と魔族は境界線を守り、人を拐うことなどありませんでした。
魔物達も狂暴になり人里を襲う事もありませんでした。
なぜこんな事がおきてしまったのだろうかと話していたそこへ、よろよろと年老いた魔族がやってきました。
驚くことにその魔族は自分が魔王だと名乗りました。
魔王は見ての通り力が衰えて魔族や魔物を従える事が出来なくなってしまったと言うのです。
そしてどうか皇子様に魔王になって欲しいとお願いしたのでした。
魔王が弱いと魔族が勝手に人間を襲ったり魔物が狂暴になったりするのだそうです。
このまま魔王がいなくなったら人間界は魔族にめちゃくちゃにされてしまいます。
皇子様は悩みました。
世界には自分が必要だけれど、アンジェリカとは一緒にいられなくなります。
魔界と人間界では時間の流れが違うからです。
アンジェリカも悩みました。
皇子様とは一緒にいたいけれど、それでは世界も自分の大切な国も大変な事になってしまいます。
そして愛する二人は泣く泣く別の道を歩くことにしました。
そして昼はそれぞれの役目を果たすため一生懸命働き、夜は空を見上げきっと同じ月を見ているとお互いを想うのでした。
女王と魔王になった皇子様
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる