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マティアス視点
どうにもシオンの様子が気になる。
リタ嬢の小説を読んだせいかシオンが私の事を慕っているのではないかと。もしや婚約の事を気に病んでいるのでは?いやいやさすがに自意識過剰であろう。
きっと無理をして狩猟大会に参加したせいで疲れたのだろう。
「シオン、疲れたのではないか?」
「大丈夫です。最近はだいぶ体力もついたんですよ。」
そう笑う姿はやはり力無いように見える。
「狩猟大会といっても本気で狩りをしている者は少ない。他の者に任せて少し休もう。」
この辺りは皇家の土地で平民が間違って入り込み事故にならぬよう、周辺は厳重に警備されているから安全だ。
馬から降りて木陰で休む事にした。
手首のリボンが気になるが外す事も出来ぬし。
「綺麗な色ですね。」
「あっ…ああ。」
やはりこれを気にしていたか。
シオンも戦鬼と呼ばれる前までは大勢の令嬢に縛られていたが…今は誰一人いないのか。
「婚約の事だか、内密だが私とリタ嬢との契約だ。結婚は考えていない。」
これではなんだか言い訳をしているみたいではないか?
「そうですか…でもそうだとしてもリタ嬢は傷つくのではないですか?」
「そうだな。私は不誠実だな。」
「浅はかですね、私は。失言でした。そうする必要があるからですよね。お優しいマティアス殿下が訳もなく人を傷つけるはずは無いのに。」
いいや、私は優しくなど無い。私の優しさはどうしたら好感をもたれるか計算づくだ。
「シオンはこれからどうするのだ?お前も伴侶を得なければならぬだろう?」
さみしそうな笑顔。
やはり私の事を?
「後継者なら問題ありません。アレクサンドリアの子達を養子にしてあります。私は子を成す事はありません。毒の後遺症が遺伝子に現れないとはかぎりませんから。」
「子の事だけではない。人生の伴侶は必要ではないか?」
「それは愛する人でしょうか、政略的な相手でしょうか。
ご自分は愛する人と結ばれることが叶いますか?」
私は馬鹿か。
シオンは複雑だ。
姿はアレクシオンでも心は女性。
望む答えが欲しいばかりに質問でシオンを傷つけていた。
はあっ?望む答え?いやいやいやいや!
何を望むというのだ。
顔が火照る。
きっと初夏の日差しのせいだ。
シオンはこんな汗ばむような日でも涼やかだ、風が髪を揺らしている。ああそうかシオン自身が風をまとっているのか。
髪に手を伸ばそうとした時だった、馬を走らせながら叫ぶ令嬢の声が、
「殿下、伏せて!」
どうにもシオンの様子が気になる。
リタ嬢の小説を読んだせいかシオンが私の事を慕っているのではないかと。もしや婚約の事を気に病んでいるのでは?いやいやさすがに自意識過剰であろう。
きっと無理をして狩猟大会に参加したせいで疲れたのだろう。
「シオン、疲れたのではないか?」
「大丈夫です。最近はだいぶ体力もついたんですよ。」
そう笑う姿はやはり力無いように見える。
「狩猟大会といっても本気で狩りをしている者は少ない。他の者に任せて少し休もう。」
この辺りは皇家の土地で平民が間違って入り込み事故にならぬよう、周辺は厳重に警備されているから安全だ。
馬から降りて木陰で休む事にした。
手首のリボンが気になるが外す事も出来ぬし。
「綺麗な色ですね。」
「あっ…ああ。」
やはりこれを気にしていたか。
シオンも戦鬼と呼ばれる前までは大勢の令嬢に縛られていたが…今は誰一人いないのか。
「婚約の事だか、内密だが私とリタ嬢との契約だ。結婚は考えていない。」
これではなんだか言い訳をしているみたいではないか?
「そうですか…でもそうだとしてもリタ嬢は傷つくのではないですか?」
「そうだな。私は不誠実だな。」
「浅はかですね、私は。失言でした。そうする必要があるからですよね。お優しいマティアス殿下が訳もなく人を傷つけるはずは無いのに。」
いいや、私は優しくなど無い。私の優しさはどうしたら好感をもたれるか計算づくだ。
「シオンはこれからどうするのだ?お前も伴侶を得なければならぬだろう?」
さみしそうな笑顔。
やはり私の事を?
「後継者なら問題ありません。アレクサンドリアの子達を養子にしてあります。私は子を成す事はありません。毒の後遺症が遺伝子に現れないとはかぎりませんから。」
「子の事だけではない。人生の伴侶は必要ではないか?」
「それは愛する人でしょうか、政略的な相手でしょうか。
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私は馬鹿か。
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はあっ?望む答え?いやいやいやいや!
何を望むというのだ。
顔が火照る。
きっと初夏の日差しのせいだ。
シオンはこんな汗ばむような日でも涼やかだ、風が髪を揺らしている。ああそうかシオン自身が風をまとっているのか。
髪に手を伸ばそうとした時だった、馬を走らせながら叫ぶ令嬢の声が、
「殿下、伏せて!」
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