戦鬼は無理なので

あさいゆめ

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 私が死んだ後、家族はどのくらい悲しんだだろうか。
 そう思うとこうして生きているのが少し申し訳なく思う。
 知らせる方法も無いしな。
 ママがなんとなくわかっているかも知れないけど、そんな事他の人に言っても頭がおかしくなったと思われるかも。
 弟は大丈夫だろうか。
「痛っ!」
 縫い物をしながら考え事をしていたら針で指を刺してしまった。
 テリオス君が無言で針を取り上げ、指に薬を塗る。ポーション入りの傷薬は針の刺し傷くらいなら一瞬で治る。
「まだ、完全に麻痺は治っていないのですから気をつけて下さいね。」
「うん…。」
 たぶん弟と同じ魂を持つテリオス君。
 弟と私は血の繋がりは無かった。それを知っていたのは私だけだったけど。
 ママと祖母が話しているのを偶然聞いたから。
 でも、弟はパパの死んだ弟の子供で私とは従弟にあたる。
 産気付いた為病院へと夫婦で車で向かっていた途中、居眠り運転のトラックと事故にあった。
 叔父は即死、叔母は瀕死の状態で出産した後息をひきとったのだと。
 産まれた時から弟だったし従弟も弟もまあ同じようなもんだと思ってあまり気にならなかった。実際、私とそっくりな弟を他人とは思え無かったが、従弟って結婚できたんだよな。
 弟がもし血の繋がりが無いと知っていたらどうなっていたかな。まあ、パンツはたたませたりしなかったわな。
 私が死んで悲しんだだろうけど、立ち直っているといいな。
 めんどくさかったけど、やっぱり大切なかわいい弟だった。
 ぼーっとテリオス君を見つめながら考えていると気づいたのか頬を赤らめて、
「なんですか?」
「ん…いつもありがとう。」
 弟にはろくにお礼も言わなかった。
 勝手にやってるんだからと。
 ひどい姉だったな。
「なんですか?急に…。」
 ツンツンしているけどきっと照れているのだろう。かわいい。
「…リオ…理央という弟がいたんだ。私はひどい姉でね、さんざん世話になっていたのに礼の一つも言わずに死んでしまったんだ。テリオス君は弟に似ている。見た目は違うけど。」
「不思議ですね。僕は子供の頃リオって呼ばれてました。」
 母はテリオス君には会ってはいないのに知っていたのだろうか?今もこの瞬間も見守っているのだろうか?
「あの…差し支えなければリオとよんでいただけたらと…。」
「いいの?」
「その、前から気になってたんですけど、「君」を付けるのやめてほしかったんです。子供みたいじゃないですか。」
「だってかわいいから。」
「そのかわいいもやめて下さい。」
「私はかわいい物が好きなの!」
「はっ…なっ…バカにしないで下さい!」
 真っ赤になって出て行ってしまった。
 罪滅ぼしにはならないけど、テリオス君にはちゃんとお礼を言うようにしよう。
 からかうのは止められそうにないけど。
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