戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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 エンディングの直後って…。
 それじゃあよくある転生物のように内容知ってるから無双なんておいしい思い出来ないじゃないのっ!
 いや、それ以前になんで男?こういうのって可愛いピンクの髪のヒロインや、聖女とか、悪くても綺麗な悪役令嬢になるんじゃないの?
 男だとしてせめてテリオス君が良かったよ。
 なんでよりによってアレクシオン?いや、いい人だよ。いい人だけどこの人になるのは無理。
 帝国随一の戦士で190を越える身長、さらにそれを越える大剣を軽々と使いこなし、押し寄せる敵を薙ぎ倒す。
「ガルディバノンの戦鬼」
 これが今の私の通り名だ。
 青みがかった黒髪に、銀の瞳。
 顔立ちは端正だが戦場にいる事が多かった為か少し影りがある。
 広い肩幅に厚い胸板、鍛えぬかれた体は男が惚れる男って感じ。
 今はしばらく寝たきりで筋肉が萎えてしまったらしいけど、これで痩せたとか言われるって元はどんなゴリラだったのよ?
 この無骨な男が時折見せる優しさとか、めったに見せない笑顔とかにキュンとしたもんだが…。
「あの、ちょっと色々無理なんで休ませて下さい。」
「そうですわね…では…。」
 聖女はすくっと立ち上がり、
「アレクシオン様に聖女セレスティーナの祝福を!」
 両手を掲げるとなんと天から光が降り注ぐ。これが「祝福」ん?…んんっ?
 何?
 何か変わった?
 何も感じない私がおかしいのかも知れないし、ここは場の雰囲気に合わせよう。
 皆、両手を組んでお祈りのようなポーズをしているので真似ておこう。
「では、ごゆっくりお休み下さい。記憶が戻ることをお祈りいたしております。」
 そう言って聖女様ご一行は部屋を後にした。
 医者や侍女達にも下がるよう言い、テリオス君だけ残ってもらった。彼が一番信用出来そうだったから。決して顔で選んだわけじゃないよ。
「あのさ、ちょっと突拍子もない事言うけど、聞いてくれるかな?」
「はい、何なりと。」
「私、アレクシオンじゃないんです。」
「はい?」
「中身が入れ替わっているんです。」
「思い出せないから混乱していらっしゃるのでは?」
「違うの。本当の私はこことは違う世界で生きて死んだ「有木 紫音」っていう女性だったんです。」
「そう…ですか。」
 困惑している?
 やっぱりこんな話信じてもらえないかな?
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