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アレクサンドリア視点
街での買い物の帰り道、平民らしき人影が手を振っていた。
通りすぎようとして馬車を止めた。
みすぼらしいドレスを着ているのは変わり果てたセレスティーナ。
髪も結わず化粧もしていないけれどわたくしに対する敵意だけは相変わらずですわね。
でも…なんて哀れなんでしょう。
本音を言えばこんな女どこでの垂れ死んでも構いませんけれど。
見つけちゃったものはしょうがないわね。
シオンちゃんと顔をあわせないように細心の注意をして離に連れて行った。
魔搭に使いをやり一人の魔術師に来てもらった。
白髪の歳もわからないくらいの老婆。
老婆はセレスティーナに近づいて、
「ごきげんよう聖女様。あなたを助けにきましたよ。」
「まあ、どなた?ドレスメーカーの方でもなさそうだし…貴族でもなさそう。どうやってわたくしを救って下さるの?」
「あなたに祝福を!」
今まで見たこともない目映い光が降り注いだ。
「あなたは今まで夢を見ていました。幸せな夢でした。もう目覚めなさい。あなたは国境近くの村で産まれたセレス。今は神殿の寮で働く下女です。」
「…私は下女?そうだったかしら?そうねきっとそう…。」
そう言って歩き疲れたのか眠ってしまった。
老婆は、
「しばらくは大丈夫だろう。だが、この娘は完全には元には戻らないかもしれない。この娘の暗示は強力だ。自分でも知らぬうちに自分にも暗示をかけて、そこから抜け出せなくなったのだ。
許されない罪も犯しただろうがこれには罪悪感もない。
許せとは言わぬが怒るだけ無駄だ。諦めなさい。」
確かに許せないわ。でももう罰は受けたのではないかしら?そう思う事にしましょう。
恨んでいる時間ももったいないわ。
わたくしはこれからも子供達と幸せに生きていくんですもの。
こんな哀れな女にかまっていられませんわ。
「ありがとうございました。
許せる日が来ることは無いですが、忘れる事につとめますわ。
ところであなたは聖女だったのですか?とても強力な光魔法のようでしたけれど?」
老婆は首を横に振り、
「いいや、聖女なんぞおらん。このようなおぞましい力を神が授けるなどありえん。
わしは魔女だよ。
知らぬうちに人を傷つけ陥れる、恐ろしい魔女じゃ。
せめてもの罪ほろぼしに魔搭で研究を続けておる。光魔法による被害者が増えぬようにな。」
そう言って帰って行った。
セレスティーナは寝ているうちに下男に馬車で聖女の館に送らせた。
街での買い物の帰り道、平民らしき人影が手を振っていた。
通りすぎようとして馬車を止めた。
みすぼらしいドレスを着ているのは変わり果てたセレスティーナ。
髪も結わず化粧もしていないけれどわたくしに対する敵意だけは相変わらずですわね。
でも…なんて哀れなんでしょう。
本音を言えばこんな女どこでの垂れ死んでも構いませんけれど。
見つけちゃったものはしょうがないわね。
シオンちゃんと顔をあわせないように細心の注意をして離に連れて行った。
魔搭に使いをやり一人の魔術師に来てもらった。
白髪の歳もわからないくらいの老婆。
老婆はセレスティーナに近づいて、
「ごきげんよう聖女様。あなたを助けにきましたよ。」
「まあ、どなた?ドレスメーカーの方でもなさそうだし…貴族でもなさそう。どうやってわたくしを救って下さるの?」
「あなたに祝福を!」
今まで見たこともない目映い光が降り注いだ。
「あなたは今まで夢を見ていました。幸せな夢でした。もう目覚めなさい。あなたは国境近くの村で産まれたセレス。今は神殿の寮で働く下女です。」
「…私は下女?そうだったかしら?そうねきっとそう…。」
そう言って歩き疲れたのか眠ってしまった。
老婆は、
「しばらくは大丈夫だろう。だが、この娘は完全には元には戻らないかもしれない。この娘の暗示は強力だ。自分でも知らぬうちに自分にも暗示をかけて、そこから抜け出せなくなったのだ。
許されない罪も犯しただろうがこれには罪悪感もない。
許せとは言わぬが怒るだけ無駄だ。諦めなさい。」
確かに許せないわ。でももう罰は受けたのではないかしら?そう思う事にしましょう。
恨んでいる時間ももったいないわ。
わたくしはこれからも子供達と幸せに生きていくんですもの。
こんな哀れな女にかまっていられませんわ。
「ありがとうございました。
許せる日が来ることは無いですが、忘れる事につとめますわ。
ところであなたは聖女だったのですか?とても強力な光魔法のようでしたけれど?」
老婆は首を横に振り、
「いいや、聖女なんぞおらん。このようなおぞましい力を神が授けるなどありえん。
わしは魔女だよ。
知らぬうちに人を傷つけ陥れる、恐ろしい魔女じゃ。
せめてもの罪ほろぼしに魔搭で研究を続けておる。光魔法による被害者が増えぬようにな。」
そう言って帰って行った。
セレスティーナは寝ているうちに下男に馬車で聖女の館に送らせた。
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