戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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 夢を見る。
 寝ている時、いつもなのか時々なのか。
 長い間なのか、一瞬なのかもわからないが。
 夢の中で私は元の私の姿で、アレクシオンを見ている。
 最初は血だらけで泣き叫んでいたから怖かったけど最近は膝を抱えてうずくまっている。
 今日もまた。
 傷だらけの身体で膝を抱えて動かない…ってうそ!動いた?
 ゆっくりと顔を上げてこちらを見ている?やだ怖い、怖い!
「怖いっ!」
 逃げようとしたら目が覚め、叫びながら飛び起きた。
「どうされました?」
「…テリオス君?」
「はい、ひどくうなされていたようですが。」
 タオルで額の汗を拭いてくれた。
 怖かった。
 今までこちらなど気にする様子もなくて動かなかったのに、目が合った?目からも血が流れてたし。もぉー何?ホラーなの?
 身体…返して欲しいのかな?
 そしたら私はどうなるんだろう?
 きっと元の身体はもう死んじゃってると思うけど、万が一戻れたとしても瀕死の身体に戻るのはちょっと嫌だな。今もやっと瀕死から脱け出せたところだし。
 また死ぬのは怖い。
 テリオス君?
 とても自然に服を脱がせてますけど?
「ちょっと、あの、もう自分で出来るから!」
 そう、目覚めてから半年がすぎ指先の麻痺はだいぶ良くなってる。
「まだ時間がかかるじゃないですか。早く汗を拭かないと風邪をひいてしまいます。」
 そんなにひどく汗かいてないし。
 手際よく汗を拭いて新しいシャツを着せる。
 ところで何で寝室にいるの?
 時計をみれば午前2時。
「…なんでこんな時間に部屋に?」
「……。」
「まさか毎晩寝ないで付き添ってたの?」
「…寝てます。これから寝ます。」
 なぜかちょっと怒ったように部屋から出て行った。
 いつも気がつけば側にいる。夜中もずっといたんだろうな。
 彼の献身さは異常だ。
 きっとアレクシオンの事を上官として以上に好きだったんだろう。私じゃなく、元のアレクシオンを。
 じゃなきゃあんな事までしないはず。
 初めてお風呂でアレを触られてから、その後も何度となく手でいかされた。
 最初のうちは手の自由が効かない事を理由に。他にも色々、人前で大きくなったら恥をかきますよ、なんて言われたり。
 でもそんなのはアレクシオンに触れたい為の言い訳なんじゃないかな。
 ああーでも、…はっきりきっぱり拒絶できないんだよね。
 だって気持ち良すぎるし。
 これが不細工なおっさん相手なら断固拒否できるだろうけど、天使のような美青年だよ?
 最近は自分の身の回りの事は出来るようになってきたから少しずつ過剰な接触はさけるようにして遠ざけている。
 きっと、さっき汗を拭いたのもアレクシオンに触れたかったから。
 テリオス君は言わないけど、きっと元のアレクシオンに戻ってほしいんだろうな。
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